『 青春歌年鑑('76-2…の後編 ) 』

〜 「裏切者の旅」から「河内のオッサンの唄」まで 〜


1 およげ!たいやきくん / 子門真人
2 北の宿から / 都はるみ
3 木綿のハンカチーフ / 太田裕美
4 俺たちの旅 / 中村雅俊
5 横須賀ストーリー / 山口百恵
6 わかって下さい / 因幡晃
7 あの日にかえりたい / 荒井由実
8 赤いハイヒール / 太田裕美
9 めまい / 小椋佳
10 山口さんちのツトム君 / 斎藤こず恵
11 愛に走って / 山口百恵
12 君よ抱かれて熱くなれ / 西城秀樹
13 弟よ / 内藤やす子
14 針葉樹 / 野口五郎
15 あばよ / 研ナオコ
16 春一番 / キャンディーズ
17 揺れるまなざし / 小椋佳
18 パールカラーにゆれて / 山口百恵
19 盆帰り / 中村雅俊
20 あなたがいたから僕がいた / 郷ひろみ
21 20歳のめぐり逢い / シグナル
22 裏切者の旅 / ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
23 パタパタママ / のこいのこ
24 ハートのエースが出てこない / キャンディーズ
25 嫁に来ないか / 新沼謙治
26 傾いた道しるべ / 布施明
27 恋人試験 / 松本ちえこ
28 愚図 / 研ナオコ
29 帰らざる日々 / アリス
30 河内のオッサンの唄 / ミス花子


(2008年05月16日更新)


 年度末、本職のほうがちょっぴり多忙で、このコーナーの更新もかなり細切れになってしまったんですが、1976年後編 (その2) です。これで一応、本編のほうは終了ということになるんですが、 まず最初にこの年のベストセラーについて簡単に触れておくと、やはり桑名高校が一番ですかね?可愛い子が多かったような気のする桑名西やメリノールあたりはブレザーでしたしね。…って、それは僕の個人的なベスト・セーラー服ですか。ちなみに暁学園の制服というのも、女子高生物のすけべビデオによく登場するタイプというので、一部のマニアの間では人気があったんですが、この年に話題となり、よく売れた話題の本といえば、まず最初に挙げられるのが村上龍「限りなく透明に近いブルー」 。タイトルに合わせてフォントも青色にしてみたんですが、透明にすると字が読めなくなってしまうので、濃さのほうは普通にしておきました。第75回芥川賞の受賞作なんですが、大変にいやらしい小説だという話です。僕はいやらしい話というのがあまり好きではないので、読んだことはありません。 次、山崎豊子「不毛地帯」 。タイトルからすると、剃毛マニアの話なんですかね?ああん、とっても楽しそう♪…と思っていたら、どうやらシベリアに抑留されていた元日本陸軍参謀の主人公が帰国後に商社マンになるという、そういう堅苦しいお話のようですな。当時まだ8歳児だった僕としては、あまり興味をソソられる内容ではなかったものと思われます。かと言って、当時から剃毛プレイに興味を持っていたというわけでもないんですが、続いては五木寛之「青春の門・堕落編・上」 でありますか。大変にいやらしい作品として知られておりますが、これは僕も読んだことがあります。いや、大人になってからの事なんですけどね。 「筑豊篇」 「自立篇」 「放浪篇」 「堕落篇」 「望郷篇」 「再起篇」 「挑戦篇」 「風雲篇」 と続く、かなりクソ長い作品なんですが、頑張って最後まで読破したのか、あるいは途中で挫折しちゃったのか、昔のことなのであまりよくは覚えておりません。ところどころ、いやらしいシーンがあったという記憶はあるんですけど。あとはえーと、司馬遼太郎「翔ぶが如く」 。これは読破済みです。一時期、幕末にハマってたとこがありましたからなぁ。西郷隆盛とかの活躍を描いた作品です。ちなみに僕が、西郷隆盛が連れている犬って、忠犬ハチ公ではなかったのか!…ということに気付いたのは、わりとオトナになってからなんですが、とまあそんなことで、では本題の歌謡曲ネタ、いってみましょうかぁ。

 まず最初はダウン・タウン・ブギウギ・バンド 「裏切者の旅」 (作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童) なんですが、いや、これはかなり衝撃的でした。何が衝撃的かって、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドって、ブギウギ以外の歌も歌ってたのか!…というのが凄く意外だったんですが、ま、宇崎竜童も名前が竜童だからと言って、いつも流動食ばかり食べているわけではないですからね。名前だけで、すべてを計り知れるわけではないということなのかも知れません。ブギウギということで言うと笠置シヅ子のほうが 「買物ブギー」 「東京ブギウギ」 を始め、 「大阪ブギウギ」 「名古屋ブギー」 「さくらブギウギ」 「ジャングルブギー」 「七福神ブギ」 …と、かなりレパートリーが豊富なんですが、一方、下町ブギウギ楽団のこの歌はバラード調になってたりします。テーマはアレです。裏切者です。いけませんな、裏切り。すくなくとも爪切りよりは罪の度合いが強いと思うんですが、誰が誰をどのように裏切ったのかというと、お前と逢えない淋しさだけから、行きずりの女を愛した俺♪ ということなので、俺がお前をこのように裏切ってしまったと。ま、そういうことですな。いけません。淋しかったから。…などと言い訳してるところがよくないし、 「愛した」 というのもよくありません。もっと正直に、ムラムラしたから、ヤッちゃった♪…とでも言っておけば、ま、しょうがいないかという気にもなるんですが、こんな男を許してもいいのか、阿木燿子! それ程長くもない旅ならすぐに戻れる筈なのに、後悔するくらいなら最初からヤメておけばよかったんですよね。でも、どうしても我慢出来なかったんでしょうな。ま、その気持ち、分からんでもないんですけど。 曲のほうは落ち着いたオトナの感じで、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドのブギウギではない新しい一面を見れたという点では、よかったのではないかと思います。

 次。 のこいのこ 「パタパタママ」 (作詞:高田ひろお/作曲:佐瀬寿一) 。 正当な歌謡曲とは認められていないのか、 “歌ネット” には無かったんですが、それはそうとのこいのこ。どこまでが苗字で、どこからが名前なのか今ひとつよくわかりませんな。のこい☆のことか、のこ☆いのことか、つのだ☆ひろを見習って、途中に区切りの☆を入れて欲しいところなんですが、本名は猪子育代 (いのこ・いくよ) らしいので、恐らく、のこさんちのいのこちゃんなんでしょう。この人、隠れCMソングの女王と呼ばれるほど、たくさんのコマソンを歌っているそうですが、 「エバラ焼肉のたれ」 もこの人が歌っていたんですな。 コマーシャル同様、童謡の世界でも活躍しているようなんですが、この 「パタパタママ」『ひらけ!ポンキッキ』 で歌われたものであります。子供の頃、好きだったんですよね、ポンキッキ。 ポンキッキに憧れるあまり、僕、大きくなったらポン引きになる♪…という夢を持っていたこともありましたが、その夢を叶えることが出来ぬまま、オトナになってしまいました。

 で、これはアレです。ママの1日の生活を歌にしたものですよね。6時に雨戸を開けて、7時に朝ごはんの支度、8時にパパの靴を磨いて、9時にお掃除、10時に洗濯、11時に布団干し。朝からよく働くママで、感心ですね。 が、感心なのはここまでで、正午を境に次第に本性を現し始めることになるんですが、12時からはお化粧の時間でありますか。えー、お昼ご飯の支度はー? お昼くらい自分で日清焼きそばでも作って、食べな!…という教育方針なのかも入れませんが、昼の12時にお化粧して綺麗になるママというのも、ちょっと妖しいですよね。 “昼下がりの情事” とか、そういった言葉が浮かんでくるわけなんですが、と思ったら1時にお菓子をつまみ食いして、2時にはテレビを見ながら居眠りして、3時になるとベランダで隣のママとのおしゃべり。いったい、何のために化粧したんや?…と思わずにはいられませんが、あるいは4時からのお買い物に備えてのことだったんでしょうか? で、5時にはお風呂をピュクピュク沸かし過ぎ。果たして風呂というのはピュクピュク沸かすものなのか?…と、擬態語の使い方に若干の疑問がないでもないんですが、6時にパパを出迎えて、7時から夕食。食欲も旺盛なようで、元気でなによりです。 で、夜の8時にはもう僕はおやすみなんですな。僕は子供の頃、寝る時間を8時半に決められていて、 『8時だョ!全員集合』 の体操とか合唱団とかが見れなくて、ずいぶんと悔しい思いをしたものなんですが、この歌のボクは前半のコントすら見れないということになってしまいます。学校でみんなの話題についていけず、虐められて、グレちゃったに違いありません。 ま、よその子がどうなろうと僕の知ったことではないんですが、子供が8時に眠った後、果たしてママとパパとがいったい何をしているのか、この歌の続きが非常に気になるところです。

 で、続いてはキャンディーズ 「ハートのエースが出てこない」 (作詞:竜真知子/作曲:森田公一) 。 ジャケットの3人が、ぜんぜん似てねーぞ!…とか、そういうことを言ってはいけません。もともと僕はこのコーナーに関して言えば、ジャケ絵を似せて描こうなどという気はさらさら無いし、ギャルを描くのが大の苦手であるにも関わらず、キャンディーズに挑戦しようと思い立ったその心意気だけでも立派なことだと思います。 で、このキャンディーズは歌が歌えるだけでなく、 『8時だョ!全員集合』 ではお笑いまで披露しているというので、一部のマニアの間では評価が高かったんですが、歌そのものに関して言えば決して大ヒットを連発したというわけでもなくて、オリコンで1位を獲得したシングルは、実は1枚だけだった。…という話はですね、 ここのところ にも書きました。 この有名な 「ハートのエースが出てこない」 でさえ、売り上げは15万枚を超えた程度、オリコンではベスト10にも入らなかったそうですが、これはアレです。トランプ占いの歌ですよね。 おじさんは会社で暇な時によく、パソコンでソリティアをやって遊んでおりますが、あのゲームもハートのエースが出てこないと、なかなか上がれなかったりしますよね。ソリティアの場合はハートに限らず、エースが出てこないとなかなか先に進まないんですが、ハートのエースが出てこない、ハートのエースが出てこない、やめられない、このままじゃ♪ その気持ちはよく分かります。 でまた、オトコのほうもオトコのほうですよね。 気まぐれ、それとも本気なの 決め手がないのよ、注意信号♪ といった曖昧な態度を取るものだから、なかなかデートの誘いにものってくれないんだと思うんですが、気まぐれというのはよくないです。男は黙って黒缶・気まグルメ (しらす入りかつお) 。そういう態度が大切です。ま、黙って猫缶を出してみたところで何がどうなるでもないんですが、電話が鳴っても出ないというのは、ランちゃん、スーちゃん、ミキちゃんのほうも、ちょっとどうかという気がするんですけど。お互いに今ひとつ煮え切らない山本屋の味噌煮込うどんのような歌なのでありました。

 次。新沼謙治 「嫁に来ないか」 (作詞:阿久悠/作曲:川口真) 。 こちらはストレートですよね。いかにも農村ボーイらしい素朴で飾らない物言いに、思わずホロリと落ちそうになってしまうんですが、が、騙されてはいけません。 さくら色した君がほしいよ♪…とか、しあわせという奴を探してあげるから♪…とか、言ってることがいちいちアホっぽいです。 しかも決めの台詞が、嫁に、嫁にこないか、からだ、からだひとつで♪ と来ましたか。カラダだけが目当てとしか思えないので、ゆめゆめ騙されて新沼の新妻などになってはいけません。幸せくらい自分で探しましょう。

 続いては布施明 「傾いた道しるべ」 (作詞・作曲:小椋佳) でありますか。どんな歌かまったく覚えがないんですが、こんなのヒットしましたかね? 『夜のヒットスタジオ』 とか、出たんでしょうか?…と思って調べてみたら、オリコンの年間ランキングは37位。郷ひろみの 「あなたがいたから僕がいた」 が47位ということなので、これはもう、立派なヒットであると言えそうです。ヒットスタジオに出たかどうかまでは調べが付かなかったんですが、で、作詞・作曲は小椋佳でありますか。どんな歌なのかまったく覚えがないんですが、ま、恐らく、あなたへの道しるべが、傾いているのです♪ とか、そういう歌なのではないかと思います。…と、ここまで書いたところで “歌ネット” で歌詞を確認したところ、ぜんぜん違ってました。語尾の 「〜です」 だけはちょっと自信があったんですが、それも無かったですな。予想に反して、幸せの中で、つきあたりを見ることはありませんか♪ と来ましたかぁ。言われてみれば確かに、人生でつきあたりを見るというのは、よくあります。古くて腐ったものを食べると食あたりになるのと同じくらい、つきあたりというのはよくあります。 が、つきあたったからと言って、必ずしもそこが袋小路であるとは限らず、その先が三叉路になっていることも少なくありません。その三叉路に道しるべさえあれば何も迷うことは無いんですが、ただその道しるべが傾いているとなると、ちょっと問題です。迷うやん!…みたいな。 が、布施クンの場合、その傾いた道しるべを、君の愛がささえています♪ ということらしいので、そうですか。それはよかったですな。 かと思ったら最後のところでは、ああ、道しるべもない僕の道を、君も歩いてくれるんですね♪ などと繰り返していて、道しるべが傾いているのか、それとも無いのか、どっちやねん!?…と思わずにはいられなくて、布施クンの言ってることもどうも今ひとつ信用がおけませんな。布施クンの新妻になるのもヤメたほうがいいかも知れません。

 で、続いては松本ちえこ 「恋人試験」 (作詞:伊藤アキラ/作曲:あかのたちお) 。 昭和の歌謡曲史上、僕のいちばん好きな歌がついに登場しましたが、何故かこの名曲が “歌ネット” にはありませんでした。仕方がないので takimariちゃんに歌って貰うことにしたんですが、作詞は伊藤アキラでありますか。フィンガー5の人ですかね?いや、違うんでしょうか? “アキラ” と片仮名で書いてあると、どうしても頭の中に “アキラめがね” が浮かんでしまうんですが、調べてみたら違ってました。 「南の島のハメハメハ大王」 とか 「この木なんの木、気になる木」 とか 「パッとサイデリア」 とか、そういうのを作詞している人でした。無論、歌謡曲にもいいのがあって、河合奈保子の 「愛してます」 とか、渡辺真知子の 「かもめが翔んだ日」 とか、フォーリーブスの 「ブルドック」 とか。 一方、作曲したのはあかのたちおでありますか。 敢えて真ん中に星を入れるとすれば、おそらくあかの☆たちおということになろうかと思うんですが、この人はですね、すぎやまこういちの弟子なんだそうです。すぎやまこういちの弟子だから、同じように名前が全部平仮名なんでしょうな。すぎやまこういちの弟子と言っても、すぎやまこういちの弟の子供とかそういうことではなくて、ただ単に弟子入りしただけの関係だと思うんですが、代表作はというと、先ほどの 「嫁に来ないか」 とか。ただしこれは作曲ではなく編曲の担当で、全般的にアレンジャーとしての活躍のほうが多いようですな。 「元祖天才バカボンの春」 なんかも編曲してます。41才の春だから、元祖天才バカボンのパパだから、冷たい目で見ないで〜♪ という奴ですかね?

 で、一方、松本ちえこ。 松本ちえこと言えば、バスボンですよね。バカボンではなくて。 まんまる顔の女のコは、いいツマになれるって、私ってなれそう?ねぇ、バスボン♪ という、まったく何の根拠もない歌詞が印象的なコマソンでありましたが、シャンプーなんかに同意を求めて、どうする?…という気もしますよね。 で、この 「バスボンのうた」 を作曲したのが、あかのたちおです。 この2つの曲はよく似ているというか、ほとんど同じですよね。セルフ盗作と言っていいかも知れませんが、 「恋人試験」 の場合、注目すべきはやはりその歌詞でありましょう。 私の一番可愛いとこ、どこですか、次のうちからひとつにマルつけて、耳、くちびる、ちいさな瞳、胸、くびすじ、まあるいお鼻♪ こんな設問に一体、どう答えろというんですかね? 個人的な趣味で言わせて貰うと、む、胸かな? いや、胸というか、ち、乳かな?…という気がするんですが、こういう場合、耳も、唇も、ちいさな瞳も、胸も、首筋も、まあるいお鼻も、ぜーんぶ可愛いよ♪…と答えておくのが無難なところではないかと思うんですが、あ、ちいさなとか、まあるいとか、そういう形容詞は余計ですかぁ。 「何よ、ちいさな瞳って!」 「自分でそう言うたやん!」 とか、そういうつまらないことで険悪な雰囲気になってしまいそうなんですが、ちえこちゃんも普通に、「私のどこが可愛い?」という設問にしておけばよかったんですよね。選択問題にしたところに、ちょっと無理があったように思われます。マークシート世代の弊害といったところでしょうか?

 次の設問もかなり無理がありますよね。私と一緒に行きたいとこ、どこですか? ひとつ選んで、その理由(わけ)をのべよ、山、湖、田舎の牧場 (まきば) 、広場、スナック、夜更けのディスコ♪ それは聞かれたほうの気分の問題であって、ちえこちゃんが正解とか不正解を判断することではないですよね。 さんざん考えて、 「う〜ん、広場かなぁ。ちょっとゲートボールとか、やってみたいしぃ。」 と答えて、「えーっ、私、夜更けのディスコがいいっ!」 とか言われたら、こっちの立場が無いですよね。そうならそうと、最初から言えって! で、この歌でいちばん有名なのは何と言っても、0点なんかじゃ許さない、100点取る人、大嫌い、知っているのにワザと間違える、65点の人が好き、好き、好き♪ という最後の部分なんですが、いや、乙女心というのは複雑なものでありますなぁ。知っているのにワザと間違えるにしても、65点というのはちょっと間違え過ぎではないかという気もするんですが、72点の人とか、それくらいが無難なようにも思えるんですけど。

 次、研ナオコ 「愚図」 (作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童) 。 流動食好きの竜童クンが作った曲なんですが、こうして人様に提供したのを聞くと、彼がまったくブギウギには拘りを持っていなかったというのが、よくわかります。これなんか、普通に歌謡曲ですもんね。 最初、歌詞の雰囲気からして、 (作詞・作曲:中島みゆき) か?…とか思ったほどなんですが、そんな感じの作風です。個人的にはこういう世界、けっこう好きです。 「けっこう仮面」 も、けっこう好きだったんですけど。 仲のよい友達同士が同じ男の子を好きになってしまう。そういうことって、よくありますよね。大の親友からいきなり、「私、サバくんのことが好きっ!」 と打ち明けられて、えー、私もサバくんのこと、大好きなのにぃ。でもどうしてもその事を言い出せないという、その辛い気持ち、よく分かります。こういうのは早いもの勝ちですからね。もしくは、ずうずうしいもの勝ちというか。先を越されちゃったほうは愚図というか、お人好しというか、私、ほんとに意気地なし♪…というか、あ、最後は森ゆうじとサザンクロスの歌になってしまいましたが、でも大丈夫。 あの娘 (こ) は睫毛が自慢の娘で、瞬きしながら人を見るのさ♪…って、そういうタイプのギャルはですね、すぐにフラれます。何となくケバそうな感じで、サバくんとしてはあまり好みではありません。もっとも、「えー、サバぁ?あんなの眼中にないよ!」とか言われて、端から相手にされないような気もするんですけど。

 続いてはアリス 「帰らざる日々」 (作詞・作曲:谷村新司) 。 僕が子供の頃、男子の間ではかなり人気がありましたな、アリス。 「冬の稲妻」 とか 「チャンピオン」 あたりの話なので、これより1〜2年ほど先ということになろうかと思うんですが、この 「帰らざる日々」 って、どんな歌だっけ?…と思ったら、あ、バイバイバイ、私の貴方、バイバイバイ、私の心♪ というヤツでありましたか。出だしの部分があまりにも暗かったので、この先どうなるのかと心配してたら、途中からちょっとずつ御陽気になってきたので安心なんですが、いや、バイバイバイ、私の命♪ とか言ってるので、まだ安心するには早過ぎますかね? 案の定、酒びたりの日も今日限り、私は一人で死んでゆく♪ とか言い出して、今にも “混ぜるな危険” を持ち出してきそうでありますが、そういえば化学的な好奇心が旺盛で、子供の頃 “ケミカルいなば” を自称していた僕はよく、クレンザーにサンポールを混ぜたりして遊んでいたんですが、今から思うとちょっと危険でしたかね? 硫化水素は出なかったかも知れませんが、塩素ガスくらいは発生していたかも知れません。 いずれにせよ、アリスがこんな暗い歌を歌っていたとは、当時まだ子供だった僕はちっとも気が付かなかったんですが、シンプルでわりと歌うのが簡単そうなので、一度、カラオケで挑戦してみようかと思います。

 で、ラスト。ミス花子 「河内のオッサンの唄」 (作詞・作曲:ミス花子) 。 この歌は子供の歌からよく知っているんですが、歌っているのがミス花子だったとは、今の今まで知りませんでした。ミスでなければ花子でもない、単なるオッサンですもんね、これを歌ってるの。しかも、かなり柄の悪いオッサンです。僕はペイズリー柄があまり好きではなく、あのゾウリムシみたいな模様を見ると、柄が悪いなぁと思ってしまうんですが、それと同じくらい柄が悪いです。あるいはそれ以上と言えるかも知れません。 歌というより、ほとんど台詞だけやん!…といった感じなんですが、河内のおっさんの唄〜、河内のおっさんの唄〜♪ というところだけ、ふと素に戻ったかのような正統派のフォーク調になっていて、秀逸です。 ところで、途中にカカァが出てくるところの歌詞って、裏の家 (うち) かて、もっとよう働くど♪ だったんですな。僕はずっと、裏の牛だとばかり思っておりました。裏の牛はよく働いて、エライなぁ。…と感心してたんですが、違ったんですな。感心して、損しました。とまあそんなことで、76年の “正規盤” は以上です。

 とまあ、そんなことで、'76-2…の後半はおしまい。最後に “さば的@我が心のベスト3♪” を発表しておこうと思うんですが、最近、このコーナーは細切れになってて、ワケが分からなくなりつつあります。 今回はえーと、76年版の後半・全15曲が対象ということになろうかと思うんですが、リストでいくと16〜30曲目までの間でのベスト3です。

  (第3位) あなたがいたから僕がいた / 郷ひろみ

  (第2位) パールカラーにゆれて / 山口百恵

  (第1位) 恋 人 試 験 / 松本ちえこ


 自分で言うのもなんですが、ほとんど意味はないんですけどね、この順位。 が、L・O・V・E、ラブ・ラブ・ちえこ♪…と、これだけは譲れないところです。

( つづく♪ )


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