『 多度豆 (丸繁) <分類 : お土産系> 』

多度豆小袋(ノーマルちゃん)♪ 寄り添うノーマルちゃん&抹茶クン♪



(2007年02月25日更新)

 多度 (たど) 、多度、多度ぉ〜♪ あ、この部分は皆さんお馴染み 「パルの歌」 の節で歌って頂きたいんですが、いや、皆さんお馴染みと言っても、そんな歌を知っているのは桑名近辺の出身で、ある程度の年齢に達している人に限定されるような気もするんですけど。 ちなみに 「パルの歌」 というのはその昔、桑名駅前にあったショッピングシティ 「パル」 の中でよく流れていた歌なんですが、

  パル パル パルぅ〜 明るい暮らしのお手伝い〜
  パルで ふふふん ふーんふふふーん パル パル パルぅ〜♪


といった歌詞だったのではなかろうかと。 確か3番くらいまであって、もしかしたら2番とか3番の歌詞が交ざっているかも知れませんが、でもって “ふふふん♪” の部分がどうしても思い出せなくて、いつもここまで来るとハミングになってしまうんですよねー。 思い出せないからイライラして、もう僕は一生 「パルの歌」 なんか歌わないっ!…と思ったりもしたんですが、つい最近になって有力な情報を手に入れることが出来ました。 それを僕に教えてくれたのは小学校時代の同級生である某ギャル (←めっちゃ可愛い。) なんですが、彼女によるとそのハミングの部分は “パルでショッピング・カーニバルっ♪” ではなかったか?…ということなんですよね。 言われてみれば確かにそうだったような気もするし、何だか微妙に違っているような気もするしぃ。。。 ただ、彼女が2人の妹に 「パルの歌、歌ってみぃ!」 と命じたところ、2人とも 「パルでショッピング・カーニバルっ♪」 と歌ったそうなので、その信憑性はかなり高いと言えるかも知れません。 ただ、おねーちゃんが妹にウソを教え込んでいたという可能性がまったく無いとも言い切れないんですが、ま、だいたいイイ線をいってるとは思うんですよね。 確かに僕たちにとってパルでショッピングするというのは、それはそれはカーニバルな出来事でしたからねー。 まず1階の 「松重」 と 「シルバー模型」 を覗いて、2階の婦人用下着売り場とかにはまったく興味がなくて、3階の紳士用パンツ売り場もどうでもいいから素通りして、4階より上の部分は 「コマチヤ」 「桑名スポーツ」 「関西電波」 あたりが僕の好きなスポットでありましたな。 それから屋上まで昇ってペットショップを散策して、そこから一気に地下まで下って、ソフトクリームを食べる。…というのが黄金コースでありました。 めっちゃカーニバルやんっ!

 という 「パル」 の話はどうでもよくて、多度の話でしたよね。 多度というのはあれです。桑名の北西あたりに隣接しているイナカっぽい町なんですが、平成の大合併によって長島町と共に、今では桑名市の一部ということになりました。 で、この町の特徴をですね、 「パルの歌」 に合わせて簡単に紹介すると、

  多度 多度 多度ぉ〜 多度山、多度豆、多度大社〜
  多度で ふふふん ふーんふふふーん 多度 多度 多度ぉ〜♪


ということになるのではなかろうかと。 後半はどうしてもハミングになってしまう程、あまり名物や見所がなかったりするわけなんですが、敢えて “ふふふん♪” の部分に歌詞を付けるとするならば、 “多度でチアノーゼ・カーニバルっ♪” ということになるかも知れません。 多度には自然の川をせき止めて作った天然プールというのがあるんですが、ここは水がめちゃめちゃ冷たくて、長い間水に浸かっていると唇が紫色になったりするんですよねー。 そんな多度を象徴する山と言えば、これはもう歌にも歌われている “多度山” でありましょう。 標高403m。 あと3m削ったらちょうど400mになって、限 (きり) がよかったのにぃ。…と思わずにはいられませんが、小学生の頃に遠足で登らされましたなぁ。 僕はどちらかというと遠足よりも豚足のほうが好きな子供だったので、あまり楽しかった思い出は無いんですが、で、続いては “多度大社” でありますか。 ここは上馬 (あげうま) 神事で有名だったりするんですが、僕はどちらかというと上馬よりも揚げ寿司のほうが好きだったりするので、今まで一度も見に行ったことはありません。 美味しいですからね、揚げ寿司。 ちなみに揚げ寿司というのはマグロの握り寿司を油で揚げて、マグロフライの寿司にしちゃうとか、そういった食べ方のことではなくて、甘く煮付けた油揚げで寿司飯を包む、いわゆる “いなり寿司” のことをウチのほうではこう呼ぶわけなんですが、その揚げ寿司ほどにはソソられるものが無いんですよねー、上馬って。

 とまあ、僕にとって多度という町は基本的にどうでもいいところだったりするんですが、ひとつ食べ物関係で言うと、この町には僕の大好きなものがあったりするんですよね。 ただ、この町には僕の好きなものだけでなく、僕の嫌いなものや、好きでも嫌いでもなくて基本的にどうでもいい食べ物とかもあったりするんですが、僕は好きなものは最後まで残しておくタイプであります。 だからまず、あまり好きでないものから片付けておこうと思うんですが、いきなり嫌いなものに手をつけるというのも勇気のいる話なので、まず手初めは “普通のもの” にしておきますかね? それはいったい何なのかと言うと “鯉” なんですが、多度にある大黒屋というお店は鯉料理で有名なんですよね。 ちなみに僕は子供の頃、鯉に恋する少年でありまして、大きくなったら大金持ちになって、庭に池を作って鯉を飼うんや!…と思っていたんですが、大人になってこの “4つの願い” の中で実現したのはたったのひとつでありました。 大きくなったら…という願いだけは何とか自分のものにすることが出来たんですが、大金持ちにはなれなかったし、いまだに庭に池も作ってなければ、鯉だって飼育しておりません。 つまりまあ、僕の人生は1勝3敗だったわけですが、そんなこともあって、僕は今ではさほど鯉が好きではない中年へと成長してしまっております。  観賞用の鯉も食べるほうの鯉も、今では “鯉” と聞いてもさほど胸がときめかないようになってしまいました。 よって大黒屋にもまだ一度も行ったことがありません。 他の店で鯉の洗いを食べたことはあるんですが、鯉そのものにはこれといった味があるわけでもなく、好きでも嫌いでもなくて基本的にどうでもいい食べ物やな。…と思ったというのが僕の率直な感想でありました。これならまだ、鯉の洗いよりも “マット洗い” のほうがいいんじゃないですかね?

 で、続いては嫌いなものでありますが、これはもう “紅梅焼き” に尽きると言ってしまっていいでしょう。 ザウルスでは最初 “工場嫌気” と変換されてしまった “紅梅焼き” というのはいったいどういう物なのかと言うと、要は紅梅をかたどった固焼きの煎餅のようなものなんですけどね。 それだけなら別にやっきになって目の敵にするほどのことでも無いんですが、常識を逸脱しているくらい固かったりするんですよね、これがまた。 歯が欠けるちゅうねん!…と思わずにはいられないくらい。 そんな固い煎餅を 「噛めへんかて別にかめへんやないか。」 などと言って、バリバリ食っている老人をたまに見かけたりしますが、僕にはとても信じられません。 ま、食ってる本人は普通に噛めているわけだから別にかめへんのかも知れませんが、歯があまり丈夫ではなくて、紅梅焼きが噛めへん身になってみろって!…と、文句のひとつも言いたくなってしまいます。 ま、たとえ固かったとしても、それがめっちゃ美味しいものであれば、歯が欠けるというリスクを冒してまでチャレンジしてみる気にもなるんですが、無理して食べてみたところでさほどうまくもないですからね。 ということで、紅梅焼きにはまったく購買意欲をソソられないわけでありますが、ここでいよいよ、僕の大好きなものが登場することになります。 それは何かと言うと、ずばり 多度豆 であるわけですが、ま、タイトルのところに大きな字で書いてあるので、大抵の人は最初から分かっていたとは思うんですけど。

 多度豆。 正式には 八壷豆 と呼ぶのが正解のようですが、どうして多度豆のことを八壷豆と言うのかというと、多度の天然プールがある辺りの川を八壷渓谷と言って、そこにある “みそぎの滝” の飛沫 (しぶき) をかたどって作ったところから、この名前があるんだそうで。 多度の名物だから、多度豆。 こっちの名前のほうがストレートで変わりやすいので僕は好きなんですが、果たして多度豆、もしくは八壷豆というのは、いったいどんな食べ物なのでありましょうか? 名前に “豆” と付いているところから、豆菓子の一種であろうというのは何となく想像がつくと思いますが、この多度豆は普通の豆菓子とはちょっと様子が違っております。 ふやけたような柔らかい大豆を芯にして、きな粉を砂糖水で練ったもので周囲を包み込んで、表面を白砂糖でコーティングしたような食べ物なんですが、体積で言うと豆の部分よりも、きな粉のほうが圧倒的に多数を占めておりまして、これなら何も真ん中に豆を入れる必要はないんじゃないか?…と思ってしまうほど、全体としてはきな粉と砂糖の味しかしなかったりします。 豆の部分を省略して “多度” という名前で売り出したとしても、どこからも文句は出ないような気がするんですが、きな粉だけではうまく球状に固めるのが難しいので、やむを得ず芯に豆を入れたということなのかも知れません。 いわば豆は必要悪みたいなものなんでしょう。

 そんな多度豆がある日突然、ふと恋しくなって、多度まで買いに行くことにしたんですが、僕が行ったのは何件かある多度豆屋のうちの 丸繁 というところなんですけどね。 僕はですね、この店の多度豆がいちばん美味しいと思っているんですよね。…といった信念に基づいた行動ではなく、とりあえず多度大社の近くまで行けば、きっと多度豆を売っているよね?…と思って境内の近くまで行ってみたところ、たまたま目に付いたのがこのお店だったんですけど。 夕方、周囲が暗くなりかけて閉店間際という時間帯だったので、店には一人も客がいませんでした。 で、僕は多度豆と言うと、白い色をしたノーマルなタイプしか知らなかったんですが、いつの間にやらいくつかの種類が誕生しているんですな。 まず最初に目に付いたのが抹茶味だったんですが、ただ甘いだけではなくて苦みの効いた抹茶フレーバーの多度豆というのも、なかなかイケるかも知れません。 もうひとつ、普通の多度豆より一回りほど小降りで、表面に白い砂糖をまぶしてないタイプもあって、これには “八壷豆” ではなく、 “上馬くん” という名前が付けられておりました。 この2つに加えて、一応はノーマルなタイプも押さえておくことにして、ただそれだと結構な量になってしまうので、お手軽な小袋入りのものにしておきました。 その3つを店のおっちゃんに差し出そうとすると、もうひとつ “コーヒー味” というのがあるのが目に入りました。 伝統的な和風のお菓子である多度豆にコーヒーというのは、どう考えても合わないような気がするんですが、ま、話のタネにと思って、ソイツも一袋購入。  たくさん買ったから店のおっちゃんが “ういろう” をサービスしてくれて、いや、何て気のいいおっちゃんなのでありましょうか。 いや、“丸繁” を選んで大正解でありましたな。 ま、今から思えば閉店間際の時間だったので、売れ残った “ういろう” を在庫処分で恵んでくれただけのような気もするんですが、ま、人の好意は素直に受け取ったほうがお互いに気分がいいですからね。ここはひとつ、ありがたく頂戴することにしましょう。

 ということで、家に帰ってまず最初にオマケの “ういろう” を片付けて、で、まず最初に手を付けてみたのが新製品と思われる “上馬くん” だったんですが、これはアレですな。 ただノーマルな多度豆から、表面の白砂糖を取っ払っただけやん!…と言った感じでありまして、わざわざ “上馬くん” という新しい名前を付けて売り出すほどのものか?…という気がしないでもありません。 ま、普通に美味しいし、多度豆の最大の欠点である、食べてると机の上が砂糖の粉だらけになるやんっ!…といった問題が発生しないので、これはこれで悪くない製品であるとは思うんですけどね。 で、続いて食べたのが期待度の低かった “コーヒー味” なんですが、いや、コイツにはいい意味で裏切られましたな。 これはですね、インスタントコーヒーの粉を水で練って固めて、それをそのまま多度豆の表面にコーティングしたんとちゃうか?…と思ってしまうほど、かなり強烈にコーヒーの苦みを感じられる作品に仕上がっておりまして、表面のビターなテイストと、中のきな粉の甘みとのバランスがこの上なく巧みにして絶妙で、ああん、めっちゃ美味しいのぉ♪ いや、これは今回の最大のヒット作でありましたな。 で、ふと気が付けば上馬くんとコーヒー味は食べ尽くしてしまって、写真を撮る段階ではノーマル味と抹茶味の2種類しか残っていなかったんですが、コーヒー味の意外な健闘によって、もうひとつの抹茶味にも大いに期待が高まるところでありますな。

 …と思っていたんですが、抹茶味はコーヒー味ほど苦みが強くなくて、ノーマルタイプとさほど変わりがないやんっ!…といった感じだったので、こちらはちょっぴり期待外れでありました。 で、ノーマルだからつまらないだろうと思っていた普通の多度豆が、さすがは伝統の力と言うか、ごく普通でありながら実に安心感のある美味しさを誇っておりまして、これはこれでやはり外せない一品であると思います。 コーヒー味は “丸繁” 以外の店にもあるのかどうか知りませんが、ノーマルちゃんとコーヒー君の組み合わせというのが多度豆のベストカップルということになるのではなかろうかと。 2人の愛の結晶として生まれた “上馬くん” はお母さん似で、きな粉の味しかしなかったりするんですが、となると “抹茶クン” の存在はいったいどういうことになるんでしょうな? 写真ではこの2人が仲良く寄り添っていたりするんですけどー。 ま、悩んでみても答えは出そうにもないので、あまり深く考えないことにしようと思いますが、今後はノーマルちゃんが新しい彼氏を見つけてくるのに期待したいところでありますなー。 カレー味やチリ味の多度豆というのも、けっこうイケるかも? さらにはサラミ味とか、コーンポタージュ味とか、テリヤキバーガー味なんてのも作って、多度豆を “うまい棒” に匹敵するような日本の代表的な名菓に育て上げたいところでありますが、…などと思っていたら こちらの店 には何と、チョコレート味やらシナモン味なんてのがーっ! 今度の週末にはさっそく買いに行ってみよう!…と思ってしまった僕なのでありました。 いや、シナモン味の多度豆って、ちょっぴりパチモンくさいような気もするんですけどねぇ。。。 とまあそんなことで、今日のところはおしまい。

( おしまい♪ )


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