『 おしどりミルクケーキ (渡辺製麺&日本製乳) <分類 : お土産系> 』

渡辺製麺ミルクケーキ外袋♪ ミルクケーキ内袋♪
日本製乳ミルクケーキ外箱♪ 姉妹品サクサクミルクチップ♪



 今日は “乳フェチ” の人にお薦めのお菓子を紹介したいと思います。いいですよねぇ、乳。僕も大好きです。が、小学生の頃はそれほど乳好きだったわけではなく、どちらかと言うと乳嫌いの少年だったんですが、それはやはり、学校で飲まされた牛乳が今ひとつ美味しくなかったところに原因があると思うんですけどね。美味しくなかったですからね、学校の牛乳。何がよくないって、ぜんぜん冷えてないところが最悪でありました。今はどうか知りませんが、僕たちが子供の頃の学校の牛乳は生ぬるかったですからね。どうして生ぬるかったのかというと、あれは恐らく嫌がらせだったんぢゃないか?…としか思えないんですが、朝持ってきた牛乳をわざわざ日の当たるところに放置して、充分に温まってから飲むようなシステムになっていましたからね。当時の教育者はいったい何を考えていたんでしょうか?あるいは、あまり冷たい牛乳を飲ませると下痢をする児童が出てくるから。…という親心だったのかも知れませんが、いいんだって!僕は下痢をしてもいいから冷たい牛乳を飲みたいんだって!…と思った児童は少なくないことでありましょう。そんなことでまあ、給食で一月に2回くらい出てくる “ミルメーク” だけが楽しみだった子供時代の牛乳ライフでありましたが、おかげで今でも僕は、牛乳そのものはそれほど好きではないんですけどね。ま、飲んで飲めないことはないんですが、出来ればカルピスの “りんご小町” (←信州限定) を入れて飲みたいな♪…と思っている次第でありまして。

 そんな牛乳嫌いのお子様にも、熱烈な “乳フェチ” のお父さんにもお薦めの御菓子が “おしどりミルクケーキ” でありまして、ま、 “おしどり” の部分はオマケのようなものなので、ただ単に “ミルクケーキ” と言っても知っている人には通用するかと思いますが、知らない人にとっては、やや誤解を与えるネーミングであることも確かです。ケーキというと普通、スポンジケーキのようなフワフワ状のものが想像されるかと思いますが、この “ミルクケーキ” は違います。フワフワどころか、ガチガチの板状の代物でありまして、はじめてこれを食べた人は、これのどこがケーキやねん!?…と騙されたような気分になってしまいますが、ま、 “cake” というのは本来 “固めたもの” くらいの意味ですからね、いや、多分。カマボコのことは英語で “fish cake” というらしいし、お餅は “rice cake” だし、その意味でこの “ミルクケーキ” は間違いなくミルクを固めたものだよね。…といった感じの食べ物でありますので、あながちその命名が間違っていると非難することは出来ないわけでありまして。

 僕がこの食べ物に初めて出会ったのは去年の秋でありました。秋。なんとなくセンチメンタルな季節ですよね。センチになって、思わずメンチカツが食べたくなったりするわけなんですが、そんな秋のある日、僕は北軽井沢を旅しておりました。えーと、北軽井沢、北軽井沢…。何もボケを思いつかなかったので先に進みますが、あれは確か浅間牧場の近くのお土産物屋さんだったと思うんですけどね。 「浅間牧場茶屋」 とか、そういった名前の店ではなかったかと思うんですが、そこにあったんですよね、 “ミルクケーキ” が。僕は牛乳そのものはさほど好きではないんですが、乳系のお菓子というのはわりと好きでありまして、 “ミルキー” なんかも美味しいですよね。噛んでいると歯にひっついて、奥歯の詰め物が取れそうになっちゃうのがネックではあるんですけど。実際、ミルキーを食べて奥歯の詰め物が取れたという話は、イカの詰め物蒸しを食べて奥歯の詰め物が取れたという話より遥かに多く耳にするわけでありまして、その意味ではかなり危険を伴う食品であると言えるわけでありますが、ま、それはともかく。高原のお土産と言えば、やっぱり “高原キティ” と “ミルクケーキ” だよねっ♪…という気がしたので、思わずそれを買ってしまったわけなんですが、いや、さして多くを期待していたわけではないんですけどね。どういう食い物なのか、見当も付かなかったしぃ。最初は普通のミルク味のパンケーキみたいなものか?…と思っていたくらいで。

 で、食べてみたらですね、これが意外と美味だったんですよね。封を開けたら中から小さな板切れみたいなものが出てきて、ご多分に漏れず、何じゃこりゃ?…と思ってしまったんですが、大きさは板ガムより一回りほど大きくて、厚さはガムを2枚重ねたくらいでありますか。で、口の中に入れるとですね、かなり硬いんですよね、これがまた。そのまま齧ると、歯が欠けちゃうんぢゃないか?…と思うくらい。ミルキーが “奥歯の詰め物が取れる系” であるとすれば、こちらは “前歯が欠ける系” でありますな。いずれも歯の健康にはあまり優しくないような気がするんですが、その分、牛乳にはカルシウムが豊富でありますので、その功罪は相半ば…といったところでありましょうか。で、この “ミルクケーキ” 、抵抗感にも似た硬い歯応えに一瞬たじろいでしまいますが、かまわず強引に噛み続けていると、突然態度を軟化させます。もう、どうにでもしてぇ。…といった感じですかね? 噛み砕かれた断片は次第に柔らかくなって溶け出して、ミルクの味がお口いっぱいに広がって、ああん、おいちい♪ ミルキーがママの味だとすれば、こちらは乳の味でありましょうか。ま、どちらも似たようなものなんですけどね。早い話が、加糖練乳を固めて板にしただけやん。…という気がしないでもないんですが、その素朴なところが何とも郷愁を誘うわけでありまして。ちなみに、この時僕が買ったのはミルク味と、いちご味と、抹茶味がセットになったものだったんですが、イチゴも抹茶もミルクとの相性は抜群でありますので、どれもなかなかよい出来ばえでありました。

 それからしばらく、僕は “ミルクケーキ” とは無縁の生活を送っておりました。ほとんどその存在すら忘れかけていたんですが、この春、草津に行くことになって、ふと彼女のことを懐かしく思い出したんですよね。ミルぴょんは元気だろうか?…と。 草津と北軽井沢ならそれほど離れてはいないし、ちょっと茶屋に立ち寄って、買っていこうか?…と思ったんですが、わざわざ遠回りしてまで、ミルクケーキなんぞ食べたくはねーな。…という気もしたのでヤメにして、そして僕は妙高高原へと移動したんですけどね。そして赤倉温泉のお土産物屋を何気なく覗いたところ、あったんですよね、 “ミルクケーキ” が。 いや、別に浅間牧場のお土産というわけではなかったんですね。ま、確かに高原でさえあれば、どこで売って貰っても問題はないようなキャラではあるんですけど。 で、わざわざ遠回りしてまで食べたくはないけど、目の前にあるのなら買って食べてみるにヤブサカではないな。…というくらいにこのお菓子のことを気に入っている僕は、さっそく買い求めました。いちご味と抹茶味と欲しかったんですが、そういうのはなくて、ノーマルなミルク味8本入りのヤツを2袋。それがその店に置かれていたミルクケーキの全てでありましたので、すべて買い占めておきました。牧場で遊んでいる牛の親子と、赤いリボンのついた麦藁帽子の女の子のイラストが書いてあって、なんとも長閑(のどか)でありますなぁ。 「高原のかたらい」 というキャプションがありますので、そういうシチュエーションなのでありましょう。で、本来、この母ウシの乳はこの子牛が飲むものであった筈なんですが、それを人間が横取りして、固めて、板状にしちゃったんですよね。人間のあまりの罪深さに愕然としてしまいますが、ま、牛さんを殺して、薄切りにして、しゃぶしゃぶにして食べちゃうことを思えば、ぜんぜん罪は軽いんですけどね。

 ちなみに僕が今回GETした “ミルクケーキ” は、販売元が渡辺製麺となっておりました。どうして長野の蕎麦屋がこんなものの販売業務に手を出すことになったのか、その経緯(いきさつ)に関しては、よくわかりません。

 8本×2袋=16本を瞬く間にバリバリと食べてしまって、それでもまだ物足りない自分に気付いてしまいました。もっと食わせろ!…という、強い欲望をどうしても抑えることが出来なかった僕は、ネット通販で売ってないか?…と思って調べてみたんですが、おお、わりと簡単に手に入るみたいではありませんか。ネット通販でお土産を買うというのは、あまりにもお手軽で有難味がないので好きではないんですが、この際、背に腹は変えられません。だって、もっと食いたいんだもん。 で、僕は早速 このサイト に注文してみることにしたんですが、いやこれ、元々は山形のお土産だったんですな。ちっとも知りませんでした。で、いちご味と抹茶味どころか、僕の知らない間に、もの凄くたくさんの種類の “ミルクケーキ” が世の中には出回っていたようでありまして、もう、何ちゅうことをしてくれるんや!?…という感じですよね。出来れば全種類を制覇してみたいところでありますが、あまりにも数が多すぎて限(きり)がないので、ミルク、チョコレート、ヨーグルト、コーヒー、いちご、抹茶味が各6本ずつセットにしたヤツと、単品でさくらんぼ味を頼んでおきました。もうひとつ、姉妹品で “サクサクミルクチップ” というのがあったので、それも買いました。ヨーグルト味というのは何だか美味しそうだから、これは単品のヤツを2袋注文して、で、それらの品々が昨日届いたわけでありますが、うん、これだけあれば、さすがに3日くらいは持ちますかね? ちなみに今回取り寄せた “ミルクケーキ” の販売元は長野の製麺屋ではなく、山形の日本製乳という実にもっともらしい会社になっておりましたが、中身のほうはまったく同じでありました、おそらく製麺屋のほうは日本製乳が製造したのを委託販売しているのでしょう。 “ミルクケーキ” 関連ではもうひとつ、おしどり商事株式会社というところもあって、 “おしどりブランド” の絡みからこちらも何だか本家っぽいんですが、その辺りの事情がどうなっているのかは、よくわかりません。ちなみにセット商品の箱の裏には “ミルクケーキ” の由来として、このようなことが書かれておりました。

 わが社では、日本ではじめて「育児用コナミルク」の製造に製造した、まさに日本におけるコナミルクのパイオニアです。その名を「おしどりコナミルク」といい、古く長く多くの人々に愛用されてきました。現在、わが国唯一のミルク菓子として、県内外に名声を博している「おしどりミルクケーキ」は、実はその時の副産物としてこの世に誕生したものです。それ以来、約一世紀の長きにわたり皆様方のご愛顧をいただいております。

 うーん、なるほど、粉ミルクの副産物でありましたか。道理で懐かしい味がする筈ですよね。噛み締めていると思わず、おいちい♪…と幼児返りしてしまうような、そんなお菓子でありまして。現在のところ、ノーマルなミルク味と新機軸のチョコレート味と、姉妹品のサクサクミルクチップに手をつけただけなんですが、チョコのほうは今ひとつ味にインパクトがなくて、今ひとつだったような気がします。混ぜものが含まれている関係なのか、硬さとしてはミルク味よりもやや軟弱だったような気がしますな。で、 “サクサクミルクチップ” のほうはですね、基本的にはミルク味のミルクケーキと同じであります。ただ大きさが一口サイズになっていて、ミルクケーキが生の “かき餅” だとすると、こちらは焼いた “かき餅” といったところでしょうか。ちょっぴり膨らんでいて、その分、歯応えがソフトになっておりますので、歯の悪いお年寄りとかにはことらのほうがいいかも知れませんね。 “サクサクミルクチップ・アーモンド” というのもあって、これは今回買うのはやめておいたんですが、ミルクとアーモンドの相性がいいのは “白い雷鳥” というお菓子で実証済みですので、かなりイケるかも知れません。

 懐かしい母を思い出させる乳の味。寂しい時、ふと口にしたくなる逸品でございます。

( おしまい♪ )


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