ピンクレディ / 『 透明人間 』

〜“桃色淑女”の一人ツッコミ〜



   …って、いや別に“一人ツッコミ”と言っても、ひなのちゃんあたりが好きそうなピンクゴッド系の器具で、ああん♪…とか、そういった世界ではなくて、ボケツッコミ。そういった意味でのツッコミでございます。いや、別に誰も何とも言ってはいないんですが、“桃色淑女”という言葉に続けてかいたら、ふと“ご自愛系”の光景が脳裏に浮かんだので念のために書いてみた次第でありますが、そんな僕ってやっぱり“すけべビデオ”の見すぎでしょうか?いや、最近はもっぱらDVDなんですけどね。でもって今朝の僕は、会社に通勤するクルマの中で“ピンクレディ”を聴いておりました。最近、なんとなく“昭和歌謡”に目覚めて、ユーミンサザンのベスト盤CDを買ったりしていたのですが、よく考えたら“WinMX”で落としてくれば、タダやん。…ということに気がついて、最近はもっぱらソレに頼っております。いや、違法行為であることは承知しているんですが、すいません。著作権料のほうは青龍会城東支部のほうに振り込んでおこうと思いますので、どうか許してくださいね。ま、こう言っちゃ何ですが、“ピンクレディ”ごときならタダでええやん。…という気がしないでもなくて、いや、そういう音楽差別はよくないとは思うんですが、すいません。原稿を書いたらすぐに消去して“無かったこと”にしようと思っておりますので、どうか大目に見て下さいね。しかし何ですな。ネットの世界には実に怪しからんデータが出回っているものでありますな。“すけべ動画”の類など、明らかにこりゃマズいやろ?…と思われるものまでありまして、こういう状態を野放しにしておいてもいいのか?…と思わずにはいられませんが、ま、僕は大方、主要なところは確保しておきましたので、今後は取締りを強化してもらってもいいかな…と。ちなみにマンポン技士のウメムラくん(仮名)が大量に保有していた“エロ動画”の出所もここだったようでありまして、いくつかお馴染みのタイトルも見受けられました。

 で、もっぱら画像系動画系のファイル収集に活用していた“WinMX”が、音楽データの違法入手にも利用出来ることに気が付いたのは、迂闊にもつい最近のことでありまして、いや、ジャズ系にはロクな共有ファイルがなくて、いらねー。…とか思っていたんですよね。「ジャズで聴く“つんく”作品集」とか、そんなんばっかりで。そもそも僕は、JAZZという音楽には正当な対価を払って鑑賞するべきである。…という主義主張を持っておりまして、でないと命を賭けて演奏をしているジャズマンに対して失礼ですよね。じゃ、ピンクレディはタダでもいいのか?…と言われると、とりあえず難しい話は置いといて…と。で、僕とピンクレディとの関わりについて話してみたいと思うんですが、僕が物心ついた頃に初めて意識したアイドルが彼女たちではなかったかと。時代的に言うと、前回ここで取り上げた新井薫子より5年ほど前倒しされますよね。あ、ちなみに“WinMX”には「大和撫子“春”咲きます」の音楽データは出回っておらず、あるいは探してみれば“(お宝画像)新井薫子・某地方デパートのステージでパンチラ披露.jpg”みたいなのがあるのかも知れませんが、ま、そこまでして見たいとも思わないしぃ。で、前回分の訂正でありすが、彼女のデビュー作は「イニシャルは夏」ではなく、「虹色の瞳」というのが正解のようです。すいません、いい加減なサイトなもんで。で、デビュー2作目までは“瞳・少・女”などというキャッチフレーズが付いていたようですね。わははははは。言ってるほうも言われたほうも、とってもこっぱずかしいですな。…ということに遅まきながら気が付いたのか、3作目からはヤメになったようですが、“中学生の頃はグレてた説”や“死亡説”を乗り越えて、今では“Kaoruko”と名前を変えてイラストレーターとして活躍しているんだそうです。趣味が絵画というのはプロダクション側の戦略ではなくて、マジだったんですな。

 話がそれました。ピンクレディです。彼女たちのデビューがいつだったのか、さほどのマニアではない僕はよく知らんのですが、僕が初めてピンクレディの存在を意識したのが 「カルメン '77」 という歌だったことから考えて、おそらくは1977年頃ではなかろうかと。となると僕は9ちゃいですかぁ。若いですなぁ。ちなみに僕は今ひとつ“ミーちゃん”と“ケイちゃん”の区別が付きませんでした。キャンディーズの3人のうち、“ランちゃん”と“ミキちゃん”の区別も付きません。が、“スーちゃん”は好きなタイプだったので、何とか識別は出来ました。レッツゴー3匹だと“ジュンちゃん”だけは大丈夫です。で、昨夜、“WinMX”の検索バーに“ピンクレディ”と入れてみたところ、わりとたくさんのファイルが検出されたので、いくつか適当にキューを入れておきました。すると朝には6曲ほどが落ちておりました。“すけべ動画”だと容量が数100メガバイト単位だし、希望者が多いしで、1本落とすのに1ヶ月は覚悟しなければならんのですが、ピンクレディの場合は勝負が早いですなぁ。ただ、「ペッパー警部」「渚のシンドバッド」「サウスポー」はまだ駄目だったので、本来なら絶対に欠かすことの出来ない3曲を抜いた状態で話を進めなければならないことを予めお詫びしておきます。で、まずは「透明人間」ですかぁ。正直なところ、ピンクレディというのはアイドルとしてのコンセプトが今ひとつよくわからんところがありますよね。普通なら“清純派”とか、“ちょっとグレてる風がウリ”とか、“ぷちセクシー路線”とか、“ヤケの大和撫子暴発”とか、何らかの方向性があってしかるべきだと思うんですが、いきなり「透明人間」って、何を求めようとしていたんですかね?コドモ心にも、ピンクレディの歌って、何だか幼稚っぽいなぁ。…と思ってしまったほどでありまして、小学校5年生くらいの女の子が歌って踊るには可愛いんだけど、とても大人の鑑賞に堪えうるものだとは思われないのが正直なところでありまして。

 そもそも僕がなぜ今回、 「透明人間」 などという歌を表題に持って来たのかと言うと、“WinMX”で落ちたファイルを適当に携帯用MP3プレイヤーに転送したところ、この曲が最初に来たからに他ならないんですが、ではここでディスコグラフィカルにピンクレディの軌跡を振り返ってみることに致しましょう。えーと、まずは1976年。「ペッパー警部」(作詞:阿久悠 作曲/編曲:都倉俊一)でデビュー…とあります。おお、「ペッパー警部」がデビュー作だったんですか。知りませんでした。今から思えば“ペッパー警部、邪魔をしないでぇ〜、ペッパー警部、私たちこれから、いいところ〜♪”というフレーズなど、ずいぶんと意味深のような気がするんですが、となるとデビュー当時は“ぷちセクシー路線”を目指していたのかも知れませんね。で、2曲目は同じ作詞・作曲者による 「S・O・S」 となっております。男はオオカミである。…と断言してオトメの貞操保護を呼びかける“道徳ソング”としてPTAのおぼえもよろしかったわけでありますが、すけべ行為(←たぶん)のために警部すら邪険にする桃色娘が、今さら何を言っておるか。…という気もしますよね。ま、恐らく前作の歌詞の内容が教育上よろしくない。…とか何とかクレームが付いて、方向転換を図ったものでありましょう。そして1977年にはあの 「カルメン '77」 が出されております。ちなみにこれ、子供の頃には、なんて嫌な歌なんや。…と思っておりました。冒頭の“わったしの名前は、カルメンでっす♪”の部分はまだしも、その次の“もっちろんあだ名に決まってまっす♪”の部分が嫌でした。もちろんあだ名に決まってます!…と強い口調で言われても、そんなこと第三者に分かるわけないやん。…と、反感を覚えてしまいました。反感、そして第三者ですからね。すごい9歳児であったと言わねればなりませんが、ま、当時はそうはっきりと認識していたわけではなくて、なんかヤだな…という気がしただけなんですけどね。だいたい、あなたの周囲に“カルメン”なんてあだ名のヤツ、いましたぁ?バラの花を口にして踊っているイメージ…って、僕はヤですね、そんな女。

 で、今回、久しぶりにこの歌を聴いてみて、何だか妙に可愛いということに気付きました。これに先立つ 「ペッパー警部」「S・O・S」 が未入手なので断言は出来ませんが、 「透明人間」 あたりと比較すると、あきらかに声が幼い感じがします。で、歌詞がまた、ところどころ実に無邪気なんですよね。“純情過ぎると言われてまっす♪”とか。特に2番の歌詞にある“お色気ありそで、なさそうでっす♪”の部分を耳にしたときは思わずクルマの中で爆笑してしまいましたが、小学校5年生くらいのちょっとおませな女の子が歌ったりすると最高に可愛いでしょうなぁ。いや、不細工な女の子が歌うとさほどでもないような気がするんですけど。で、この年にはその他、「渚のシンドバッド」「ウォンテッド(指名手配)」「UFO」が発売されております。きっかり3ヶ月に1枚のペースですね。阿久悠都倉俊一コンビの当時の創造力の凄まじさには驚くばかりですが、この中では今日の朝現在、「ウォンテッド」だけを耳にすることが出来ました。で、改めてこの歌を耳にして思ったのは、英語の発音が素晴らしい…ということでありまして。いや、英語と言っても出てくるのは“う〜、ウォンテッド!”という部分だけなんですが、“ウォンテッド”の片仮名で表記するのが申し訳ないほど、きっちりとした英語の発音がなされておりました。この2人、もしかして帰国子女?…とか思ってしまいましたもんね。で、歌詞の内容的にも声の質も、ミーちゃんケイちゃんもずいぶんとオトナになったなぁ。…と感心しながら聴いていたんですが、途中に出て来る“ある時謎の運転手♪”“ある時アラブの大富豪♪”“ある時ニヒルな渡り鳥”“あいつはあいつは大変装ぉ♪”…の部分には度肝を抜かれてしまいました。ケイちゃんがおっさん声で歌う“ある時アラブの大富豪♪”も凄いんですが、最後の“あいつはあいつは大変装ぉ♪”のところが最高にカワユイです。う〜ん、おじさん、今度カラオケで、これ歌っちゃおうカナ?

 で、翌78年には 「サウスポー」「モンスター」「透明人間」「カメレオン・アーミー」 の4曲が出ております。 「モンスター」 というのは今回GETしたファイルの中にもあったんですが、何だか今ひとつ印象の薄いナンバーでありますな。デビュー3年目にして、初めてハズしたか?…といった感じなんですが、 「カメレオン・アーミー」 というのも僕はあまり好きではありません。その意味で、 「透明人間」 というのはピンクレディの最後の輝きだったと言えるかもしれませんが、いや、なかなか面白い歌ですよね。“まさかと思っているのでしょうが 実は実は私、透明人間なのです♪”…って、歌詞の冒頭でいきなりこのようなショッキングな告白をされたら、あなたはどう思いますか?ショックですよね。ピンクレディのバックでコーラスを付けているお姉さん達も相当にショックだったようで、ここで思わず“ショック、ショック、ショック♪”と、バック・コーラスが入ります。…と、ま、ここまではいいんですが、それに続いてミーちゃんケイちゃんが、“ショックぅ〜、ショック♪”って、あんたらのことやん!自分で衝撃の告白をしておいて、自分で“ショックぅ〜♪”もなかろうに。…と思わずにはいられませんが、この“ショックぅ〜♪”という発音が何だかベタなまでに日本人的なところがいいですよね。“ウォンテッド!”で聞かせた、あの帰国子女的な英会話能力はどこへいった?…という感じでありますが、あまりの衝撃に英語の発音なんぞにかまってはいられなくなったのかも知れません。何せ自分が“透明人間”だったというのだから、これはショックですよね。今まで自分で気が付かなかったんかい!?…と思わずにはいられません。

 で、正直なところ、この歌の真ん中のところの歌詞はあまり感心しませんな。無敵のヘビー級ボクサーがいきなりノックアウトされたのも、スプーンが曲がったりねじれたりするのも、すべてはみんな透明人間のせいなのぉ♪…という主張は当時のフーゾクを巧みに織り込んでいて悪くはないと思うんですが、せっかく透明人間になったんだから、その能力をもっと有効に活用しろよ!…と思わずにはいられません。えーと、例えば女子高生のスカートをめくるとか、女風呂に忍び込むとか。そのための透明人間やろ!?…と、少年時代の僕は激しく憤りを覚えたものでございます。で、この歌の眼目と言えるのはラストに近い部分、すなわち“透明人間、あらわるあらわる〜、透明人間、あらわるあらわる〜、嘘を言っては困ります〜、現れないのが透明人間です〜♪”というフレーズでありましょう。自分で勝手にボケておいて、自分でツッコミを入れる。歌謡曲史上初めて、“一人ツッコミ”の要素を取り入れた エポックメイキングな作品であると言えますが、2番の歌詞なんかもっと凄いですよね。“透明人間、あらわるあらわる〜、透明人間、あらわるあらわる〜、無茶を言っては困ります〜、捕まらないのが透明人間です〜♪”…って、誰も捕まえるとも何とも言っとらん!

 ということで、おしまい。

( おしまい♪ )


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