『 続・青春歌年鑑('76-1 ) 』

〜 「あなただけを」 から 「ねえ!気がついてよ」 まで 〜


01 あなただけを / あおい輝彦
02 なごり雪 / イルカ
03 ビューティフル・サンデー / 田中星児
04 センチメンタル / 岩崎宏美
05 ファンタジー / 岩崎宏美
06 夏にご用心 / 桜田淳子
07 白い約束 / 山口百恵
08 無縁坂 / グレープ
09 きらめき / 野口五郎
10 ねえ!気がついてよ / 桜田淳子
11 ジャガー / 西城秀樹
12 恋の弱味 / 郷ひろみ
13 きみ可愛いね / 伊藤咲子
14 春うらら / 田山雅充
15 セクシー・バス・ストップ / 浅野ゆう子
16 LA-LA-LA / 研ナオコ
17 目覚めた時には晴れていた / 伝書鳩
18 青春の坂道 / 岡田奈々
19 岩壁の母 / 二葉百合子


(2008年06月15日更新)


 今日から2回シリーズで1976年編をお届けしたいと思います。 76年って今まで4回もやってるやん!…と思われるかも知れませんが、今回はアレです。 『続・青春歌年鑑』 です。続編というのは大抵、前作を上回ることが出来ないのが通例でありまして、たとえば 『続・三丁目の夕日』 という映画も個人的には悪くはなかったと思うんですが、前作ほど評判にはなりませんでした。続編だけに、前よりもっとゾクゾクするものを作ろう!…という意識が強過ぎて、その意気込みが空回りしちゃうのかも知れません。 鈴木オートの人がみんなグレて暴走族になっちゃう 『族・三丁目の夕日』 とか、そういう意表を突いた路線にしたほうがよかったかも知れませんが、ま、それはそれで、あちこちから非難の声があがることは必至なんですけど。 とまあ、概ね評判のあまりよろしくない続編なんですが、この 『青春歌年鑑』 の場合はちょっと事情が違います。 曲数の関係で本編ではボツになった歌に救いの手を差し伸べるだけでなく、企画に協賛するレコード会社が限定されていた関係で、めっちゃヒットしたのにCDに収録することが出来なかった作品も、続編のほうでは大丈夫だったりします。商売になると判断した企業が増えたんでしょうな。いいことです。 ただこの続編の場合、収録曲数が年次によって17〜20曲と不規則だったりするところが、血液型がA型で根が几帳面な僕としてはちょっと許せないところでありまして、本編のほうは15曲×2枚組=30曲で、きっちりしてましたからね。 続編の76年版は全19曲って、何という半端な数字なんでしょうか。20にしろって!…と思わずにはいられませんが、収録時間の関係でそれが無理というのなら、せめて18曲にして欲しいところです。 「岩壁の母」 、いらんやろ!…みたいな。とにかく17とか19といった奇数だけはやめて欲しいところなんですが、とまあそんなことで、今回はそのうちの10曲を片付けておきたいと思います。

 まずは、あおい輝彦 「あなただけを」 (作詞:大野真澄/作曲:常富善雄) でありますか。いきなり渋いのが出ましたな。さすがは続編と思わずにはいられませんが、あおい輝彦って、どんな人でしたっけ?青レンジャーをやってた人?…って、いや、 “あおい” という名前だけで青いキャラだと判断するのは間違っているのかも知れませんが、本名、青井輝彦。なるほど、本名だったんですな。東京都青ヶ島村出身ということで、生まれたところもちょっぴり青かったりするんですが、 “ジャニーズ” のメンバーとして1962年に芸能界デビュー。 いや、ジャニーズってそんな昔からあったんですな。知りませんでした。 1970年、アニメ 『あしたのジョー』 の主人公 “矢吹丈” 役の声優として抜擢。 1972年、回転寿司のバッテラ役の職人としてバッテラ。…って、抜擢という言葉の響きから何となくサバの押し寿司を連想して、ありもしない職歴をでっちあげてしまいましたが、1988年から12年間 『水戸黄門』 の“3代目助さん” として活躍。いや、素晴らしい経歴ですよね。 歌手としては、ま、76年から足掛け2年ほど、そこそこのヒットを飛ばすに留まったようですが、とまあそんなことで 「あなただけを」 。 何となく加山雄三の系列を彷彿させる微妙に南国系で能天気なサウンドなんですが、作曲したのは常富善雄という人でありますか。 ツネトミヤの人ですかね? 岐阜のほうに猫のマークのツネトミヤというクリーニング屋があって、常々、ちょっとヘンな名前だと思っていたんですが、本社ビルの前を通りかかったら常富屋クリーニングという看板が出ていて、なるほど、こういう字を書くのか!…と、えらく感心したものでありますが、で、歌詞のほうはアレです。 つきあい始めたばかりの彼女への熱い思いが語られておりまして、あまりエロさが感じられないところが爽やかでいいですよね。いつもあなたの側にいて一緒に蕎麦を食べたい。うどんでもいい。ほうとう…というのはちょっとどうかと思うけど、山梨だったらそれもアリかな? 輝彦クンの願望は、今のところはその程度の接近を求めているようなんですが、一緒にいる時も、離れている時にも♪…というところのフレーズが、歌詞とメロディとが何だか妙にマッチしていて、秀逸です。

 続いて、イルカ 「なごり雪」 (作詞・作曲:伊勢正三) 。 今まで特に何の疑問も持っていなかったんですが、イルカって、どうしてイルカという名前なんですかね? イルカ顔だから?もしくは蘇我入鹿を尊敬しているからとか。 気になったのでちょっと調べてみたんですが、本名は神部としえ、旧姓は保坂。 なるほど、本名ではなかったんですな。 Wikipedia によると、芸名の由来は、デビュー前にさかのぼる。女子美術大学のフォークソング同好会で、皆がギターケースを持って帰る姿を見て 「イルカの群れみたい!」 と言ったのがきっかけで、周囲からイルカと呼ばれるようになった。…ということなんですが、そういうよく分からない理由で芸名を付けるというのは、ちょっとどうかという気がします。 もっとも、夕食に食べたおかずから 『塩サバ通信』 という名前を付けた僕に、そんなこと言われたくはないと思うんですが、で、 「なごり雪」 。 これはアレです。原クンの愛唱曲です。原クンというのは海星高校の同級生なんですが、文化祭の 「のど自慢大会」 でこれを熱唱して、見事に優勝を果たしております。複雑骨折よりも、よっぽどよかったです。 複雑骨折に関しては、ま、 ここ を見てもらうとして、さいわい、僕はいままで骨を折るような怪我をしたことがありません。…とか、のんきなことを書いてたら、1年半ほど前に思いきりスネの骨を折っちゃいましたけど。 さいわい、単純明快に綺麗にポッキリと折れたので、予後の経過も順調なんですが、で、 「なごり雪」 。 これはアレです。かぐや姫のカバー曲です。作詞作曲は伊勢正三です。有名ですよね。伊勢といえば赤福なんですが、ほかにはえーと…、あ、伊勢正三とか? と、ちょっと考えれば名前が出てくる程度には有名です。 この歌の舞台は無論、東京であるわけですが、伊勢クン本人は出身地である大分の津久見駅をモチーフにしたんだそうで、イメージ、崩れるやん!…と思わずにはいられませんが、津久見で見る雪はこれが最後ねと、さみしそうに君がつぶやく〜♪ 駄目ですな、やっぱり。 舞台を東京にシフトして大正解だと思うんですが、河内長野とかでも、あまりピンときませんもんね。 僕はこの歌の、君のくちびるが 「さようなら」 と動くことが、怖くて下を向いてた♪…というフレーズがいちばん好きだったりするんですが、読唇術を習ってなくてもその程度なら読み取れたりしますからね。 僕には 「さようなら」 と読めたんだけど、実は 「家老さま」 と言ってたとか、そういうことが絶対に無いとは言い切れませんけど。 武家の家臣の中でいちばん偉い人って、何ていうんだっけ?…というのが思い出せなくて、ずっとモヤモヤしてたんだけど、汽車が走り出した瞬間、「あ、家老さま!」

 とまあそれはそうと、今、春が来て君は綺麗になった、去年よりずっと綺麗になった♪…という最後のフレーズは、アリなんですかね? そんなこと言われて、嬉しいんでしょうか? 去年まで〜めっちゃ不細工やった〜♪ と言われているのと同じですもんね。 あ、いや、そういうことではなくて、去年までの君はまだ幼い感じで、どちらかというとカワイイって感じだったけど、今はすっかりオトナになって、綺麗になったというか、何というか。…とか、一応は申し開きしておいたほうがいいのではないかと思うんですが、ま、どうせ別れちゃうんだから、今さらどうでもいいのかも知れませんけど。

 で、続いては 「ビューティフル・サンデー」 (作詞・作曲:R.Mcqueen-D.Boone/訳詞:亜美ゆふ) なんですが、これを歌っている田中星児という人は、名前からしておそらく、タナカ星からやってきた宇宙人の児童なのではないかと思われます。 『おかあさんといっしょ』 の初代 “歌のおにいさん” ですよね。今ではすっかり “歌のオッサン” と化しているものと思われますが、未だに独身なんだそうで、その理由を聞かれて、「ビューティフル・サンデー」 と結婚しました。…とか言ってるらしいですけど。 歌のおにいさんはいつの間にか、アホなおっさんになってしまったようなんですが、そんな星児クンのお相手のこの歌、作詞作曲のところに外人の名前が書いてあることからも分かるように、外国曲のカバーなんですが、訳詞をしたのは亜美ゆふという、ちょっぴりタミフルみたいな名前の人のようです。どうせ訳詞を頼むのなら、薬師如来のほうがいい仕事をしてくれそうなんですが、いかにもアメリカンで能天気な歌ですよね。いや、これを作ったのはイギリス人なんだそうですが、ちなみに中国では能天気ではなく、 「美麗的星期天」 というタイトルが付けられているそうです。 “星期天” というのが日曜日なんですかね? で、この星児クンのバージョンは、もともとが英語の歌だけに英語の勉強にも最適でありまして、ま、英語といったところで、ヘイヘイヘイ、イッツ・ア・ビューティフル・デイ♪…くらいしか出てこないんですけど。 その一方で、日本語の勉強をするにはちょっと怪しい部分もあったりして、今日は、すば、すば、すば、素晴らしいサンデー♪…というところなど、無理やり感でいっぱいだったりします。 きっと、だ、だ、だ、誰かが僕を〜、おぉおぉ、ま、ま、ま、おぉ、待ってる♪…とか言っておりますが、一体、だ、だ、誰が待っててくれるんですかね? ウルトラ怪獣ダダ? ま、宇宙の出身者同士で、意外と気が合うのかも知れませんけど。

 次、岩崎宏美 「センチメンタル」 (作詞:阿久悠/作曲:筒美京平) 。 この人は歌唱力のある実力派シンガーという感じで、あまりアイドルっぽいところがなく、当時まだ年端のいかないコドモだった僕からすると、ちょっぴり年増のオネーサン (東京都豊島区出身) 。…といったイメージがあったんですが、こうして当時のレコードのジャケット写真を見ると、けっこう若い? いや、僕の描いた絵だと、口元がちょっぴりオバQっぽいオバチャンみたいになってしまったんですが、実物はもうちょっと可愛いです。 調べてみたら1958年生まれ、東京都江東区の出身なんだそうで、76年当時ぜんぜん年増でなければ、豊島区でもなくて、すいません。コドモ時代の僕の印象は、間違っておりました。 で、この 「センチメンタル」 という歌は、松本伊代の 「センチメンタル・ジャーニー」 に比べると、僕の記憶に占める割合がかなり少なかったりするんですが、いちばん最後の、17歳〜♪ というところだけは覚えがあります。17歳なんですかぁ。いいですなぁ♪ 17歳。英語で言うと、セブンティ。 いや、違いますね。セブンティーンですね。 最後に “−ン” を付けるかどうかで、ウン十年もの歳の差が生じてしまって、いや、英語というのは難しいですね。 松本伊代は、伊代はまだ16だから〜♪ と歌っておりましたが、一方のヒロリンは17歳。 いいですなぁ。17歳。無論、16歳というのもいいんですが、17歳もいいです。 17とか19といった奇数だけはやめて欲しいという論理はギャルの年齢には当て嵌まらなくて、41歳とかでもぜんぜん大丈夫です。 で、この17歳はどうしておセンチになってしまったのかというと、歌を聴く限りではぜんぜん分からなかったりするんですが、幸せそうですもんね、何だか。 ブルーの服をバラ色に変えてみたり、かかとの高い靴を履いてみたり、髪をカールしたり、お洒落に目覚める17歳。 ただ、かかとの高い靴というのは何だか足首がグニっといっちゃいそうで、骨折明けの僕としてはちょっと怖かったりするんですが、カールというのはいいですよね。僕はカールが大好きです。特に、うすあじが好き♪ カレーあじも好き♪ が、カレー味が期間限定になっちゃったみたいで、ちょっぴり残念、

 で、次、岩崎宏美 「ファンタジー」 (作詞:阿久悠/作曲:筒美京平) 。 連チャンですな、ヒロリン。 個人的にはこちらの歌のほうが強く印象に残っているんですが、メロディが印象的なんですよね。 特に、心に感じた、あなたの眼差し♪…というところの畳み掛けるような展開が、タタミイワシ好きにはもう、たまらん♪ いや、個人的にはさほど好きではなかったりするんですけどね、タタミイワシ。 筒井康隆の 『怪奇タタミ男』 という小説に多々見久志なる人物が出てきて、アレはけっこう好きだったんですけど。 で、歌詞のほうはアレです。今から2ヶ月前、地下鉄の出口で彼と運命的な出会いを果たしたと。お互いに一目ぼれだったようですね。ビビっと来たというヤツですかね? 僕も電気の工事をしていて感電してビビっと来たことがあるんですが、200Vだと、ビビっ!…では済まずに、ガツンと鈍器で叩かれたような衝撃が走って、ちょっぴり危険。 で、1ヶ月前の雨の午後に、公園の木陰で、初めてのチュウ♪ 出会って1ヶ月でチュウというのは、早いんだか、遅いんだか、普通なんだか、今の相場というのが僕にはよく分からんのですが、雨の午後に公園の木陰でというシチュエーションは、びしょ濡れになるやん!…という気がするので、個人的にはあまりお薦めは出来ません。 「ああん、びしょびしょになっちゃったぁ。。。」 「じゃ、ちょっとそこのホテルで休憩していこうか?」 とか、次なる段階に至るための布石とも受け取れるんですが、ああん、ファンタジー♪

 が、この2人の幸せは長くは続きませんでした。 あれは半日前の今朝のことだった、この部屋の窓辺で、あの人から言われた、哀しいさよならを♪…って、出遭ってわずか2ヶ月で破局でありますか。早っ!めっちゃ早っ!  「3年目の浮気」 の夫婦の場合、 「5年目の破局」 に至るまで、いったい何年かかったのかというと、おそらく約5年ということになろうかと思うんですが、こっちは3ヶ月持ちませんでしたかぁ。 別れを告げられているのに、手を振って私も、ただ、好きよと告げていた♪…というのは、態度としてちょっとどうかという気もするんですが、それだけ事態があまりにも唐突で、現実を受け入れることが困難だったんでしょう。 ヒロリン、不憫です。

 次。 桜田淳子 「夏にご用心」 (作詞:阿久悠/作曲:森田公一) 。 君は淳子派だったかな?それとも百恵派かな? そういう僕は森昌子派でした。…という人は、相当なマニアだと思うんですが、ちなみに僕はどちらかと言うと淳子派でした。いや、何となく。 僕がコドモの頃、桜田淳子がヨナハ産婦人科でコドモを生んだらしい。…という噂が日進小学校の内部で囁かれたことがあるんですが、わりと近くにあるんですけどね、ヨナハ。 恐らく長島温泉の長島グランドショーに出演するために桑名に来て、体調を崩すなどしてヨナハで診察を受けている姿を目撃されて、何せコドモの事なので、 “産婦人科=コドモを生むところ” という認識しかなくて、そういう根も葉もない流言蜚語が飛び交ったのではなかろうかと。 あるいは桜田淳子本人と確認されたわけでもなく、よく似た人がヨナハにいたという、ただそれだけの情報から噂が派生したという可能性も捨て切れないんですが、とまあそんなことで、 「夏にご用心」 。 なんと言うか、正統的なアイドル路線という感じなんですが、明るく、無邪気で、屈託がなくて、微妙にエロい。 おじさんの心をくすぐる要素が絶妙に配置されておりますな。 夏は心の鍵を甘くするわ、ご用心♪…ですか。夏になるとどうしても気分が開放的になって、新島とかに行っちゃうんですよね。いいですよね、新島。嫁に来ないか♪…って、それは新沼ですね。 で、2番。 夏はいけない夢を見たくなるわ、ご用心♪ いけない夢というのはどんな夢なんでしょうね? 朝になると頭が痛くなったり下痢したりして、学校にいけない。夜中に一人で便所にいけない。枯山水の庭を見に行ったら、池ない。池内ひろしと泉マサ子の 「いけない人ね」 。 世の中にはいろんなタイプの “いけない” があるんですが、この場合は 「いけない人ね」 がいちばん近いですかね? いや、調べてみたらそんな歌があったんですが、ちなみに池内ひろしは “いけない” ではなく “いけうち” と読むみたいですけど。 白い水着のあと、とか、灼けたカラダとか、そういうフレーズも出てきたりして、いやあ、いいですな、夏は。

 で、続いては山口百恵 「白い約束」 (作詞:千家和也/作曲:三木たかし) 。 君は淳子派だったかな?それとも百恵派かな? そういう僕はどちらかと言うと淳子派だったんですが、かといって百恵ちゃんが嫌いだったワケではありません。森昌子だって大丈夫です。森進一も嫌いではありません。森三中もストライクゾーンだし、森喜朗も見た目が親戚の大森屋のおっちゃんのヒロシくんに似ていたから親近感を持ってたんですが、残念ながら昨年お亡くなりになりました。いや、森喜朗ではなくて、ヒロシくん。 ヒロシくんのピロシキ、もういちど食べたいです。…って、大森屋にそんなものは売ってなかったので、今まで一度も食べたことはないんですが、八百屋だからコロッケなら売ってたんですけど。 で、 「白い約束」 。 作曲したのは三木たかしなんですが、何だかロシア民謡っぽいサウンドでありますな。この人のお得意パターンであると言えましょう。 どこからとなくピロシキの香りが漂ってくるような気がします。 ロシアっぽく、白く透き通る雪が降ってたりするんですが、この作品のテーマは、オトナの世界は汚れている。 ま、概ねそういうことになるのではないかと思うんですが、思春期にはそういう思いに囚われる事って、よくありますよね。 ま、実際、オッサンというのは便所に入ってもよく手を洗わないし、風呂に入っても頭をよく洗わないし、たまに料理の手伝いをするのはいいんだけど、無洗米をよく洗わなかったりするしで、非常に汚らしい生き物だったりしますからね。 ま、人間、ある程度は不潔にしていたほうがバイ菌に対する抵抗力が生まれるし、無洗米に関してはそれが正しい使用法だったりもするんですが、ねえ、綺麗なまま生きることは無理なのかしら♪ と言われると、それはちょっと無理な話なのかも知れません。 ただ、ねえ、私達も愛し合うと、いつかは汚れてしまうのかしら♪ と言われると、そんなことは決してなくて、愛し合ったからって、決してカラダが汚れるということはないんだよ、百恵♪…と、優しく諭してあげたいところであります。

 で、次。グレープ 「無縁坂」 (作詞・作曲:さだまさし) 。 グレープというのは、さだまさしがいたフォーク・グループなんですが、どうしてまたこんな葡萄みたいな名前を付けたんですかね? どうせならクレープにしたほうがギャルや子供の受けがいいような気がするんですが、僕がコドモだった頃、クレープというのは憧れのお菓子でしたからね。 ある日、うちのおかんが見よう見まねでクレープを手作りしてくれたことがあって、とっても嬉しかったんですが、食べてみたら思ったほどには美味しくなくて、夢がちょっと壊れてしまったんだったか、ある日、うちのおかんが金魚祭りの屋台でクレープを買ってくれたことがあって、とっても嬉しかったんですが、食べてみたら思ったほどには美味しくなくて、夢がちょっと壊れてしまったんだったか、どっちだったのか詳しい経緯は覚えていないんですが、いずれにしろ、思ったほど美味しいものでもなかったんですけどね、クレープ。 とまあそれはそうと、グレープ。 グループと言っても、さだまさしのほかには吉田正美という人がいただけで、フォークデュオという形態だったようですが、 “グレープ” という名前は、吉田が葡萄の絵を自分の印として譜面に書いていたことによる。…ということなんだそうです。葡萄みたいな名前だと思ったら、葡萄だったんですな。 で、 「無縁坂」 なんですが、どこにある坂なんですかね? 忍ぶ、忍ばず、無縁坂♪ と歌詞にあるので、上野公園の不忍池の近くなんですかね? 僕は先月、不忍池のほとりを歩いたんですが、鵜がいっぱいいただけで、そんな坂には気付きませんでした。 母がまだ若い頃、僕の手をひいて、この坂を上るたび、いつもため息をついた♪ 何だか生活に疲れた母の姿が目に浮かんで、ちょっぴり涙が滲んできます。 で、僕はこの歌の、運がいいとか悪いとか、人は時どき口にするけど、そういうことって確かにあると、あなたを見てて、そう思う♪…というところがいちばんグッとくるんですが、めっちゃ運の悪いおかんだったんでしょうな、きっと。 で、忍ぶ、忍ばず、無縁坂♪ どこにあるのかと思ったら、やっぱり不忍池の近くでした。上野ではなくて、文京区の湯島ということになるみたいですけど。 坂の上には行き倒れになった無縁仏を弔う無縁寺というお寺があったそうで、後ろを振り返ると無縁仏に取り憑かれてあの世に連れて行かれるという、そういう言い伝えがあったりするのかも知れません。 ため息つけばそれで済む、後ろだけは見ちゃだめと♪…と、坂を上りながら言ったのなら、ちょっと辻褄が合わない気もするんですけど。 あるいは後ろを見ると不忍池からカッパが出てきて、直腸触診とかされちゃうのかも知れません。 ま、後ろを見ちゃ駄目というのは物理的な意味ではなく、過去を振り返ってはいけないという、そういう諭しなのかも知れません。 「わかったかい、サトシ。」 みたいな。 無縁坂、一度上ってみたいような気がします。

 次。 野口五郎 「きらめき」 (作詞:山上路夫/作曲:筒美京平) 。 きらめいちゃいましたか、五郎。 新御三家の中では最もきらめきに乏しいキャラだったんですが、改めて聴いてみると、歌、うまいっすよね。 歌そのものも真っ当です。 真っ当なことでは松任谷由実にも匹敵するのではないかと思うんですが、で、この 「きらめき」 。 メロディが群を抜いて抜群ですよね。 出だしの部分こそやや地味だったりするんですが、何故にあなたと歩くと小さな道さえ、楽しくなるのだろう♪…というあたりのスケールの大きさは、ヤクルトの炭酸飲料 “スカール” をも凌駕していると言ってもいいでしょう。いかにも “スコール” のパチモンっぽくて、スケールの小さな炭酸飲料でしたからね、スカール。 で、五郎クンの言ってることも、分かる気がしますね。 大好きな人と 一緒だと、小さな道を歩くのだって楽しい♪そういう事って、確かにあります。 谷中のへび道とか、そういうしょうもない小道だって、きっと楽しいに違いありません。 2番にある、何故にあなたといる時、この世のすべては輝き増すのだろう♪…というのも、よく分かります。 大好きな人と一緒だと、鱒だって輝きを増す。そういう事って、確かにあります。ピカピカしてて綺麗ですもんね、虹鱒とか。 何故にあなたを見てると時間が立つのを、忘れているんだろう♪ これもよくあります。レッサーパンダとか、立つと可愛いですもんね。ぜんぜん関係はないんですけど。 いずれにせよ、愛の姿は誰にも見えないけれども、この愛と僕は生きよう♪…という五郎クンの前向きな態度、立派です。

 ということで、最後です。 桜田淳子 「ねえ!気がついてよ」 (作詞:阿久悠/作曲:大野克夫) 。 明るく、無邪気で、屈託がなくて、微妙にエロい路線はここでも受け継がれています。 小指に香水つけ、耳たぶおさえて、鏡にウインクする、私は18♪ いや、いいですなぁ。16歳とか17歳とかって、いいよね♪19歳というのもいいね♪…と僕は思うんですが、18歳というのもいいです。青少年の健全な育成に関する条例とかに引っ掛からないという点では、16歳や17歳よりもいいです。無論、41歳というのもぜんぜん大丈夫です。 で、2番。 男のワイシャツ着てクルリと回って、髪の毛かきあげてる、私は18♪ これはちょっとどうかという気がします。そういうことは21歳くらいになってからやったほうがいいのではないか?…と思うんですが、ワイシャツを着ている女の子って、何かエロいですもんね。ワイシャツだけに猥褻と言ってもいいかと思うんですが、ワイシャツ・プレイ♪ かなりいいかも知れません。 で、この歌のいいところは、ねぇ、気がついてよ、早く♪ というフレーズも、ちょっと飽きて来たよなぁ。…という気分になってしまう3番に、ねぇ、呼び出してよ、早く♪ という、新しい台詞を持って来たところにあるんですが、ちょっぴり新鮮な気持ちになれたりしますよね。 とまあ、そんな淳子たんも文鮮明に呼び出されてしまって、ちょっぴり残念でありますなぁ。。。

 とまあ、そんなことで、 続編 '76-1 はおしまい。 “さば的@我が心のベスト3♪” は次回、全19曲の中から選んでみようと思うんですが、現時点では 「ファンタジー」 「きらめき」 あたりが有力かと。 五郎、頑張れー!


( つづく♪ )


INDEX
BACK NEXT