さぎの湯荘

【所 在 地】 島根県安来市

【宿 泊 日】 平成28年08月06日(土)

【オフィシャルサイト】 http://www.saginoyusou.com/

【楽天トラベル】 http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/17912/

【じ ゃ ら ん】 http://www.jalan.net/yad310662/

【一 休.com】 http://www.ikyu.com/00001847/

【るるぶトラベル】 http://rurubu.travel/A09/32/3203/320301/3220603/7319001/

【交  通】

    : 山陰道・安来ICより15分
  鉄道 : JR山陰本線・荒島駅からバス10分/安来駅からバス20分
  送迎 : 足立美術館・無料シャトルバスを利用

 安来市と言えば、安来節。 鰹節とか、サバ節とか、そういった類の節ではなく、炭鉱節とか、きよしのズンドコ節とかのほうのアレなんですが、世間一般では 「どじょう掬い」 と言ったほうが分かりやすいかも知れません。 アレの発祥の地が安来市なんですが、どこにあるのかと言うと、鳥取と島根の県境の、島根側。 街で言うと、米子市と松江市の間。 観光で言うと、足立美術館が有名なんですが、その美術館のすぐ近くに湧いているのが、さぎの湯温泉。 情緒のある温泉街というワケではなく、旅館が4件くらいあるだけの地味なエリアなんですが、安来の駅からは離れているので、公共交通機関を利用する場合は、バスまたはタクシーを利用することになります。  イエローバス という黄色いバスが走ったりしているんですが、普通に金を取られたりするので、 足立美術館の無料シャトルバス に便乗するというのが得策ではなかろうかと。

【地  図】  アクセス

 地図はオフィシャルサイトを参照してください。 インターからもわりと近そうなので、車でも便利そうでありますな。 高速を降りてからの所要時間は10分と書いてあるのもあれば、20分という説もあったりしたので、ま、間を取って15分くらいかな…と。

【駐 車 場】 50台・無料 (部屋数:20室 )

 部屋数に対して、必要十分な駐車場スペースが確保されている模様です。 ま、周囲は田んぼばかりだったりしますからね。 農家のオッサンの頬を札束で叩くなりすれば、土地は何とでもなるんでしょう。

【あらすじ】

 鳥取に行って来ました。 …という話は、とりあえず、 ここ を参照して貰うとして。 この宿に到着するくだりはこの辺り になろうかと思われますが、ジャズが流れる宿。 そういうのを検索していて、ここを知ったのではなかったかと。 部屋も飯も風呂もなかなか良さそうなので、いつか泊まってみたいと思っていたんですが、この度、鳥取だか島根だかに行くことになったので、押さえてみることにしました。 …というのが、ま、今回のあらすじと言えるのではなかろうかと。

【料  金】 39,960円 (消費税・サービス料込) 足立美術館入館券付き〜天然温泉かけ流しと芸術を楽しむ〜 /源泉掛流し露天風呂付き客室(和室) 1泊・2食付

 無駄に小金を溜め込んでいるサバくん。 1泊、3万円台なら、ま、別にいいんじゃね? そんなふうに思えてしまうほど、贅沢が身に付いてしまって、大衆の敵となりつつあるんですが、39,960円っ! 僕の心理的な上限、ギリギリでありますな。 これがもし、40,060円だったりしたら思い止まったかも知れませんが、土曜日で、露天風呂付き客室で、おまけに足立美術館入館券の入場券まで付いてこのお値段なら、お得なんじゃね? …みたいな。 ちなみに、僕が押さえたのはいくつかある露天風呂付き客室のうち、和室タイプの 「梅」 という部屋なんですが、ここで将棋の王将戦が行われたりする模様。 将棋好きにとっては、プライスレスでありますな、こりゃ。 個人的には将棋、生姜、小五の女児、この3択なら間違いなく小五を選ぶし、もしかしたら生姜にも負けるかも知れないくらい、将棋にはあまり興味がなかったりするので、ふーん。 そんな感慨を持っただけなんですが、ちなみに、今回の日程でこの部屋に泊まれるのは、このプランだけでありました。 日にちをずらせば、足立くん抜きで、料理が特別バージョンになる。 そういうのもあったような気がするので、各自の趣向に合わせてチョイスするといいのではなかろうかと。

【フロント】

 ということで、現地に到着〜。 足立くんちのバスを利用したんですが、そこから歩いて1〜2分といった感じなので、便利っすな。 シャトルバスの停留所 ≠ イエローバスの停留所で、黄色いほうに乗っちゃうと、ちょっとだけ遠くなってしまうので、注意が必要です。 で、宿を外から見た感じは、

宿の外観♪

 これ (↑) 。 さぎの湯温泉の中ではいちばん高級そうな位置付けなのに、意外とボロくて、ちょっぴり詐欺の湯荘。 そんな気分になっちゃうんですが、とりあえず中に入ってみましょう。 チェックインの手続きはフロントではなく、少し離れたラウンジで、ウェルカムドリンクを飲みながら。 そういうスタイルなので、とっても落ち着きます。 で、係りのお兄さんがこれまた、親切丁寧。 明日はどちらに行かれる予定っすかぁ? そんな世間話の中で、とりあえず足立美術館を覗いた後、清水寺 (←安来にもそういうのがある) に行ってみるつもり。 そういう旨の返答をしたところ、清水寺行きのバスの時刻表をメモって、そっと渡してくれました。 便数が極めて些少な黄色バスであるため、帰りもそれに頼るのは困難。 そういった判断に基づいて、タクシー会社の電話番号も併記されておりました。いたれり、つくせりっすな。 用意周到な僕は、帰りのバスも含めて、既に調べてあったりもするんですが、こういう心遣いは嬉しい限りっす。 で、このラウンジというのが庭の眺めが素晴らしく、ジャズが流れていたりもして、入りびたくなる空間だったんですが、あまり広くはないし、他の人がチェックインで頻繁にやってくるので、今ひとつ落ち着きません。 似たようなラウンジはもう一ヶ所あったんですが、そちらのほうはジャズが流れていなくて、そっち系に関して言えば、ちょっぴり期待はずれだったかも?

【部屋・設備】

 で、案内された部屋はこちら。

お部屋の様子(その1)♪ お部屋の様子(その2)♪

 おお、広くて、綺麗で、素晴らしいっ♪ このエリアは新築したのか、改築したのか、増築したのか、チーチクしたのかは分かりませんが、真新しいっすなぁ。 ちくわの穴にチーズを詰めても、こうはならないので、最後のチーチクは無いような気もするんですが、構成としては広めの和室の二間続き。 露天風呂付き客室は和洋室のタイプもあって、個人的にはそっちのほうがよかったんですが、お一人様では泊めて貰えないようなので、こっちで妥協。 が、これはこれで、ぜんぜん問題は無かったな…と。 メインの部屋の向こうには、椅子と机が置かれた広縁 (?) に相当するスペースもあって、広縁で披露宴…は、無理としても、碁石を拾えん事もない広縁。 そういうアレだったりします。 小学校の水泳の授業でよくやりましたよね。 プールに碁石を撒いて、それを潜って拾うやつ。 広縁でそれをやる意味はまったくなかったりするんですが、で、この部屋の最大の売りと言えば

客室露天風呂エリア♪ お庭の様子♪

 客室露天風呂 & そこから見える庭〜♪ 隣接する足立美術館は綺麗な日本庭園で有名なんですが、それを意識してか、ここのお庭もめっちゃいい感じ♪ 露天風呂は厳選された源泉が掛け流されているんですが、その溢れた分を足湯として有効利用するという、素晴らしいアイデアが施されております。 これは後ほど、たっぷりと堪能させて貰うとして、まずは手始めに

  お茶菓子♪


 お茶菓子〜。 “種なし梅” と “宍道湖しじみ” でありますか。 そんな隣の松江の銘菓なんかより、地元のどじょう掬い饅頭のほうが、よかったんじゃね? そんな気がしないでもないんですが、ま、普通に美味しかったから別にいいんっすけど。  これ っすか。 もみじ饅頭のもみじが、しじみになった系。 そのように判断していいのではないかと思うんですが、しじみっぽく、黒い色にしてあるのが、それなりかと。 とりあえず、部屋に関しては、期待通りの出来であるな。 そのように判断していいのではないかと思うんですが、ということで、では続いて、パブリックの風呂場を覗いてみることにしましょうかぁ。

【風  呂】

 露天風呂の付いた大浴場が男女それぞれ1ヶ所ずつ、夜と朝の入れ換えは無し。 そういった構成ではなかったかと思うんですが、これがなかなか、よかったっす。 前の日にお泊まりした、鳥取駅から歩いてもいける 交通至勉便利な温泉宿 の露天風呂が、あまりに街中にあり過ぎて、周囲をマンションで囲まれちゃったのが災いして、開放感が皆無だったのに対して、こっちのほうは広々としていて、のびのび。 周囲は田んぼに囲まれていて、向こうのほうには里山みたいなのが見えるだけで、特段、景色がいいというワケではないんですが、日本むかし話的な原風景といった感じで、非常に心が落ち着きます。 やっぱ、温泉は田舎に限りますなぁ。 で、ここ、大浴場以外に、貸し切りの露天風呂もしくは内風呂が1つずつあって、どちらかを1回、無料で利用することが出来ます。 21時までがチェックイン時の早い者勝ちの予約制、それ以外の時間は空いていれば、いつでもオーケー & 何度でも大丈夫。 ま、僕の場合、自分の部屋に露天風呂がある上級市民なので、そんなの、特に必要では無かったんですが、せっかくなので露天風呂のほうを利用させて貰うことにしました。 その出来映えの程はと言うと、

 

貸切露天風呂♪


 こんな感じ。 湯船はそこそこ大きいし、ちょっとしたプチ枯山水のようなものも設えてあって、ぜんぜん悪くないと思うんですが、自室のマイ露天のほうが更にもっと悪くなかったりするので、やっぱり必要なかったかな。 そんな気がしないでもありません。 無料なのに時間は50分と、たっぷりあって、普通の部屋に泊まっている人にとっては、実に有り難いサービスでありますなぁ。 で、そうこうしているうちに、すっかり日が暮れてしまったんですが、夜になるとお庭がライトアップされて、ますます、いい雰囲気になちゃいます。

客室露天風呂@ライトアップ編♪


 この情景を独占して、源泉掛け流しの温泉に浸かりながら眺めることが出来るとは、なんちゅう贅沢♪ 将棋の羽生くんも対戦相手が長考している間、ここに浸かってのんびりと寛いだりしたんっすかね? その様子が無修正でテレビで流される場面を想像するとちょっとアレなので、そういう企画は女流名人戦とかに限定して欲しいところなんですが、とまあそんなこんなで、風呂部門に関しては期待通り、満点っ♪ …ということで。

【夕  食】

 で、続いてはメシ部門です。 今回はレギュラープランということになってしまったので、あまり多くは期待していなかったんですが、御献立のほうはこんな感じ。

御献立♪


 部屋食なのは嬉しいっすよね。 将棋のタイトル戦でもランチタイムとか、おやつタイムなんかがあったりするようなんですが、やっぱり部屋食なんっすかね? この部屋で羽生くんが “きつねうどん” を食ったのかと思うと、感激もひとしおなんですが、“きつねうどん” がお約束なのはホテルニューアワジだけなので、ここでは他のものを頼んだのかも知れませんけど。 前にも一度、このコーナーでネタにしたことがある気がするので、暇な人は探して欲しいんですが、出雲蕎麦と天ぷらのセットのようなものだったかと。 とまあ、それはそうと、今回の僕の夕食。

前菜♪ お造り♪


 まずは “前菜”。 イカの山葵和え、枝豆、揚げ百合根、柳川真丈、ミニトマトのゼリー、炊き合わせ(南瓜、冬瓜、牛蒡)。 そういった物だったようです。 和食系の前菜には珍味系のものが混入していることが多く、僕にとってはちょっとアレだったりするんですが、今回は無難な面子ばかりであるようで、何より。 で、カメラの設定上、 奥のほうにちょっとだけボケて写っているのがあると思いますが、これが恐らく “小鉢” と “蒸し物” なのではなかろうかと。 左側の四角い謎の食い物は、焼ナスの胡麻寄せで、茶碗みたいなやつが、茶碗蒸しでしょうな、多分。 で、右の写真は “お造り” 。 旬魚五種盛り。 魚ではない海老が混入してるやん。  旬魚五種盛りちゃうやん。 旬魚四種旬海老一種盛りやん。 そう思われるかも知れませんが、よく見ると、海老以外にも貝の類があったような気がしますな。 面倒なので、海で採れた新鮮な食い物はすべて、 “” というくくりで、エエやん。 そんな暗黙の了解がこの業界にはあったりするようなんですが、で、次。

小鍋♪ 酢の物♪


 “小鍋” 。 普通、このジャンルでは小さなー鍋物が提供されることになるんですが、今回はここが “和牛のピリ辛味噌陶板焼” になっております。 固形燃料を使う個別の “温め物” は、煮ようが、焼こうが、鍋だろうが、陶器板だろうが、 “小鍋” でエエやん。 そんな、今回限りの特別ルールが採用された模様です。 ま、何らかの大人の事情というやつーなんでしょうな。 結果、本来は小者 (こもの) である筈の小鍋が、今回に限って、メインを担うことになったんですが、和牛の陶板焼きと言ってもステーキっぽい厚みの牛ではなく、薄切りにされちゃっているので、主役を張るには、ちょっと物足らないかな…と。 で、右側の写真は “酢の物” 。 脇の脇の脇役なので、あれこれと論じるまでもないんですが、海月、炙り穴子、蛸、おきゅうと。 そういった面子が酢でどうにかされちゃっているようです。  “海月” という風流な食材の正体は、クラゲ。 中華料理によく出てくる例のアレっすかね? で、もうひとつ謎の物体がありますよね。 おきゅうとまたはおきうととは、福岡県福岡市を中心に食べられている海藻加工食品。「お救人」、「浮太」、「沖独活」とも表記される。 成分の内訳は96.5%が水分、残りのうちタンパク質が0.4%、炭水化物が3%、灰分が0.2%である。 ほぉ。要するに、ほとんど水というワケでありますな。 あまり多くは期待出来そうにありません。 で、続いては

焼物♪ 温物♪


  “焼物” 。 本来ならこれがメイン料理になっても不思議ではないんですが、今回は 「鰻のかば焼き」 。 確かに焼き物であるに違いはないんですが、で、 “温物” は、 「ハモの揚げ出し」 。 酢の物にはアナゴ君がいたし、続いて、鰻、ハモと来て、何だか “寿司ポンジャン” なら、役が出来ちゃいそうっすな。 そういう麻雀もどきのゲームがあるんっすけどね。 で、後は

ご飯♪ 吸物♪


ご飯” 。 とうもろこしの釜飯っす。 で、その後、 “食事” という独自のジャンルがもうけられていて、そこには吸物と香の物が所属しております。 食事なのに、ゴハンは別カウントというのが、ちょっと斬新かと。 この辺りまで来ると、あ〜、食った食ったぁ。 メシもこれで終わりかぁ。 そんな感慨に耽る時間帯になるので、何がどこにどのように分類されようと、別にどうでもよかったりするんですけど。 そんなことより、デザート、デザートぉ! そっちのほうがよっぽど大切っすよね。  個人的には “水物” が、ただ果物を切っただけのヤツだったりすると、ちょっとガッカリなんですが、

水物♪


  今回はかなり豪華っすな。 メニューには 「抹茶ゼリー」 とだけ記載されていたんですが、それ以外にスイカをただ切っただけの奴や、チョコレートケーキも付随していて、何だかめっちゃ得した気分♪ とまあそんなことで、夕食は以上っす。

【朝 風 呂】

 ということで、次の日の朝。 とりあえず自室のマイ露天風呂に浸かって、大浴場に行って、戻ってからまたマイ露天に入って、そうこうしているうちに朝飯の時間でありますな。

【朝  食】

 部屋食だったのか、朝だけ食堂に行くんだったかは記憶が定かでないんですが、食い物のほうは、

朝食♪


 こんな感じ。 固形燃料のヤツは湯豆腐でしたっけね? で、お魚は、日本海側の旅館の定番であるような気がする小さなカレイの干物。 前日に泊まった鳥取の 「こぜにや」 でも似たようなのが供給されたんですが、それと比べると、何だかちょっと食べにくいような? 後で分かったんですが、 「こぜにや」 のほうは小骨を取ってくれていたみたいっすな。 こうして食べ比べてみると、その有り難さが骨身に染みるんですが、それからすると 「さぎの湯荘」 のほうは、ま、普通かな? …と。

【旅 立 ち】

 で、食後に自室のマイ露天風呂に何度か浸かって、これで十分に元は取れたな。 そう、自分を納得させることが出来たところで、チェックアウト。 フロントに荷物を預けて、とりあえず足立美術館を覗いてみることにしました。 鷺の湯温泉の宿泊客特権で、開館の30分前に中に入ることが出来るんですが、で、行ってみたら職員のみんなが庭とかの掃除をしている最中だったりして、ちょっと微妙かな? …と。 が、通常営業が始まった瞬間、どっと団体客が押し寄せて来て、おちおち写真も撮れなくなってしまったので、早く行って、やっぱり正解かな? …と。

【総合評価】

 部屋と温泉は完璧でありました。 料理はレギュラーだったので普通だったんですが、島根和牛とか、ノドグロとか、ドジョウとかに特化したプランもあるようなので、お好みに応じて。 お部屋のほうも安いのから高いのまで、ご予算に応じて色々と選べるし、清水寺に行くバスの時間もちゃんと調べてくれるし、ジャズが聞けるというのに変に期待さえしなければ、オススメ♪


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