『 Caplio G4 wide (最終回) (RICOH) 』


 今どき、こんな2世代くらい前のデジカメのレビューをして、何がどうなるねん!?…という気がしないでもないこの企画でありますが、ということで、今日が最終回です。 さ、張り切ってまいりましょう。 とにかく安く手に入る、広角側に強いデジカメが欲ちい♪…という、確固たる意思に基づき、ありとあらゆる機種と比較検討してみた結果、とりあえず目に付いた RICOH の “Caplio G4 wide” を衝動買いしちゃった僕でありますが、いざ実際に手に入れてみると、いくつかの問題点が明らかになってまいりました。 図体がデカくて、見た目が格好悪いやないか!…というところまでは前回に書きました。 確かに図体はデカいです。見た目だって不恰好です。 僕が小学生だった頃にスーパーカーブームというのがありまして、ポルシェやら、フェラーリやら、ランボルギーニカウンタックやらが長島スパーランドだけでなく、桑名駅前のパルにも来たりしたんですが、ちなみにパルにはハゼドンも来たそうですけどね。ハンカチにマジックで 「ハゼドン」 とサインをして貰ったという、羨ましい経験を持っている少女(←当時)もいるようですが、その頃に覚えたスーパーカーのひとつにブカッティというのがありました。何だか不恰好な名前やな。…と、子供心にも思ったものでありますが、確かにこのデジカメは不恰好です。 友達にこのデジカメを見せたら大きさとデザインを思いっきりバカにされて、以来、恥ずかしくて人前で使えなくなった。…という、某ギャルの投稿には身につまされるものがありますが、それはある程度、覚悟の上で購入に踏み切ったわけですからね。 ま、覚悟していたよりも遥かに大きくて不恰好だったのはちょっと不覚でありましたが、お仕事の場面では平行してフィルム式のコンパクトカメラも使っている僕にしてみれば、ま、我慢出来ないほどの大きさというわけでもありません。ファインダーを覗いて撮る場合なら、むしろこのくらいの大きさと分厚さと重さがあったほうが、しっくりくるというものでありまして。

 ということで、問題発覚 (その1) であります。僕が子供の頃にわりと好きだった相撲取りの北勝海は、引退して八角親方になっていることが発覚しましたが、名前が紛らわしかった北天佑のほうは若くして死んじゃいましたな。…という話は本筋とはあまり関係がないので取りあえず置いといて、発覚した問題というのは、ファインダーが見にくいやんけ!…ということなんですけどね。 ただボール紙に穴が開いてるだけやんけ!…といった作りの “写ルンです” と大差がない感じでありまして、ま、デジカメなんだから後ろの液晶モニタを見ながら撮ればいいということなんでしょうけどね。 ま、一応、形だけでもファインダーを付けてくれたことに感謝しなければならないのかも知れませんが、外が明るくて液晶が見にくい時とか、電池節約のために画面を消したい時などにファインダー使えたりすると、何かと便利ですからね。 で、どうせ付けるのなら、もうちょっと小マシなものにして欲しかったところでありますが、フィルム式の GOKOカメラ Macromax MAC-10 Z3000 のファインダーに比べてその出来の悪さは愕然とするほどでありました。 いや、会社で買って貰った “現場監督” を車上荒らしにステテコなんかと一緒に盗まれてしまって、新しいのを買ってくれそうな雰囲気ではなかったので、仕方なく自腹を切って買ったんですよね、ゴコーのマクロマックス。 10センチのマクロ接写が出来るから仕事でも使えそうだし、メーカー小売希望価格 49,000円のヤツが 9,800円くらいで売っていたしー。 なかなか世の中、メーカーの希望通りの価格では売れないものなんだな。…ということをしみじみと実感してしまったんですが、定価だとそこそこの値段がするだけに、性能のほうもそこそこでありました。ただ、ウリのひとつである10センチは、暗いところだとほとんど何が写っているのか判別出来ないほど暗く写ってしまって、ちょっぴり今ひとつではあるんですけど。

 で、このゴコーちゃん、仕事で使っていて、何だか今ひとつ撮りにくいよな。…と思うことがよくあるんですが、レンズの仕様を調べてみたら 38〜115mmという設定なんですね。コニカの “現場監督” がいかにも現場監督専用機らしく 28oの単焦点レンズだったので、そこのところが大きく影響しているわけなんですな。やっぱ、現場監督が使うカメラは 28oだよねー。 ということで、とりあえずファインダーの出来が悪い問題は不問に付すことにしますが、続いて問題発覚 (その2) 。 バッテリーカバーのところが使いにくいやんけ!

とってもギミックなバッテリーカバーの構造

 SDカードとバッテリーはカメラの側面に入れるようになっているんですが、そのカバーの部分が共通になっているんですよね。 まず1段階スライドする形で横にずらすとSDカードの出し入れが出来るようになって、さらにもう1段スライドすると、がばっと蓋が開いて電池の出し入れが可能になります。わー、むっちゃ無理のある構造っ!…と思わずにはいられなくて、何だか100回くらい開け閉めするとプラスチックが折れて駄目になっちゃいそうな気がします。SDカードの出し入れのところまでは無理が無いんですが、こちらは逆にロックがちょっと緩すぎますな。 クチコミ情報を見ていたら、 「電池ケースの蓋が簡単に開いてしまう。」 といった意見が書かれておりまして、みんなからは 「そんなヤツおらんやろぉ〜。」 みたいな反応しか無かったんですが、いざ使ってみると確かに1段スライドまでは簡単に開いてしまいます。ま、それでSDカードが落下するということではないので、さほど大きな問題ではないんですが、固すぎない程度にもうちょっと抵抗感があったほうがいいような気がしますね。 で、もうひとつ、 「間違えて専用充電池を裏向きに入れてしまう。」 という意見もあって、僕はそれを見て、 「そんなヤツおらんやろぉ〜。」 と思ってしまったんですが、んなもん、ちょっと見ればすぐに分かることですからね。 …とか思っていたんですが、実際に使ってみると、いや確かに間違えやすいですな、こりゃ。 電池の裏表だけでなく、前後も含めてどんな方向にでも入ってしまうという、とってもフレキシブルな形状の充電池となっておりまして、ま、入るには入っても実際に正しく使えるのは1方向だけでありますので、正解確率は25%ですかい。 ま、さすがに挿入方向を示すマークのようなものはあるんですが、今ひとつ分かりにくくて、お年寄りにはちょっと無理かも知れませんな。色々な方向で試してみて、3回目にOKだったら、ラッキー♪ みたいな。 ま、幸いにも僕はヤングで若くて人並み以上に知能も発達しておりますので、見事1回目から正しく電池を入れることに成功したんですが、充電器にセットする時は、思いきり間違えました。裏向きにセットして、充電出来へんやん!…と思って、半泣き状態になってしまいました。 普通、充電器にセットする時は字が書いてあるほうが下やよな。…と、疑いも無く信じ込んでいたんですが、この機種の場合は字のほうを上にしてセットするんですよね。もう、違和感ありあり。 ま、僕は人並み以上に知能が発達しておりますので、すぐに間違いに気付いて2回目で正しく充電出来たからよかったようなものの。

 で、正しく電池蓋を開けて中身を取り出して、正しく充電することが出来て、正しい方向に電池を挿入することが出来たと言っても、まだ油断はなりません。電池蓋を閉めるのがですね、むちゃくちゃ癖があるんですよね、このカメラ。 もう、不器用なガイジンとかだったら、オー・ノー!シット!ファック・ユー! とか言って、途中で投げ出しちゃうに違いありません。 いやあ、器用な日本人に生まれて、本当によかったですなぁ。…と、しみじみ思ってしまうところであります。 ちなみにこのカメラは専用の充電池以外に単3乾電池2本でも使えるところがミソなんですが、電池ケースのところを見てみると、仕切り板のようなものがあっちにいったりこっちにいったりすることにより、2種類の形の違う電池を切り替えて使えるようになっているみたいです。ここのところもなかなかにギミックでありますな。乾電池を使ったほうが幾分、蓋が閉めやすくなるような気がしますので、日本人でも不器用な人は専用充電池は諦めたほうがいいかも知れません。 ちなみに単3乾電池2本使用タイプでありますが、+−の向きと形状の関係から CR-V3タイプ は使用出来ませんので、念のため。

 で、続きましては問題発覚 (その3) です。メモリー書き込み時間が遅いっ! 写真を撮ってしばらく “メモリー書き込み中” というランプがパカパカと点滅しているんですが、何かこれ、3〜4秒くらいかかっていませんか? あるいはSDカードとの相性とか、そういう問題なのかも知れず、安いSDを使ってるアンタが悪いんや!…と言われればそれまでだし、アクセスランプ点灯中でも無視してシャッターを切れば普通に撮影は出来るみたいなので、あまり大きな問題ではないのかも知れませんが、楽観視出来るほど小さな問題でもないような気がしないでもありません。 ま、とりあえず電源をオンにした直後はストロボの充電時間を除けばすぐに撮影可能になるので、工事現場で作業員から 「まだかいっ!?」 …と、ガン飛ばし攻撃を受ける恐れはないんですけど。 とまあそんなことで、取りあえず気が付いた問題点はこの3点ほどでありまして、あまり文句ばかりを書き連ねるというのも建設的な話ではありませんので、続いては操作スイッチの使い勝手などについて検証してみることにしましょう。

カメラ上部♪

 まずこれがカメラを上から眺めてみたところであります。光って見えているのがシャッターボタンで、ギザギザが付いている丸いヤツが回転セレクト式のモードダイヤル、で、その真ん中がプッシュ式の電源スイッチです。 クチコミ情報の中には 「シャッターと間違えて電源スイッチを押してしまうことがあります。」 などと書いてあるのもあって、「そんなヤツおらんやろぉ〜。」 と僕は思っていたんですが、実際に使ってみるとですね、確かに間違えることがよくあります。 特に慌てている時は駄目ですな。電源を入れてすぐに写真を撮ろうとして、指を移動するのを忘れてまた電源ボタンを押してしまったりします。 するとどうなるかと言うとですね、一度ONになった電源が、今度はOFFになってしまいます。駄目ぢゃん! ここは是非、 「電源を入れた直後に電源スイッチが押された場合、こりゃ恐らくシャッターと間違えて押しちゃったんだろうな。…と判断して、電源を切るのではなくて写真が撮れるようになる機能」 というのを導入して欲しいところでありますが、リコーの技術力をもってすれば、きっと可能だと思うんですよね。 ま、そんな面倒なことを考えなくても、電源スイッチの位置を買えるとか、スライド式のスイッチにするとか、他に対処法はいくらでもあるような気もするんですけど。 で、モードダイヤルではですね、 “SETUP” “ボイスレコーダー” “動画撮影” “SCENE” “静止画撮影” “再生” の各モードを選べるようになっております。こんなクソでかい機械でボイスをレコードするようなことはまずないと思うんですが、ま、そういう機能があるに越したことはないですからね。

 で、 “SCENEモード” というのはアレです。場面に応じてカメラが適正な絞り値やら、シャッタースピードやらを調整してくれる機能ですよね。実際のところ、この手のコンパクトデジカメで絞りやらシャッタースピードまで気にして撮っているような人はあまりいないと思いますが、階層式のメニューではなく、ダイヤルだけでこのモードを選択出来ると言うのは、なかなか使い勝手がいいと思います。プリセットされたモードは “ポートレート” “スポーツ” “遠景” “夜景” …と、ま、ありきたりなものが多いんですが、その他に “文字” と “高感度” という2つの設定があるのは面白いです。 “文字” というのはモノクロの書類などを撮るときに使います。…とのことなんですが、実際問題、仕事の場においては工事の完成図書や図面なんかをメモ代わりに撮るということは、よくありますからね。 ただこの “文字モード” で撮影すると、記録形式は “jpg” ではなくて白黒2値の “tiff” になってしまって、印刷された活字とかだと問題はないんですが、濃淡のある図面のようなものだと灰色の部分が消えてしまったりするので、あまり実用性はありません。ま、根がコピー屋であるリコーの機種だけに、何かオリジナリティを出したかったんでしょうけどね。

 一方 “高感度モード” のほうは恐らく ISO感度を自動的に高めにしてくれるんだと思いますが、画質は多少犠牲にしてもいいので、暗いことろでも明るく撮りたい。そういうニーズに応えてくれるものだと思われます。液晶モニタのほうも暗いとろこで見えやすい設定になるんだそうです。 工事写真の場合、暗くて何が写っているのかよく分からないような写真はレタッチしても使い物にならなかったりするので、こういう機能があるのはありがたいところですな。 もっとも、これまで仕事の現場で2ヶ月ほど使ってみた限りでは、通常モードでも特に問題を感じるようなことは無かったんですけど。 で、各モードの選択方法もとっても簡単で、ダイヤルを “SCENE” に合わせて “ ↑ ↓ ” で選択して、 “OK” ボタンを押せば決定。 各モードの簡単な特徴がモニタに表示されるのは親切だし、電源を切っても前の設定が記憶されているのは便利だと思います。とりあえず “OK” だけ押して、確定だけはしてやらないと駄目なんすけどね。


カメラ背面♪

 ここまで、解説に今ひとつボケがなくて、読み物としては面白くなかったと思いますが、カメラにボケは禁物ですからね。今日は真面目に行こう!…と思っているわけなんですが、えーと、続いてはカメラの背面ですか。 上の写真を見てください。 クリックすると別画面で拡大表示されるので、じっくり見て貰えるといいんですが、ああん、カメラの電源は切っていた筈なのに、液晶モニターに指のようなものが写ってるぅ! もしかしてこれ、心霊写真!?…というワケはなくて、カメラを構えた僕の指が反射して写っちゃっただけなんですけどね。作品としては明らかに失敗なんですが、ま、取り直すのも面倒なので、そのまま押し切ることにして。 で、このカメラの背面はですね、実に普通です。今どきのデジカメは面積のほとんどが液晶モニタで占められていたりするんですが、さすがは旧機種ですな。実に地味なモニタがついているだけであります。ま、その分、スイッチ類の操作性はいいと思うんですけど。 で、これと言った特徴もない操作系に敢えて解説を加えてみると、右上に見えている左右2つのボタンは広角−望遠のズーム切替です。テレとワイドの具合はモニタに棒グラフのようなもので表示されるので、あ、今、真ん中から2ミリほど下くらいやな。…というふうに確認することも出来ます。ズームの動きもなかなかスムーズです。で、このボタンは画像再生モードではサムネイル表示、拡大表示の切替に使うことになります。サムネイルは6枚固定なんですが、ま、このモニタサイズではそれくらいが限度でありましょう。 で、この再生モードなんですが、画面が出てくる瞬間、何だかボケたように見えるんですよね。1秒くらいで正常な表示になるんですが、一瞬、ボケたか?…と思って、ちょっぴり焦ってしまいます。ま、要は慣れの問題なんでしょうが、出来ることなら改善して欲しいところでありますな。

 で、右下のほうには “←→” “↑↓” のスクロールボタンがあって、これはジョグダイヤル式ではなくて、4つの独立したボタンになっております。やや指の移動量が大きくなって面倒なんですが、右に押してるつもりが、上にいっとるやんけ!…といった間違いがないので、これはまあ好き好きといったところでしょう。 で、撮影時には4つのボタンのうち、3つまでが “フラッシュ” “マクロ” “クイックレビュー” の機能に割り当てられておりまして、簡単にマクロモードに切り替えられるところは便利ですなー。 いや、 “IXY DIGITAL L2” はいちいちメニュー画面から切り替える方式だったので、面倒だったんですよね。 で、 “フラッシュ” のボタンではオート、強制発光、発光禁止、赤目軽減、スローシンクロの各モードに切り替えることが可能なんですが、電源を切っても前のモードを記憶しているところはグッドです。 工事写真は明るいところでも、外でも、何でも、強制発光っ!…と、昔、教えられたような覚えがあるので、電源を切るたびに、いちいちオートに戻ってくれたりすると、非常に迷惑なんですよね。 で、撮ったばかりの写真をモニタでじっくり確認することが出来る “クイックレビュー” の便利な機能です。普通、撮った直後には設定によって1〜3秒くらい、モニタに画像が表示されるんですが、それが消えて撮影モードに戻ってしまっても、このボタンをポンと押してやれば、再びモニタに画像が映し出されます。 んなもん、当たり前やん!…と思われるかも知れませんが、 “IXY DIGITAL L2” には無かったんですよね。撮った画像を確認するには、いちいち再生モードに切り替えなければならなくて、面倒なヤツでありました。 でも、クイックレビューがあれば大丈夫。工事写真を撮った直後にチェックして、画面の隅っこのほうにヘルメットを被っていない無帽で無謀なおっさんが映り込んだりしていないか、確認をすることが出来ます。 うん、ヘルメットを被ってないおっさん、入ってないな。…ということを確認してから撮影しても、自分で脱いでそのへんに転がしておいたヘルメットが映っていたりすることもよくありますからね。後でレタッチソフトでヘルメットを塗り潰して無かったことにするよりも、クイックレビューで確認して、駄目だったら取り直したほうが手間としては楽だと思います。 で、失敗した作品を無かったことにする場合は、クイックレビュー画面で “ゴミ箱” ボタンを押して、 “→” ボタンでカーソルを “削除” に移動させて “OK” ボタンでOKです。3アクションでやや面倒なんですが、間違えて必要な写真を消しちゃう心配がないので、ま、適当なところではないかと思います。

 あとはまあ、取り立てて書くようなこともないんですが、他のメーカーの機種と違うところは “ADJ.” というボタンがあることでしょうか。あどじぇい . (点) って、何や?…と、初めて見たときは不審に思ってしまうかも知れませんが、 “ADJ.” と書いて、アジャストと読む。…というのを一度覚えてしまえば、もう大丈夫。 これはですね、メニュー画面に頼らず、露出補正と、ホワイトバランスと、ISO感度を簡単に変更する時に使うボタンだったんですねー。  “ADJ.” を一度押せば露出補正、2度押せばホワイトバランス、3度押せばISO感度と順にモードが切り替わって、ISO感度を変更するには結局、3回ボタンを押さなければならんやんけ!…という気がしないでもないんですが、でもまあ、メニューから選択するよりは微妙に楽だし、使用頻度からするとこの順番にしたというのも何となく納得はいきます。 露出補正も、ホワイトバランスも、ISO感度も、全部オートでええやん。…と思っている人は少なくないと思いますが、ちょっと小マシな写真を撮ろうと思ったら、場面に応じて露出補正くらいはかけてみたいところですよね。 例えば街中で局部を露出する場合、そこに通りかかったのが女子高生である場合、コートの前をガバっと開けて露出を大きくしたいところだし、おっさんしかいない場面では見せてみたところで面白くもなんともないので、露出は最小限に留めておきたいところであります。…って、そういう問題ではなくて、出来上がった写真が何だか白っぽくなってしまった場合はマイナス側に補正、逆に暗くて陰気な写真になってしまった時はプラス補正。…といった具合に調整するものなんですけどね。撮ってみて駄目だったら露出補正してやり直せばいいんですが、一般的に白っぽい被写体を写す場合はカメラが、明るいやんけ!…と判断して暗めに写そうとする傾向があるのでプラス補正、逆に黒っぽいクロネコヤマトの猫の絵とかを写す場合にはマイナス補正をかけるといいみたいです。 いや、これで合っているのか、それとも逆だったのか、今ひとつ自信はないんですが、ま、確率は2分の1ですからね。イチかバチかで、プラスかマイナスか、適当に露出補正をかけてみるというのもひとつの手でありましょう。

 で、あとはえーと、マクロ撮影ですかい。 この機種はですね、最短撮影距離1cmまでのマクロ撮影が可能♪…という、なかなか優れたスペックを誇っているんですが、1cmのマクロ撮影というとですね、あまりにも近すぎて、レンズの陰が写って、実際の役には立たないぢゃないか!…と言いたくなるほど、近くまで寄って撮影することが可能です。紙に書かれた小さな文字のマクロ撮影から、大きなマグロの撮影まで、色々と使える便利なカメラであると言えましょう。ま、コンパクトデジカメというのは大抵、そういうものなんですけど。 で、この機種を選んだ最大のポイントである、35mm判換算で焦点距離が28mmという広角レンズの実力の程はと言うと、これはもう実際の作例を見て貰うしかありません。ほとんど同じ位置から2台のカメラを使って、さば君の部屋の様子を撮影してみました。左側が焦点距離が39mm相当の “IXY DIGITAL L2” で撮ったもので、右側が28mm相当の画角ということになります。

IXY DIGITAL L2 作風♪ Caplio G4 wide 作風♪

 もう、その差、歴然!…でありますな。わずか9ミリの違いで、ここまで写る範囲に違いが出てくるものなんですね。28mmで撮ったほうにはテレビの上の部分やら机までが写りこんでいて、目障りじゃないか!…と思わずにはいられませんが、そういう場合はズームを操作して気持ち望遠側にしてやればいいわけでして。これ以上、後ろには下がれない場所で、敷布団の全貌を記録したいと言った場合、広角に強い機種でなければ駄目やな。…ということが分かっていただけるのではなかろうかと。工事写真を撮る場合には強い見方になってくれるに違いありません。 とまあそんなことで、前回のレビューで紹介した “僕がお仕事カメラに求めたいポイント” というのを、ここでもう一度整理してみることにしましょう。

(1) 広角に強いこと。
(2) マクロ撮影に強いこと。
(3) 汚い手で触っても気にならないくらいに安っぽいこと。
(4) 電池の持ちがいいこと。又は普通の乾電池が使えること。
(5) 他にはえーと…、今のところ特に思い付かん。

(1) と (2) に関しては、まったく問題がありません。 (5) に関しても特にこの機種が劣っているということはなく、 (3) に至っては、極めてすぐれていると評価していいと思います。もう、チョークの粉でまみれた手で触ってボディが白くなろうが、多少、液晶モニタに傷が付いちゃおうが、マンホールポンプを高圧洗浄していて汚物の飛沫が飛んでこようが、もう、ぜんぜん気にはならん!…みたいな。お洒落なデジカメだったりしたら、そうはいきませんもんね。 で、僕がこの機種を選んだもうひとつのポイントである (4) の電池の持ち具合でありますが、カタログ上での最大可能撮影枚数は確か400枚となっていましたよね。 ま、これは奇跡的に条件がよかった場合の数値でありますので、話は半値八掛けだとして、400×0.5×0.8=160枚。 これならまあ、1日に24枚撮るとしても、1週間は持つという計算になりますな。 で、実際にこのカメラをお仕事のシーンで使ってみたところ、週に1〜2回、1回あたりの撮影枚数は15〜30枚、ストロボはほぼ強制発光。…といった条件だったんですが、専用充電池で274枚くらいまでは撮影することが出来ました。上出来ぢゃん! ま、いざという場合には単3の乾電池も使える使用でありますので、電池に関してはまったく何の心配もないと言っていいでしょう。 またSDカード以外に 8MBという大容量の内蔵メモリーも用意されているので、SDをカードリーダーに入れたまま、持ってくるのを忘れてしまったではないか!…という緊急事態でも、気休め程度の枚数なら撮影することが可能です。 ノーマルの640×480で52枚ですか。ファインの2048×1536ならたったの5枚と、もはや気休めにもなりませんけどね。どうせならもうちょっと頑張って 32MBくらいの内蔵メモリは欲しかったところであります。

 とまあそういうことで、お仕事専用で、中古でこの値段なら…という条件付きなんですが、僕的にはかなり満足のいく…とまではいきませんが、とりあえず納得出来る1台であると言えるのではなかろうかと。 見た目と大きさだけ我慢すれば、ま、それなりだと思います。 ただひとつ、かなり致命的な欠点があることに気付いたんですが、薄暗い発電機室の中でパッケージに入った暗いエンジンの写真を撮ろうとすると、ほとんど使い物になりません。 というのも、暗いところだとまったくオートフォーカスが役に立たないんですよね。発電機の銘版をマクロで撮ろうとしても、燃料フィルターやオイルフィルターを記録しようとしても、あまり使い物にはなりませんでした。暗いところで威力を発揮するはずの “高感度モード” も、ただ液晶モニタに表示される画像の動きがぎこちなくなるだけであまり意味はなくて、こういうシチュエーションではどうも駄目っぽいですなぁ。 工事写真用のお仕事デジカメを選ぶ際は、広角撮影が出来るかどうかという点の他に、AF補助光の機能があるかどうかというのもチェックしたほうがいいかも知れません。リコーだったらちょっぴり高くても Caplio R2 にしたほうが利口でしたかねぇ。。。 とまあそんなことで、このカメラのお話はおしまい。

( おしまい♪ )


INDEX
BACK NEXT