『 DIGIBINO DB200 (PENTAX) 』



でじびの♪

 前回、ここで取り上げた“阪神タイガース@スーパーキャッチャー”のデジカメ機能の低レベルさに愕然とし、 こうなったらもっと高い、もっと小マシなデジカメ付き双眼鏡を買ってやるぅ!…と心に誓った僕でありますが、ということで、買うことにしました。金持ちですね、僕って。で、僕の知っている限り、デジカメ付き双眼鏡にはアチラ産のオモチャに毛が生えたようなヤツと、ペンタックス製の何だか小マシそうなヤツとの2種類がありまして、僕の狙いは無論、“小マシ”のほうでございます。オモチャに毛が生えたようなヤツは“スーパーキャッチャー”で懲りました。ま、覗くところが一ヶ所しかない単眼鏡とはいえ、デジカメ機能を付けて5800えんで売ろうという魂胆自体が間違ってますよね。あまりの安さと阪神タイガースのロゴに惑わされて、“駄目モト”で買ってみたところやっぱり駄目だったんですが、いやあ、金持ちの僕らしからぬ買い物でありました。やはり2万9800円くらいの出費は覚悟しないと、マトモなものは変えないね。…ということで、“でじびの”です。決して褒められたネーミングではないような気もするんですが、双眼鏡のことを英語で“ビノキュラー”というそうなので、ま、無難なところではなかろうかと。個人的には“でじきゅらー”のほうがよかったかな?…という気がしないでもないんですが、もう既に決まっちゃったことだしぃ。で、某・通販サイトをチェックしてみると、2002年5月21日に発売されたらしい“DIGIBINO DB100”というのが売りに出されておりました。デジカメ機能としては有効画素数が80万画素という何とも半端なものでありまして、しかも記録媒体は内蔵の16MBメモリと、スペック的には決して褒められたものではありません。何だか、“スーパーキャッチャー”に毛が生えた程度やん!…といった感じでありますが、しかも双眼鏡としての倍率は7倍と、“スーパーキャッチャー”の8倍よりも更にパッとしません。5800えんに負けてどうするっ!…と、叱咤激励したい気持ちでいっぱいでありますが、デジカメ付き双眼鏡なんてものは、この程度で精一杯なんすかね?で、その通販サイトには“現金特価: \29,800 この商品は特売商品ですので、在庫が無くなり次第、販売停止または通常の価格に変更させていただきます。”…などと書いてあったので、こりゃ、急がねばならん。…と、大いに焦ってしまったんですが、悪いことにログインするのに必要なユーザー名とパスワードが分からなくなってしまっておりまして。いや、よく利用する“すけべサイト”の類は忘れるといけないと思って、ザウルスのパスワード管理ソフトに入れてあったんですけどねぇ。。。

 仕方なく別の通販サイトをあたってみることにしたんですが、そこで僕は衝撃的な事実を目の当たりにして、愕然としてしまいました。2003年8月22日に、新しい“DIGIBINO DB200”という機種が出るやん!!前機種からの改良点はというと、双眼鏡機能としてはそのままなんですが、有効画素数が130万画素にアップして、記憶媒体がSDカードになったと。デジカメ機能としては、今ひとつやん。…と思っていた部分がすっかり改善されているんですよね。でもって、お値段のほうも2万9800円となっております。いやあ、“特売商品現金特価”に騙されて、もうちょっとで古い機種をつかまされるところでありました。危ないところでした。とまあそんなことで、僕のところに発売されたばかりの“DIGIBINO DB200”がやってきたわけでありますが、梱包内容は以下の通りでありました。

 ケース、ストラップ、USBケーブル、ビデオケーブル、ソフトウェアCD−ROM、財団法人「日本野鳥の会」監修“野鳥図鑑”CD−ROM
 SDメモリーカード(16MB、同上“野鳥図鑑”インストール済み)、単3形アルカリ電池2本

 いやあ、さすがに2万9800円(←定価はオープン価格)ともなると、付いてくる電池も違いますな。“スーパーキャッチャー”付属の電池はどこの国の産物とも知れぬ、最大限にチープな超軽量級の乾電池でありましたが、あれはおそらく起電力が0.3Vくらいしかないんじゃないかと。あるいは持続力が12秒くらいとか、そういう極めてなさけない実力の持ち主ではないか?…と思われたわけでありますが、今度のは違いました。マクセルのアルカリ乾電池でした。さすが、セコいところで極限までケチったりはしておりませんな。で、ストラップというのが、えーと、上の写真で分かりますかね?ちょっと分かりにくいですね。要は、“平たい紐を折り返してベルト通しみたいな部品で止める方式”になっておりまして、いかにも光学カメラメーカーの製品だなぁ。…といった感じなんですが、これは装着するのがちょっと面倒でありました。やってる途中でイライラしてきて、「こんなもん、コマ結びにしてやるぅ!」と思ってしまいましたが、ま、何とか心を落ち着けて無事に装着することに成功しました。長さを自由に調整出来るというは、利点である。…と言ってもいいかもしれませんね。で、本体はさすがにしっかりしたものでありました。“スーパーキャッチャー”よりも高級っぽい感じがありますな。…って、ま、それは値段からして当然の話でありますが、世の中、ゼニだけのもんや。…ということを改めて実感しました。根が“双眼鏡”であるためさほどコンパクトではなく、ズシっとくるぐらいの重量感がありますが、ま、それがかえって高級感を演出しておりまして、よろしいのではないかと。布製のケースもしっかりとしたものでありましたな。敢えて苦言を呈するとすればUSBケーブルのカメラ側のコネクタが特殊な形状になっていて、専用のものでないと使えないことでありますか。で、付属のSDカードの容量は16MBで、しかも個人的にはどうでもいい“野鳥図鑑”がインストールされているとのことで、何だか心もとないので32MBSDカードを別に注文しておきました。32MBというのが何だか微妙にセコいところでありますが、ま、基本的に“640×480”のサイズでしか撮る気はありませんので、これだけあれば充分なのではないかと。ところでこの“野鳥図鑑”という機能でありますが、ま、恐らく液晶ディスプレイに野鳥の写真と、その名前や特徴なんかが表示されるのではなかろうかと。個人的には“東海地方女子高制服図鑑”でも付けてくれたほうがよっぽど有意義だと思うんですが、“新たに開発した独自のデータ検索機能”ということなので、今後、色々なデータをダウンロードして利用出来るようになるのかも知れないし、あるいは“野鳥”だけで終わりなのかも知れないしぃ。

 ということで、ではさっそく覗いてみることにしたいと思いますが、この商品を手にして判明したのは、これはあくまでも“デジカメ付き双眼鏡”であって、“7倍光学ズーム付きデジカメ”ではない。…という事実でございます。だから必要に応じて“広角”で撮ったり、2倍ズームで撮ったり、7倍にしちゃたり…といった使い分けが出来るわけではなく、見える画像はいつだって7倍。何もそこまでアップにしなくってもぉ。…といった場面でも、問答無用で7倍。しかもオートフォーカスでピントを合わせてくれるわけではないので、手動でピント合わせをしないと“スーパーキャッチャー”顔負けのスーパー・ピンぼけ写真になってしまいます。とまあ、そんなことより、僕が双眼鏡を覗いてみて愕然としてのは、目と目の間の距離が合わない!…という衝撃の事実でありまして、いや、僕が今まで覗いたことのある双眼鏡は接眼レンズがかなり幅広になっていて大丈夫だったんですが、このカメラ場合は“小さな丸”なんですよね。で、その “レンズとレンズの間の距離” と、僕の “目と目の間の距離” とがまったく一致しませんで、右目をレンズに合わせようとすると、左目はレンズから大きく外に離れた位置に来ちゃいます。僕は人並みはずれて目と目の間が離れた“研ナオコ・タイプ”ではないと思うんですが、この双眼鏡はいったいどういう顔のサイズを想定して設計したのでありましょうか?こんなことなら“スーパーキャッチャー”の単眼鏡のほうがよっぽどマシでしたなぁ。。。

 …と思いつつ説明書を見てみると、おおっ。この双眼鏡は本体を左右に伸ばして“目と目の間の距離”を変えられるシステムになっていたんですな。さすがにペンタックスもアホではありませんでした。そのあたりの事情は充分に考慮されていたわけでございます。ちなみに一番上の写真は左右にグニ〜っと伸ばした状態のものでありまして、あと、液晶ディスプレイの部分はパタンと寝かせた状態にすることが出来ます。ただ、ディスプレイを畳んだ状態ではピント調整のダイヤルが使えなくなるのが難点でありまして、もうちょっと何とかせえ!…と言いたくなる気持ちも無いわけではないんですが、構造上やむを得ないことなのかも知れませんね。が、何とかなるものなら、何とかしてもらったほうがいいと思います。で、ピント合わせはこの“クルクル”だけかと思ったら、さにあらず。思ったよりもクソ面倒な機構となっておりまして、まず最初に“クルクル”を回して接眼レンズを“出目金”の状態にして、右目で覗くと。するとそこに“十字マーク”のようなものが見えておりますので、その十字がハッキリ、クッキリと見えるように右目の接眼レンズ自身を左右に回して調整すると。つづいて“クルクル”を回してピントを合わせ、今度は左目で覗いて、対象物がハッキリ、クッキリと見えるように左目の接眼レンズ自身を左右に回して調整すると。つまり3段階の調整が必要なんですが、接眼レンズを回して調整するのは、どうやら“視度調整”という行為であるらしく、これをやらないと双眼鏡で見た画像とデジカメで撮れる画像に狂いが生じちゃうんだそうです。液晶ディスプレイで見ながら撮影する場合は問題ないそうですが、画面で見ながらピントを合わせるのは何だか心もとないので、やはりきちんと覗いて撮ったほうが無難ではなかろうかと。ということで早速、自分の部屋の中を撮影してみました。夜だったからそんなものしか撮ることが出来なかったわけでありますが、最短焦点距離は2mと、さすがに“スーパーキャッチャー”よりは近くのものまで撮影出来るようなんですが、出来上がった写真はお世辞にも満足出来るレベルではありませんで。“640×480”の画像サイズの場合、32MBごときのSDカードで500枚以上も撮影出来るらしいと判明して、マジかよ?…と思ってしまったんですが、必要以上に画質を落としているのか、おもちゃデジカメに毛が生えた程度やん!…と言いたくなるようなシロモノでありました。ああん、がっくし。。。

 が、アレはきっと夜の室内で照度が足りなかったのと、距離が近すぎたのが原因に違いない。…と自分に言い聞かせて、真っ昼間の屋外での撮影にチャレンジしてみることにしました。面倒な3段構えのピント合わせも慣れてしまえばさほどではなく、“スーパーキャッチャー”の時のように、シャッターを押した瞬間、「あ、ピントがずれたな。。。」と分かってしまうような危うさもなく、出来上がった写真は、おおっ!

いくし×1♪ いくし×2♪ でじびの×7♪

 えー、たまたま持ち合わせていたデジカメが“IXY DIGITAL”(←最古ばーじょん)だったので、比較のために同じ場所から撮ってみたんですが、左側が“ズームなし”、真ん中が“2倍ズーム”、そして右側が“でじびの”でございます。フォトレタッチソフトで70%程度に画質を落としたんですが、それでも必要十分に実用レベルと言えるのではないでしょうか。いやあ、とりあえず安心しました。と、ここまで書いたところで家に帰ってきました。せっかくなので、ちょっと“野鳥図鑑”でも見てみることにしようと思うんですが、ちなみに付属のSDカードをセットした場合の撮影可能枚数は、“640×480 pixel”のエコノミーモード58枚、“1280×960 pixel”のファインモード18枚、“1280×960 pixel”のスーパーファインモード8枚でありました。やはり“野鳥図鑑”でかなりの容量を食っているようでありまして、こいつがなければおそらく、それぞれ約300枚約100枚約50枚はいけるのではないかと。余計なものを入れてくれましたなぁ。。。もっともSDカードをフォーマットすればサラの状態になると思われますが、えーと、“野鳥図鑑モード”ですね。全部で50数種類の野鳥が、“身近市街地)”、“森や林”、“水辺”、“草地”の4つのシーンに分類されて、さらにそれが「大きさの目安」として、“スズメ”“ムクドリ”“ハト”“カラス”“カラス以上”に分けられると。でもって、データとしては野鳥の画像と一口メモ、更に種類によっては野鳥の声も聞けるというのが、ま、面白いと言えば面白いカモ?…といった感じですね。カモの声も聞けるかも知れません。

 ということで、では最後にライトアップされた桑名の“六華苑”の写真を掲載しておきましょう。いや、夜の屋外でどれくらい撮れるかな?…と思って、会社からの帰りに撮影してみたんですが、やっぱり盗撮の基本は夜の屋外だと思うしぃ。

民家撮影♪

 ちなみにここ、篠田正浩監督の映画『スパイ・ゾルゲ』のロケに使われたんだそうですね。主として“近衛文麿邸”として登場するようなんですが、洋館の食堂は天皇の御座所に想定されていて、東条英機らの上奏を受ける場として登場するんだそうで。もし見る機会がございましたらチェックしてみてくださいね。

【総合評価】

 いやあ、ゼニだけのものですなぁ。ということで、おしまい。

( おしまい♪ )


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