『 青春歌年鑑('78-2 ) 』

〜 「かもめが翔んだ日」 から 「さよならだけは言わないで」 まで 〜


01 君のひとみは10000ボルト / 堀内孝雄
02 微笑がえし / キャンディーズ
03 Mr.サマータイム / サーカス
04 迷い道 / 渡辺真知子
05 時には娼婦のように / 黒沢年男
06 宿無し / 世良公則&ツイスト
07 プレイバック Part2 / 山口百恵
08 冬の稲妻 / アリス
09 ジョニーの子守唄 / アリス
10 飛んでイスタンブール / 庄野真代
11 かもめが翔んだ日 / 渡辺真知子
12 あんたのバラード / 世良公則&ツイスト
13 冬が来る前に / 紙ふうせん
14 絶体絶命 / 山口百恵
15 東京ららばい / 中原理恵
16 かもめはかもめ / 研ナオコ
17 涙の誓い / アリス
18 林檎殺人事件 / 郷ひろみ&樹木希林
19 キャンディ / 原田真二
20 さよならだけは言わないで / 五輪真弓
21 ブルースカイブルー / 西城秀樹
22 夏のお嬢さん / 榊原郁恵
23 ANAK(息子) / 杉田二郎
24 いとしのロビン・フッドさま / 榊原郁恵
25 バイブレーション(胸から胸へ) / 郷ひろみ
26 闘牛士 / CHAR
27 ドール / 太田裕美
28 横浜いれぶん / 木之内みどり
29 暖流 / 石川さゆり
30 青春の影 / チューリップ


(2010年10月01日更新)


 ということで、1978年編 (その2)なんですが、心は既に小松の航空祭に飛んでおります。 「かもめが翔んだ日」 のレビューなど、書いてる場合ぢゃないっ!…という気がするんですが、9月30日15:00現在、日曜日の金沢あたりの天気予報を見ると、どうも雨っぽいんすよねー。 天気が悪いとカモメくらいしか翔ばなかったりするので、気が気ではありませんが、せめてカモメのほかにカモも翔んでくれれば…。 とまあそんなことで、1978年。元号に直すと昭和53年。さば君は誕生日が来て10歳。 10歳の僕は “じゅんさい” があまり好きではありませんでした。 というか、 “じゅんさい” なんて、42歳になるまで食べたことが無かったんですが、今年、舞鶴で岩がき丼を食べたら、じゅんさいのお吸い物が付いてきました。 いやあ、食感が独特ですな。 何というか、ショッカーのような食感というか。 いや、僕はショッカーを食べたことはないので、もしかしたら違っているかも知れませんが、味としては、ちょっとしょっぱそうなイメージがあるんですけどね、ショッカー。

 で、この年のヒット商品や、この年に誕生した新製品に目を転じてみると、まずは “ジャスピンコニカ” 。 これはアレです。 自分でピントを合わさなくても、カメラのほうで勝手にピントをジャストにしてくれるよいう、そういうアレです。 いわゆる 「オートフォーカス」 という奴でありますな。 そんな機能、今ではあまりにも当たり前過ぎるんですが、たかだか32年ほど前に発明された新技術だったんですな。 今でこそコニカなんて、紳士服のコナカと同じくらいのブランド・イメージしかなかったりするんですが、当時は最先端の企業だったんですなー。 で、次、 “スペースインベーダー” 。 あー、こりゃ、流行りましたなー。めっちゃ流行りました。 “名古屋撃ち” とか、ありましたよねー。 どうしてあれを名古屋撃ちというのかというと、ただ単純に名古屋人が最初に考えたからだと思っていたんですが、調べてみると色々な説があったりするんですな。 が、この問題に深入りすると、小松に出掛けるまでに原稿が片付かないという事態も考えられるので、次。 “フロントホックブラ”。 あ、これも流行りましたよね。 いや、当時10歳だった僕は、ブラよりもパンツのほうに興味を持っていたので、本当にフロントホックブラが流行っていたのかどうか、実地に検証したわけではないんですが、ブラのホックを後ろではなくて、前に付けると、脱着が楽だっちゃ。 どうしてこんな簡単な事に、昭和53年になるまで、気が付かなかったんすかね?

 で、この年には、今となってはすっかり暮らしに定着してしまった定番商品が、いくつか誕生しております。 “おしぼりウェッティー” “パンパース” “ホカロン”。 ということはつまり、昭和53年になるまで、日本でティッシュと言えば乾いたやつ、おむつと言えば布のやつ、カイロといえば白金懐炉しか無かったわけなんですなぁ。 貧しい時代だったんですなぁ。 ベンジン臭いんですよね、白金懐炉。 ま、便所臭いよりはマシだと思うんですが、臭いと言えばウンコ臭いオムツだって、洗わずに使い捨て出来る時代になったんですなー。 日本も豊かになったものです。 とまあそんなことで、さ、本題です。

 まずは渡辺真知子 「かもめが翔んだ日」 (作詞・伊藤アキラ/作曲・渡辺真知子) 。 これはアレです。 千葉マリンスタジアムで、8回裏の攻撃前に流れます。 9月30日16:46現在、千葉ロッテマリーンズは日本ハムと熾烈な3位争いを繰り広げておりますが、今日の最終戦でロッテが勝つか引き分けるとクライマックスシリーズ進出、ロッテが負けると日ハムが3位になるんですよね。 10歳くらいだった頃、日本ハム・ファイターズのファンクラブに入っていた僕としては、ロッテ、負けろ!…と願わずにはいられませんが、何故そんなものに入っていたのかというと、うちのオカンが日本ハムの工場でパートをしていたからなんですけど。 今でもあるんですな、 桑名プラント 。 桑名と言っても実態は木曽岬町なんですが、ま、桑名郡だから別にいいんですけど。 あ、設立:1979年と書いてあるので、僕がファンクラブに入っていたのは11歳以降ということになりますか。 とまあ、そんなことはどうでもよくて、 「かもめが翔んだ日」 なんですが、これはアレですな。 さすが応援歌に抜擢されただけの事はあって、調子のいい曲ですな。 応援歌に抜擢というのは、最高の名誉ですもんね。 サバの世界で言えば、バッテラに抜擢されるのと同じくらいの価値があるんですが、この歌を聞くと何かこう、 「やったるでぇ!」 という意欲が沸いてきます。 もっとも歌詞のほうはと言うと、フラれて捨てられた系だったりするんですけど。

 詞を書いたのは伊藤アキラなんですが、さすが “日本3大アキラ” の1人だけあって、なかなか傑出した出来となっております。 ちなみに残りの2人は小林旭とフィンガーファイブのアキラなんですが、個人的には、人はどうして哀しくなると、海を見つめに来るのでしょうか、港の坂道、駆けおりる時、涙も消えると思うのでしょうか♪ …というフレーズが好きです。 そういえば昔、 『海を見ていたジョニー』 のパクリで 『ウニを煮ていたジョニー』 というのを3回シリーズでお届けしたことがありましたなぁ。えらく不評だったんですけどー。

 ということで、次です。 世良公則&ツイスト 「あんたのバラード」 (作詞・作曲:世良公則) 。 昭和という時代は 「あんた」 という二人称がまだ活躍していたんですなぁ。 でもって、一人称は 「あたい」 ですよね。 で、この 「あんたのバラード」 は、世良くんが 「あたい」 の立場で歌ったものなんですが、バラードだけあって、スローなテンポですな。 なかなか渋いです。 ということで、おしまい。

 せめて半分くらいまでは頑張ろうという意気込みに反して、早くも2曲目で手抜きバリバリになっちゃいましたが、続いては紙ふうせんの  「冬が来る前に」 (作詞:後藤悦治郎/作曲:浦野直) 。 昭和の時代のフォークグループって、何だか意図が今ひとつよくわからん名前の奴らが多いんですが、何なんすかね、紙ふうせん。 紙ふうせんと言えば、富山の薬売りが置いていくヤツ。…というイメージしか無いんですが、普通のゴム風船をくれる時もあって、僕は断然、ゴムのほうが好きでした。 何か子供だましですもんね、紙ふうせん。 どうしてそんなイメージの悪い粗品をグループ名にしたのか、真意はよく分からんのですが、フォークグループ 「赤い鳥」 のメンバーであった平山泰代と後藤悦治郎は、同グループ解散後に結婚し、夫婦デュオとして活動を始めた。 「紙ふうせん」 はそのフォークグループの名前である。…との事でありました。 なるほど、この歌の作詞のところにも悦治郎クンの名前がありますな。 小麦色に焼けた、肌は色も褪せて、黄昏、私一人、海を見るの♪ …と、ここにも海を見ている奴が登場するんですが、大人気ですな、海。 秋の黄昏の海。 何だか物悲しそうですなぁ。 夏には新島でラブラブな時間を過ごしたというのに、秋の訪れと共に飽きられちゃったんでしょうなぁ。 不憫なことです。

 ということで、4曲目。 山口百恵 「絶体絶命」 (作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童) 。 「絶対絶命」 で歌ネット検索したら、該当なしと言われちゃったんですが、 「絶対」 ではなく 「絶体」 が正解なんですな。 さあさあ、さあさあ、はっきりカタをつけてよ、はっきりカタをつけてよ、はっきりカタをつけてよ、やってられないわ♪ …って、百恵たん、ガラの悪さ、バリバリ全開なんですが、阿木燿子&宇崎竜童のヤンキーコンビですからなぁ。 この歌のテーマはずばり、 “本妻VS若い愛人” なんですが、本妻と若い愛人は和解に至るんでしょうか? 詳しくは、ま、 ここ を見てもらうとして。 

 で、次。 中原理恵の 「東京ららばい」 (作詞:松本隆/作曲:筒美京平) 。 おお、松タカと 筒キョンの黄金コンビでありますな。 で、中原理恵と言えばアレですよね。 欽ドンの 「良い妻、悪い妻、普通の妻」 。…って、そんなん、ありましたっけ? イモ欽トリオの 「良い子、悪い子、普通の子」 はよく覚えているんですけどー。 で、この 「東京ららばい」 は、お笑いに走る3年ほど前に出した大ヒット作なんですが、名前は? そう、あだ名ならあるわ♪ 生まれは? もう、とうに忘れたの♪ …といった、あまりにもベタなやりとりが郷愁を誘います。 昭和というのは、こういう会話が普通に成立した時代だったんですなぁ。。。 で、個人的には、東京ららばい、地下がある、ビルがある (中略) 触れ合う愛がない♪ という “ある・ある・ない返し” や、東京ららばい、夢がない、明日がない、人生は戻れない (中略) あなたもついてない♪ といった “ないないづくし” が好きなんですが、さすがは松本隆。 伊達にタカシをやってるわけではありませんなぁ。 ちなみに僕は10歳児だった頃、最後の部分を、 ないものね、ダリの子守唄♪ と歌っていて、「ダリの子守唄」って、何や?…と、ずっと疑問に思っていたんですが、 「無いものねだりの子守唄」 だったんですな。 23歳くらいの時に、初めて知りました。

 続いては “かもめシリーズ” の第2弾、研ナオコ 「かもめはかもめ」 (作詞・作曲:中島みゆき) 。 タイトルに 「かもめ」 の付く歌謡曲は数多くあるんですが、中でもこの年に生まれた研ナオコと渡辺真知子が双璧と呼べるのではないでしょうか。 冠二郎の 「居酒屋かもめ流れ酒」 とか、よく知らないしー。 で、この 「かもめはかもめ」 は、中島みゆきの作詞・作曲なんですな。 いかにもそんな感じの詞と曲だったりします。 かもめはかもめ、孔雀や鳩や、ましてや女にはなれない♪ …って、何だか意味が分からなさ過ぎて、凄いっ! そう思わずにはいられません。 個人的には、鳩なんかよりもカモメのほうがいいような気がするんですが、特に鳩山由紀夫クンが総理大臣だった時代を経験してしまった今となっては尚更ですよね。 で、2番の最後の、この海を失くしてでも、欲しい愛はあるけれど♪ というフレーズも、何か凄みがあったりするんですが、研ナオコって、何か中途半端に不細工なキャラなので、その気持ち、何となく分かりますなぁ。。。

 続いては、アリス 「涙の誓い」 (作詞・作曲:谷村新司) 。 君は秋の訪れを何で感じるかな? 僕はですね、尿意です。 夏の間はカラダの水分がほとんど汗として出てしまって、あまり頻繁に尿意を催すことが無かったんですが、このところ、朝晩すっかり涼しくなったせいか、やや頻尿気味になってきました。 ああ、便所が近い、涙の誓い。

 ということで、続いては 郷ひろみ&樹木希林 「林檎殺人事件」 (作詞:阿久悠・作曲:穂口雄右) なんですが、さっきのアリスの解説、あまりにも酷過ぎるんじゃないか?…という意見があろうかと思います。 自分でもそう思います。 が、僕にはもう、あまり時間がありません。 子供の頃、アリスの歌はけっこうよく聞いていたんですが、この 「涙の誓い」 って、ほとんど印象に残っていないしー。 もう二度と消えない手首の傷痕〜♪ …って、リストカットの歌なんでしょうな。 手首の傷痕と、手の甲の根性焼きの焦げ痕。 その2つが昭和の時代の不良のステータスシンボルでありました。 ということで 「林檎殺人事件」 なんですが、これはいけません。 僕の持っている 『THE GREATEST HITS OF HIROMI GO』 という2枚組のCDにも入っているんですが、コイツと 「お化けのロック」 は、ベスト盤から外せよ!…と思わずにはいられません。 聞いていると恥ずかしくなってくるんですよね、これ。。。 どちらも樹木希林が絡んでくるんですが、どうしてこんな不細工が出てくるのかというと、 『ムー一族』 。 何だかこう、宇宙人グレイの正体は河童だった!?…とか、そういう実りの無い議論ばかりを交わしている、不毛な一族という印象があるんですが、昔、こんな名前のテレビドラマがあったそうです。 で、 「林檎殺人事件」 が挿入歌だったそうです。 で、郷ひろみや樹木希林が出演していたようです。 僕は見てなかったので、話がすべて伝言形式なんですが、で、これ、デュエットなんだけど、特にパート分けとかは無かったような気がします。 樹木希林は裏のほうで地味に歌っているだけで、ほとんど意味無し。 ま、出だしに変な台詞が出てこないだけ 「お化けのロック」 よりはマシ。 その程度の存在だと言えるでしょう。

 で、次。 原田真二 「キャンディ」 (作詞:松本隆/作曲:原田真二) 。 懐かしいですな。 一発屋…とは言えないまでも、三発屋くらいで消えちゃいましたよね、原田真二。 その後、一時期、松田聖子の恋人 (?) として名前が出たりもしましたが、その後、ほとんど名前を見かけなくなりました。 今頃、何をしてるんすかね? 散髪屋? ま、あの頭では、「人の頭を刈る前に、自分を何とかしろよ!」 とか、突っ込まれそうなんですが、ピアノの弾き語りというスタイルが、当時としてはかなり斬新でした。 で、この 「キャンディ」 も、今までの日本の歌謡曲には無かった、まったく新しいタイプの作風だったりしますよね。 世良公則&ツイストや Char と共に “ロック御三家” と呼ばれていやようですが、ロックともちょっと違うような気もします。 で、これ、作詞は松本隆だったんですな。 テーマはずばり、夜這い…ではなくて、朝這い。 キャンディ I Love You 許してよ、ダイヤモンドは持ってないけど♪ …という辺り、ちょっぴりスタンダードの 「捧ぐるは愛のみ」 を彷彿させるものがありますが、真二くんがダイヤの代わりに用意したものは、草の葉に光る〜朝のきらめきを〜、素肌にかけてあげ〜る♪ …って、いやあ、お洒落なボーイですなぁ、真二くん。 そういえば 「はらだしんじ (原田真二) 」 のアナグラムで、 「しんだらはじ (死んだら恥) 」 というのがあったのを、ふと思い出したりもしました。

 ということで、ラストです。 五輪真弓 「さよならだけは言わないで」 (作詞・作曲:五輪真弓) 。 この妖怪人間ベラな人の歌といえば 「恋人よ」 しか知らなくて、この 「さよならだけは〜」 を聴いたのは、ずっと大人になってからなんですが、いやあ、なかなかいい歌ですなぁ。 いい歌なので、じっくり解説をしたいところなんですが、ここで時間がなくなりました。 

 とまあそんなことで、“78年度版 (2/3)” は、以上です。 んじゃ、小松に行ってきまっす♪


( つづく♪ )


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