『 青春歌年鑑('74-2 ) 』

〜 「ひとかけらの純情」から「水色の街」まで 〜


1 ふれあい / 中村雅俊
2 うそ / 中条きよし
3 恋のダイアル6700 / フィンガー5
4 くちなしの花 / 渡哲也
5 積木の部屋 / 布施明
6 学園天国 / フィンガー5
7 私は泣いています / りりィ
8 ひと夏の経験 / 山口百恵
9 よろしく哀愁 / 郷ひろみ
10 岬めぐり / 山本コウタロー&ウイークエンド
11 二人でお酒を / 梓みちよ
12 ちっぽけな感傷 / 山口百恵
13 結婚するって本当ですか / ダ・カーポ
14 思い出のセレナーデ / 天地真理
15 母に捧げるバラード / 海援隊
16 ひとかけらの純情 / 南沙織
17 ポケットいっぱいの秘密 / アグネス・チャン
18 白い冬 / ふきのとう
19 しあわせの一番星 / 浅田美代子
20 夕暮れ時はさびしそう / N.S.P.
21 逃避行 / 麻生よう子
22 銀の指環 / チューリップ
23 みずいろの手紙 / あべ静江
24 挽歌 / 由紀さおり
25 ひまわり娘 / 伊藤咲子
26 気になる17歳 / あいざき進也
27 涙の太陽 /安西マリア
28 愛の挽歌 / つなき&みどり
29 私は忘れない / 岡崎友紀
30 水色の街 / 三輪車


 えーと、今回は1974年です。元号に直すと昭和49年。さばに換算すると6歳ということになります。あ、さば換算は僕が当時、何歳だったのかという計算なんですが、無論、サバは読んでおりません。…と、ここまでは前回も書いたんですが、更新間隔がずいぶんと開いてしまったので、念のためにもう一度書いておいてと。で、今回はその74年版の後半になります。サブタイトルが “「ひとかけらの純情」 から 「水色の街」まで 〜 ” でありますか。何かこう、まったくソソられるものがありませんね。というか、そんな歌、知らん!…というのが正直なところなんですが、何だか不毛に終わってしまう気配が濃厚ではあるんですけどね。ところで、この原稿を書くにあたって、非常に有益なサイトがあることを発見しました。 『歌ネット』 というのがそれなんですが、ま、要は “会員制無料歌詞検索サイト” なんですけどね。歌詞が分からないと話がなかなか進まないので、今まではその都度サイト検索をしていたんですが、これさえあればもう安心だねっ♪…という気がしますよね。ただ問題は、果たして20年前の古い歌やマイナーな歌手まできちんとフォローされているのかということなんですが、試しに “新井薫子” で検索したところ見事に1件もヒットしなくて、その点ではかなり不安があるんですけどね。とにかくまあそういうことで、ではいってみましょう。

 えーと、まず最初はですね、南沙織「ひとかけらの純情」 (作詞:有馬三恵子/作曲:筒美京平) でありますか。南沙織は確か、清純派ということで鳴らしたんじゃないかと思いますが、いいですなぁ、清純なギャルというのは。何かこう、不純異性交遊とかしなさそうなイメージがありますもんね。たとえ異性と交遊するにしても、清純異性交遊とかをするんだと思います。ま、個人的に南沙織というのはさほど好きなキャラではなかったんですが、それはともかく。この 「ひとかけらの純情」 というのはですね、ちゃんと歌ネットに載っておりました。さすがに新井薫子よりは扱いが上だったのぉ♪…というので、さおりん(←編集部注:南沙織のこと)も、ほっと胸を撫で下ろしていることでありましょう。ちなみにこの歌ネット、著作権保護の観点から歌詞をコピー&ペースト出来ないところが難点なんですが、仕方がないので自力で打ち込んでみることにしましょう。

 恋のはじめの日を 誰かここへ 連れてきて〜欲しいの〜♪ …というのが歌い出しであります。この部分、実はサビのフレーズであるわけなんですが、それをいきなり頭に持ってきて、しかもコーラス仕立てにしたところが実に斬新でありますな。あまりにも斬新すぎて、最初に聴いた時は、何じゃこれ?…と思って、ちょっと引いてしまいましたが、すぐに普通の歌が始まりますので、ま、いいとして。で、テーマとしてはアレです。冷めてしまった愛。一言でいうと、そういうことになろうかと思います。冷めてしまったのはオトコのほうであって、さおりんのほうはまだ未練タラタラなんですが、出会った頃のあのトキメキを返して欲しいのぉ。…と、清純派の彼女は思っているわけでありますね。その先の歌詞を見ると、とりあえずオトコの部屋を訪問したりはしているようなので、果たしてこれが清純異性交遊なのかどうかは疑問が残るんですが、ま、歌われている範囲ではレクイエムを聴かされたり、お茶を飲まされたりしただけみたいなんですけどね。それはそうと、ギャルを部屋に連れ込んで聴かせる音楽が鎮魂歌(レクイエム)…って、このオトコの考えていることは今ひとつよく分かりませんなぁ。 ま、いずれにせよ、いかにも筒美京平らしい綺麗なメロディが印象的な作品ではありました。

 えー、続きましてはアグネス・チャン「ポケットいっぱいの秘密」 (作詞:松本隆/作曲:穂口雄右) 。 清純派と言えば、これほどロリっぽい歌と言うのも他に類を見ませんよね。ま、言うなれば、ピンクハウス系歌謡曲というところでしょうか? 歌われている内容はほとんど小学4年生レベルといってもいいでしょう。で、曲のほうはと言うと、イントロからいきなりとってもハワイアンだったりして、思わず嬉しくなってしまいますが、アグネス・チャンの舌足らずな歌声もマニアには嬉しい限りであります。ま、個人的にアグネス・チャンというのはさほど好きなキャラではなかったんですが、それはともかく。

 ひ〜み〜つ、内緒にしてね 指切りしましょ 誰にも言わないでねっ♪ …て、いや、女も13歳を過ぎると、なかなかこんなコッ恥ずかしい台詞は言えなくなっちゃいますからねー。さすがはアグネスですよね。で、その誰にも言ってはいけない秘密というのはですね、あなたが草の上でぐっすり眠っていて、寝顔がとってもやさしくて、 「好きよ」 と囁いたの〜♪…と、そういう内容であるわけなんですが、この 「好きよ」 というところの日本語の発音が今ひとつあやしくて、何だか 「好ぎよ♪」 と濁点で聞こえちゃうあたり、さすがはアグネスやなぁ。…と思ってしまいますよね。いや、何がさすがなんだか、よくは分からないんですけど。で、その “ひみつ” がですね、ちっちゃな胸のポケットの中、こぼれちゃいそうなの〜♪ …ということであるわけですが、この “ちっちゃな胸” という言葉が貧乳フェチにはグッとくるところでありますなぁ。 で、どうでもいいけど、 「誰にも言わないでね。」 という内容の歌をみんなの前で歌うというのはどうか?…という気がするんですけどね。自分から言うとるやん!…と思わずにはいられなくて、アグネスの秘密は今や、日本全国に知れわたっております。

 後半3曲目、全体を通しての18曲目は、ふきのとう 「白い冬」 (作詞:工藤忠行/作曲:山本康世)。 何でもいいけど “ふきのとう” って、ヘンな名前を付けたものでありますな。もっともフォーク・グループの名前というのは、今から思えばどうしてこんなワケのわからんのを?…と、本人たちも思わず赤面しちゃうような意味不明のものが多くて、いや多分、そういう時代だったんでしょうね。 で、 “ふきのとう” という名前の由来はよくわからんのですが、おそらくグループを結成した日の夕食のおかずが “ふきのとう” だったからとか、そういったつまらない理由でありましょう。所詮はそんなものなんですよね、フォーク・グループの名前とか、ホームページのサイト名なんて。 で、この 「白い冬」 という歌はですね、暗いです。心の底から、心底暗いです。そこそこ暗い歌というのはけっこうあるんですが、心底暗いというのは貴重でありまして、でもまあフォークなんてものは能天気か暗いかの両極端なものですからね。 一人で暮らす冬は早や涙、思い出せば空しく消えた日々♪ …と、何やら文語調の歌詞が印象的でありまして、切々とした哀愁のメロディが涙を誘います。いいですなぁ、暗い歌って。何だか心がどん底まで沈んじゃいますもんね。

 ということで19曲目です。 浅田美代子 「しあわせの一番星」 (作詞:安井かずみ/作曲:筒美京平)。 この人は 「赤い風船」 以来、独自の童謡風歌謡曲の世界を確立しているようですが、アグネス・チャンとはまた違った意味でロリ系を感じさせるキャラであります。いや、個人的には結構タイプなんですけどね。それにしてもまあ、夕焼け小焼けで、うちに帰る道、小石をそっと蹴る、明日も晴れる〜♪ …って、何とまあ穢れのない歌でありましょうか。主人公はおそらく小学6年生で、この7月の誕生日で12歳になるのでありましょう。いや、まったく何の根拠もないんですけど。いずれにせよ、いい歳したオッサンが真顔で聴いていると、かなりコッ恥ずかしい歌であるには違いありません。

 で、続いては N.S.P.「夕暮れ時はさびしそう」 (作詞・作曲:天野滋) でありますか。ここまで順調そのものだった “歌ネット” も、ここに来て遂に “該当なし” となってしまって、 N.S.P. というのが一体どのような集団なのかはよく知らないんですが、少なくともこのサイトでの扱いは新井薫子レベルであることがわかります。叙情派フォークの代表格らしいですけどね。それにしてもこの 「夕暮れ時はさびしそう」 というのはヘンな歌であります。曲のほうはまだ許せるんですが、歌詞がいけません。 “歌ネット” に載ってなかったので自力で聞き取り調査をしなければならないんですが、えーと、夕焼け雲さん伝えてくれよ、あの娘のお部屋の窓ぎわへ♪…というところがですね、もうどうしようもなく、ウザい!…と思います。いい歳したオトナが“夕焼け雲さん”じゃねーだろ!?…みたいな。あとはですね、こんな川原の夕暮れ時に、呼び出したりしてゴメンゴメン♪ …というところも何だか虫唾が走るし、笑ってくれよウフフとね、そんなにふくれちゃいやだよ♪ …に至っては、顔面ボコボコに殴って、足に重りをつけて大阪湾に沈めたくなっちゃいますな。そんなこと言われてウフフ♪…と笑える女が、世の中のどこにいると言うのでしょうか。70年代というのはこんなワケのわからないオトコがはびこっていた、大変な時代だったんですなぁ。。。

 問題のある男という点では、麻生よう子「逃避行」 (作詞:千家和也/作曲:都倉俊一) に出てくる…というか、結局は最後まで出てくることのない男だって負けてはおりません。この歌のテーマはタイトルそのものの “逃避行” であるわけなんですが、よう子ちゃんはある男と遠くの街へ逃げようという約束をして、待ち合わせ場所である朝の駅へとやってくるわけであります。が、男はいつまでたっても姿を見せず、よう子ちゃんは諦めて、ひとり寂しく汽車に乗る〜♪ …と、ま、結論を言ってしまえばそういうことになるんですけどね。端から一緒に逃げる気など無かったんですよね、この男。 で、それに対するよう子ちゃんの見解はですね、昨日の酒に酔いつぶれているのだわ、おそらくあの人のことよ〜♪ …というのが一点、で、もうひとつは、女の人に引き止められてるのだわ、おそらくあの人のことよ〜♪ …って、何やよう子ちゃん、ちゃんと分かっているんぢゃん。 それがなきゃいい人なのに〜♪ …と、彼女はひとり寂しくため息をつくんですが、いや、それがあるだけで充分、まったくいい人ではないと思うんですけどねー。 そんな男、やめておけって!…と、忠告したい気持ちでいっぱいであります。

 22曲目は チューリップ「銀の指環」 (作詞・作曲:財津和夫)ですか。 チューリップと言えば 「虹とスニーカーの頃」 だよね。…という印象があったんですが、それよりずっと前から活動していたんですなぁ。…ということは 73年の 「心の旅」 の時点で既に明らかだったんですが、いや、この頃のチューリップは声が若いですよね。何と言うか、高校の学園祭に出てくる素人バンドのような初々しさがあります。ちなみに僕が高校生だった頃、うちの学園祭では “複雑骨折” という名前のバンドが大スベリしておりましたが、ま、それに比べればチューリップはまだ歌がうまいですけどね。 で、この 「銀の指輪」 は “歌ネット” にも該当がなくて、今ひとつマイナーな曲なのかと思ったんですが、念のためチューリップで検索したところ、今度はちゃんとありました。なるほど、 「銀の指輪」 ではなくて、 「銀の指環」 が正解なんですな。

 夕べも僕は眠れなかったよ 終わった愛を探していたんだ 二度と帰らない夢のような恋よ 君はいつのまにか 消えてしまったよ〜♪ …という、典型的な失恋の歌でありまして、2人が愛を誓った銀の指環だけが今も輝いていると。 んなもの、捨てろよ!…と思わずにはいられませんが、ちなみに僕は銀の首輪なんかより、首輪のほうが好きですね。…って、アンタは “監禁王子” かい?

 続いて23曲目はあべ静江「みずいろの手紙」 (作詞:阿久悠/作曲:三木たかし)です。なつかしいですなぁ、あべ静江。 僕の心の中で “静江” という名前は、陰惨な姑のいびりにも負けずに健気に明るく生きている、とってもよく出来た嫁。…といった印象があるんですが、いや、あべ静江とは何の関係もない、ただの妄想なんですけどね。 そんなわけで僕は、あべ静江にはさほど悪い印象を持ってなかったんですが、この歌はいけません。いきなり、お元気ですか そして今でも愛していると 言ってくださいますか? …という台詞で始まるところがいけません。台詞付きの歌というのは何だかカラオケで歌うのがコッ恥ずかしくって、よくありません。 ま、僕がこの先、カラオケであべ静江を歌うような機会があるとは思えないので、別にどうでもいいんですけどね。 で、この台詞の部分さえ無視しちゃえば全体の出来としては悪くなくて、静江ちゃんがフラれたんだか、捨てられたんだか、何か訳があって離れて暮らしているんだか、そこのところが微妙ではあるんですが、ま、いずれにせよ離れて暮らしているうちに次第に互いの心も離れていって、最終的には駄目になっちゃうわけなんですけどね。いずれにせよ、水色の手紙で、そして今でも愛していると言ってくださいますか?…などと書いてくるようなギャルは、ちょっとウザいですね。最悪、手紙の返事さえ返ってこないという事態を覚悟しておいたほうがいいかも知れません。

 次、由紀さおり「挽歌」 (作詞:千家和也/作曲:浜圭介) 。 今となっては “童謡のおばさん” のイメージが強く、由美かおりと間違えられることもある由紀さおりでありますが、かつては “青春歌年鑑” に名前を連ねるほど、青春してた頃があるんですな。…ということは 70年の 「手紙」 の時点で既に明らかだったんですが、今度は 「挽歌」 でありますか。何かこう、どういう歌なのかまったく予想のつかない曲名ですよね。 「石狩挽歌」 みたいなニシン演歌なのか?…と思ったらぜんぜん違っておりました。イントロ部分は梓みちよの 「二人でお酒を」 とよく似た感じで、歌詞のほうは、やはり あの人は 私を送りに来なかった にぎわう夕暮れ人ごみの中 私はただバスを待つ〜♪ …という、何だか数曲前に登場した「逃避行」 のシチュエーションを、早朝の電車から昼間のバスに置き換えたような。何だか似たようなパターンだと思ったら、どちらも作詞が千家和也なんですね。なるほど、そういうことですかい。 が、由紀さおりと麻生よう子では置かれた立場が違っていて、よう子ちゃんがまだ男に未練タラタラであるのに対し、由紀ちゃんというか、さおりちゃんのほうは、恋することに疲れたみたいというか、男のことを気にかけながら、自分のほうから別れを切り出した模様であります。女心としてはより複雑であると言えるでしょう。いや、僕には女心など、まったくよくわからんのですけどね。 いずれにせよこの歌はメロディがいいです。何となくシャンソン的というか、ポルトガルのファド的というか、ニワトリの一種のチャボ的というか。それにしてもこの人、どうして急に童謡なんかに走っちゃったんでしょうなぁ。。。


 えーと、続いては25曲目ですか。伊藤咲子「ひまわり娘」 (作詞:阿久悠/作曲:シュキ・レヴィ)という歌ですね。作曲者に日本人離れしたカタカナ名がクレジットされているところを見ると、おそらく根はアチラ物ではないかと思うんですが、このシュキ・レヴィという人は、あのシュキ&アビバの人なんだそうですね。いや、 “あの” と言ったところで、そのシュキ&アビバというのがどういうものなのか、僕はまったく知らないんですが、あるいはパソコン検定とかをやってくれる人なのかも知れません。で、この歌はアレです。 「ひまわり娘」 というタイトルから受ける印象そのままの、大変明るくてノー天気なギャルをテーマにしたものでありますな。試しに “ひまわり娘” でサイト検索したところ、 “天真爛漫ひまわり娘” というのがヒットしたんですが、えーと、なになに。当店は、ひまわりのように元気いっぱいの女の子と 恋人プレイ・夜這いプレイを安心の低料金で楽しんで頂けるお店です!…ですかぁ。ひまわり娘と夜這いプレイというのはちょっとミスマッチのような気もするんですが、何だかとっても楽しそうですよね。ただ、どうやら “池袋学園イメクラ甘えっ娘” と合併してしまったようなので、今でもひまわり娘と夜這いプレイが楽しめるかどうかはサダカではないんですが、ま、別に、甘えっ娘の夜這いプレイというのでも、一向に構わないんですけどー。

 誰のために咲いたの それはあなたのためよ 白い夏の陽ざしをあびて こんなに開いたの〜♪ …って、いやあ、こんなに開いちゃいましたかぁ。いいですなぁ。あまりガバっと開いちゃうというのも、やや慎みに欠けるんぢゃないか?…という意見もあろうかとは思いますが、ま、いいではないんですか。ひまわりの花というのはガバっと元気に開いているほうがそれらしくていいと思います。伊藤咲子という名前も、いかにも咲いている〜♪ …という感じがしていいですよね。伊藤咲子の 「ひまわり娘」 。 歌手の名前と曲の名前が一体となってヒットの花が咲いたという、稀有な一例であると思います。

 続いては、あいざき進也「気になる17歳」 (作詞:安井かずみ /作曲:穂口雄右) 。 僕はこのコーナーで再三にわたって、初期の郷ひろみの歌声は、何だか声変わり直後の中学生みたいで、キモい。…ということを書いてきたんですが、それどころではないっ!…と言いたくなるような歌手がデビューを果たしました。あいざき進也。その歌声を耳にして、びっくりして、驚愕のあまりちょっぴり尿漏れしてしまった程なんですが、いや、これまた実に気色の悪い中性ヴォイスの持ち主でありますなぁ。中学時代の同級生に、ポニーテールがとってもよく似合う可愛いコなのに、声だけ何故だかサザエさんに出てくる花沢さんみたいだったギャルがいたんですが、その彼女よりもよっぽど女らしい声をしております。 この気持ちの悪い変態カマ少年は、一体どういうプロフィールを持ち合わせているのか?…と思って調べてみたところ、えーと、本名は相崎進也…って、そのまんま。1956年 (昭和31年) 10月26日、岐阜県岐阜市加納新町の生まれなんだそうです。ほぉ、うちの事務所からわりと誓いところではありませんか。よく探せばあるいは “あいざき進也生誕地” という記念碑が建っているかも知れませんが、ま、よく探してまで見たいとは思いませんけどね。 デビュー以来シングル22枚、LP11枚、アルバムCD2枚をリリース。現在は大人のシンガーへの脱皮をし…とありますが、ま、そりゃそうでしょう。50近くなって大人のシンガーへ脱皮出来ないようでは、かなり問題ですもんね。

 デビュー曲がこの 「気になる17歳」 なんですが、出だしの部分はアレですよね。金井克子の 「他人の関係」 を彷彿させる、ぱっぱっぱやっぱ系のノリでありますな。で、全体の感じとしては郷ひろみ系。おそらく、そういう方向で売り出しを計ったのでありましょう。 で、声はホモなんですが、歌詞の内容としては極めてノーマルでありまして、誰よりも君のことが好きなのに、オトコと一緒に喫茶店にいるところを発見して、あん、あん、あん、気になる17歳〜♪ …みたいな。 「あん、あん、あん」 じゃねえ、このオカマ野郎!…と思わずにはいられません。

 27曲目、安西マリア「涙の太陽」 (作詞:湯川れい子/作曲:中島安敏) 。 これは凄いです。パッと聴いた瞬間、アン・ルイスか?…と思ってしまったほどアンアンした感じがあって、いや、伊達に “マリア” などというカタカナ名を名乗っているわけではありませんな。本名は柴崎麻里子と言うらしいので、根はベタベタのジャパニーズ・ギャルみたいなんですけど。 ちなみにこの 「涙の太陽」 がデビュー曲のようで、レコード・ジャケットは超ミニ姿で、しかも白いパンツがちらっと見えているんだそうです。いや、僕はそういうのにはまったく興味がないので、わざわざジャケットの掲載されたサイトを検索するような真似はしませんけどね。えーと、どれどれ。いや、わざわざ探し出して見る程のものでもなかったかな?…という気がしないでもないんですが、この頃のギャル歌手というのは概ね清純派路線というのがメインストリームでありましたので、ちょっと毛色の変わったキャラの登場ということになりましょうか。いずれにせよ、ギーラギーラ太陽が燃えるように はげしく火を吹いて恋するこころ〜♪ …という、日本人離れしたギラギラ感が強く心に残る1曲なのでありました。いや、タイトルに “涙” とあるように内容自体は失恋ソングで、わりとベタな日本人っぽいところもあるんですけど。


 さ、残るところあと3曲です。適当にまいりましょう。 つなき&みどり 「愛の挽歌」 (作詞:橋本淳/作曲:筒美京平) 。 よくわからんのが登場しました。 “つなき&みどり” 。一体どういう人達なんでしょう? これがもし、 “さつき&みどり” という名前なら、おそらく、五月みどりと五月みどりのユニットなんだろうな。…ということが分かるんですが、何せ相手は “つなき&みどり” ですからね。仕方がないので調べてみましょう。72年にブルコメを解散した三原綱木田代みどりと結婚して組んだ夫婦ユニット。ほう、なるほど。 “つなき” というのは漢字では “綱木” と書くんですか。で、 “みどり” のほうは平仮名では “みどり” なんですね。で、つなき君というのはブルコメの人でありましたか。ブルコメというのは “ブルマー好きの米田クン” のことではなくて、ブルー・コメッツですよね。で、最近は三原綱木とザ・ニューブリードというバンドを率いて、NHK歌謡コンサートの伴奏を担当しているようです。 ということで 「愛の挽歌」 なんですが、何かこう、どういう歌なのかまったく予想のつかない曲名ですよね。 「石狩挽歌」 みたいなニシン演歌なのか?…と思ったらぜんぜん違っておりました。 “挽歌” という文字が使われている歌謡曲の中で、ニシン演歌なのはどうやら 「石狩挽歌」 だけらしい。…ということが薄々と明らかになって来ましたが、なるほど、ニシンなのはあくまでも石狩のほうであって、挽歌のほうはあまり関係がなかったんですね。

 で、この 「愛の挽歌」 。タイトルから受ける何だかえらく古めかしいイメージとは裏腹に、何ともナウでヤングなフィーリングに満ち溢れておりまして、試聴前の期待度が0パーセントだけに、これは思わぬ拾い物でありました。 古いピアノがある 店の片隅で あの人に声掛けられて ふふんふふんふん♪ …って、詳しい歌詞を忘れてしまったので最後はハミングになってしまいましたが、イントロの部分など、何やらB級ジャズの雰囲気が漂っていて、いいですよね。ちなみに、みどりちゃんというのはかなり蓮っ葉な歌い方をするギャルでありまして、概ね、つなきクンとのユニゾンの形で歌が進んでいきます。安い真珠の指輪を〜 愛の証に贈ぅ〜〜〜られ〜 今さら後へは引けない〜〜 夢が夢が夢が〜ある♪ …というサビの部分は、何故だか 「ゲゲゲの鬼太郎」 を彷彿させるところもあったりして、とても印象的でありますなぁ。

 で、続く岡崎友紀「私は忘れない」 (作詞:橋本淳/作曲:筒美京平) は、 「愛の挽歌」 とまったく同じ作詞・作曲者でありながら、まったく違った作品に仕上がっております。いやあ、清純派ですなぁ。浅田美代子天地真理を足して2で割った路線…とでも申しましょうか、メロディには幾分、演歌っぽいフィーリングもあったりして、ま、そろそろ真面目に曲解説するのが面倒になったので詳しい分析はヤメますが、とりあえずのところ、いいんぢゃないですかね?岡崎友紀ちゃん、可愛いしー。今ではもう、かなりのトシであるはずなんですが、今でもまだ十分に可愛いです。いいですよねぇ、こういうおばさん。

ということで、ラストです。三輪車「水色の街」 (作詞・作曲:山崎稔) 。 もはや真面目に考える気もしませんよね、どうして “三輪車” などというワケのわからん名前を付けたのか?…といった由来や、その他もろもろについて。もう、どうだっていいですよね。 で、この 「水色の街」 というのはアレです。何だか凄く爽やかな青春歌謡曲でありますな。 「あの素晴らしい愛をもう一度」 的であるというか、何というか。 いや、内容的にはもっと能天気なんですけどね。関西から出てきた大学生の3人組なんだそうですが、ちっとも関西らしくないところが長所でもあり、短所でもあり、関所でもあり、京都御所でもあり。 水たまりの中で はしゃぎまわる君は 口から先に生まれたような 無邪気なオテンバ娘♪ …て、いや、個人的にはそういうギャルって、けっこう好きですけどね。少なくとも、口から先に生まれたような不気味な口裂け女…よりはマシだと思いますね。

 んなことで、74年版の後半はおしまい。最後にこの15曲の中から “さば的@我が心のベスト3♪” を選んでおきましょう。いや、ベスト2まではすぐに決まったんですが、第3位がちょっと微妙なところ。。。

(第3位) 白い冬 / ふきのとう

(第2位) 涙の太陽 /安西マリア

(第1位) 愛の挽歌 / つなき&みどり

 ということで、次回は “75年編” となりまーす。

( つづく♪ )


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