『 揚落花生&ピーナ&うすピー (亀田製菓&春日井製菓) <分類 : おつまみ系> 』

揚落花生(大袋)♪ 揚落花生(小袋)♪
ピーナ♪ うすピー♪



 僕は濃いのが好きです。あ、でも、顔の濃いオトコとかはあまり好きではありませんな。化粧の濃いオバハンというのも駄目です。ヒゲの濃いおカマとはあまりスキンシップしたくないなという気もします。じゃ、濃いのは駄目なんぢゃないかと思われるかも知れませんが、濃くないと駄目なものもたくさんあって、その筆頭格はやはり、カルピスということになるんじゃないでしょうか。僕が子供の頃、カルピスというのはかなり高級品でありまして、お中元で頂きでもしない限り、なかなか口に出来るものではなかったんですよね。だからデパートから熨斗紙付きで配達されたものが、「カルピスだぁ♪」ということが判明した時は、心の底から嬉しかったものでございます。で、デパートから熨斗紙付きで配達されたものが、「干し椎茸だぁ。。。」ということが判明した時は、心の底から落胆したものでございます。人にものを贈る時の常套句は、「つまらないものですけど。」なんですが、ホントにつまらんものをよこしやがって!…と思わずにはいられませんでした。お中元がカルピスであるか干し椎茸であるかというのは、包装紙を開けてみる前から、箱を手にとった時点でだいたい想像が付きますよね。ずっしりとした重みがあって、軽く揺すった時に、たっぷんという液体の音がすればカルピス、図体ばかりはでかいんだけど、手に取ったら拍子抜けしちゃうほど軽いのが干し椎茸です。欲張って大きくて重いほうを選んだらゴミばかりだった。…という“舌切り雀のつづらの法則”は、ことお中元に関しては当てはまらないと言ってもいいでしょう。ただ、手にした時にずっしりとした重みがあって、軽く揺すった時に、たっぷんという液体の音がするので、カルピスだぁ♪…と思ってよろこんで開封したら、サラダ油やんけ!…ということもあるので、油断はならんのですけどね。

 とまあ、それくらい貴重なカルピスだったので、ごく平均的な中流家庭では極限まで希釈して飲むのが通例となっておりました。何かこう、かろうじて味がついてるな。…という程度の代物でしたからね。グラス越しに向こうが透けて見えてたしぃ。で、たまにお金持ちの友達のところに遊びに行って、出されたカルピスがとっても濃いことに激しいカルチャーショックを受けることになるわけですが、カルピスって他人(ひと)が言うほどたいして美味いものでもないな。…と思っていたら、ウチが薄め過ぎてただけの話なのか!…みたいな。で、ある日こっそり、親が出掛けている隙を狙って濃いカルピスの製作をたくらむことになるわけですが、僕なんか究極の濃いカルピスを追究するあまり、思わず原液のまま飲んじゃいましたけどね。いやあ、濃かったですなぁ。何かこう、飲んでいる端(はな)から口の回りに蟻がたかってくるような感じぃ? で、思ったほど美味しいものでもありませんでした。ただひたすら甘ったるくて、気持ち悪いだけやん!…みたいな。世の中、何事も程度問題であるな。…ということに気付いて、そして人はオトナになっていくんですなぁ。

 ということで、続いてはコロッケです。ま、コロッケに限らず、トンカツでも、串カツでも、ハムカツでも、海老カツでも、カツに限らず、海老フライでも、アジフライでも、イカフライでも、イカリングフライでも何でもいいんですが、とにかく揚げ物の類いも僕は味付けが濃いほうが好きですね。濃いといっても揚げ物自体にはそれほど味があるものでもないので、当然ソースで補填することになるわけですが、僕は揚げ物にウスターソースをドボドボかけるのが大好きです。濃いという点ではウスターソースよりも中濃ソース、更にはその上をいく“濃い口とんかつソース”のほうがいいんじゃないか?…と思われるかも知れませんが、僕はさほどソースの濃さにはこだわりがありません。スーパーの特売で買って来た極薄のウスターソースでも、ドボドボにかけちゃえばそれなりに満足出来ます。例えばコロッケだったら両面がむらなくソース色に染まるくらい多量に浴びせかけちゃいます。コロモの部分がソースを吸ってちょっぴりモロモロになるくらいがベストですよね。ギュッと絞ると油と混じったウスターソースがしたたり落ちてくるような、そんなコロッケが僕は大好きです。で、続いては“ざる蕎麦”ですか。蕎麦というのはツユをまったく付けずに蕎麦自体の味わいを楽しむものですよね。でもまあ、どうしてもツユを付けたいというのなら、 せいぜい蕎麦の長さの3分の1まで。百歩譲っても、半分まで。 …なんてことを言う人がおりますが、もってのほかだと思いますね。蕎麦自体の味なんて、ンなものはあってないようなものでありまして、ざる蕎麦なんてものはツユを付けてなんぼの食い物ですからね。僕の場合は無論、蕎麦の全域をどっぷりとツユに漬け込みます。そしてお箸で時計回りにぐるぐると3回、反時計回りに2回ほどかき回します。蕎麦にしっかりとツユが絡んで、うーん、おいちい♪…と、思わず童心に返ってしまうような楽しさがありますよね、ざる蕎麦のグルグル食いは。ま、これが蕎麦ツユではなくて“天つゆ”ということになると、さすがに海老天をぐるぐると時計回しにしたりはしませんが、お箸で押し付けて天つゆの底に沈めちゃうくらいの努力はしたほうがいいと思います。 ギュッと絞ると油と混じった天つゆがしたたり落ちてくるような、そんな天麩羅が僕は大好きです。ただ、これをあまりやり過ぎると天つゆの量が絶対的に不足することになって、天麩羅定食の後半が非常に味気のないものになっちゃうのが難点なんですけどね。

 で、続いてはチャーハンです。チャーハンに限らず、ピラフでも別にいいんですが、僕はチャーハン、ピラフの類いも味の濃いほうが好きですね。店で出されたチャーハンの味が薄かったりすると、チャーハンの味が薄いやんけ!…と文句を言いたくなっちゃいます。で、“坊主憎けりゃ袈裟までも”の心理と申しましょうか、サービスで付いてくるスープに関しても、ラーメンのスープと一緒の味やんけ!…と、難癖を付けたくなっちゃいます。いや、チャーハンにおまけで付いてくるスープと言うのは、そういうものである。…ということは頭の中では理解出来ているんですが、チャーハンの味が薄かったことによって、すっかり理性を失っちゃうんですよね。それくらいチャーハンの味付けというのは人格にまで発展する重大な問題であるわけなんですが、僕は先日、オカダ君と一緒に南濃町の喫茶店にランチを食べに行ったんですよね。店先に掲げられたその日の日替りランチはというと、豚の生姜焼き+角麩の煮付けといったところだったんですが、角麩の煮付けが出てくるあたり、いかにも南濃町の喫茶店という感じですよね。でも豚の生姜焼きは大好きだから、これでいいやぁ。…と思って僕は日替りを注文しました。で、オカダ君も当然、日替りを頼むんだろうな。…と思っていると、彼はしばらくメニューを眺めながら「うーん。」と考え込んで、そしておもむろに「ピラフセットの“A”っ!」…というのを注文したのでありました。いや、意外な展開でしたな。虚をつかれたというか。オカダ君のくせに生意気だぞ!…というか。オカダ君の地元の行きつけの店らしいので、ちょっと常連らしいところを見せたかったのかも知れませんが、普通に日替りを頼めよ!…と、ちょっぴり反感を覚えてしまいました。

 で、やがて僕の注文した日替りランチが先に届けられたんですが、こういうのは作りおきだから、決まって早く出てくるんですよね。気取ってヘンなものを頼むから、なかなか来ねーんだよ。…と心の中で思いつつ、表面上はにこやかに、「じゃ、お先に。」と仁義を切って日替りと対峙するに、えーと、なるほど。蓋のない真四角な弁当箱みたいな入れ物に、おかずとご飯がちょこちょこっと入ってるタイプ(←味噌汁は別椀)なんですな。メインの豚の生姜焼きが何だか野菜炒め風で、ボリューム的には今ひとつ物足りないような気がするんですが、ま、仕方がないよね、南濃町の喫茶店だしぃ。…と思って食べていると、この豚の生姜焼きには豚肉と野菜以外に、何とチクワまで参入していることが明らかになりました。何という贅沢、そして、何という太っ腹! で、そうこうしているうちにオカダ君の注文した“ピラフセット・A”が届けられたんですが、どんなものかと思ったらピラフとコロッケがセットになって、食後にコーヒーが付くという、そんなセットであったわけですな。何だかこざかしい食い物やん。…と馬鹿にしたい気持ちが半分、ちょっぴり羨ましいような気持ちが半分。あのコロッケにウスターソースをドボドボとかけて、ギュッと絞ると油と混じったウスターソースがしたたり落ちてくるような状態にして食ったら美味しいだろうな。…と思うと、ますますオカダ君が憎らしく思えてくる、とある月曜日のお昼時なのでありました。

 が、オカダ君の優位は長くは続きませんでした。ピラフを半分ほど食べ進んだ時点で、彼はふと考え込むような表情を見せ、そしてテーブルの上から胡椒の小瓶を取り出すと、おもむろにパラパラとピラフの上から振りかけたのでありました。そして2口、3口食べすすめると、また再びスプーンをお皿の上に置いて。今度は醤油をピラフの上からじゃーっと。薄かったんだぁ。ピラフの味が薄かったんだぁ♪ 味の薄いピラフなんてものは、ちっとも羨ましくなんかないですからね。たとえ限りなく野菜炒めに近いものだったとしても、たとえ不釣り合い極まりないチクワが入っているようなものだったとしても、やっぱり豚の生姜焼きにして正解だったんだぁ。…という気がして、ちょっぴり留飲の下がる思いのした、とある月曜日の昼下がりなのでありました。

 とまあ、ここまでが前置きで、これからが本題なんですけどね。本題のほうは何なのかというと、ピーナッツでございます。数少ないこの連載で、既に“ミックスナッツ”を取り上げているというのに、またしてもピーナッツなのか?…と思われるかも知れませんが、そうです。またしてもピーナッツです。そもそも事の発端はですね、うちの近くのスーパーで亀田製菓の “揚落花生” というのを発見したことにあるわけなんですが、何てカラダに悪そうな!…というのが第一印象でありました。ただでさえ食べ過ぎると下痢ピーになりそうなピーナッツだというのに、それを揚げてあるわけですからね。でも、何だか美味しそうだったので、買って帰って食べました。買って帰って食べてみた結果、それほど、揚げてあるなぁ。…という感じでもなかったんですけどね。落花生には外側の殻のほかに、マメの部分にも茶色い薄皮がついているわけなんですが、この “揚落花生” というのは皮かぶりの状態のまま揚げてあるのがポイントのようですね。何でもこの薄皮の部分に、カラダによいとされるポリフェノールがたくさん含まれているんだそうで。が、そんなことよりも僕は、パッケージにも書かれている “ピリッと塩きき” のほうに大いに心を動かされてしまいました。僕ってピーナッツに関しても塩味が濃いタイプのほうが好きなんですよね。で、この亀田の “揚落花生” は “瀬戸のほんじお” を使用しているそうで、パッケージの写真でも塩の粒が確認出来るくらいなんですよね。これはもう、相当にソルティなフレーバーが期待出来るのではなかろうかと思われるわけでありまして。

 果たしてこれ、相当に塩辛いです。何かこう、直(じか)に塩を嘗めているような感じで、血圧のためによくないぢゃないか!…と思わずにはいられないほど、根源的に塩の味がします。塩辛いピーナッツが好きな僕でも、ちょっとこれ、塩辛すぎるんじゃ?…と心配になっちゃうくらいです。かなり塩辛いので、思わずビールが飲みたくなっちゃいます。おやつというよりも、完全に“おつまみ指向”の味付けでありますな。いや、僕はビールも飲まずにガバガバとピーナッツばかり食べていたんですけどね。で、これは強烈に後を引きます。小さな袋に小分けされていて、1袋あたり、おおよそ10数粒といったところなんですが、1袋ではちょっぴり物足りないので、ついついもう1袋に手が伸びてしまいます。もう1袋、あと2袋…とやってるうちに、ふと気がつくと大袋の半分くらいは無くなっていて、いや、これはカラダにはあまりよくない食べ物でありますなぁ。食べ過ぎに注意!…と自制しようとしても、あ、でも、ポリフェノールはカラダにいいしぃ。…と思うと、ますます歯止めが効かなくなってしまいます。うーん、おそるべし、亀田の “揚落花生”。。。

 で、オマケとして“春日井のピーナッツ”というのも紹介しておきましょう。原稿用にと思って買ってきた “揚落花生” はとうの昔に食べ尽くしてしまって、仕方がないからもう1袋買ってこようと思ってスーパーに立ち寄ったんですが、 “揚落花生” だけで1回分の原稿をまかなうのはちょっと無理があるかな?…という気もしたので、違う豆菓子を買ってみることにしました。そこで目についたのが春日井の “ピーナ” でありまして。春日井製菓というのはあるいは名古屋ローカルで、全国的な知名度はないのかも知れませんが、この地方ではかなり名の売れた豆菓子系のメーカーなんですよね。春日井のグリーン豆っ♪…というコマーシャル・ソングは名古屋圏で生活したことのある人なら何度となく耳にしていることでありましょう。ちなみに “グリーン豆” というのは名前に合わせてフォントカラーも緑色にしてみたんですが、えんどう豆を原料にした豆菓子でありますな。ヘルシーな感じがするのでお母さんたちの間では人気が高かったんですが、ピーナッツほどは美味しくないので、子供たちの間では不評でありました。やっぱ、“イカピー・エビピー”だぎゃ。…みたいな。“イカピー・エビピー”というのはピーナッツに小麦粉系の殻をかぶせて、その殻にイカやエビを練り込んでみましたぁ。…といった感じの豆菓子なんですけどね。いや、子供の頃はよく食べていましたな。今から思えば、どうして子供の頃にあんなイカ臭いのやエビ臭いのを、喜んで食べていたのか?…と、ちょっぴり不思議な感じもするんですが、そういえばこの20年来、 “イカピー・エビピー” って、食べたことないですなぁ。まだ売ってるんですかね?…と思ったら、まだちゃんと商品として生き残っておりました。“イカピーナ・エビピーナ”と、名前のほうはちょっぴり現代的になっておりましたが、パッケージはほとんど昔のまんまですね。何だか懐かしくなって、思わず買ってしまいました。いや、イカもエビも頭に付いていない、ただの “ピーナ” という奴なんですけどね。だって最近。イカ臭いのとかエビ臭いのって、ちょっと苦手になってきたしー。

 “ピーナ” に関してネットで調べてみたところ、はかばかしい情報はほとんど得られませんでした。いや、かなりマイナーな存在だったんですなぁ。お菓子の通販サイトを除けば、“名前が印象的なお菓子”というところに辛うじて “ピーナ” の名前が見られる程度で、しかもその人は実際に食べてみたことは無いみたいです。パッケージの写真が小さいからよくわかんないけど、ピーナッツにチョコレートをまぶしたお菓子みたいです。…とか書いてありましたからね。もしそのような先入観を持ってこのお菓子を食べたら、間違いなくショックを受けることになろうかと思いますが、“ピーナ” というのはピーナッツ・チョコレートの類いではありません。チョコ味ではなくて、醤油味なんですよね、これ。“イカピー・エビピー”同様、ピーナッツに小麦粉系の殻をかぶせて、その殻にイカやエビを練り込むかわりに、醤油で味付けしてみましたぁ。…といった感じの豆菓子なんですよね。ピーナッツと醤油というのはよく考えたら不思議な取り合わせで、もしかしたらこんな得体の知れない菓子を喜んで食べているのは名古屋エリアの人間だけなのかも知れませんが、いや、個人的にはけっこう好きなんですけどね。殻自体にけっこう濃い味が付いているところが、僕の好みによくマッチしております。ただ、殻の部分の小麦粉がけっこう分厚くて腹持ちがいいので、食べ過ぎには注意しなければなりません。度を越すと、かなり胃がどーんとします。

 で、最後にやはり春日井製菓の “うすピー” というのを紹介しておきましょう。濃い系が好きな僕にとって、“うすピー” なんてもってのほかや。…と思って敬遠していたんですが、これもネタのためや。…と思って、買って帰って食べてみたところ、これが殊のほか美味しかったんですよね。最近、ハマっております。“うすピー” と言っても味が薄いわけではなくて、殻の部分が薄いという意味だったんですね。小麦粉系の殻が分厚め…というか、ピーナッツよりも小麦粉の殻のほうが体積でかいやん!…といった感じの “ピーナ・シリーズ” と違って、“うすピー” の皮は極めて薄いです。ほんの申しわけ程度に小麦粉が付随しているような感じですもんね。こんな申しわけ程度なら、別に小麦粉なんかいらんやん。…という気がしないでもないんですが、立場上、小麦粉を無くすわけにはまいりません。何故かというと、小麦粉がないとピーナッツの茶色い薄皮が剥離しちゃうからなんですけどね。この“うすピー” というのは恐らく、すぐに剥がれてバラバラになっちゃう薄皮を何とか有効利用しようとして、糊のかわりに小麦粉を水で溶いて固めてみたのがコトの発端なんじゃないですかね? ま、誕生のメカニズムとしては単なる思いつきだったのかも知れませんが、ほんの申しわけ程度の小麦粉の殻が普通のバタピーとは違う食感を出していて、ほんのりとした塩味も効いていて、“うすピー” はとってもおいぴーのぉ♪…と、今日も僕は幼児化しつつ豆菓子を食べているのでありました。ああ、胃がどーんとする。。。

( おしまい♪ )


INDEX
BACK NEXT