『 水曜スペシャル 川口浩 探検シリーズ 未確認生物編 (第1回) 』



  「 《Disc:1》−前編 : 巨大怪蛇ゴーグ


 今回はまず最初に訂正をしておかねばなりません。というのもですね、前回、このコーナーで僕は、いや、このラインアップを見て、涙が出るほど嬉しかったですね。川口浩探検隊と言えば、 “巨大蛇ナーク” と “猿人バーゴン” やろ?…と思っていたんですが、その2つがいきなり 《Disc:1》 に名前を連ねているわけですもんね。…てな事を書いたわけなんですが、その後、いろいろと川口浩探検隊について調べているうちに、自分が重大な勘違いをしていることに気付きました。それは何かと言うと、 “ナーク” と “ゴーグ” が、ごっちゃになっとるやん!…ということなんですが、いや、僕が見たかったのは “ナーク” だったんですが、今回、このDVDに収録されているのは “ゴーグ” のほうだったんですな。ああん、ガックシ。 いや、未確認生物トレーディング・カードに描かれた “ゴーグ” の想像図を見て、あれ? “ナーク” ってこんな2つ頭の蛇だったっけ?…と違和感を覚えたんですが、ま、いっかぁ。…と思って、そのまま放置していたんですよね。なんと、ナークゴーグはまったく違うの種類の蛇だったのだ!…という衝撃の新事実が明らかになって、前回分の原稿の一部を訂正しなければならなくなってしまいましたが、お詫びはしません。だって、紛らわしい名前を付けるほうが悪いんだしー。

 …と、相変わらずまったく反省の色が見えない僕でありますが、 “ゴーグ” だったのかぁ。…という事実が判明して心の底から落胆してしまった僕も、ある意味では被害者ですからね。ま、勝手に勘違いしたほうが悪いんですけど。 で、気持ちを入れ替えて 『巨大怪蛇ゴーグ 』 でありますが、正式名はこんな生易しいものではありません。 『恐怖!双頭の巨大怪蛇ゴーグ!南部タイ秘境に蛇島カウングの魔神は実在した!!』 そうそう。 この “” 濫発で、大仰極まりないタイトルこそが水曜スペシャルの真髄でありまして、しかも平気で嘘を付きますからね、この番組は。 蛇島カウングの魔神は実在した!!…と力強く断言されれば、見ているほうとしては、そっか!ヒロシくん、ついに巨大怪蛇ゴーグを発見したのか!…と思ってしまうんですが、実際には、蛇島カウングの魔神は実在した?…と、疑問符が付くような展開であることが多く、最終的にはテレビの画面に向かって、詐欺やんけ!…と言いたくなるような結末に終わる事がほとんどだったんですが、ま、発見されないからこその “未確認生物” であるわけでして。

 ゴーグとは、南部タイの人々が神聖にして侵すべからず神の使者としておそれ敬う双頭の大蛇である。
 しかし、その奇怪な姿を誰も見たものはなく、これまで伝説上の存在として語りつがれてきた。だが…

 番組はこのようなナレーションで幕を開けます。 ただの大きな蛇ではなく、双頭の大蛇というのだから、これは相等にグロいものですよね。もう、台湾の陳水扁総統もびっくり!…といった感じでありますが、果たして世の中にそんな生き物が存在するものなんですかね?…というと、これはもう大丈夫です。シャム双生児の大蛇バージョンだと思えば科学的にも説明が付きます。舞台がタイでありますので、そういうことは十分に考えられるわけでありまして。

 で、僕が気になっていたのはですね、川口浩探検隊は本当に青いシャツのユニフォームを身につけているのか?…ということなんですが、大丈夫でした。ヒロシ君はちゃんと背中に “水曜スペシャル” の文字が入った青シャツを着て、ジャングルを闊歩しておりました。DVDのオマケと違って “TV Asahi” の文字はありませんでしたが、ま、細かいことはあまり気にしないことにして。それよりも僕が気になったのは、ヒロシ君たちが長袖シャツの袖をまくって二の腕を露出させていることでありまして、ま、タイというのは暑いところなので、その気持ちは分からんでもないんですけどね。が、これから毒蛇がウジャウジャいると噂されている島に行くというのに、ちょっと無防備ではないですかね? いや、川口浩探検隊の一行は、毒ヘビにちょっと腕を噛まれるくらいのことはまったく気にしないほど、勇敢なのであった!…ということなのかも知れませんけど。

蛇をも恐れぬ勇敢な隊長♪

 ところで今回のロケ地になっているカウング島というのは、実在するんですかね?…と、疑り深い僕としては思ってしまうんですが、大丈夫です。インターネットで検索しても、ちゃんとこの島の名前はヒットします。日本人川口浩氏が1982年に巨大怪蛇ゴーグを探しにいった島として、広く知られているようです。 で、ここが一体どういう所なのかというと、とにもかくにも蛇島なんだそうでありまして。かつては人間が住んでいたこともあるようで、その証拠に朽ち果てた住居跡もあったりするんですが、ある年、蛇が異常発生して、恐れをなした住民が全員逃げてしまった…と。 それだけではありません。この島は周囲を切り立った断崖に囲まれていて、舟がまったく近付けないらしいんですよね。では一体どうやって島に上陸するのかというと、年に1回、大潮の干潮時にだけ水面から顔を出す洞窟の入口があって、そこから舟で進入するしか手立てがないというのだから、何とも不便な話でありますな。ま、沖縄には年に1度だけ水面から顔を出す “幻の島” があるくらいだから、そういうことは科学的にもあり得る話なんですが、その洞窟からしか島に入れないというのはちょっと問題ですよね。そんな島、蛇の異常発生以前の問題として、とても暮らしにくいと思うんですけどー。

 ところで今回発売されたこのDVDに関して、ひとつよくない噂が耳に届いております。テレビ放映当時と物とは、音楽やナレーションが差し替えられていると言うんですよね。もしそれが事実だとすれば、とんでもない暴挙であると言わざるを得ませんが、ま、ざっと見た感じではさほど違和感を覚えなかったので、許容の範囲内と言えるでしょう。 で、川口浩探検隊は毒蛇ウジャウジャの島に足を踏み入れるに当たって、細心の注意を払うことになります。蛇除けの松明 (たいまつ)を持ち、毒蛇に噛まれた場合に備えて各種の血清を用意し、医師まで同行させた上に、コブラの天敵マングースまで檻に入れて背負っていくという念の入れようでありますが、いや、そこまでするくらいなら、やはり腕まくりはやめたほうがいいとと思うんですけどね。ま、巨大怪蛇ゴーグに噛まれたら長袖くらいではとても防御しきれないと思うので、別にいいんですけどね。

年に1度しか顔を出さない洞窟の入口から島に入る探検隊♪

 そしていよいよ、探検隊は2艘の舟で洞窟の中へと入っていきます。タイムリミットは12時間。その日、2度目の干潮時間にならないと洞窟の入口が海面から顔を出さないので、そのタイミングを逃すと1年間はこの島から脱出できなくなってしまうんですよね。恐ろしい話です。海に潜ってでも、何とかしろよ!…という気がしないでもないんですが、川口浩探検隊はダイビングなどという危険な行動は決して取らないのでありまして、もしそんなことをして潜水病にでもなったら大変ですからね。同行している医師も蛇毒には強くても、窒素酔いには疎いみたいだしー。

 ズンズンと舟を漕いで洞窟の中へと進んでいく探検隊。 “未確認生物編” なのに “地底探検・洞穴編” の気分も味わえると言う、お得なシーンであります。やっぱり探検と言えば、洞窟だよね。…と、 “予告編” に書いたのとは違う感想を述べてしまいましたが、するとその時、天井からいきなり一匹の蛇がっ! DVDにオマケで入っていた “製作秘話” によると、蛇を降らせるタイミングには細心の注意を払ったそうでありますが、まさに絶妙のタイミングであるといえましょう。次々とボートの中に落ちてくる蛇に隊員一同パニック状態になり、半泣き状態で蛇を手掴みしては海の中に投げ捨てるわけでありますが、いや、いくら商売とは言え、隊員もタイヘンでありますなぁ。ウナギでもいきなり天井から降ってきたらかなり嫌なのに、ましてや蛇ですからね。

 進入開始から約20分後、洞窟はそこで行き止まりになってしまいました。視聴者に嫌な予感が漂う瞬間であります。この番組の場合、探検隊は進路を阻まれて、引き返すことを余儀なくなれたのであった!…とか言って、ゴーグの “ゴ” の字も出てこないままエンディングを迎えることだって十分に考えられますからね。が、今回は大丈夫でした。さすがにまだ番組が始まって10分くらいしか経ってませんからね。どうやら洞窟はそこから地上へとつながる縦坑になっているようで、舟から降りた探検隊ご一行は歩いて地上を目指すということになります。手に燃え盛る松明 (たいまつ) の火を掲げて片手だけで崖を上っていくわけですが、こんな狭いところで火を燃やしたりして、一酸化炭素中毒は大丈夫なんですかね?このシーンが鹿児島で防空壕の中へ探検に入った中学生に間違ったメッセージを与えたであろうことは想像に難くありませんが、するとその時、突然、隊員の叫び声が!

 何が起こったのか?…と、見ているほうにも緊張が走る瞬間でありますが、おおっ!声を上げた隊員の足元には何と、一匹の白いコブラが! ま、太陽の光の届かない洞窟の中に白い生き物が棲息しているのはさほど不思議ではなくて、関ケ原鍾乳洞の中にも白いサカナが泳いだりしておりましたが、ああいう魚というのはやっぱり中身も白身なんですかね?…などと暢気なことを言っている場合ではない緊急事態でありますが、隊員たちはさして慌てた風でもなく、そのまま洞窟を上って行ってしまいました。あるいは想定の範囲内の出来事だったのかも知れませんが、それにしてもこの洞窟の中の蛇の数は尋常ではないですね。白いコブラこそ1匹だけでありましたが、その他、白くない普通の蛇は数え切れないほどウヨウヨ、ニョロニョロとそこらじゅうから湧き出て来て、言語を絶する、この世の蛇地獄なのであった!…というナレーションも、あながち大袈裟とは言い切れません。巨大怪蛇ゴーグなど出てこなくとも、十分に嫌な島であると評価してもいいでしょう。

細い蛇&太い蛇ニョロニョロ♪

 突入開始からおよそ1時間。ついに地上に到達っ! 見ているこちらとしても、思わず安堵のため息がこぼれる瞬間ですが、ここで気を抜くわけにはまいりません。ジャングルの中にどんな危険が潜んでいるのか、分かったものではありませんからね。事前の調査によると、巨大怪蛇ゴーグが棲息しているのは上陸地点から見ると島の反対側なんだそうでありまして、ま、そりゃ、そうですよね。地上に出て3分くらいでゴーグを発見してしまっては、まったく間が持ちませんもんね。ちなみにこの島の大きさは周囲約30キロなんだそうでありまして、ということは島が丸い形であると仮定すると、直径は約10キロということになりますね。テレビの画面で見た限りでは、ま、せいぜい端から端まで700メートル?…といった感じだったんですが、意外と大きな島だったんですな。実際にはヒョウタンの形をしているようで、上陸地点が下のヒョウタンの端っこだとすれば、ゴーグがいるのは上のヒョウタンの真ん中あたり。距離にして6〜7キロくらいは歩かなければならないものと思われます。ゆっくり歩いて往復4時間コースといったところですかね?洞窟の往復が片道1時間だったから、12時間のタイムリミットからすると、かなり余裕がありますな。向こうで弁当を食べるくらいの時間は十分にあるみたいですね。

 ただ問題は、頼りになるのが、昔この島に住んでいた長老が記憶を辿って書いた1枚の地図しかないことでありまして、で、またこの長老があまり地図を書くセンスには恵まれていない人物であるようで、まるで幼稚園児が書いた落書きみたいなシロモノなんですよね。ヘリを飛ばして上空から観察するとか、アメリカのランドサット衛星のお世話になるとか、何か違った方法でもうちょっと小マシな地図を作ることは出来なかったのか?…と思わずにはいられませんが、既に島に上陸してしまった今となっては、今さらどうすることも出来ません。ただ、長老の記憶に間違いがない事を祈るしかありませんね。ちなみにこの長老の話によると、島の真ん中付近にかつての集落跡があって、ゴーグがいるのは更にその先であるということです。

 ひたすらジャングルを歩き続ける隊員たち。ただこのシーンはテレビ的にはちょっと今ひとつでありますな。洞窟の場面に比べると、何だか緊迫感が希薄に思えちゃうんですよね。ま、ポイント、ポイントで色んな種類の蛇が上から降ってきたり、地面を這いまわっていたりして、飽きさせない作りになっているのはさすがだと思いますけど。…などと言ってるうちに、一行はいきなり “川” に遭遇しました。途中に川があるという話は長老から何も聞かされておらず、大いに焦る探検隊でありましたが、ま、幸いにも川は浅いものだったので余裕で歩いて渡ることが出来て、まずはめでたし、めでたし。…などと油断をしていると、ここでいきなり悲鳴を上げる川口浩っ! 水の中に手をつっこみ、足元から掴み出したのは1匹の水蛇でありました。いや、さすがは蛇島だけあって、洞窟、ジャングル、川の中と、至るところに色んな蛇類が棲息しているんですよね。その後、隊員全員が平等に水蛇に噛まれたので、ヒロシ君はかろうじて隊長としての矜持を保てたわけでありますが、いや、自分だけ噛まれたのでは面目丸つぶれですからね。

 川は何とか渡り終えたものの、まだ油断はなりません。一難去って、また一難。神はどうして川口浩にこれほどまでの試練を与え賜うのか?…と不条理感を覚えてしまうほど、矢継ぎ早に次々とハプニングが押し寄せて参ります。続いては、コブラとの遭遇でありますかー。コブラくんとは既に洞窟の中で旧知の仲になっておりますが、今度は地上にいるヤツなので、白くはない普通の色のコブラであります。ただ探検隊に攻撃を仕掛けてきたわけではなく、獲物を追ってネズミの穴の中へと入っていったんですが、あろうことに探検隊に同行していた現地人ガイドの2人がですね、その穴をスコップで掘り始めるんですよね。何と言うかその、すごく “いらんことしぃ” ですよね。コブラなんて根はすごく臆病なんだから、そのまま放っておけばいいものの、どうしてそんな余計なことをするのか?…という僕の憤りにもかかわらず、現地人の若い兄ちゃんは穴の中に素手を突っ込んで、見事、コブラを生け捕りにすることに成功したのでありました。いや、鮮やか!…と感心するしかありませんが、そういえばマングースはどうした?こういう時こそ、マングースの出番やろ!…と思わずにはいらなくて、ま、おそらく隊員も背中にマングースを背負っていることをすっかり忘れていたんでしょう。思い出す必要もないほど現地人ガイドの動きは素早かったですからね。東京コミックショーのショパン猪狩の後継者に指名しても、この2人ならきっといい仕事をしてくれるものと思います。

 で、続きましては黄色と黒のシマシマ蛇の登場でありますか。もし僕がこの蛇のネーミングライツを獲得したとすれば、絶対に “遮断機蛇” とか、 “虎ロープ蛇” といった名前を付けたいところなんですが、あ、黄色と黒は勇気のシルシ♪…の “リゲインヘビ” というのでもいいんですけどね。が、実際のところは “キオビアマガサヘビ” というのがその蛇の名前であるようです。いや、ナレーションではそのように発言しているように聞こえたんですが、その名前でサイト検索しても1件も該当がありませんでしたので、あるいは微妙なところで間違っているかもしれません。 とにかく、アマガサヘビの1種であることは確かなんですけどね。漢字で書くと雨傘蛇…って、何だかちっとも怖くは無さそうなんですが、毒の強さはコブラに匹敵し、性格も極めて獰猛なんだそうで。もう、いくらベトナムがドイモイ政策を行なっても、噛まれる時は噛まれちゃうほど獰猛なんだそうでありまして。 ま、基本的にドイモイと獰猛はまったく何の関係もないので、噛まれちゃうのもやむを得ないところではあるんですけどね。

 で、次のシーンでは川口浩探検隊の特徴である “いらんことしぃ” の精神が遺憾なく発揮されます。進路の妨げになっているわけでもないのにヒロシ君たちは意味もなく朽木をひっくり返したりして、するとその下には何と、数十匹ものキオビアマガサ(?)がとぐろを巻いているではありませんかー。そんな余計なことをするから、まるで予め仕込んであったような毒蛇の集団に遭遇するんだってば!…と思わずにはいられませんが、探検隊の一向はいち早くその場所を離れて、特に被害を被るようなことはありませんでしたので、ま、別によかったんですけどね。

いらんことをする探検隊の人々♪

 が、まだ油断はなりません。えー、続きましては “マングローブスネーク” の登場ですか。ここのジャングルって、まるで香嵐渓ヘビセンターのように順を追って色々な種類の蛇が続々に登場するんですよね。しかも行儀よく1種類ずつ出てくるので蛇の観察には持ってこいなんですが、このマングローブスネークは “枯れ木も山の賑わい” 的な意味合いだけで召集されたもののようでありまして、さしたる見せ場もないまま、次へと進んで行ってしまいました。 で、続いては “ジャンピングスネーク” の大群のお出ましでありますかー。ジャンピングスネークというのはその名の通りジャンピングするスネークなんですが、時には数メートルも跳躍するというのだから、もし蛇の世界のオリンピック、通称 “ヘビリンピック” というものが開催されるとすれば、走り幅跳び、三段跳び、走り高跳び、棒高跳びの選手として、有力な候補に挙げられますよね。大したものです。 ただ、運動能力には優れているものの、性格は極めて凶暴なんだそうでありまして、人間性…というか、ヘビ性の面ではやや問題があるみたいですけどね。

 で、このヘビにはジャンプ力の他にもうひとつ、強力な牙という武器もあるんだそうで、噛まれると衣服を通してさえ肌に食い込んでしまうというのだから、恐ろしい話ですよね。しかも探検隊の人々は腕まくりをしてジャングルを歩き回ったりしているので、その危険性は尚更です。しかも悪いことに蛇の集団に気が付くタイミングが遅れてしまい、隊員たちは周囲をぐるっとジャンピング蛇に囲まれて、前に進むことも、後戻りすることも出来ない状況になってしまいました。いや、絶体絶命でありますな。 はっきりカタを付けてよ〜、はっきりカタを付けてよ〜、はっきりカタを付けてよ〜、やってられないわ♪…と、思わず山口百恵の古い歌を思い出してしまいますが、やってられなくても、やらなければならないのが探検隊のツライところであります。はっきりカタを付けなければなりません。 幸い、彼らには強い味方がおりました。そうです。マングースです。 先ほど、コブラのところで敢えてマングースを使わなかったのは、その先でジャンピングスネークの大群に遭遇することを想定していたからなのか!…と、川口浩隊長の鋭い予知能力には感嘆せざるを得ませんが、さ、いよいよこの番組のハイライト、ジャンピングスネークとマングースの決闘でありますな。

跳び蛇とマングースの決闘♪

 香嵐渓ヘビセンターに一度でいいから行ってみたいと思いつつ、その夢を果たせてないまま潰れてしまったので、僕はマングースという生き物を見たことがなかったんですが、ほお、なるほど。胴の長いイタチのような形状の動物なんですな。凶暴な蛇に比べると何とも頼りない気がしないでもないんですが、ところがコイツがめっぽう強いんですよね。のたうち回る蛇の頭にガブっと噛み付いて、それで勝負は終わり。もう、連戦連勝なんですよね。ただ、やられるジャンピングスネークの側にも少し工夫が足らないような気がします。ジャンピングスネークなのにちっともジャンプすることもなく、いとも簡単に頭を齧られてますもんね。しかもマングースの数は見たところ4〜5匹しかいなくて、数の上では蛇側のほうが圧倒的に有利なような気もします。マングースが1匹の蛇に噛み付いている隙に他の蛇が集団でシッポのほうから襲いかかれば、簡単にバックを取れるような気がするんですけどね。 にも関らず、果敢に1対1のサシ勝負を挑んでいさぎよく散ってゆくジャンピングスネークに、武士道の真髄を見た思いが致します。いや、敵ながらあっぱれでありますなぁ。

 が、マンちゃんのおかげで勝負に勝ったと思ったのもつかの間、一人の隊員が腕に噛み傷を負っていることが判明しました。ああん、だから腕まくりはやめたほうがいいって言ったのにぃ。 もっともジャンピングスネークの牙は衣服を貫通するほど強力らしいので、どっちにしろヤラれちゃう運命ではあったんですけどね。 「痛むか?」 …という問いかけに、 「ちょっと痺れますね。」 …と、何だかのんびり答えておりますが、いや、それにしても血清注射と医者の用意がしてあって、本当によかったですよね。でなければ、探検隊で初の殉職者を出しちゃうところでありましたが、もっともこの隊員の傷は注射するほどのものでもなかったんですけどね。ジャンピングスネークは無毒の蛇だったのが幸いした。…って、毒蛇ちゃうんかい! で、それを早く言わんかい! いや、それにしてもいくら性格が凶暴であるとはいえ、たかが無毒のジャンピング野郎ごときに切り札のマングースを使ってしまったのは、ちょっと勿体なかったですなぁ。。。

 が、幸いにも彼らはその後、これといった蛇に遭遇することもなく、無事に第1目的地である集落跡に到着することが出来ました。とりあえず、ほっと一安心ですよね。 ちなみにこの島に住んでいる蛇はですね、最初のうちはニワトリなんかを襲って食べていたんだそうです。が、蛇の数が増えるにつれ、食うものに困って小豚や小ヤギなんかを襲うようになり、そのうち人家にまで入り込むようになったので、恐れをなした住民が全員逃げ出してしまったと。それにしても住民が逃げ出して以来、ニワトリも小豚も小ヤギもいなくなってしまったのに、この大量の蛇たちはいったい何を食べて繁殖しているんですかね? 今ひとつ合点のいかない点がないわけでもないんですが、とにかくまあ、探検隊の一向は集落を後にして、更に先を急ぐのでありました。 それからしばらくジャングルの中を歩くことになるんですが、さすがにネタが尽きたのかしばらくは新種の蛇に遭遇することもなく、村から少し離れたところにある沼のところまで来て、そこでようやくニシキヘビに遭遇したのでありました。ただ、このニシキヘビは迂回するだけで簡単にクリアしてしまって、何だかちょっぴり肩透かしを食らった気分ではありました。

 が、探検隊の一行が先に行ってしまったにも関らず、カメラマンはその場に残ってニシキヘビの観察を続けていた模様です。いつの間にやら野生のニワトリが登場して、それを巨大なニシキヘビが襲うシーンが放映されておりました。今までこの島に野生のニワトリがいるという話は聞いたことがなかったんですが、いや、ちゃんと餌のほうも用意されていたんですね。安心しました。それにしてもこのシーンは、かなりグロいですね。ニワトリさん、可愛そう。…と、テレビを見ていた幼女が泣き出すことは必至でありますが、でもまあニワトリというのは焼き鳥にしても、唐揚げにしても、五目ごはんの具にして炊き込んでも非常に美味なものでありますので、食べられてもやむを得ない一面はあるんですけどね。悔しかったら、とても食べる気がしないほどマズくなればいいだけの話でありまして。それにしてもニワトリ一羽を頭から丸呑みしちゃうとは、相当に大きな蛇でないと出来ない芸当ですよね。ニシキヘビは体長10mに達するものも少なくないとの事なので、これはよくよく注意していないと、ただのニシキヘビを強引に巨大蛇ゴーグである!…と言い張るような展開に持っていかれかねません。ゴーグというのはあくまでも双頭の怪蛇であるということを念頭に置いて、この先の展開を見ていかなければなりません。

ニワトリを丸呑みするニシキ君♪

 で、この蛇島にもですね、蛇の天敵と呼ばれる生き物が棲息しております。至るところにあらゆる種類の蛇がウジョウジョと棲息しているこの島は、蛇の天敵の側からして見れば、まさに食べ放題の “蛇バイキング” みたいなものですからね。蛇肉バイキングで食べ放題、食べ放題、ヨロレイヒ〜♪…と歌いながら登場したのは肉食の猛禽類、ノッカフードでございます。いや、ナレーションでは確かそのように聞こえたんですが、微妙なところで違っているかも知れませんけどね。 で、トリが蛇を襲って食べるシーンに続いては、キングコブラの共食いシーンでありますか。共食いと言っても違う種類の蛇を食べるだけなので、人道的…というか、ヘビ道的にはさほど問題はないんですが、それにしても蛇が蛇を呑み込むシーンはけっこうグロくて、なかなかの見物でありますな。双頭の怪蛇ゴーグなどという胡散くさいものはともかくとして、蛇ドキュメンタリーとしては鑑賞に値する、なかなかの名作であると思います。

 さてその頃、探検隊の一行はコース終盤の山岳地帯まで進んでおりました。目的地の山はすぐそこに見えているんですが、そこに至るには険しい岩場を登っていかなければなりません。なるほど、無難な設定ですよね。とりあえず洞窟に入ったり、岩に登ったりしていれば、いかにも探検隊らしいシーンを撮影することが出来ますもんね。探検隊の人はまあいいとして、カメラや照明機材なんかを担がなければならないスタッフにとっては相当な苦役であろうと推測されますが、頑張って岩場を登りきったその先には、石で出来たタイ風の寺院が待ち受けていたのでありました。いや、ちょっと意外な展開ですよね。かつてこの島に住んでいた長老が書いた地図にも、そんな情報は書かれてなかったみたいですからね。 で、その入口から中に入ろうとすると、まるで寺院を不法な侵入者から守ろうとするかのように、1匹のキングコブラが出現! いや、実に凛々しい姿ですよね。絵に書いたような取り合わせというのはこういうのを言うんでしょうが、もっともこの番人…というか番蛇は、東京コミックショー見習いの現地人ガイドによって、いとも簡単に排除されちゃったんですけどね。

寺院を守る番蛇♪

 探検隊の一行はいよいよ寺院の中に足を踏み入れます。中に入るとそこには蛇蛇蛇、もひとつおまけに蛇蛇蛇蛇蛇蛇蛇。 いや、今までのシーンに登場した蛇を捕まえて、それを再利用しているのではないか?…と思ってしまうほどたくさんの蛇がうごめいておりまして、仏像に絡み付く蛇、人間の頭蓋骨にまとわりつく蛇の姿はまさにこの世の蛇地獄とでも言うべき、おぞましい光景でありますな。 で、この寺院にはご丁寧にも地下の洞窟へと続く秘密の入口まで用意されておりまして、いや、さすがに双頭の怪蛇ゴーグが寺院の便所の金隠しの中から頭を出したりしたら、ちょっぴり興醒めですからね。 やはりここは洞窟の奥に棲息していて貰わなければ困ります。

 洞窟の奥に進むにつれて、内部からは物凄い悪臭が漂ってまいります。いや、これはマジで臭かったんだと思いますね。川口浩クン、ホントに臭くてやり切れない。…といった顔をしてますもんね。いつもクールな隊長のこのような表情はなかなか見ることが出来ないので貴重なシーンであると言えますが、ちなみに悪臭の正体はおびただしい蛇の死体でありました。いや、これは嫌ですよね。いくら僕がネクロフィリアだからって、蛇の大量死体というのはあまりソソられるものがありません。でもまあ考えようによっては、死んだ蛇には呪われることはあっても噛まれる心配はないので、ある意味、かなり気楽ではあるんですけどね。 で、蛇の墓場の先を進むと、今度は蛇の産卵場となっておりまして、いや蛇もちゃんとやることだけはやっているんですね。蛇というのは一体どういう体位でエッチをするのだろうか?…という疑問がふと脳裏をよぎりましたが、探検隊の一行はそのような学術的な問題にはあまり興味がないようでして、どんどんと洞窟の先へと進んでいきます。いや、それにしてもクソ広い洞窟でありますな。読んでいるほうも書いてるほうも、そろそろ嫌になってきましたので、一気に話をエンディングまで持っていきましょう。

悪臭に顔をしかめる川口浩隊長♪

 えーとですね、探検隊一行はこの洞窟の中で、とてつもなく大きな蛇っ!…が這った跡と、とてつもなく大きな蛇っ!…の抜け殻と、とてつもなく大きな蛇っ!…の卵を発見します。その卵の大きさは鶏卵のざっと20倍!…とナレーションの人がいっておりましたが、いや、どう大きく見積もっても鶏卵の2倍弱やろ?…という気がしないでもないんですが、それは恐らく目の錯覚なんだと思いますね。ナレーションの人の言うことを疑ってはいけません。 で、その先、彼らはニシキヘビの大群に遭遇するんですが、その時、地の底を這うような不気味な物音にふと洞窟の先を見上げた彼らが目にしたものは・・・。

 これは、おおーっ!!!

(CLICK HERE→) ついに姿を現した幻の大蛇♪ (←CLICK HERE)

 ということで、このお話はおしまい。

( 第2話につづく♪ )


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