『 Zaurus SL−C760 (SHARP) 』

じょるだな&ざうるすサイズ比較♪ いんぷっと・すたいる♪ くるっと回転中♪ びゅーすたいる♪



 いやあ、ついに新しい“Linux Zaurus”が出ましたなぁ。りなっくす・ざうるす、略して“りな・ざう”は去年の夏頃に“SL-A300”という機種が発売になりまして、新しもの好きの僕はさっそく購入に踏み切ったわけでありますが、このサイトでも特集を組みましたよね。その時の原稿をここで改めて引用してみると、

 外で原稿を書くことに命を賭ける男、さばぴょん。新しい“Zaurus”を買いました。早速、こうして外で使っているわけでありますが、さすがは反射型液晶だけあって、明るいところでもくっきりと見えますな。今のところ熱で画面が真っ黒になるようなこともありません。ただ、どういうわけだか画面がえらくちらついておりまして、非常に不快であります。いや、これは想定外の事態でありますなぁ。。。で、この新しい“Zaurus SL-A300”は「中途半端である。」とか「ザウルスらしくない。」とか言われて、世間での評判はあまりよくないんですよね。確かに小型軽量ということにこだわり過ぎて、ハード的にはかなり中途半端なマシンになっている感は否めません。ザウルスのウリのひとつだった内蔵キーボードがなくなっちゃったし、現時点ではCFカードも使えないしー。CFカードのほうはオプションの“コミュニケーション・アダプタ”というのをつければ使えるようになるようですが、本機より販売が一月ほど遅れております。おまけに生産が追いついてないようでありまして、注文したら2カ月待ちと言われてしまいました。が、それらの難点を差し引いても、この小型軽量はありがたいですな。この前、薬注屋のおじさんが「アリガタバチに刺されたー。」と嘆いておりましたが、そのようなあまりありがたくない蟻型の蜂に比べても、このサイズは素直にありがたいです。普通の電卓とほとんど変わりませんもんね。これならポケットに入れても、ポケットに伊予柑を入れるほどの違和感もありません。

 などと書いてあります。当時の僕は“サイズが小さい”という1点によってこの機種をわりと高く評価していたんですが、今の時点で冷静に評価を下してみると、コイツは失敗でしたな。ま、確かに小さくて薄くて持ち運びに便利なのはいいんですが、それ以外にはあまり利点がありませんでした。“外で原稿を書くことに命を賭ける男”の矜持にかけて購入したにも関わらず、肝心の文章入力の利便性が今ひとつでありました。元来、僕は“ほ→むぺ→じ”の原稿書きをザウルスのペン入力で始めた男でありまして、それも“手書き入力”ではなく、画面に表示されたキーボードをただひたすらペンでタップしまくる手法を得意としておりました。今から思えば、何故そんなアホなことを?…と思わずにはいられませんが、何せウチにはパソコンがなかったですからね。が、『塩通』の原稿が次第に長文化の傾向をたどるにつれ、クソ長い原稿を書いているとさすがに「腱鞘炎なるわ!」…という感じになってきちゃったので、“パワーザウルス”の後継機としてキーボード付の“じょるなだ”の購入に踏み切った次第でありますが、この機種に関してもこのサイトで紹介してますよね。

 (前略)とまあ、なんだかよくわかりませんが、とにかく「新しいザウルスでも買ってみるぅ?」という気分になったわけでありまして、アレは値段も4万円ちょっとでわりと手頃だし、小さいながらも一応キーボードも付いてるし、屋外でもわりと画面が見やすいそうだし、でも、またザウルスというのも何だか新鮮味がないし、あの小さなキーボードでは何だか打ちにくそうだし、かと言ってパームもあんまり好きじゃないしぃ。。。などと考えながら通販のサイトを眺めていたところ、ふと“Windows CE搭載機”という選択が頭をよぎりの渡し。ちなみに“CE搭載機”にはパームみたいなタイプと、キーボードのついたハンドヘルドPCがあるわけですが、僕がソソられたのは後者のほうでございます。機種で言うと“モバイルギア”あたりですな。“カシオペア”にもハンドヘルド・タイプのヤツがありますよね。でも、NECというのは何だか個人的には「“塩サバ物産(仮名)謹製・3Pシステム”に使うパソコン」というイメージがあるし、カシオというのは何だか安っぽいイメージがあるし、で、日立からも出ているようなんですが、何だかあまりにもマイナーだしぃ。。。とか悩んでいるうちに、ふと見つけてしまったのです。そう、彼女の名前は「じょるなだ」。ヒューレット・パッカードの作品でございます。

 とまあ、そんな経緯で購入に踏み切った次第でありますが、ジョルちゃんとの蜜月も長くは続きませんでした。その原因はいくつかあるんですが、コイツで作ったデータはファイルの拡張子が勝手に大文字に変えられたりして、パソコンとの共有が今ひとつうまくいかないんですよね。おまけに液晶画面が見にくくて屋外ではまったく使いものにならないし、あげく、キーボードと画面をつなぐヒンジの部分がすぐにブッ壊れてしまいました。さすがはアメリカ製。作りがどうもアバウトなんですよねぇ。仕方がないので多量の接着剤で固めて何とか急場を凌いだんですが、そこの部分だけ妙に白っぽくなってしまいました。仕方がないので筆ペンで色を塗って何とか急場を凌いだんですが、とても人に見せれたようなシロモノではありません。今ではすっかり机の引き出しに埃をかぶった状態で放置されておりますが、いやあ、短い命でしたなぁ。。。で、“じょるなだ”と平行して、電子手帳がわりに激安の“白黒ざうるす”を買ったりもしたんですが、今さら白黒画面のPDAではとても人に見せれたようなシロモノではなく、そんなわけでまあ、“Zaurus SL-A300”を買ったんですけどね。で、しばらく使ってみたところ、この機種は使い勝手が今ひとつであることが判明しました。全体的に小さくなった関係で画面に表示されるキーボードの枠も小さくなって、タップするのに多大なる苦痛が伴います。また、半角アルファベットと漢字入力の切替とか記号の入力などが非常に面倒なので、“html文書”を作るのが破格的に面倒です。旧・独自OS版ザウルスにはMOREソフトで“htmlエディタ”があったんですが、“りな・ざう”には今のところ、これといった使えるソフトがありません。これはもう、ザウルスでは原稿を書くな!…と言っているに等しい状況ですよね。その他、この機種にはいろいろと使い難いところがあって、なんとかならんのか!…と思っていたら、すぐに“りざ・ざう”の新しい機種が登場しました。旧・独自OS版ザウルスの定番だったミニ・キーボード搭載スタイルを踏襲した“Zaurus SL-B500”と、まったく新しいコンセプトの“Zaurus SL-C700”という機種なんですが、特にこの“SL-C700”にはブッたまげ(←死語?)ましたな。わりとちゃんとしたキーボードと横型ディスプレイを搭載した“プチ・ノートパソコン型”の形状で、画面サイズは何と“640×480”っ!で、ディスプレイをくるっと回転させて折りたためば通常のPDAみたいな縦型にもなっちゃうというスグレモノでありまして、無論、CFカードだって使えます。“SL-A300”の場合、オプションの“コミュニケーション・アダプタ”を装着しないとCFカードが使えない設計ですからね。で、この“コミュニケーション・アダプタ”というのがまた不細工で、これを付けると厚さが2倍くらいになっちゃうし、カバーは裏にまわらなくなっちゃうしで、使い勝手はサイアクでありました。どうして“SL-A300”なんて半端な機種を出したんだよぉ。最初から“SL-C700”を出せばよかったじゃんかよぉ。…と泣きたい気分でありましたが、ただこの“SL-C700”という機種は電池の寿命が極めて短く、すぐに改良版が出るだろう。…という話だったので、先走って“SL-A300”なんか買って大いにハマってしまった僕は、慎重に新機種の発表を待ち続けたのでありました。

 …と思っていたら、ついに出たんですな。まず最初に“SL-C750”というのが出て、1ヶ月遅れで“SL-C760”というのが出ました。この2つの機種の違いはまたあとで書くとして、見た目上の大きな違いはそのカラーリングでありますな。どちらもキーボードの部分はシルバーが基調となっているんですが、ディスプレイ部分が“SL-C750”は、“SL-C760”はとなっております。最初にこの“SL-C750”のデザインを写真で目にした時、「マジか?」と思ってしまいましたね。よりによって、どうしてこんなヘンな組み合わせにしたんですかね?嫌がらせですかね?値段でいうと“SL-C760”のほうが1万円ほど高いんですが、このヘンな色が嫌だったら高いほうを買え。…ということなんすかね?ちなみにこの“”というのは“ピアノのような光沢のある”なんだそうですが、指紋でベタベタになるという点でも評判は芳しくないようです。

 とまあそういうことで、ではこの2機種が“SL-C700”からどのように進化したのか、メーカー側の言い分を紹介しながら検証してみることに致しましょう。先走って“SL-C700”を買っちゃった人は、後悔のあまり泣きたい気分になっちゃうことでありましょう。

 好評の“3.7型高精細VGA表示のシステム液晶”“本格的なモバイルキーボード”“使い方に合わせてタテ・ヨコを選べる2Wayスタイル”に加え、新CPUの採用と、動作メモリーを32MBから64MBに倍増することで、より快適な操作感を実現しました。(中略)<SL-C760>は、大容量リチウムイオン充電池を標準搭載し、約8時間30分の連続表示を実現したほか、フラッシュメモリーの容量をクラス最大の128MBにアップし、学研の辞書5冊をまるごと収録した電子辞書ソフトも搭載した上位機種です。

 えー、“SL-C700”からの主な変更点は新CPUの採用動作メモリーの増加でありますな。“りな・ざう”は動作がクソ遅いことで有名だったんですが、新CPUの採用によって動作速度が約2倍になったそうです。動作メモリーも2倍になって、上位機種の“SL-C760”なら更に倍の128MB。で、新CPUは消費電力も小さくなっておりますので、その分だけ電池寿命も延びております。電池の容量も増えてるんですかね?特に“SL-C760”の場合、“SL-C750”の1.8倍の容量を持つ電池が付属しておりますので、屋外ぷれい派にとってはかなりの安心感がありますな。ただ、電池がでかくなった分だけ本体に収まりきれなくなっておりまして、専用の電池カバーを使用することになります。その関係で本体の厚みは“SL-C750”が18.6mmであるのに対し、“SL-C760”が23.2mmと、5mm近くもぶっとくなっております。が、“SL-C750”の場合は底の形状がフラットではなく、上部のCFカードを挿入する部分が分厚くなっておりますので、専用電池ケースの厚みはさほど気になるほどではありません。で、この大容量電池専用カバーのセットはオプションとして1万円くらいで売られておりますので、“SL-C760”の発売が待ちきれなかった人は結構“SL-C750”に走ったようですが、1万円アップで大容量電池メモリー増量電子辞書ソフト無難なカラーリングが実現するわけですんで、僕はまよわず“SL-C760”のほうを買いました。これでもし“SL-C760”のほうが“銀と黒”だったりしたらペイントマーカー(白)で塗らなければならないところでしたが、いやあ、よかったです。

 ということで“SL-C760”です。実物を見ずに通販で買ったので、いったいどれくらいの大きさなのか検討がつかなかったんですが、思ったよりもコンパクトですね。“じょるなだ”と“Zaurus SL-C760”と“Zaurus-A300”を3台並べて撮影してみましたが(写真左端)、縦横のサイズ(120mm×83mm)は“Zaurus-A300”を一回りほど大きくした程度です。L版の写真より気持ち小さいくらいです。さすがに厚さは“Zaurus-A300”の倍ほどありますが、“コミュニケーション・アダプタ”を装着した時のことを思えば、決して苦になるサイズではありません。“じょるなだ”なんか目じゃないっすね。で、このサイズでありながら“640×480”の表示を実現したのは立派というほかありません。今までのPDAは“240×320”の縦型画面だから、文章を入力するにもWebを閲覧するにも写真を表示させるにも、かなり今ひとつでしたからね。“じょるなだ”の“640×240”という超横長画面もあまりぱっとしませんでした。“640×480”もあれば“すけべビデオ鑑賞”にも不自由しませんよね。で、“640×480”ではありますが、画面サイズは従来のPDAと大差ないので、必然的にドットの大きさ自体はもの凄ぉ〜く精細化されております。フォントサイズ“10dot”で表示させたりすると、ほとんどシラミの集団ですもんね。それでもちゃんと判読出来るのは大したものだと思いますが、えーと、続いてはキーボードの入力しやすさについて検証してみましょう。

 えーと、(写真左から2枚目)が、いわゆる“インプットスタイル”であります。キーボードはすっきりとした無難なデザインでありますな。よく使う“Fnキー”が紫色というのは、何だかヤンキーみたいで、やだ。…という意見もあるようですが、個人的にはそれほど気になりません。カーキ色なんかよりよっぽどマシだと思いますね。で、アルファベットキーの大きさは“7mm×5mm”といったところですかね。平坦ではありますが、いちおうキー・ストロークも確保されておりまして、クリック感はまずまずです。“全角/半角”“ひらがな/カタカナ”の切替キーもあるし、よく使う記号は“Fn”“Shift”とアルファベット・数字キーの併用で入力出来るし、簡単な“htmlタグ”をユーザー辞書に登録しておけば『塩通』レベルの原稿だったら何とか執筆が可能です。両手で持った状態でも“親指入力”が可能なので、その気になれば電車の中で立ったままの状態でも“実録・OL痴漢電車ライブレポート”なんかを書けるのではないかと。いや、片手でサワりながら原稿を書くのはかなり高度なテクを要するような気がするので、“車内女子高生@生態レポート”くらいにしておいたほうが無難かも知れませんね。で、“ブンコビューア”などを使う場合はディスプレイを(写真右から2枚目)のようにくるっと回し、(写真右端)のようにパタンとたためば縦型画面の“ビュースタール”に変身します。いやあ、この“くるっ、ぱたん”が楽しいですなぁ。もう、3時間くらいブッ続けでインプットスタイルビュースタイルの切替をやっていたいくらいなんですが、ま、さすがに3分もやると飽きると思いますけどね。で、スタイルを変更すると画面が縦・横自動で切り替わるくらいの芸当は持ち合わせておりまして、で、本体の左側面には“OK”と“Cancel”のボタン、それに上下スクロール用のダイヤルが完備されておりますので、基本的な操作は左手だけでなんとかなりますな。…とまあ、基本的なところはこんなもんすかね?

 で、使ってみて気になった点をいくつかあげてみると、まず(その1)。パソコンとデータをやりとりする時にUSBケーブルを接続する端子の蓋。あれが本体から完全に外れちゃうシステムになっているのが、ヒジョーによくありません。こんなちっこい部品、はずしたが最後、まず確実に紛失します。無くすなというほうがどうかしております。うちにちっこいコドモがいたりすれば、まず確実に誤飲します。翌朝、おまるに取り置いたウンコを分解洗浄するなどして探し出さなければならず、これは何とか対策を考えて貰わないといけませんね。例えば蓋が完全に分離しないようなシステムにするとか、無くした時の用心に蓋を予備品で200個くらいつけるとか、あるいは“ウンコ分解洗浄キット”をサービスでつけるとか。ま、ざる専用ヘラの2点があればいいんですけどね。で、紛失の懸念といえば入力ペンも同様ですね。“SL-A300”のクソ細い入力ペンよりは使い勝手はマシになりましたが、“SL-C760”の入力ペンは単なる黒いプラスチックの固まりでありまして、安っぽいことこの上なし。おそらく、原価は1本25えんくらいなんぢゃないっすかね?これだけ安っぽいのなら予備品で50本くらいはつけておいて欲しいところです。で、“SL-A300”もそうだったんですが、SDカード用のスロットルにダミーカードがないというのも問題ですよね。せこいところでケチるな!…と思わずにはいられません。…と思っていたら、そんな僕にぴったりの通販サイトがございました。 ここ です。おおっ、SDダミーカードが、スタイラスペンが、が!しかもこのサイト、バッテリーなんかも他のところに比べてかなりお値打ちです。パソコン接続ケーブル<SL−UC1>というのもいいですね。付属していたUSBケーブルはクソ長くって邪魔なんですよね。いやあ、いいところを見つけました。で、その他の問題点としては、外で画面が見えんっ!…という致命的な欠点があることが判明しました。いや、反射型液晶ではなくて透過型システム液晶なので、ちょっぴり嫌な予感はしてたんですけどね。現状、高精細VGA表示を実現するにはこのタイプの液晶しか不可能なのかも知れませんが、太陽ギラギラの木曽川河川敷では、まったくと言っていいほど、なーんも見えませんでした。バックライトを最大の明るさにして、何とか判読出来る程度でした。電池の寿命が気になる屋外でこそバックライトは最小にしておきたいのに、この点ではバックライト・オフでもぜんぜん大丈夫だった“SL-A300”のほうがよかったですなぁ。

 ということで、この機種は太陽ギラギラの元で…というより、例えば駅のホームとか、電車の中とか、現場事務所とか、暇な講習の途中とか、ソープの待合とか、そういうところでわりと長めの文章とかを入力するのに重宝なのではないかということが言えるのではないでしょうか。ということで、次回はソフト面に関して何らかの検証を行いたいと思います。

( つづく♪ )


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