『 DigiWalker Mio 168 (最終回) (MiTAC) 』

外付け電池ぱっく♪


 ということで、ミオちゃん第2回でありますが、まず最初に外部電池問題を解決しなければなりませんね。充電用のケーブルがパソコン通信用ケーブルと共用みたいになっていて、持ち運びが面倒ぢゃないか!…と思わずにはいられない “Mio 168” でありますが、問題解決の切り札と言えるものを発見しました。 これ です。 “モバイルクルーザー” という超小型USB出力タイプのACアダプタと小型バッテリーパックをセットにしたものなんですが、このモバイルクルーザー単体に前回紹介したミオちゃん用くるくる巻取りケーブルをつなげれば、それだけでミオ本体の充電が可能になります。電源がないところでは、くるくる巻取りケーブルをバッテリーパックに接続すればOK。モバイルクルーザーでバッテリーパックを充電する時に用いる付属ケーブルはそのままザウルスの充電にも使えるので、これが1セットあればザウルスもミオも充電出来るというワケでありますな。USB経由で携帯電話を充電出来るケーブルがあれば、ACアダプタでもバッテリーでも携帯電話の充電が可能になって、まさしくキング・オブ・外部電源って感じぃ? ただバッテリーパックのほうは小型軽量がタタって容量はDC5V出力の場合で 1000mAhと、やや物足りないものになっているんですが、ま、非常用と考えればそれなりに使い道はあるのではないかと。 ミオのGPSを頼りに山を歩いていて遭難して、そのうちに電池が切れちゃったとしても、これさえあれば大丈夫。ま、2時間以内で麓まで辿り着くことが出来れば、助からない可能性がないわけでもありません。 ということで、ではミオちゃんのGPS能力について検証してみることに致しましょう。

 上位機種 “Mio 168RS” のほうはさすがにそんなこともないんでしょうが、旧品 “Mio 168” はですね、GPS機能を活用するための地図閲覧ソフトが本体にはインストールされておりません。GPSアンテナまで内蔵していながらソフトが入っていないとは、海外メーカーの考えることはよくわかりませんな。GPS機能なんて、別に使わない人もいるよね?…とか思っているんでしょうか。で、GPS機能をどうしても使いたい人はどうすればいいのかと言うとですね、自力でソフトをインストールしなければなりません。さすがにソフト自体は付属のCDに入っているんですが、このインストール作業というのが一苦労でありまして、まず最初にパソコン側に “ActiveSync” というソフトをインストールして、ミオをパソコンと通信出来る状態まで持っていかなければなりません。で、このソフトを使ってCDに収録されている Pocket PC用の地図閲覧ソフト “Pocket Mapple Digital” をミオ本体のメモリーに転送して、で、ミオの側でインストールしなければならんのですが、この辺りの作業はメカに疎いおばさんとかでは絶対に無理ですね。メカには弱いけど、カメには強い。…という、爬虫類好きのおじさんにもちょっとツライところです。で、ソフト本体をインストールしたら、今度は検索データのcabファイルなんてのもインストールしなければならなくて、でもって、最後にパソコン上の地図閲覧ソフトから必要な地図データを転送してやならければならんのですが、この辺りはフォルダの構成とかが複雑で、かつて瞬間的に “WindowsCE機” のユーザーだった僕をしても、かなり手間取ってしまいました。最初、住所検索と駅検索機能がうまく使えなくて、でもまあ、森田健作機能さえ使えればいいや。…と思っていたんですが、最初からそんな機能はなく、あれこれ悩んでいるうちに何とか検索機能も使えるようになりましたが、ショップによっては有料ながらソフトのインストールを代行してくれるサービスもあるようなので、自信のない人はそれを利用するのも手でありましょう。

 地図閲覧ソフト&地図データとしては “Super Mapple Digital Ver. 4 for Mio” というのがついてくるんですが、これは地方都市の詳細図を省略したお試し版のようなものなので、お試しだけでは物足りないのぉ。…という人は別途、 “Super Mapple Digital 製品版” を購入しなければなりません。全国版だと 14,490円 (税込) もしたりするので、いや、馬鹿になりませんな。関東版・関西版とかの旧ヴァージョンなら 6,000円くらいで手に入ると思いますが、決して安くは無いですよね。でもまあ、このソフトはミオ専用ということではなくて、本来はパソコン用のものであって、その地図データをミオでも利用出来るという位置づけでありますので、パソコン用の地図ソフトがあれば便利だよね。…とでも思って諦めるしかありません。ほら、パソコンに地図があれば、あんなことらや、こんなこと、ああん、そんなことまでぇ♪…と、無限の使い道が広がりますもんね。いや、具体的にどういう使い道があるのかまったく頭に浮かんでこなかったんですが、仕事中にふと、そういえば沖縄の “アトンマ墓” って、どの辺にあったっけ?…と疑問に思った時に、このソフトの “名所・旧跡・遺跡・古墳墓・古墳検索機能” を使って、瞬時に地図をディスプレイ上に表示することが可能です。 で、地図データは広域図・中域図・詳細図の3種類あって、市町村単位で必要な分だけミオ本体もしくはSDカードにインストールすることが出来ます。詳細図まで取り込むとなると、桑名市の場合で約1.1MB、四日市市で1.5MB、名古屋市で11.0MBといった容量が必要となりますが、複数の地図を取り込む場合は単純に加算されるわけでなく、どういう計算なのかはよくわかりません。ま、僕の場合、東海3県+長野県の詳細図、静岡県・滋賀県・福井県の中域図があればいいかな?…という感じなんですが、これだとSDカードは128MBくらいのものが必要ですね。ま、他の地域に行く用事がある時はその都度インストールすることにして。

 で、このパソコン用ソフトのPDAバージョンが “Pocket Mapple Digital” なんですが、基本的な機能はパソコン版を踏襲していると言えるでしょう。ペン操作で上下左右にスクロール出来るのはPDAならではの利点だし、縮尺の変更や地図の回転だって思いもまま。“名所・旧跡・遺跡・古墳墓・古墳検索機能” こそないものの、 “町名検索” と “駅検索” は頑張って使えるようにしたので、これもなかなか便利でありますな。 320×240ドットというシケた画面では、ロクな地図が表示出来ないんぢゃないか?…と心配してたんですが、意外と大丈夫でありました。ま、決して褒められたものではないんですが、それほど悲観したものでもなくて、実用上は問題のないレベルであると言えるでしょう。詳細図なら、例えば野尻湖宮川旅館ユースホステルなら建物の形が判別出来るほどの詳細さを誇っておりまして、これなら極度の音痴で、カラオケで 「マイウェイ」 を歌うと思わず声が裏返ってしまう僕にとっては強い味方になるに違いありません。いや、方向音痴には効果があっても、ただの音痴には何の役にも立たないかも知れませんけどね。

 と、ここまではあくまでも “地図表示ソフト” でありまして、これだけではナビとは呼べません。GPSの信号を受信して、自分の位置を地図上に表示してこそのナビや!…と言えるわけですからね。 “Zaurus” + “CFカード型GPSアンテナ” の組み合わせはこの時点で感度が悪すぎてナビとしての機能を果たさず、アカンやんけ!…ということになってしまったんですが、ミオちゃんはとっても感度がいい♪…という噂でありますので、大丈夫なのではなかろうかと。これでもし駄目だったらミオちゃんを買った意味がありませんもんね。 期待半分、不安半分で恐る恐るGPS起動の串刺しダンゴのようなマークをタップしてみると・・・。 おおっ!これはわりと高感度ではありませんか。初っ端こそGPSの位置を把握するのに数分を要するんですが、一度補足してしまえば電源を切った状態で1000キロとか、10000キロとかの距離を移動しない限り、2回目からは数十秒の単位で何とかなるような気がしないでもありません。隙間風が吹き込むようなオープンな家屋であれば屋内だって大丈夫でありまして、いや、伊達にクソ邪魔くさいアンテナを背負っているわけではありませんな。…と、ここまで書いた時点で、もの凄い月日が流れてしまいました。えーと、 (第1回) を更新したのが8月21日なので、かれこれ3ヶ月も放置していたことになりますね。どうしてここまで更新が遅れてしまったのかというと、 “Mio 168” って、最初に期待したほど使い道がないよね。…ということが明らかになってしまったんですが、いや、何とも身も蓋もない話ではあるんですけどー。 そこでまあ、全部で3回くらいの連載にするぅ?…という予定だったこのレビューも、急遽 “最終回” ということにして、何とか形だけでも終了させたいところなんですが、とりあえず便利なソフトを発見しました。 これ です。

 ま、早い話が、軌跡ログを記録する、くるくる防止、目的地を設定し方向マーカー表示する。…という機能を “ポケットマップルデジタル” に付加してくれるというわけですが、元のソフトにはナビ機能が付いておりませんので、簡易的なものであっても現在地と目的地を直線で結んでくれるというのは嬉しいですね。で、もうひとつの “くるくる防止” というのはどういうものなのかと言うと、ポケットマップの表示方法を “常に進行方向を上にする” という設定にすると、地図がくるくるくるくる回って、見にくいやんけ!…という状態になっちゃうのを防ぐ機能であります。そもそも “Mio 168” には電子コンパスが付いていなくて、移動していないと進行方向を把握出来ないので、どうしても地図がクルクル回ることになっちゃうんですが、ま、そもそもこの歩行ナビで “常に進行方向を上にする” などという難しいことをやろうという発想自体に無理があるような気もするんですけどね。でも “ポケマ+” があれば、もう大丈夫♪…って、いや僕は “常に北を上にする” という表示設定にしておいて、必要とあれば本体そのものをくるくる回して進行方向を向くようにしているので、特にくるくる防止の必要を感じたことはないんですけどね。ちなみにこの “ポケマ+”を利用するにはもうひとつ、 このソフト をインストールすることが必要でありまして、けっこう面倒臭くて、もういいや。…という気分になったりするんですけどね。英語ばかり書いてあって、何が何だかよくわからないしー。

 とまあそんなことで、GPSアンテナの感度はいいし、地図もけっこう見やすいし、歩行ナビとしては申し分ないよね♪…という気がするんですが、にもかかわらず、どうしてあまり使い道が無いのかというとですね、もう、圧倒的に邪魔臭いんだってば、アンテナ部が! 頑張って自作の液晶保護カバーを作ってみたところで、アンテナが邪魔なのだけはなんともならず、おまけに変な自作の液晶保護カバーを付けてしまったら、自転車取付用のマウントとかも使えなくなって、どないせえちゅうねん!?…みたいな。 ま、自転車取付用のマウントで無事に僕の折り畳み自転車 “さばりん号” に取り付けることが出来たとしても、コケたらすぐに壊れちゃいそうで、何だか嫌ですしね。歩行ナビにするにしてもポケットに入れておくとけっこう邪魔になるし、それはそうとして、僕の知らないうちに こんなもの が発売されているではありませんかー。アンテナ部分が小さくて、何だか凄く使いやすそうで、いや、こっちのほうにしておけばよかったですなぁ。…と、僕は今、猛烈に後悔しているところでございます。とまあそんなことで、何だか不愉快なので、この話はおしまい。

( おしまい♪ )


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