さ、今日は“えくすとれいる”です。去年の年末、約10年ぶりぐらいに新車の購入に踏み切った次第でありますが、それから約半年が経過しました。走行距離は5000キロを少し越えたところです。いや、この車でスキーに8回ほど行ったら3ヶ月ほどで5000キロを突破したんですが、その後はペースがぐーんと落ちました。幸いにもまだ人を撥ねたことはなく、ベンツにオカマを掘られたりしたこともなく、空から便器が降ってきてガラスが割れたりということもなく、ただ、長野のシケた日帰り温泉の駐車場でフォレスターにぶつけてバンパーの下部が擦過傷になった程度で今日まで生きながらえておりますが、しかし何ですな。黒いボディというのは、もの凄く汚れが目立ちますな。ま、それは最初からある程度は覚悟していたんですが、こんなことならカーキ色にしておけばよかった。…と、後悔はしておりません。何だか、もの凄く嫌な色ですもんね、カーキ。日産いわく、"若者に人気のある色”とのことでありますが、本当にそう思っているのか?カルロス・ゴーン。…と、問い質さずにはいられません。もっとも、この半年ほどの間に“カーキ色のエクストレイル”というのを2回ほど見かけ、そのいずれも運転手は若者でありましたので、ゴーンの戦略もあながち間違いではなかった。…と言えるかも知れませんが、ちなみにカーキ色というのは土色というか、薄いこげ茶色というか、色弱の僕には今ひとつ表現しにくいんですが、ま、いずれにせよババっちい色でありますな。ミニタリーおたくにはウケがよさそうで、ドロ汚れが目立たない…というか、最初から薄汚い色だから汚れてもさほど気にならないという点は評価してもよいと思いますが、僕の美意識にはそぐいませんね。で、街でよく見かける“エクストレイル”のボディカラーは、シルバー系かシャンパンゴールド系のものが多いんですが、この手のクルマはやっぱり“赤”か“黒”やろ?…と、僕は思います。で、“赤”というのも鼻血が目立たなくてイイかな?…という気がしたんですが、もう僕も35歳ですからね。赤いクルマの似合うお年頃…というには、若干無理があるような気がしないでもないし、それにもう僕も35歳ですからね。コドモの頃のように、そう頻繁に鼻血を出すことも少なくなりました。となると、赤いクルマを買うだけのメリットはさほどないわけでありまして、そこでまあ、無難な黒にしておいたんですけどね。結果、雨上がりには半端じゃないほどゲロ汚くなっていて、ちょっぴり憂鬱なんですが、でも後悔はしておりません。だって、“黒とれいる”、やっぱりカッコイイしぃ。
で、半年ほど乗ってみた上で、このクルマの印象を“いんぷれしょん”してみたいと思うんですが、まずは内装ですか。写真でいうといちばん右端がインパネ周りの状況なんですが、いや、エアコンのところが極限まで安っぽいですな。20万えんケチって、ひとつ下のグレードにしちゃいましたからね。グレード“Xtt”と“Stt”の違いは、(1)ハンドルやシフトレバーが皮巻きになるか、ウレタンになるか。(2)エアコンがオートになるか、マニュアルになるか。(3)タイヤホイールがアルミになるか、鉄チンになるか。(4)後部座席のところがプライバシーガラスになるか、モロ見えになるか。…といったところが主な相違点なんですが、プライバシーガラスはオプションで付けたし、スタッドレスタイヤはアルミホイールにしたから、最大の問題点はこのエアコンだけなんですけどね。あと3万えんくらいなら払ってもいいから、もうちょっと何とかならんかったんか?…と思わずにはいられません。エアコンもそうなんですが、その上の“ハザードランプ点滅用ボタン”のデザインも破局的ですよね。せめて“黒字に赤の△マーク”にしてくれれば。…と思わずにはいられませんが、思い切って筆ペンで黒く塗っちゃいますかね?(←編集部注:ヤメといたほうがいいと思います。)で、インパネ周りで特徴的なことと言えば、“センターメーター”の採用という点があげられますかね?センターメーターというのはどういうものかというと、センターにあるメーター。ま、そういうものですね。速度計とタコメーターと燃料計の3連メーターが真ん中のところにあります。メーターが真ん中にあって、いったい何のメリットがあるのか?…という気がしないでもないんですが、日産いわく、"乗車している人全員で(速度や燃料残量などの)情報を共有出来る”とのことらしです。助手席から燃料の残量を確認して、それで本当に嬉しいのか?カルロス・ゴーン。…と、問い質さずにはいられませんが、ま、確かに車内に気まずい沈黙が訪れた場合、「ほら見て。燃料がもうほとんどないいよ。」「あらホント。このままだと間違いなくガス欠ねっ♪」「ホントだねっ♪」「うはははははははは。」「あはははははははは。」といった会話で大いに盛り上がる。…という可能性がまったく皆無であるとは言い切れません。ま、その確率は限りなくゼロに近いような気もするんですが、メーター自体は運転手のほうに角度を付けて降られているので、視認性は悪くありません。ただ、目の前が真っ暗なので、慣れるまでは特に夜間の運転ではちょっと違和感がありましたな。あれ?ライトついてないやん!?…みたいな。ま、さすがにもう慣れましたけど。
で、メーター部がセンターに移動したおかげで、運転席前のスペースが有効活用出来るというメリットもありますな。このクルマの場合、いちばん端のスペースが回転スライド式のカップホルダーになっておりまして、これは助手席も同様です。もっとも手で取りやすい位置にありますので、実用性は抜群です。で、飲み物関係で言えばセンターのエアコン吹き出し口のところが“温冷式飲み物入れ場所”になっているんですよね。いちばん右の写真で言うとオーディオがあって、その下が空間になっている、その左右のところでありますな。よくホームセンターに、エアコンの吹き出し口のルーバーのところに取り付けて、エアコンの温風や冷風で飲み物を温蔵したり冷蔵したりするタイプのカップホルダーが売っておりますが、アレを標準装備化したものでありますな。これは画期的です。例えばクソ寒い真冬にコンビニで温かいコーヒーを買った場合、この“ホットコーナー”に入れておけば、コーヒーが冷めるのを軽減することが出来ますからね。試してみたところ、購入から約1時間で、これだったらいっそ、完全に冷めちゃったほうがまだマシなのではないか?…と思われる絶妙な温蔵効果を示しておりました。“冷蔵の部”はまだ試してないんですが、ま、おそらく似たような効果が期待出来るのではないかと。こんなもん、中途半端に温風や冷風が出ないほうがよっぽどマシなんぢゃないか?…という意見もあろうかと思いますが、そういう声にもカルロス・ゴーンは明快に答えてくださいます。ボックスの中の部品を上下逆さまにセットすればエアコンの吹き出し口が塞がれて、普通の小物入れとしても使うことが出来るんですよね。何というハイテク!僕はそのあまりにも卓越したアイデアぶりに、いたく感動した次第でありますが、ちなみにこのボックスを飲み物用として使用する場合、缶ジュースを横向きに挿入することになるので、開封済みのものは当然ながら、使用不可です。この中途半端なところが何ともいえずイイですな。ま、僕がこのクルマに乗り続ける限り、このスペースに缶ジュースを入れるような愚行は二度と繰り返さないと思いますので、別にいいんですけどね。
で、続いてはオーディオです。僕は“Stt”標準のオーディオをそのまま使っているんですが、特に不満はありません。CD+ラジオというシンプルな構成なんですが、ま、普通に聴いてる分にはこれで充分でしょう。6スピーカーで、音は意外とイイです。このクルマ、汚いウンコとかを簡単に拭き取れるよう壁とか天井が防水加工されているんですが、この素材が音をよく反射するので、意外と音がイイんだそうです。思わぬ副産物ですよね。で、この標準オーディオは“1DIN”タイプなので、その下の空間が“蓋付の物入れ”として流用できます。僕の場合、この空間をポータブル式カーナビの取り付けスタンド取り付け用場所として活用しているんですが、いや、メーターがセンターにあるもんだから、カーナビの取り付け位置に苦労したんですよね。結果、何とかこの位置に何とか落ち着いた次第でありますが、おかげで左側の“温冷式飲み物入れ場所”が使えなくなってしまいました。残念ですなぁ。ここに是非とも缶ジュースを入れて、温めたり冷やしたりしたかったんですけどねぇ。。。で、物入れの余った空間にはカーナビのリモコンを突っ込んでおくことにして、以上でオーディオ周辺はおしまいです。
次。“運転席前物入れ”です。このクルマはセンターメーター採用のおかげで、運転席前(←ハンドルの向こう側)のスペースが有効活用出来るようになったんですが、そこが“開閉式の物入れ”になっております。蓋を上にパカっと開けると、中に荷物が入るシステムになっております。ま、システムというほど大層なものではないんですが、このボックスの内部にはDC12Vソケットがあって、例えば携帯電話を充電したりするのに、とっても便利だよね♪…とのことでありました。僕も、なるほど、確かにそれは便利だ。…と、カルロス・ゴーンのアイデアマンぶりに今さらながら感心した次第でありますが、いざ実際にクルマに乗ってみて、僕は愕然としましたね。DC12Vのソケットって、この位置にしか無いんですな。ま、正確には後ろの荷室のところにもあるんですが、インパネ周りではこの位置にしかありません。普通、“シフトレバーの前のところ”とかにありますよね。ボックスの中に12Vソケットがあるのはとっても便利なんだけど、そこにしか無いというのはちょっと問題なんとちゃうか?…と思わずにはいられません。僕は大いに不満でした。こんなクルマ、返品してやるぅ!…とすら思いました。が、いざ、電装品を配線してみると、この位置にソケットがあるというのは思いのほか便利でありました。ソケットが1口では足りないので、当然“4つ又ソケット”みたいなのをつけることになるんですが、そのソケットをボックスの中に入れておけばいいので、配線がかなりスッキリするんですよね。いやあ、早まって返品しないで本当によかったです。危ないところでした。ちなみに、この12Vソケットはシガーソケットにはなっておりません。差してあるプラグはダミーでありまして、いくら待っても煙草に火をつけることは出来ません。ま、僕は煙草を吸わないので、何の不自由もないんですけどね。ちなみにこのクルマには灰皿も用意されておりません。こんなところにもカルロス・ゴーンの嫌煙精神が反映されているわけでありまして、その徹底したコンセプトは、いっそ清々しいものがりますな。いや、ゴーンが本当に嫌煙派なのかどうかはサダカではありませんが、何かの本で「嫌煙派ではあるが、検便は好きっ♪」と書いてあるのを読んだことがあったような気がしないでもありません。
で、続いては“走り”であります。ちなみに僕はクルマの“走り”に関してはさほど興味がないほうでありまして、走ればいい。そう思っているタイプなんですが、その観点からすると、この“えくすとれいる”というクルマは合格点を付けられますね。走ります。大丈夫です。このクルマの大きさにして150馬力というのは、決して誉められた数字ではないんですが、ま、そこそこは走ります。大丈夫です。で、クルマのサイズの問題なんですが、これに関してはちょっと心配してたんですよね。3ナンバーで横幅が広いので、狭い道とかだと擦っちゃうんぢゃないかと。が、乗ってみると意外と大丈夫でした。クルマが真四角で運転席からボンネットの全貌が見渡せるので、取り回しは以外とラクです。ただ、道幅1.8mの“危ない橋”とかは、あまり渡りたくはないですな。あと、狭い駐車場でのバックなんかも嫌ですね。僕の卓越した運転技量を持ってすれば何ともないんですが、そうでない人の場合、フォレスターにぶつけちゃう…といった事態も考えられるんじゃないですかね?で、バンパーの下のところが擦れちゃったりして、落ち込むことになりかねません。ま、ぶつけられたほうこそ、いい迷惑という感じでありますが、えーと、続いては“4WDシステム”について検証してみましょう。えー、このクルマの4駆システムはですね、“通常二駆、スベってから四駆”というタイプであります。滑ってからでは遅いんぢゃないか?…という気がしないでもないんですが、でも大丈夫。このクルマにはちゃんと“4WDロック機能”が付いておりまして、ボタンひとつで“ビスカスカップリング付きフルタイム四駆”と同じような状態になります。ま、滑る時は4駆だろうがチェーンを巻いていようが、どういう状態だってお構いなしに滑っちゃうんですけどね。が、滑らない時には滑りません。ま、過去7回ほどスタッドレスタイヤによる雪道走行を経験しましたが、今のところ滑り知らずなので、4駆システムとしては過不足のないところじゃないですかね?ちなみに通常は“AUTO”にしておけばほぼ前輪駆動なので、燃費の軽減になるのではなかろうかと。ちなみに燃費はリッターあたり11〜13キロくらいですかね?2000ccクラスにしては、まあまあのところだと思います。
ということで、最後に“ウインド車としての実力”を検証してみましょう。このクルマのキャッチフレーズは“タフギア・えくすとれいる”でありまして、サーファーとか、MTBに乗る人とか、馬に乗る人とか、熊と格闘する人とか、そういう人をターゲットにしているんですよね。で、随所に“タフ系”に対する工夫のあとが窺えます。まず(その1)防水シート。これはいいですね。ウエットスーツで海に落ちても…って、あ、思わず見栄をはってしまいました。ウエットスーツで川に落ちても…と訂正しておきますが、とにかく、ベトベトのウエットスーツのままでもクルマに乗れちゃいます。ま、クルマのほうは大丈夫でも、着ているほうとしては大変うざこらしい(←方言?)ので、ちゃんと着替えますけどね、僕は。ウエットスーツを着たままクルマを運転したりすると、きっと股がムレて、白癬菌が繁殖しちゃうと思いますね。ちなみに僕の乗っている“Stt”というグレードは、前の座席は“シートヒーター付き”となります。スイッチひとつで瞬時にしてシートが温まるので、寒い冬にはありがたい装備です。が、暑い夏にはうっとうしいだけです。で、シートだけでなく、壁も天井も内装はすべて防水あるいは撥水仕様でありまして、とくにラゲッジルームの床板はガバっと取り外して水洗いが出来ますので、とかく車内が泥まみれになりがちなサーファーや、とかく車内がウンコまみれになりがちなマンポン技士には嬉しい限りですね。もっともマンポンの現場というのはクソ狭い裏路地みたいなところが多いので、このクルマでは行きたくありませんけどね。で、“ボードの積み具合”でありますが、これは左から2番目の写真を見てください。右から3番目でもいいです。えー、このクルマのルーフレールは“ダイレクトタイプ”というヤツでありまして、コイツへのシステムキャリーの取り付けはメーカー各社で共通の規格があるみたいですね。たとえば“TERZO”なら、“EF-DR”というベースが使えます。色違いの白いタイプもあるようですが、“ダイレクトルーフレール用”のシステムキャリーベースというのは、基本的には1種類しかないようです。で、バーは“EB-3”というタイプになります。もしかしたら“RVR”で使っていたバーが流用出来るかも?…と思っていたんですが、2ランクほど長いヤツでないと駄目でした。それだけ横幅が広いということでしょう。で、“RVR”に比べると縦の長さも長いようでありまして、ボードを積んだままテイルゲートを開けても、ボードと干渉しないのが嬉しいですなぁ。“RVR”では、ガバっと後ろを開けられませんでしたからね。で、左から2番目の写真でありますが、タイヤをノーマルに戻したら、ホイールが極限まで安っぽくなっちゃったところが、イタいですなぁ。20万えんケチりましたからなぁ。。。
で、最後に“荷物のパッキング状況”です。ウインドというのは非常にたくさんの道具が必要となる道楽でありまして、“RVR”では正直、ちょっと辛かったんですよね。前の座席までがブーム侵略してましたからね。で、“えくすとれいる”ですが、後部座席を犠牲にすれば、ラゲッジルームはかなりの広さを確保できます。後部座席のバックシートを倒すだけでなく、シート面も取り外すことが出来るので、これによって出現する荷室の広さは、長さ180センチ。寝れますな。で、あれこれと試行錯誤した結果、僕の“えくすとれいる”の荷室は、いちばん左の写真のようになりました。後部座席は“6:4分割式”なんですが、“6”のほうはシートまで取っ払って家の縁側に避難させ、“4”のほうは残しました(写真:右から2番目)。これで3名の乗車をした上で、ブームとセイルを何とか斜めにして乗せることに成功しました。ちなみに(写真:いちばん左)が必要な器具をすべて積み込んだ状態でありまして、その内訳は
・ブーム×1 セイル×1 サマーベッド×2 ・椅子×1 ・水の入れ物(洗浄用)×1 ・折りたたみ脚立×1
・コンテナボックス(平型)×1 ・コンテナボックス(角型小)×1 ・クーラーボックス×1 ・バケツ型容器×1
となっております。ちなみに“コンテナボックス(平型)”にはジョイント、フィン、バスタオル、雑巾などのグッズが、“コンテナボックス(角型小)”にはウェットスーツ、マリンシューズなどの濡れものが入っております。クーラーボックスは縦型のタイプで、2リットルのペットボトルが2本+500ミリのペットボトルが3本くらい入ります。バケツ型容器にはムー6月号、ムー7月号、さらには替えのパンツなどが入っております。で、ウインドサーフィンのゲレンデというのは、基本的に“ここに来ている人たち、みな善人”という前提の上に成り立っておりますので、その気になれば“置き引きやりたい放題”なんですが、もし、マカイで僕の荷物を見つけたりしても、バケツ型容器だけは持っていかないでくださいね。フリチンで帰るハメになっちゃいます。
ということでまあ、“えくすとれいる”というクルマはウインド好き、スキー好きで、尚且つ女子高生好き♪…という人にはいい選択だと思いますが、いや、女子高生にウケるかどうか、サダカではありませんけどね。で、20万えんの違いなら、ケチらずに“Xtt”にしたほうがよかったかな?…という気がしないでもありません。が、8万円のスタッドレスや5万円のボディコーティング代を含めて、コミコミで250万えんというのは、けっこうお得でしたな。ちなみにこのクルマ、カルロス・ゴーンの戦略としては、若者をターゲットにしたものだったんですが、実際に買っているのは“30代から40代のアクティブな中年”なんだそーです。ということで、おしまい。
( おしまい♪ )