『 続・青春歌年鑑('76-2 ) 』

〜 「ジャガー」 から 「岸壁の母」 まで 〜


01 あなただけを / あおい輝彦
02 なごり雪 / イルカ
03 ビューティフル・サンデー / 田中星児
04 センチメンタル / 岩崎宏美
05 ファンタジー / 岩崎宏美
06 夏にご用心 / 桜田淳子
07 白い約束 / 山口百恵
08 無縁坂 / グレープ
09 きらめき / 野口五郎
10 ねえ!気がついてよ / 桜田淳子
11 ジャガー / 西城秀樹
12 恋の弱味 / 郷ひろみ
13 きみ可愛いね / 伊藤咲子
14 春うらら / 田山雅充
15 セクシー・バス・ストップ / 浅野ゆう子
16 LA-LA-LA / 研ナオコ
17 目覚めた時には晴れていた / 伝書鳩
18 青春の坂道 / 岡田奈々
19 岩壁の母 / 二葉百合子


(2008年08月24日更新)


 オリンピックでしたなぁ。北京オリンピックの後半はレスリングで吉田沙保里が金メダルを取って盛り上がり、同じくレスリングで伊調馨が金メダルを取ったところで更に盛り上がり、浜口京子が銅メダルしか取れなかったのは織り込み済みなので、ま、いいとして。しかし何ですな。伊調馨の決勝戦を見て思ったんですが、レスリングというのはどうも今ひとつルールが分かりませんな。特によく分からんのが、両者ともポイントを取れずに延長戦になったところで登場するボールなんですが、何なんすか、ありゃ? 僕は最初、審判の判断によって、多少こっちのほうが優勢だったかな?…という気がする選手のほうに延長戦での攻撃権を与えているのかと思ったらそうではなくて、単なる抽選だったんですね。そんな運まかせのやり方でいいんでしょうか? 防御姿勢を取らされたほうが30秒耐えれば逆に勝ちになるというのも根拠が曖昧で、ま、馨ちゃんが勝ったからいいようなものの、お姉ちゃん…というか、どうしてもお兄ちゃんにしか見えない千春クンの雪辱を果たすことが出来て、よかったではありませんかぁ。 レスリングでは男子も、何だか地味に銀や銅のメダルを取っていたようですが、ほとんど話題にも上らず、シンクロのデュエットも銅メダルを取ったようですが、銅くらい当選。…と誰もが思っているから、あまり騒がれることもなく、原田早穂と鈴木絵美子って、名前がぜんぜん覚えられないし、顔があまりにもよく似過ぎていて見分けが付かないし、団体では中国に抜かれてメダルはヤバそうだし(8月23日午前9時31分現在)、中国の井村雅代ヘッドコーチはこれで国賊呼ばわり必至でありますなぁ。 で、最高に盛り上がったのは何と言っても女子ソフトボールなんですが、いや、やりましたな♪ 準決勝と3位決定戦で上野たんを酷使したのが祟って、決勝戦は大阪桐蔭と常葉菊川の試合並みのワンサイドゲームやな、こりゃ。…と覚悟していたんですが、なんのなんの。鉄腕上野、すげぇ! アメリカの主砲、ブストスたんも敵ながらあっぱれでしたな。北京オリンピックでの打撃成績は8試合で22打数11安打、ホームラン6本で打点10だったそうです。2ちゃんねるでも上野スレと同じくらい盛り上がってましたな、ブストス。 「心やさしき力持ち」 などという記事も出ていて、どうやら性格もいいらしいことが判明して、柔道の塚田真希と並んで、現在人気沸騰中♪ 唐揚げが好きらしいですけどね、マキたん。 一方、ソフトボールの上野はせんべいが好きらしく、北京にはには塩味、しょうゆ味、ザラメ味を持参したそうです。美味しいですよね、ザラメ味のせんべい。

 とまあ、そんなこんなでけっこう盛り上がった北京オリンピックでありましたが、星野ジャパンが韓国に負けた時点で終わってしまいましたな。 実質的には岩瀬が李承ヨプ(ヨプは火へんに華)にホームランを打たれた時点で終わりました。というか、7回に藤川が1点取られた時点で終わっていたと言えるかも知れませんが、さようなら星野ジャパン!いい夢を見させてくれて、ありがとう♪ …とまあそんなことで、『続・青春歌年鑑』1976年版(後半) をお届けしたいと思います。更新の間隔が少し開いてしまったので、もう一度、この年に起こった出来事を簡単におさらいしておこうと思うんですが、ロッキード事件、アントニオ猪木とモハメッド・アリの世紀の対決、松鶴家千とせ、ブレイク!…とまあ、そんな時代でありました。松鶴家千とせ、今の若いヤングに、わっかるかなぁ?わかんねえだろうなぁ。 今でもたまにNHKラジオの 『真打ち競演』 に出てたりします。この番組は漫才→漫談→落語の3本立てになっているので、漫談の部には欠かせない存在なんですよね。どんな相手にも 「ですます調」 で話す人格者で、芸人仲間からの信頼も厚いそうですが、いや、人は見掛けによらないものですな。 とまあそんなことで、では本題に入りましょう。

 まずは、西城秀樹 「ジャガー」 (作詞:阿久悠/作曲:三木たかし) 。 秀樹クンは熱いオトコとして僕たちのコドモ時代、わりと男子児童や男子生徒の間でも人気があったんですが、その熱さが全面的に爆発しちゃってるのがこの曲であります。いいですよね、ジャガー。 ネコ科の猛獣の中では “なめ猫” が最強で、以下、ジャガー、ヒョウ、トラ、ライオン、クロコ…と続くのではないかと個人的には思っているんですが、いや、ジャガーとヒョウって、今ひとつ区別がつかなかったりするんですけど。可愛いことでは最強だったクロコも、パワーではジャガーに勝てないのは確かでありまして、あと、自動車にも同じような名前のヤツがあるんですが、徳大寺有恒クンはいつも “ジャグァー” と表記しておりましたな。何だかハワイの飲み物グァバーみたいで、個人的にはどうも好きになれないんですけど。 一方、秀樹クンのほうはというと、愛に命、懸けたヤツは誰だ〜(ジャガー)♪ …と、素直に発音しているところに共感が持てます。もっとも、この (ジャガー) の部分はバックコーラスが歌っているんですが、この出だしの部分はメロディ的にはやや平坦で、三木たかし、どうした?…と、ちょっと心配になっちゃうんですが、でも大丈夫。 愛の辞書にあるある文字は、白くきらめく稲妻みたいな情熱だけ♪ という辺りから、次第にいい感じにメロディアスになってきます。 そして終盤、とまるな(ジャガー)負けて戻るな〜、嘆くな(ジャガー)人の仕打ちに、信じろ(ジャガー)君のためなら、俺が戦う、戦う♪ で、最高の盛り上がりを見せるんですが、この歌はそれだけではありません。ここからが凄いです。何だか引用ばかりで手を抜いているようで申し訳ないんですが、この後、ヒデキの熱い語りが繰り広げられます。

  君が死んだら、俺は死ぬ。でも、俺が死んでも、君は死ぬな!
  君一人でも愛は生きる。俺一人では愛は死ぬ。
  しゃべるな!何も言うな!目を見ろ!何が見えた?炎が見えたか?
  君を愛する炎が見えたか?さあ、飛んでこい!抱いてやる!抱いてやるぅぅぅ!!

 途中に台詞が入る歌というのはさほど珍しくはないんですが、これほどまで熱く燃えた台詞というのは前代未聞。こんなことを言われたギャルは、もうメロメロ♪…か、もしくは、ドン引きか、2つにひとつでありますな。少なくとも夏場には暑苦し過ぎて、ご勘弁願いたいところなんですが、次第に涼しくなってくるこれからの季節には悪くないかも?

 で、続いては郷ひろみ 「恋の弱味」 (作詞:橋本淳/作曲:筒美京平) 。 僕たちの子供時代、西城秀樹と違って郷ひろみのほうは、さほど男子児童や男子生徒の間では人気がなかったんですが、あの濃い眉毛と甘ったるい歌いっぷりとのコントラストが、どうも生理的に受け付けないんですよね。何だかこう、眉毛が “郷” で、歌声が “ひろみ” って感じ? が、オトナになって改めてこの人の歌を聴いてみると、意外と侮れないことに気付かされるんですが、というか、昭和の時代の歌謡曲というのは、たとえ歌っているのがアイドル系だったとしても、作品そのものはかなりレベルが高かったような気がします。 で、僕はもっぱらカラオケのレパートリーを増やす目的で、このところちょっぴり郷ひろみにハマっていたりするんですが、2枚組のベスト盤CDだって買っちゃいました。 「お化けのロック」 と 「林檎殺人事件」 以外は概ね、カラオケで歌うに足る出来栄えであると思います。 で、この 「恋の弱味」 というにもちゃんとベスト盤に入っていたんですが、コドモの頃に聴いた記憶がほとんどありません。さほどヒットしなくて、 『夜のヒットスタジオ』 にも出れなかったんですかね? オリコン4位、20万枚を超えるセールスということなので、そこそこはヒットしたみたいなんですけど。 で、これはアレです。けっこうオトナっぽい感じの曲です。 ミルクの好きな仔猫を抱きしめて、君はいつものエレベータに乗る♪ ですか。いいですなぁ、猫好きのギャル♪ 僕は大の猫好きである上、おしどりのミルクケーキも好きなので、ミルクの好きな仔猫を抱いたギャルというのはストライクど真ん中、ブストス、ちょんと当てただけでホームラン!…といった感じなんですが、低めのクソボールでも簡単にスタンドまで持っていきますからね、ブストス。 ファミスタのバントホームランみたいとか言われておりましたが、で、この歌はサビの部分もいいです。 Get Down 白いビルの Get Down スカイハウス Get Down 僕はひとり 煙草をふかし、焦ってしまう〜♪ ですか。 うねるような反復メロディが、さすが筒美京平!…といった感じなんですが、ちょっぴり子供っぽかったひろみクンも、すっかりオトナになりましたなぁ。初体験は20歳だったと告白しているそうですが、ちょうどこの頃が20歳くらいですからね。とっても Get Down だと思いますが、これ、どういう意味なんすかね?跪く? ちょっとお高い感じのギャルっぽいんですが、惚れた弱味で跪いて靴を舐めたりしたんでしょうか? いやあ、春ですなぁ。

 何だかよくわからないまとめ方でありましたが、続いては伊藤咲子 「きみ可愛いね」 (作詞:阿久悠/作曲:三木たかし) 。 僕たちのコドモ時代、伊藤咲子というのはまったく眼中にないキャラだった気がするんですが、 「ひまわり娘」 とか 「乙女のワルツ」 とかを歌ってた人ですよね? 何だか一世代前の歌手というイメージがあるんですが、1958年生まれらしいから、この当時で18歳。キャピキャピですな。 あなたの指が肩に触れたら、私は急に大人しくなる あなたが好きで好きで、たまらないのよ ひとこと言って、きみ可愛いね〜♪ ま、こんな歌を歌っても、ギリギリ許せるかな?…という気はするんですが、これでもし、ちっとも可愛くないキャラだったりしたら、2ちゃんねるで思いきり叩かれることになると思うんですけど。 曲のほうはというと、いかにも三木たかしらしく、出だしの部分がちょっぴりロシア民謡だったりするんですが、シャララ、ランランラ、シャラランラン♪ というコーラスも、とっても乙女ちっくでいいと思います。 ただ 「きみ可愛いね。」 という台詞はどう考えても、おっさんのセクハラ発言としか思えないんですが、「きみ可愛いねー。今晩ボクと、どや?」 みたいな。 対する咲子ちゃんのほうはというと、あああ、愛するなんて後でもいいの、そうよ指輪も今は欲しくはないの♪ とか言ってて、あまりお金もかからなさそうで何よりなんですが、愛するなんて後でもいいの…というところが、何とも微妙ではあるんですけど。 とりあえず、可愛いと言ってもらえれば、それで満足? おっさんとしては、それでは不満が残ってしまいます。こうなったらもう、しゃべるな!何も言うな!目を見ろ!…と、強引に攻めるしかありません。

 続いては田山雅充 「春うらら」 (作詞:最首としみつ・中里綴/作曲:田山雅充) なんですが、誰? 聞いたことない人ですな。ちょっと調べてみたところ、映画 『モスラ』 に子役で出演していた人なんだそうです。その後、浜口庫之助に師事して作曲を学び、にしきのあきらに作品を提供したりしていたようですが、1974年、コーラスグループ “赤い花” のメインボーカリストとして歌手デビュー。 どちらかというと作曲家としての活動のほうがメインだったようですが、1976年に 「春うらら」 でソロデビュー。 オリコンの最高位こそ16位どまりでありましたが、地道に長く売れ続けて、レコードセールスは40万枚を記録したそうです。郷ひろみの倍やん♪ で、この曲はアレですな。 かぐや姫っぽい四畳半的フォーク? ふれあう素足が、ほてりほてり♪ とか、ここで煙草を、ぷかりぷかり♪ といった擬態語が印象的なんですが、ただ、浮かれ囃子が、ひゃらりひゃらり♪ というのは、ちょっとどうかという気がするんですけど。 祭り囃子ならゴンゴンチキチンやろ?…と、桑名っ子である僕は思うんですが、祭り囃子ではなくて浮かれ囃子なので、“ひゃらりひゃらり” でいいのかも知れませんけど。 で、この歌の歌詞で僕がいちばん好きなのは、またまだ小さい君の胸、僕の手のひら大きいよ、比べてみようか、そろりそろり♪ という部分なんですが、なるほど、乳を揉むのに、そういう持っていき方もあったんですな! 貧乳フェチにはたまらないフレーズだったりするんですが、これ、おっさんのセクハラ発言にも応用できますよね。 「君の胸は小さいねー。僕の手のひらと比べてみようか?」 とか。 一方、曲のほうはと言うと、歌詞では単純に、ああ…ああ 春うらら♪ となっている部分、実際には、 「はぁうぅ〜、はぁうぅ〜♪」 といった感じに裏返っておりまして、その声の裏返り加減が、けっこう快感だったりします。終盤は乳揉みから、更に行為がエスカレートしていることを窺わせるんですが、いやあ、春ですなぁ。

 次、浅野ゆう子 「セクシー・バス・ストップ」 (作詞:橋本淳/作曲:ジャック・ダイヤモンド) 。 セクシーなバス亭というのは、何だかよく分かりませんね。 うちの近くのバス停というと、三交バスの萱町ということになるんですが、別にセクシーでも何でもないですからね。 で、これ、作曲がジャック・ダイヤモンドとなっているところを見ると、恐らく原曲はアチラものなんだと思うんですが、…と思ったら、どうやらこのジャック・ダイヤモンドというのは筒美京平の変名らしいという噂もあったりして、Dr.ドラゴン & オリエンタル・エクスプレスという謎のディスコ・バンドの演奏がオリジナルのようです。 あ、星野ジャパン、アメリカに負けて銅メダルも取れませんでしたな。銅が取れようと取れまいと、どうでもいいような気がしてきましたが、残った競技で言うと、男子マラソンで瀬古利彦、まさかの金メダル!…とか。 いや、出場していないから無理ですか。 瀬古クンもオリンピックではさっぱりだったので、桑名の実家の鉄工所も北島クンちのメンチカツみたいに馬鹿売れすることもなくて、残念でした。 ま、もともと鉄工所では鉄板くらいしか売るものがなくて、さほど人気が出るとも思えないんですけど。 で、これ、根がディスコ・チューンだけになかなかダンサブルなんですが、メロディそのものは、意外と和風? (BUS STOP I Remember) 二人で踊った (BUS STOP I Remember) あの日を忘れない♪ というサビの部分はタメが効いていて、なかなかいい感じだったりするんですが、歌の内容は失恋モノだったりして、どの辺りがセクシーなのか、今ひとつ理解に苦しむところはありました。 超ミニなスカートがバスの風圧でめくれて、パンツ丸見えで、いや〜ん♪…とか、ぜんぜんそんな内容ではないですもんね。この ベタなジャケット と実際の内容は、かなり乖離していると言わざるを得ません。 ま、なかなかいい曲ではあると思うので、別にいいんですけど。 ちなみにB面は 「ブルーライト・ヨコハマ」 だったりします。

 乖離と言えば、続く 研ナオコ 「LA-LA-LA」 (作詞・作曲:中島みゆき) もそうなんですが、 「ららら♪」 という何だか楽しそうなタイトルとは裏腹の、シニカルな歌詞がいかにも中島みゆきでありまして、でもって、曲はけっこうラテンのノリだったりしております。これのどこが 「ららら♪」 なのかというと、最初と死後の、ララーラララ、ララーラララー♪ という部分が 「ららら♪」 なんだと思いますが、こんな意味のない部分を曲名にしちゃうとは、さすがですね。伊達にカツオの友達をやってるわけではありません。…って、それは中島みゆきとは別の中島だったりするんですけど。 伊達と言えば伊達公子が結婚して、本名がクルム伊達公子になったのが、どうにも違和感があって駄目なんですが、普通にクルム公子では駄目だったんですかね? で、一方、カツオと言えば、イタリアでは放送禁止な名前であることで知られているんですが、宇能センセイ言うところの “そのもの” を示す言葉なんだそうで。 中国の北京あたりでは “ジージー” というのがソレに相当するんだそうで、野球の応援で日本人がG.G.佐藤の応援をしているのを聞いて、純情な中国娘が赤面していたそうです。 G.G.佐藤クンもその事実を知って恥ずかしくなり、韓国戦では大事なところで2回もエラーしておりましたが、ま、終わったことだから別にどうだっていいんですけど。 で、何の話でしたっけ? あ、伊達にカツオの友達…というところで、話が横に反れたんですな。話を元に戻しましょう。 僕がこの歌でいちばん好きなのは、遠い昔は、こんなあたしでも、あいつの話は信じ込んだ そのお返しにアイツは愛を、信じるなと教えこんだ♪ というところなんですが、愛を信じて、とんだしっぺ返しをくらっちゃったんでしょうな、ナオコちゃん。 しっぺ返し、香典返し、仏壇返し。この中でいちばん返して貰いたくないのは “しっぺ返し” なんですが、香典返しもタオルとかハンカチだったりすると、さほど嬉しくもないんですけど。 仏壇返しというのは下手に検索したりすると、ロクなサイトが出てこないに違いなので、特に職場でこれを見ているギャルとかは試してみないほうが賢明かと思いますが、いやあ、春ですなぁ。

 で、続いては伝書鳩 「目覚めた時には晴れていた」 (作詞:阿久悠/作曲:坂田晃一) 。 いつも思うんですが、どうして70年代のフォークグループというのは、変な名前を付けたがるんですかね? 田山雅充の “赤い花” もそうなんですが、あと “青い三角定規” とか。三角定規が青かったら使いにくくて仕方がないと思うんですが、透明な三角定規を使えって! いや、もしかしたら青くて透明な三角定規だったりするのかも知れませんけど。 ちなみに僕は三角定規というのがけっこう好きです。角度がちょうど90度だったり、ちょうど45度だったり、ちょうど30度だったり、ちょうど60度だったりして、その “ちょうど具合” が血液型がA型な僕には非常に心地よかったりするんですが、30度、45度、60度の各辺で手の甲を突付いた時の痛さに差が生じるところも、微妙なマゾ心を満足させるにはもってこいです。今日は45度の気分かな?…とか、使い分けることが出来ますからね。30度でも物足りなくなった場合は0.3ミリのシャーペンの先とか、最終的にはコンパスの針とか、次第にエスカレートしていく恐れがあるので、製図用具と言うのはちょっぴり危険だったりするんですが、ソフト路線を求めるなら消しゴムのカスをはらう羽根なんかがいいですよね。電動消しゴムの微妙なこそばゆさも、けっこう癖になったりします。…とまあ、三角定規なら何かと話の発展が期待出来るんですが、伝書鳩ぉ? これまた変わった路線で変な名前を付けたものでありますな。 荒木とよひさ(b)、山口ますひろ(vo,g)、小川よしあき(g) という編成の “タイプA” と、小川クンの替わりに関田昇介が入った“タイプB” の2通りがあるんだそうですが、この 「目覚めた時には晴れていた」 というのは日テレのドラマ 『二丁目の未亡人は、やせダンプといわれる凄い子連れママ』 の主題歌だったそうです。グランド劇場・長名タイトルシリーズのひとつでありますな。ほかには 『七丁目の街角で、家出娘と下駄バキ野郎の奇妙な恋が芽生えた』 とか。

 「目覚めた時には晴れていた」 と言えば、僕のコドモの頃の記憶に、「目覚めた時には、え、雨!?」 というのがあるんですが、遠足とか、社会見学とか、修学旅行とか、キャンプとか、そういう楽しみな行事がある時、うちのおかんはお弁当のおかずに必ず海老フライを作るんですよね。 朝、目が覚めるとザーッという音が聞こえてきて、え、雨!?…と思ったら、海老フライを揚げる音であることが判明して、よかったよかった♪ とまあ、そういう思い出があるんですが、無論、たまには本当に雨が降ってて、ガックリしたこともあるんですけど。 で、目覚めた時にはいつでも晴れてる、あなたと私の愛の暮らし〜♪ って、そんなことは絶対に有り得ません。いくらお互いに愛していようと、たまには曇ることもあれば、雨が降ることもあります。いつでも晴れてたら高知県にある早明浦ダムがすぐに干上がってしまいます。 いや、そういうことではなくて、晴れているというのは2人の気持ちの問題なのでは?…とか、そういうことを言う人もいるかも知れませんが、実際、この手のひら、こう重ねて、愛と愛をつなぐの だから雨も、だから風も、しらない目覚めよ♪ などと歌われていますよね。 で、曲としてはアレです。正統的な叙情派フォークです。 いいですなぁ。愛のある暮らし。 こういう歌をオッサンばかりで歌っていて、恥ずかしくないのか?…と僕は思ってしまうんですが、それが許される時代だったんでしょうな、昭和50年代。

 続いては岡田奈々 「青春の坂道」 (作詞:松本隆/作曲:森田公一) なんですが、岡田奈々というと僕の場合、高校時代に国語を教えて貰ったトミナガという名前のオッサンを思い出してしまいます。本当にトミナガという名前だったのか、今となってはちょっと記憶が怪しかったりするんですが、かなりいいトシこいたオッサンなのに、ラブラブ岡田奈々♪…を公言して憚りませんでした。 1959年生まれらしいので、76年に 「青春の坂道」 を歌っていた頃は17歳♪ まさしく青春ど真ん中だったんでしょうが、僕が高校生の頃はすでに25歳くらいになっていて、僕たちの眼中にはなくて、生徒からは冷たくあしらわれてましたけどね。 キョンキョン好きの田中クンは、トミナガ先生の口から岡田奈々の名前が出るたびに、 「岡田はち」 と言っておりましたが、いや、本人がそれで満足なら、他人がとやかく言う筋合いはないと思います。若さゆえの過ちというのは、誰にもあることです。 岡田奈々といえばアイドル絶頂時代に自宅に強盗に入られて、犯人から一晩 “束縛” されるという不幸な事件があって、以後、人気が落ちてしまったことで知られておりますが、本人には何の罪もなく、むしろ被害者という立場なのに、不憫なことでありますなぁ。 最近はマルチ浄水器の広告塔をやっていたと週刊誌に書かれて、どうもダークなイメージが付きまとっているようですが、17歳当時の歌声は至ってあどけないものがあります。 作曲したのが 「青春時代」 の森田公一だけに、青春ソングの定番って感じ? 青春は長い坂を上るようです 誰でも息を切らし、一人立ち止まる♪ ですかぁ。 高校、専門学校と、オトコばかりの学校に行ってた僕は、青春と呼べるような楽しい思い出が何もないままこのトシになってしまいましたが、最近は長い坂を上るとすぐに息切れするようになって、僕ももう、そんなに長くは無いかもしれません。

 ということで、ラストです。 二葉百合子 「岸壁の母」 (作詞:藤田まさと/作曲:平川浪竜) 。 『続・青春歌年鑑』 の76年版で、こりゃ、いらんやろ?…と思わずにはいられませんが、こんなの終戦直後の歌じゃないんですか? 調べてみたらどうやら、昭和29年 (1954年) に菊池章子の歌でヒットしたのが最初のようで、昭和47年 (1972年) に二葉百合子が浪曲調で吹き込んで、再び大ヒットしたようです。 で、これがどうして76年版に収録されているのかというと、おそらくこの年に中村玉緒主演で映画化された関係ではないかと思うんですけど。 途中に台詞が入るところは 「ジャガー」 と同じなんですが、百合子ちゃんは無論、ヒデキ君のように、抱いてやる!抱いてやるぅぅぅ!!…と、絶叫したりはしません。 あれから10年、あの子はどうしているじゃろう。雪と風のシベリアは寒いじゃろう。つらかったじゃろうと命の限り抱きしめて、この肌で温めてやりたい。…と、切々と語りかけるだけであります。 なるほど、確かに浪曲調ですな。 ちなみにこの台詞は2番を歌い終わった後に聞かれるものなんですが、続く3番の歌詞の出だしが、悲願10年、この祈り〜♪ おっ、ついに息子が帰ってきたのか!?…と思ったら、結局はハッピーエンドを迎えることなく、そのまま終わってしまったんですが、最後は、ああ風よ、心あらば伝えてよ。愛し子待ちて今日もまた、怒涛砕くる岸壁に立つ母の姿を。…という台詞で締めて、とまあそんなことで、76年版はおしまい♪

 最後に恒例、 “さば的@我が心のベスト3♪” の発表でーす。 続編に収められた全19曲の中から選んでみようと思うんですが、

  (第3位) 春うらら / 田山雅充

  (第2位) 恋の弱味 / 郷ひろみ

  (第1位) 無縁坂 / グレープ


 んー、まあ、こんなところですかね? 田山雅充クンは 「はぁうぅ〜、はぁうぅ〜♪」 と乳揉みプレイが、郷ひろみは “Get Down” とカラオケ練習中であるという個人的な事情が、そして最後の 「無縁坂」 は、やりきれないまでの暗さが決め手となりました。グレープ、これからの季節が旬だしー。 前回の下馬評では 「ファンタジー」「きらめき」 が有力視されていたんですが、僕の予想もアテになりませんね。 今日は雨が降っていて何だか気分が落ち込んでいるので、そこのところが無縁坂だったのではなかろうかと。 とまあそんなことで、次回から “77年版” をお届けしまっす♪


( つづく♪ )


INDEX
BACK NEXT