いのしし亭(桐山荘)

【所 在 地】 岐阜県・不破郡垂井町
 
【交  通】  : 名神高速・大垣ICより20分関ヶ原ICより15分鉄道 : JR東海道線・垂井駅からタクシーで3分。

【駐 車 場】 20台くらい・無料・大型車可能…と情報にはありましたが、どんなものですかね? 店の前に普通乗用車7台分くらいのスペースがあって、その奥の空き地にも何台か車が止まっておりましたが、個人名の書かれた看板が立っていて、果たして “いのしし” 利用者が駐車していいものなんだかどうだか。 で、ここで言ってる大型車というのがどれくらい大型なのか判然としないんですが、相当に大きな大型車だとちょっと苦しいっぽい気がしないでもありません。あるいは離れた場所に第2駐車場とかがあるのかも知れませんが、ま、無かったら無かったで、その時はその時ですよね。

【公式HP】 http://www.geocities.jp/kiliyamasou/

【楽天トラベル】 http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/20586/20586.html

【宿 泊 日】 平成17年7月19日(火)

【料  金】 4200円 (朝食付き)

 安いですなぁ。 “楽天トラベル” では何故だか朝食のみのプランしかなかったんですが、朝から朝食が食べられてこのお値段というのはとってもリーズナブルだと思います。夕方に夕食が食べられたり、朝から夜食が出てくるようなプランだったらいくらになるのかよくわからんのですが、食堂の部の “一般夕食 (さしみ+日替わり料理+ライス+赤出) ” というのが 1050円らしいので、恐らく夕方に一般夕食が出てくるプランだと、 5250円くらいになるのではなかろうかと。2食付でこのお値段なら、ま、普通に安い民宿といった感じですよね。ま、値段からして一般夕食のさしみが豪華舟盛りだったり、女体盛りだったりする可能性は極めて低いんですが、ま、舟盛りが駄目でも日替わり料理として “鮒と守口漬け” くらいは出るかも知れず、ま、多くのものを期待しなければ、それなりなのではなかろうかと。

あくせすまっぷ♪

【アクセス】

  垂井町というのはですね、マニア以外にはあまり馴染みのない地名であるかも知れませんが、軍師として有名な竹中半兵衛の出身地なんだそうで。 軍司として有名な川俣軍司の出身地ではないので、個人的にはどうでもいいよな。…という気はするんですが、大垣と関ケ原の中間。 ま、位置的にはそういうことになるんですけどね。特別な事情でもない限り、こんなところに泊まる機会はあまりないような気もするんですが、僕の場合はですね、養老町というところで発電機用のエンジンが壊れちゃったんですよね。で、壊れたエンジンを直して実負荷試運転を実施することになったんですが、直送方式のポンプ場である故に、切替がうまくいかないと断水しちゃって困るので、夜中に作業をしろということになりました。 夜遊びとは無縁の健全な青少年時代を過ごした僕にとって、夜間勤務というのはたいへんツライものでありますので、近くに泊まってラクをしようと思って調べてみたところ、場所的にみてこの “いのしし亭” がいいのではないか?…という結論に達したんですけどね。

 場所としてはアレです。国道21号線を岐阜市から関ケ原方面に走って、大垣市を抜けて垂井町に入って、片側2車線の道路が1車線になって、名も知らないチンケな川を渡った先のところを左折。…といったところです。ほとんど国道沿いと言ってもいいロケーションなんですが、早まって橋を渡った直後のところで左折したところ、今ひとつ気分の盛り上がらない堤防道路に出てしまって、ちょっぴり嫌でした。ま、ここからでも行けないことはなかったんですが、もう1本先で曲がるのが正解だったみたいです。信号こそありませんが、 “宿泊可能 4200円” という大きな看板が出ておりますので、まず見落とす恐れはないでしょう。

【フロント】

 建物も駐車場もすぐに分かったんですが、入口がよく分かりませんでした。 いや、これはどう見ても “いのしし亭” の入口やな。…ということの分かる “いのしし亭” と書かれた入口はあったんですが、どう見てもただの食堂の入口としか思えないんですよね。食堂兼務の旅館のようなので、あるいはここから入ればいいのかも知れませんが、ここはあくまでも食堂の入口であって旅館の入口は別にあるのかも知れず、でもまあ、同じ “いのしし亭” なんだから食堂のほうで聞けばわかるよね?…と思ってそこから中に入ってみると、基本的にはそれで正解のようでありました。基本的には…というのは、そのすぐ横のところに宿泊客が勝手に出入り出来る勝手口のようなものがあることが判明したからなんですが、2つの入口は中で接続しておりますので、ま、基本的にはどっちてもよかったな…と。 で、そのような構造であるが故に、フロントと呼べるようなものはありません。食堂のカウンタとか、レジなんかがあったりするだけです。 で、この手の旅館やビジネスホテルというのは基本的に宿泊客をあまり信用してなくて、前金制度を採用しているところがほとんどなんですが、 “いのしし” は料金後払いのようで、僕って信用されているんだね♪…といった気分に浸れるという点では高級ホテルに匹敵するものがあると言えるのではなかろうかと。

【部屋・設備】

 朝食込みで 4200円ですからね。果たして朝食にどれほどの価値があるのか現時点ではまだ分からないんですが、安めに見積もって 500円とすると、部屋賃は 3700円ということになります。カプセル並みの料金でありますので、カプセル並みやな。…といった広さであったとしても文句は言えないところなんですが、部屋に辿り着く以前の問題としてですね、果たして無事に自分の部屋まで辿り着けるのかどうか、ちょっぴり心配になっちゃうような建物の構造となっておりました。最初は宿のおばちゃんが案内してくれたから大丈夫だったんですが、これから先ちゃんと一人でやっていけるかどうか、あまり自信は持てません。ま、とりあえず2階まで上がって50センチくらいの幅しかない畳の廊下のようなところを通って、今度は3階まで昇って2番目くらいの部屋でありましたので、言うほど複雑な構造というわけでもなかったんですけどね。ただ、2階から3階に昇る階段がかなり急勾配でありましたので、少なくともハートビル法の適用を受けられるほど、高齢者に優しい建物であるようには思えませんね。若くてヤングな人だって、もし火事になって緊急避難が必要とされる状況となれば、まず間違いなく足を踏み外して捻挫と打撲で身動き出来なくない状態になって、煙にまかれるか、あるいは火炎に焼かれるかのどっちかになっちゃうと思いますが、ま、その時はその時ですからね。

 とまあそんなことで、なんとか部屋に辿り着くことが出来たんですが、外観や料金、さらには “いのしし亭” という名前からして、まず間違いなく和室やろうな。…と踏んでいたんですが、僕の案内された部屋は意外にも洋室でありました。そういえばオフィシャルHPにも何室か洋室があるようなことが書かれておりましたな。 予約時点で洋室と和室のどちらを希望したのかもはや忘れてしまいましたが、ただここの洋室は世間一般の人がイメージするようなホテルの洋室とはちょっと趣きが違っていて、タタミの部屋から畳を取り去って変わりに板を張って、中に二段ベッドを運び込んだような部屋であるな。…といった感じの洋室でありました。ま、小汚いユースホステルで運よく相部屋を免れた状態だと考えれば、それなりに料金相応であると評価することが出来るでしょう。ちゃんとエアコンもあるし、テレビだってタダで見れるし、ただ “すけべビデオ” の放映がないところがちょっぴり寂しいんですが、ま、その変わりにどういうわけだかルームランナーだってあるしー。

 ただ、二段ベッドというのがちょっと落ち着かないんですけどね。一人で泊まっているわけだから、上でも下でもどちらでも、好きなほうの段で寝られるんだよね♪…といった贅沢を味わうことは出来るんですが、わざわざ上の段で寝るというのも面倒な話だし、かと言って下の段は灯りがないものだから本を読むにはちょっと暗すぎるしー。 和室だったらタタミの上の好きなところにゴロ寝が出来て、しかも天井からの光もよく届くだろうから、こういうタイプの洋室だったら、まだ和室のほうがよかったかも知れません。 ちなみにこのお値段だから当然、部屋には風呂も便所も冷蔵庫もなくて、でもまあルームランナーはあるから、抜いた作業服の置き場にするにはそれなりに便利ではあったんですけどね。

【風  呂】

 ここの風呂はですね、ちょっと特殊でした。ま、面倒だからいっかぁ。…と思って結局は入らなかったんですが、宿に到着してまず最初におばちゃんが案内してくれた先は、母屋とは別棟になった風呂場でありました。ま、どうせ最初からあまり入る気はないからいっかぁ。…と思っていたので適当に聞き流していたんですが、いや、10時〜12時過ぎまで仕事で抜けるとなると、何とも時間が中途半端になっちゃうんですよね。 そんなことで詳しい状況はよくわからんのですが、恐らく家庭用の普通サイズの浴槽が3個ほどあって、各自が自分で湯を張って、勝手に入浴する方式であるものと思われます。面倒ならシャワーだけでも使えるようなんですが、それすら面倒だったので、ま、1日くらい風呂に入らなくたって、ちょっぴり汗臭くなって、ちょっぴり足も臭くなって、プチ浮浪者気分♪…といった状態になるだけの話ですからね。

【食  事】

 えー、この日の夕食はですね、いなり寿司豚肉のロールカツでありました。いや、 いのしし亭の一般夕食の日替わり料理がそういうメニューだったわけではなくて、マックスバリュ養老店で買って食べたんですけどね。いのしし亭は食堂兼務なので、場合によってはここで適当に食べてもいいかな?…と思っていたんですが、実際に食堂の様子を窺ってみたところ何となくそういう気分にはなれなかったので、惣菜モノでお茶を濁しておきました。あ、ちなみにマックスバリュ養老店は労働現場から近かったから立ち寄っただけの話で、旅館からだと車で15分ほどかかるので、あまりオススメは出来ません。国道21号まで出ればコンビニや郊外型のレストランがあるので、そういうところを利用するのもひとつの手なんですが、一緒に食事してくれるギャルとか、そこそこの軍資金とか、ちょっとした勇気さえあれば、是非とも “いのしし亭食堂” でのお食事をオススメするんですけどね。 僕の場合、ギャルの部分が欠けておりましたので残念ながら断念したんですが、この店にはなかなかワイルドな食材が取り揃えられているようでありまして。

 とり鍋 1050円
 しし鍋 3700円
 天然かも鍋 4200円
 きじすき焼き 4200円
 くますき焼き  5250円
 すっぽん鍋 4200円

 かじきの刺身 630円
 イノシシ刺身 1260円
 シカ刺身 1260円
 霜降り馬刺 1260円
 カモトロ刺身 1260円

 一般夕食以外のメニューとしては、これが全てであるようです。鍋と刺身しかないやんけ!…とか、何でもかんでも鍋と刺身にすればええちゅうもんでもないやろ?…とか、言いたいことはたくさんあると思いますが、いや、それにしても実に一般的でない夕食でありますな。きじすき焼き、くますき焼きって、天然かも鍋とすっぽん鍋に挟まれているから、おそらく “雉のすき焼き” と “熊のすき焼き” なんだろうな。…ということが推測出来るんですが、ところで “かじき” というのはどういうケダモノなんですかね?…と思ったら、これはごく普通のサカナの刺身なんですね。とっても一般的でありました。 で、夕食がこの調子なら、朝食には一体どんなものが出るのか?…と、いやが上にも期待が高まるわけでありますが、

 ごはん 味噌汁 納豆 生卵 ハム2切れ ピーマンの煮たの

 …って、フツーじゃん。もの凄くフツーじゃん。 しかも納豆、生卵と僕の嫌いなものが2つも含まれておりますので、実質的なおかずはハム2切れとピーマンの煮たのだけになってしまって、ちょっとコレは貧弱でありますなぁ。…と、僕の “いのしし亭” に対する評価はちょっぴりマイナス側に傾いてしまったんですが、ま、朝食込みで 4200円なんだから、こんなものかも知れませんけどね。…などと思っていたら、手付かず状態の生卵に気付いたおっちゃんが目玉焼きにしてくれましたので、僕の高感度はぐーんとアップしたのでありました。ま、納豆だけは煮ても焼いても食べられないので、こればかりはどうしようも無いんですけど。

【総合評価】

 部屋の小綺麗さとか、大浴場だとか、一般的で豪華な料理だとか、そういったものにまったく何の期待もしなければ、それなりに価値はあると思います。レトロ調ビジネス派のヤング向けでないユースホステルだと思えば、それなりに利用価値はあると思います。宿のおばちゃんは愛想がいいし、おっちゃんも卵を焼いてくれるしー。


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