『 阪神タイガース@スーパーキャッチャー (タット) 』



すーぱーきゃっちゃー(開封前)♪ すーぱーきゃっちゃー(開封後)♪

 8倍望遠機能付のデジカメが、何と5800えん!しかも阪神タイガースのロゴマーク入りとなれば、これはもう買うしかありませんな。ま、7月まで快進撃を続けたタイガースも“死のロード”に入ると同時に失速モードに入り、20年来のタイガース・ファンである僕としてはかえって気が楽なんですが、今までが順調過ぎましたもんね。で、ちょっと負けが込んできたくらいで僕の“阪神タイガース@スーパーキャッチャー購入意欲”が萎えるようなことはなく、そもそもこの商品がいったいどのようなものであるかと言うとですね、根は双眼鏡のようなものであると思われます。が、商品の写真を見る限り、覗くところは1箇所しかないみたいなので、片目用の双眼鏡…というか、単眼鏡のようなものであると思われます。簡易オペラグラスと言ってもいいかも知れませんが、日本においてこの手の器具を正しくオペラ鑑賞に用いている人の割合は恐らく数パーセントにも満たないに違いなく、ま、せいぜい、隣家の風呂を覗くとか、女子高の教室を覗くとか、露天風呂を覗くとか、そういう用途しか思い浮かびませんな、僕は。…という人も少なくないような気がします。いや、僕は違いますけどね。木曽川にウインドサーフィンに行ったとき、水着ギャルをアップで覗いたりするのに便利かな?…と思ったのが主な購入の動機であるわけですが、その“覗きグラス”にデジカメ機能が付加されればこれはもう鬼に金棒、ホモに肉棒、あとはえーと・・・、特に思い浮かばないので先に進みますが、いや、これだけのネタを考えるのに3日ほど費やしてしまった極度のスランプの僕でありますが、大阪の某通販業者から送られてきたブツは(写真左上)のようなものでありました。かなりタイガースしてる。…と言ってもどこからも文句のこないパッケージングでありますが、取り出してみると本体そのものはさほどでもありません。わずかに黒い本体に描かれた“HT”のマークがこの商品の特徴を物語っているわけでありますが、この“HT”は無論“Hanshin Tigers”の略称を図案化したものでありまして、“変態・タマキン男”のことではありません。それはそうと、このシンプルなデザインは悪くありませんな。これがもし黄色と黒の虎縞模様で全体がペイントされたりしていたら、恥ずかしくて人前では使えない商品になっちゃうところでした。危うく、人目を忍んでこっそり水着ギャルを盗撮したりする用途にしか使えないマニア系のグッズに成り下がるところでしたが、これなら高校野球の応援に持っていってチアガールのパンチラとかを撮影してもさほど違和感はないでしょう。で、本体は5800えん(税別)という値段のわりにはしっかりした感じで、これなら6200えん(税込)と言っても世間では通るのではないか?…という気がしますね。立派です。で、本体の他にネックストラップ、USBケーブル、CD−ROM、乾電池などが付属しておりました。(写真右)のような感じですな。右側がややピンぼけ気味でありますが、あまり細かいことを気にしてはいけません。そんなことを気にしていては、とてもじゃないけどこの“スーパーキャッチャー”は使いこなせないであろうことがやがて明らかになるわけですが、ネックストラップがこれまた絶品でありました。黒地に白く“Hanshin Tigers”の文字をあしらったデザインは本体同様シンプルで悪くありませんが、本体に接続する紐の部分があまりにもフニャフニャで、穴に通すのにどえりゃあ苦労するでかんわ。…と、名古屋人の間でもあまり評判はよくないようです。もっとも名古屋人がこのような阪神グッズを買うこと自体が間違っているような気もしますが、千枚通しで突付きからかして、ようやく穴部への貫通を成し遂げた時は、なにやら大きな仕事を成功させたかのような満足感が得られたほどでありまして。やはり、穴部の貫通にはある程度の硬さが必要であることを痛感した次第でありますが、いや、首からぶら下げた感じは軽くて肌当たりも柔らかで、悪くないんですけどね。

 で、続いては付属電池(単4型×2本)でありますが、これがまた絶品でした。僕は今まで数多くの電池を見てきましたが、これほどまでにチープな電池というのは初めて目にしましたな。小学4年生が夏休みの自由研究でボール紙を丸めて作ったのか?…と思ってしまうような質感でありまして、いや、電池装着時における本体重量の軽減には大いに寄与しているようなんですが、果たしてこんなものでカメラが動くんですかね?間違いなく使用3分後には液漏れを起こすと思われたので、手持ちの電池と入れ替えておきましたが、これなら電池を別売りにして、その分、本体価格を20えんくらい安くしてもらったほうがよかったような気がします。でまた、本体の電池収納部もよく出来てましたね。この手の機器の工作精度は電池蓋の部分に最も顕著に現れるんですが、これを見た時点で僕の評価額は6200えん(税込)から一挙に3980えん(税別)まで急落しました。が、世の中、見た目ではありません。大切なのは中身でありまして、僕はさっそく“スパキャチャ”(←“スーパーキャッチャー”の略)の覗き部に目を当てて自分の部屋の中を観察してみたんですが、いやあ、まったくピントが合いませんな。本体にはダイヤル式のピント調整機構が備わっているんですが、いくらそいつをグリグリと回してみたところで、しっくりとくるポイントを見つけることは出来ませんでした。どうやらコイツは遠くを見るのは得意でも、近くを見るのは不得手みたいなんですよね。最短焦点距離はおそらく5メートルで、ま、コイツは遠くを見るための器具なので、そういうものだと思って諦めるより他ありません。5800えんに過度の期待は禁物です。とりあえず部屋の端から見れば何とかなる程度の広さは確保された僕の部屋なので、デジカメ撮影を試してみることにしたんですが、正直なことろ僕はまったく何の期待もしておりませんでした。“CCD”ではなくて“CMOS”を使った30万画素タイプで、130万画素相当の出力も可能とのことでありますが、その性能は僕が昔使っていた9800円のおもちゃデジカメ程度のものであるに違いなく、無論、液晶ディスプレイやら、ストロボやら、気の利いた機能は一切付いておりません。当たり前ぢゃん、5800えんだしぃ。で、画像は内蔵メモリーに記憶されて、USBでパソコンに接続して転送するタイプであります。途中で電池を抜いちゃうとデータは消えちゃうに違いありません。所詮はおもちゃデジカメやな。…といった気配が濃厚に漂っているわけでありますが、本体に2つあるボタンを適当にいじっていると、どうやらひとつがモードボタンで、もうひとつがシャッターらしい。…ということが判明しました。画質は“Lo”と“Hi”の切替式で、“Loモード”なら103枚くらい(←正確な数字は忘れた。わざわざ調べる気もしない。)は撮影可能とのことでありまして、塩サバ用なら“640×480”あれば充分なので“Lo”のほうを選択しておきました。するとディスプレイには“99”という数字が表示され、どうやらこれが残りの撮影可能枚数らしいんですが、何分、表示が2桁までしかないので、99枚以上の場合はこういう表示になるようです。で、狙いを定めてシャッターを押すと“ブブー”という音がして、どうやらこれで撮影完了の模様です。しかし何ですな。これは確率100%で手振れしますな。カメラとしては極めて不自然な形状が災いして、シャッターを押した瞬間、まず間違いなく本体が下のほうに動いてしまいます。かと言って三脚を取り付けるような穴もないし、ま、それ以前に、パソコンにつないで画像を転送しようとしたら、1枚も記録されてなかったことのほうが問題ではなかろうかと。

専用画像転送ソフト♪

 ちなみにこれが付属のCD−ROMからインストールした画像転送ソフトであります。USBケーブルは両側が平べったい標準仕様のコネクタで、機器のわりには大振りかな?…という気がしないでもないんですが、ま、外に持ち歩いて使うものでもないので、我慢出来ない範囲ではありません。それよりも僕が我慢出来ないのは専用ソフトのほうでありまして、どうしてまた、よりによってこれほどまで趣味の悪いデザインにしちゃったんですかね?5800えんだから仕方がないと言えばそれまでなんですが、社内でソフトのデザインを募集して、いちばん出来の悪い作品を出してきた社員から罰金を取って、経費の削減に努めた結果なのかも知れませんね。ま、それはそうと、このソフトに画像を取り込もうとしたら1枚も記録されてなかったことが判明したんですが、どうやら周囲が暗すぎて撮影不能に陥ったようなんですよね。いろいろと試してみたところ、シャッターを押した時に“ビビッ♪”と鳴るのはNGで、“ピッ♪”と1回だけ鳴るのが正解のようです。で、パソコンの画面とか蛍光灯とか、明るいものばかりをターゲットにして何とか3枚ほど撮影することに成功して、パソコンへの転送も無難にこなすことが出来たんですが、出来上がった写真を見て、僕は愕然としました。“Loモード”って、“320×240”やったんかい!しかも画面は暗いしボケボケだし、とても世間に顔見せ出来るようなシロモノではございませんな。いや、公開しちゃいますけどね。

Loモードで撮影♪

 “Hiモード”にしてようやく“640×480”、130万画素相当にする場合にはソフト上で強引に引き伸ばす。…という画期的なシステムであることが判明した次第でありますが、“Hiモード”の場合は撮影枚数が26枚となります。これはちょっと心もとない数値ではありますが、ま、所詮は5800えんだしぃ。で、暗い室内での撮影は苦手ということが判明したので、今度は屋外に持ち出してみました。上信越自動車道の“姥捨パーキングエリア”から下界を眺めてみたんですが、いや、単眼鏡としての機能は充分に納得のいくものでありました。8倍という倍率はちょっと物足りないかな?…という気もしたんですが、実用的には手頃なところではなかろうかと。遠くを見ればちゃんとピントも合うしぃ。で、この分ならデジカメ撮影も少しは期待出来るかな?…という気がしたんですが、シャッターを押した時の“いかにも手振れしたっぽい感覚”は相変わらずだし、撮れ具合を画面で確認出来ないのも辛いところではありますな。で、期待3割、不安7割程度で家に帰って画像を取り込んで見ると、おおっ!

Hiモードで撮影♪

 画面がボケボケなのはある程度は覚悟していたんですが、何やら原因不明の横線ノイズが出ちゃってるし、これは他の場所で撮影したのも同様でありまして、その出現率は驚くことに90%を優に超えているのではないかと。普通なら、不良品をつかまされたか!?…と愕然とするところなんですが、でも大丈夫。ほかの人が書いたインプレションでも同様の“原因不明のノイズ”について書かれておりましたので、この機種に固有の現象であると判断することが出来ようかと。そういうものなんでしょうな、5800えんのデジカメなんて。。。

【総合評価】

 5800えんという値段からして、この程度であるのはやむを得ないのかも知れませんが、もうちょっと高くてもいいから、もうちょっとマシなものを作って欲しかった。…という気もしますね。こうなったらもっと高い、もっと小マシなデジカメ付き双眼鏡を買ってやるぅ!…と心に誓った、さばクン@失意のハズレ商品レビューでありました。

( おしまい♪ )


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