『 青春歌年鑑('73-1 ) 』

〜 「学生街の喫茶店」から「そして、神戸」まで 〜


1 学生街の喫茶店 / ガロ
2 早春の港 / 南沙織
3 色づく街 / 南沙織
4 心の旅 / チューリップ
5 恋する夏の日 / 天地真理
6 赤い風船 / 浅田美代子
7 若葉のささやき / 天地真理
8 裸のビーナス / 郷ひろみ
9 草原の輝き / アグネス・チャン
10 個人授業 / フィンガー5
11 君の誕生日 / ガロ
12 赤とんぼの唄 / あのねのね
13 春のおとずれ / 小柳ルミ子
14 他人の関係 / 金井克子
15 そして、神戸 / 内山田洋とクールファイブ
16 傷つく世代 / 南沙織
17 コーヒーショップで / あべ静江
18 情熱の嵐 / 西城秀樹
19 同棲時代 / 大信田礼子
20 君が美しすぎて / 野口五郎
21 恋の十字路 / 欧陽菲菲
22 おきざりにした悲しみは / よしだたくろう
23 紙風船 / 赤い鳥
24 絹の靴下 / 夏木マリ
25 甘い十字架 / 布施明
26 狙いうち / 山本リンダ
27 青い果実 / 山口百恵
28 街の灯り / 堺正章
29 たどりついたらいつも雨ふり / モップス
30 小さな体験 / 郷ひろみ


 忙しさにかまけて釜揚げうどんなどを食べていたら、すっかり更新が滞ってしまいました。が、4月に入ってうーんと暇になってきたので再開します。今日はえーと、“1973年版(前編)”でありますな。1973年昭和48年)というとアレです。僕は5ちゃい。そろそろ物心がついて、下心も芽生えてくるお年頃。世相で言うと第一次石油ショック。いや、あれはショックでしたね。5歳児ながら、この先ニッポンはどうなってしまうのか?…と大いに胸を痛めたものでありますが、そういう世相を反映してか、この年のベストセラーは小松左京の『日本沈没』。流行語としては、「じっと我慢の子であった」。いや、「ちょっとだけよ」というのも流行ったみたいですけどね。で、僕の調べたサイトでは、流行歌として 「神田川」 「てんとう虫のサンバ」 「学生街の喫茶店」 の3つが挙げられております。企画に参加しているレコード会社の関係上、 『青春歌年鑑』 には収録されてないものもあるわけですが、ということで、では1曲目から参りましょう。

 ガロ「学生街の喫茶店」 (作詞:山上路夫/作曲:すぎやまこういち) 。いきなり来ましたね。この年を代表する流行歌3つに含まれているくらいなので、相当に流行したのでありましょう。当時まだ学生ではなかった幼児の僕ですら知ってるくらいですもんね。で、この歌のテーマはアレです。学生街にある喫茶店。そういうことでいいと思います。で、その学生街にある喫茶店で何をしていたのかというとですね、わけもなくお茶を飲んで話す。そういう無為な青春を送っていたわけなんですよね、この歌の人ってば。ま、この人も別に独りでそういうことをしていたわけではなくてですね、ちゃんとツレはいたみたいなんですけどね。そのツレというのはいったいどういう人であったかというとですね、この歌では“”と呼ばれているだけなのであまり詳しいことまではワカランのですが、どうも前後の流れからするとギャル系のようでありまして。けしからんっ!…と言わねばなりませんね。学生の身分でありながら学業をおざなりにして異性と不純な交遊に耽るとは、何と嘆かわしいことでありましょうか。僕はこの歌を聴いて、日本社会は1973年から堕落が始まったことを確信してしまいましたが、そんなことをしてるからオイルショックになっちゃうんだってば! ま、結局、この2人は、その頃は愛だとは知らなくて、さよならも言わないで別れたよ〜♪…という結末に終わったようなんですが、わはははははは。いい気味ですな。人の幸せほど聞いていて不愉快になるものはないので、僕は基本的に別れの歌が好きなんですよね。そっかぁ、別れちゃったかぁ。ま、人生、何事も経験だしぃ(笑)。…と、ガロくんを許してあげてもいいような、そんな優しい気持ちになれるような気がします。ちなみに僕はこの歌の、学生で賑やかなこの店の、片隅で聴いていたボブ・ディラン♪…というフレーズが好きです。特徴的なヴァーティカルな曲調と“ボブ・ディラン”という語感が見事にマッチしているところがいいと思います。このメロディに合う人名といえば、“ボブ・ディラン”以外では、“チョン・ドファン”くらいしかないですもんね。片隅で聴いていた全斗煥(チョン・ドファン)♪…ではきっと、この歌の成功はなかったと思います。

 続いて2曲目は南沙織の 「早春の港」 (作詞:有馬三重子/作曲:筒美京平)ですか。この歌は今ひとつ曲名がよくないと思うんですよね。“そうしゅんのみなと”…と声に出してみると分かるんですが、何だかもっさりとしていて、リズム感がよくありません。僕だったらそうですね、 「早春シャンソンショー」 みたいなリズミカルなタイトルを付けるところですね。ちなみにこの歌のテーマは、ふるさと持たないあの人の、心の港になりたいの〜♪…ということでありまして、だから 「早春の港」 というタイトルになったんだと思いますが、“心の港”。なんだか分かったようで、よく分からんフレーズですよね。でもまあ、ふるさと持たないあの人の、酒場でDABADAになりたいの〜♪…というのよりはマシだと思うので、ま、別にいいんですけどね。で、メロディ的にも、いかにも早春らしい爽やかな感じがあって悪くないと思うんですが、僕は南佐織の歌としては3曲目に入っている 「色づく街」 (作詩:有馬三恵子/作曲:筒美京平) のほうを高く評価しますね。今もあなたが好き〜 (ちゅっちゅる、ちゅっちゅっちゅちゅる〜)、まぶしい想い出なの〜 (ちゅっちゅる、ちゅっちゅっちゅちゅる〜)♪…というバック・コーラスが爽やかだし、サビのところのメロディが実に印象的でよく出来ておるな。…と、僕は筒キョンの才能を高く評価しております。愛のかけら抱きしめながら、誰もみんな女になる気がするの、さよならはその日のしるしね〜♪…というところでありますな。マツナガはサンドのしるこね〜♪…という替え歌が登場したほど有名な歌詞でありますが、“マツナガのしるこサンド”というのはもしかしたら、名古屋ローカルな食い物なのでありましょうか?


 チューリップ「心の旅」 (作詩・作曲:財津和夫)。これは有名ですよね。ヤマちゃんがカラオケでよく歌う歌として、世間ではよく知られております。ヤマちゃんの十八番ですからね。この歌をカラオケで歌う時のポイントはただひとつ。出だしの部分にいかに集中するか。…ということでありまして、イントロ無しでいきなり、あ〜、だから今夜だけは、君を抱いていたい〜♪…と始まるものだから、ぼーっとしていると出るタイミングを逸して、最後まで調子を取り戻せない破目になってしまいます。最初の、あ〜♪…さえうまくいえば、後はわりと単純なメロディなので、大丈夫でありましょう。ちなみに僕はチューリップと言うと、「虹とスニーカーの頃」 の頃しか知らなかったんですが、この 「心の旅」 の頃は、何だかとっても声が若いんですよね。いかにも大学のフォーク同好会に所属…みたいな感じで。歌詞の内容的にも何だかあまりにも青臭くて、分別のあるおじさんは聴いていてなんだかアホくさくなってしまいましたが、ま、青春というのは振り返ってみると、かなり恥ずかしいものであるに違いないので、ま、これはこれでいいかな?…という気がしないでもないんですけどね。で、この歌をカラオケで歌った場合、最後の最後に試練が待ち受けておりまして、それは何かと言うと、リフレインしながらフェードアウトしていく…ということなんですけどね。これはけっこう、引き際が難しいんですよね。バックで伴奏が続いているのに途中で歌をやめるというのも何だかしまらないし、だんだん声を小さくして、“人間フェードアウト”みたいにするというのも間が抜けているし。聴いているほうとしてもどのタイミングで手を叩いていいのか分からなくて、何だかうやむやなうちにパフォーマンスが終了することになってしまいます。カラオケではフェードアウトの歌は避けておいたほうが無難でありましょう。

 で、5曲目は天地真理「恋する夏の日」 (作詞:山上路夫/作曲:森田公一) ですな。テニスコートを舞台にした甘いロマンスの物語でありまして、これぞ日本の夏の正しい天地真理っ!…といった気配が濃厚に感じられる仕上がりとなっております。しかしなんですな。この歌の貴方は来るわ、あの道から〜、自転車漕ぎ今日も、来るわ〜♪という部分は、何だかこう、イメージ的に今ひとつカッコ悪いような気もするんですけどね。バイクとかオープンカーとか、もうちょっとオシャレな乗り物に乗ってこれないものか?…という気がしないでもないんですが、真理ちゃんはきっと、「けったを漕いでるアナタが好きっ♪」と思っているに違いないので、他人がとやかく言う筋合いではないんですけどね。で、この歌はメロディが独特でありまして、2人の夏よ、消えないでねどうか、ずっと〜♪…というところが、何だか妙に脳裏に焼きついてしまいます。これほどまでにマリンバがよく似合う歌謡曲というのは他にないような気がします。で、次。浅田美代子「赤い風船」 (作詞:安井かずみ/作曲:筒美京平)。これまたちょっぴり毛色の変わった歌でありまして、“ネオ童謡”とでも言うか、“みんなのうた”っぽいと言うか。えーと、歌の趣旨としてはですね、“あの娘”が手に持っていた赤い風船が飛んでいってしまったと。そんな時“あの人”が来て、やさしい歌をうたってくれると。歌の内容としては、以上です。浅田美代子は当時まだ若いギャルだったのか、けっこう可愛い声で歌っているからいいようなものの、これでもし冠二郎のようなオッサンが歌っていたら、ただちに張り倒したくなるところですよね。で、このネオ童謡風の曲を作ったのが筒美京平ということで、この人の懐の深さは貴ノ浪並みやな。…という気がするわけですが、それにしてもいきなりどこからともなく登場する“あの人”の正体が気になるところですよね。僕のイメージとしては、何となく“風船おじさん”みたいな人?…という感じがするんですが、いや、空に飛び出したまま行方不明になっちゃったみたいですけどね。


 で、次です。天地真理「若葉のささやき」 (作詞:山上路夫/作曲:森田公一)ですな。いきなり木琴風の音色が出てくるところを見ると、真理ちゃんはどうやら相当のマリンバ好きのようなんですが、ちなみに僕はけっこう山姥(やまんば)が好きだったりします。道に迷って山奥の一軒家に泊めて貰ったりすると。夜中にこっそり包丁を砥いでたりするんですよね。いいですなぁ、山姥。…とまあそんなことはどうでもよくて、この歌はですね、ごく普通です。前に出てきた「恋する夏の日」に比べると歌詞もメロディも素直な感じがして、その分、インパクトがちょっぴり弱いですな。敢えて多く語る必要もねーな。…という気がするので、次にまいりましょう。8曲目、郷ひろみ「裸のビーナス」 (作詞:岩谷時子/作曲:筒美京平).この歌はですね、イントロがいいですね。スピーディーで、ドライビングで、ビン・ラディンで、これから一体、どんなカッコいい歌が始まるのか?…と思って期待していると、いきなり中学生ボイスの郷ひろみが出てくるもんだから、「郷ひろみかいっ!」…と、ツッコミを入れたくなっちゃいます。いや別にひろみ君はボケてあのような声を出しているわけではないと思うんですが、僕はどうも生理的に駄目なんすよね。甘ったるい声、出してんじゃねえ!…と、不快感を覚えてしまいます。特に、まぶしいな、君を見ていると、こーい(恋)をしたくなるよ〜♪(←歌詞、合ってる?)…という箇所で、“こーい”と声が裏返るところが耳障りです。中学生みたいな声をして、裏返ってんじゃねえ!…と思ってしまいます。「裸のビーナス」というタイトルもよくありませんな。中学生みたいな声をして“ハダカ”に興味を持つとは、生意気や!…みたいな。歌はいいんだけど、キャラが嫌い。そんな1曲なのでありました。

 甘ったるい声ということで言えば、次のアグネス・チャンだって負けておりません。究極の背中むずむずボイス…とでも申しましょうか、ま、そこそこ可愛いルックスのギャルだからいいようなものの、これがもし、冠二郎みたいなおっさんがこの声でうたっていたら、思わず張り倒したくなっちゃいますよね。で、この 「草原の輝き」作詞:安井かずみ/作曲:馬飼野俊一)というのは、そんなアグネス・チャンの魅力が100%発揮された作品でありまして、何というかその、極限までアグネス・チャン…といった感じがしますよね。居眠りしたのね、いつか〜♪(←歌詞、合ってる?)という歌い出しからして、これはもう、とてつもなくアグネス・チャンやな。…と思わずにはいられません。まさにアグネス・チャンでなければ歌えない歌だと言えますが、でも、僕でも裏声を使えば歌えるかな?…という気がしないでもないんですけどね。いや、さすがにまだカラオケで披露したことはないんですけど。さばのくせに、声が裏返ってんじゃねえ!…と思われるのがオチだと思うしー。

 はい、次です。えーと、フィンガー5「個人授業」作詞:阿久悠/作曲:都倉俊一) ですか。わはははははは。今から思えば、ずいぶんと笑えるキャラでしたよね、フィンガー5。不始末をしでかして指を詰めたら、フィンガー4…みたいな。いや、笑い事ではありませんけど。で、フィンガー5というのはどういう集団であったかと言うとですね、コドモの集団でありました。当時、僕はまだコドモだったんですが、コドモの目から見ても、コドモやなぁ。…といった気配が濃厚に漂っておりました。で、どのようなコドモ達であったかと言うとですね、確か、兄弟とか姉妹とか、そういった関係にある子供たちなのではなかったかと。もう少し詳しく調べれば詳しいことが分かるかも知れませんが、面倒なので詳しく調べるのはやめにして、とにかくまあ、なんだかヘンな眼鏡をかけたガキが1人いたよな?…という程度のことしか僕の記憶には残っておりません。で、この 「個人授業」 という歌はアレです。子供らしい稚気に溢れた歌…と言えば聞こえはいいんですが、阿久悠はピンクレディ以前からこのようなヘンな詞を書いていたんだな。…ということが分かって、それなりに意義のある作品だとはおもうんですけどね。要するにコドモが先生に憧れて、ベンキョーが手に付かない。…と、そういった内容の作品でありまして、コドモのくせに“個人授業”を受けたいとは、生意気や!…と思わずにはいられません。メンバーの中にミョーにカン高い声のガキが1人いて、そいつの存在を受け入れることが出来るか否かが、勝負の分かれ目ではなかろうかと。僕は駄目ですな、こういう声は生理的に受け付けませんで。。。


 さ、どんどんまいりましょう。11曲目、ガロ「君の誕生日」作詞:山上路夫/作曲:すぎやまこういち)。ガロというのは 「学生街の喫茶店」 オンリーの典型的な一発屋かと思っていたんですが、こんなのもまあ、そこそこはヒットしてたんですな。で、この歌のテーマはアレです。君の誕生日に、お祝いのグラスを買ったよ〜。でも、君はもういない。何故なら2人、あの日、別れたよ〜♪…というのがだいたいの粗筋となっております。いや、今ひとつ了見がよく分かりませんな。別れるのがわかっているなら、わざわざ誕生日のプレゼントなど買わなけくてもいいと思うんですけどね。貰ったほうとしても迷惑なだけのような気がしますが、ま、おそらくガロくんのほうとしては、まだ未練があったんでしょうな。煮物なんかに入れると照りが出ますからね。…って、それは未練ではなくて、味醂なんですけどね。で、この歌はメロディ的にはいかにも正調フォークといった感じで、悪くないとは思うんですが、何だか今ひとつインパクトがなくて地味ですよね。唯一注目すべき点は、間奏部のメロディがまるっきり「学生街の喫茶店」やん!…ということなんですが、二匹目のドジョウ狙いなのか、もしくは順番的にはこちらのほうが先で、何気なく弾いた間奏のメロディがいい出来だったので、それをモチーフにしてあの大ヒット曲が生まれたのか。ま、別にどうでもいいんですけどね。で、次。あのねのね「赤とんぼの歌」作詞:清水国明/作曲:原田伸郎) 。あのねのねというのはアレですね。お笑いの人ですよね。…と思っていたんですが、根はフォークの人だったんですね。歌謡界からお笑いの世界への転進ということでは、堺正章とか、円広志とか、シャネルズのメンバーとか、いろいろな例がありますが、清水国明クンと原田伸郎クンの2人は、覗き魔にまで身を落とすことはなかったようで、何よりです。で、ここに収録されている 「赤とんぼの歌」 はライブ・ヴァージョンのようで、まあまあそこそこ観客の笑いも取っているようですが、歌としてはまあ、とてもつまらないものですよね。どれくらいつまらないかと言うと、トイレの“すっぽん”と同じくらい。いや、アレはつまらないというより、詰まった時にそれを除去するための道具なんですけどね。赤とんぼ〜、赤とんぼ〜の、羽根をとったら、アブラムシ♪…というこの歌、まだあまり知能が発達してなかったコドモの頃に喜んで歌ってた記憶があるんですが、意外と古い歌だったんですな。…ということが分かって感慨もひとしお、若松親方は元朝潮。


 13曲目、小柳ルミ子「春のおとずれ」作詞:山上路夫/作曲:森田公一)。何だかこう、春らしいのんびりとした曲調の歌でありますな。そういえば最近、あまり“股ズレ”しなくなりましたな。…ということを、この歌を聴いてふと思い出した次第でありますが、いや、昔はけっこう擦れやすい股をしてたんですよね。ということで、続いては金井克子「他人の関係」作詞:有馬三恵子/作曲:川口真) 。この歌に関しては今までまったく知らなかったんですが、今回の最大の収穫でありましたな。何というかその、実にJAZZYなんですよね。 ぱっぱっぱやっぱ♪(てれーててて♪)、ぱっぱっぱやっぱ♪(てれーててて♪)…というコーラスとインストの絡み具合など、まさしくジャズ・ファンクといった感じでありまして、ヴァイブラフォンの音色が実に効果的に使われております。で、歌詞のほうはというと、まさに“オトナのすけべ”といった感じでありまして、でまた、金井克子のハスキー・ボイスが何とも言えずにオトナっぽいんですよね。これを歌っているのは一体どういう人なのか?…というのが気になってちょっと調べてみたところ、レコードのジャケット写真を見る限り、ちょっぴりケバい水商売のおばさん…といった感じで、ややガックリしたんですが、ま、歌は見た目ではないしー。愛したあと、おっ互い、他人のふたり〜♪(てれーててて♪)、夕べは夕べ、そして今夜は今夜♪(てれーててて♪)…と、いや、微妙に歌詞は違っているかも知れませんが、飽きることなく愛し合う秘訣は、一度“他人”になることだったのか!…と、当時6歳だった僕は残念ながらまだこの歌を知りませんでしたが、36歳になった僕はハタと膝を打ってしまいました。いやあ、深いですな。ちなみにこの金井克子というおばさんは、いや当時はまだ意外と若かったのかも知れませんが、とにかくまあ西野バレエ団の出身であるらしく、ぱっぱっぱやっぱ♪…のところではバックダンサーと共に、華麗な振り付けを披露していた模様です。そこのところが評価されたのか、この年のレコード大賞では見事“企画賞”を受賞しております。いや、今ひとつ地味な賞ではあるんですけどね、“企画賞”。ちなみにこの年の大賞は五木ひろし「夜空」 、最優秀新人賞は桜田淳子「私の青い鳥」 だそうです。最優秀でない新人賞には浅田美代子アグネス・チャンの名前もありますな。

 そして前半の最後は、 「そして、神戸」(作詞:千家和也/作曲:浜圭介) 。ご存知、内山田洋とクールな5人組のヒット曲であります。ま、確かにフィンガー5と比べると、まだクールな感じがありますからね、クールファイブ。日本歌謡曲史上、最も歌唱力のあるボーカリストである前川清と、日本歌謡曲史上、最も影の薄いバンマスである内山田洋を中心に結成されたグループでありますが、クールファイブというくらいだから、おそらくあと4人くらいはメンバーがいるんでしょうな。この歌ではちゃんと、神戸〜、泣いてどうなるのか〜♪…というフレーズに続いて、ぱっぱやぱぱぱぱ、ぱぱっぱ〜♪…というコーラスが聞こえてますもんね。一世一代の晴れ舞台だと思います。で、僕は結構この歌が好きなので、神戸の有馬温泉に社員旅行に行った時、カラオケで歌ってみるぅ?…とか思っていたんですが、結局のところ断念してしまいました。並大抵の歌唱力では歌いこなせませんもんね。夢の続き、見せてくれる、相手ぇ探すのぉ〜よぉ〜〜〜♪…のところで声が裏返って、大恥をかくに違いありません。仕方がないので佐野元春「サムデイ」 を歌ったところ、どういうわけだか思いきり馬鹿にされて、しばらく“サムデイいなば” などと呼ばれる破目になってしまいました。何だか思い出しただけでもとても不愉快なので、今日はこれでおしまいっ。

( つづく♪ )


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