『 ROUND MIDNIGHT (最終回) 』



 もはやこんな映画の話など、誰もが、もうどうでもいいやぁ。…と思っているに違いなく、と言うか、こんなコーナーがまだ持続しているということ自体、知らなかった人も多いと思いますが、皆さまこんにちは、 『ラウンド・ミッドナイト』 の時間がやってまいりました。僕としてもヤル気のほうはもう完全に消滅しているんですが、形だけでも格好をつけておかないと次の作品に進めないので、ま、適当にレビューすることにしましょうね。で、あまりにも間隔が空きすぎたので、これがいったいどのような映画であったのか?…ということをおさらいしておくとですね、 「また消えた」 というところまで話が進んでいたわけでありますが、つまりまあ、デイル・ターナーがまた消えちゃったわけでありますな。この後、どのような展開が待ち受けているのか、乞う御期待!


  「 21 : 音楽は命と愛


  「音楽は命と愛」 ですか。今ひとつ語呂のよくないチャプター名でありますな。どうせなら、 「アントニオは猪木で福原は愛」 とかにしたほうがよかったんぢゃないか?…という気もするんですが、ま、これは別にスポーツ・ドキュメンタリー映画ではないので、そんなタイトルを付けてみたところで何がどうなるわけでもないんですけど。ぜんぜん関係ないやん!…と突っ込みを入れられて、それでおしまいですもんね。で、映画の内容のほうはというとですね、病院に強制入院させられたデイル・ターナーが医師と思しき人物に自分の意思を伝達しているところをフランシスが覗き見する。…というシーンなんですが、どうせなら看護婦さんのお着替え姿とかを覗き見すればいいのに、今ひとつよく了見のよくわからんキャラではあるんですよね、フランシスって。で、そのターナーの意思表明というのがですね、「いつも音楽の夢を見る。」…ということなんですけどね。ちなみに僕の場合、あまり音楽の夢を見るということはありませんな。文学の夢を見るということもなくて、あるとすればまあ、豆腐田楽の夢くらい?…って、いや、我ながらつまらない夢だとは思うんですけど。それはともかく、「音楽はおれの命だ。」…と力強く宣言するターナーの姿を見てフランシスは、このおっさん、やはりただのアル中親父ぢゃなかったんや!…という思いを強くする次第でありますが、あ、ここでいきなり医師と思しき先生はですね、「性生活は?」…なんていう、興味本位丸出しの質問を投げかけておりますな。ちなみにターナーの回答は、「あるとも。大好きだ。」…というものでありますが、相手はやはりあのバターカップなんすかね?ま、バター犬相手よりはマシ?…という気がしないでもないんですが、それにしてもねぇ。。。

  「 22 : おれのために泣くな


  「おれのために泣くな」 。かっこいい台詞ですなぁ。僕も一生のうちに一度くらいは言ってみたいものですよね。砂漠で哺乳動物を捕まえて、「おれのためにラクダ。」…とか。いや、意味わかんないんですけど。で、強制入院ですっかり真人間に更正したかと思われたデイル・ターナーでありましたが、戻ってみれば相変わらずの堕落的な生活でありまして、ちなみに、「堕落堕落堕落堕落…」と、ずっと言い続けていると、「だらくだらくだらくだらくだらくだらくだ…」と、いつの間にやらラクダになっていたりしますので、暇な人は一度試して見てくださいね。が、昨夜はすっかり酔っ払っていた筈のターナーが翌朝になるとすっかり真人間になっていて、まだ寝ているフランシスのために朝食を用意したりするんだから、何だかよくわかりませんなぁ。とにかくまあ、ターナーは、「二度と、おれのために泣くな」…という台詞を残して、「酒を断つ。」…などという、出来もしない約束をするのでありました。ま、どうせそんな約束は夜になったらすっかり忘れ去られて、「おれはサケを絶つ。はやめて、にするよぉ!」…といった、つまらんオチになることはまず間違いないんですけど。

  「 23 : Tivoli


 ピアノを弾くターナー、絵を書くフランシス。そんなシーンから始まります。そういえばフランシスというのはデザイナーだったんですな。デザイナーというのはウインナーとは違うので、ソーセージを食べたりするのではなくて、絵を書くのがお仕事なんですよね。そして基本的にこのチャプターは演奏シーンがメインとなっております。 「チボリ」 というのは恐らく曲名なんだと思いますが、おお、ここでのターナーは珍しくソプラノを吹いておりますな。ソプラノを吹くデクスター・ゴードンというのは、ほらを吹く “ほら吹き男爵” と同じくらい珍しいことなので、貴重なシーンであると言えましょう。いや、“ほら吹き男爵” のほうはさほど珍しくもない気がしないでもないんですが、男爵というのは晩酌をしながら癇癪を起こしたりするので、やや扱いにくいキャラではあるんですけどね。で、一方、デクスター演じるところのデイル・ターナーの演奏はですね、悪くないですな。ジャズ倶楽部 「ブルーノート」 の客席にはフランシスと娘のベランジェールの姿もあって、サービスシーンが極めて少ないこの映画にあって、このベラちゃんが登場する場面は洋ロリ好きの人にとっては要チェックでありましょう。いや、別にドラえもんに登場するしずかちゃんのように、入浴シーンがあるというわけではないんですけど。


  「 24 : 作品の評価


 えー、ここでいう “作品” というのはフランシスのデザインのことですかね?最初の人には貶され、が、次の人には褒められて、 “評価” としては1勝1敗ということになろうかと思いますが、「煙草を買いに行く」…と、ターナーがフランシスからお金をせびったところで、このチャプターはおしまい。何でもいいけどこの “チャプター” という言葉、ちょっぴり “ちゃぶ台” に似てますよね。

  「 25 : 変化があらわれた


 そうですかー。変化があらわれましたかー。どのように変化があらわれたのかと言うとですね、ターナーが真人間への道を歩み始めた。…ということなんですが、煙草を買いに行くとか言って、どっせ、酒を買うつもりやろ。…と思ってフランシスが後をつけたところ、ターナーってばカフェでオレンジジュースを飲んだりしてるんですよね。わざわざ後をつけたフランシスにしてみれば拍子抜けもいいところでありますが、疑ったりして悪かった!…と、改悛の意に駆られて、思わず児童買春とかに走っちゃったんではないですかね?けしからんぞ、フランシス!…って、勝手な想像でフランシスを犯罪に走らせたりしてはいけないんですけどね。 で、このチャプターは先ほどの演奏シーンの挿入があったり、バターカップがムカっとしたり、ターナーが直接ギャラを受け取れるようになったり、フランシスやベラちゃんと一緒に食事を取ったり、あまり趣味がいいとは言えない浴衣姿でベッドの上に寝転がっていたりして、なかなか長いものがあるんですが、長芋というのは長いものであるなぁ。…という気がしますよね。いや、個人的に長芋というのはあまり好きではないので、どうでもいい話なんですけど。ベッドから起き上がったシーンは何だか下半身丸出しだしー。いや、ちゃんとパンツは履いていると思うんですけど。で、起き上がって、「なぜた」…と、苦悩の表情を浮かべるターナーでありますが、その言葉の持つ意味はこの時点ではまだ分かりません。


  「 26 : How Long Has This Been Going on? (T)


 いきなりターナーの元に、ややワケあり風の美形ギャルがやってきて、「ノッポさん」…と呼びかけるシーンから始まります。デクスター・ゴードンの愛称は “ロングトール” なので、おそらくそれを直訳したものなんだと思いますが、 「ノッポさん」 は無いやろ?…という気がしますよね。 『できるかな』 やないんやしぃ。 で、この突然登場した美形ギャルは一体何者なのかというと、どうやら素性としてはジャズ・シンガーのようでありますな。好きな調味料は酢醤油らしい。…ということも判明しておりますが、ということでこのチャプターはギャル系ボーカル入りのセッションの場面…ということになっております。この新キャラの登場は物語の進行上、さして重要な意味があるようには思えんのですが、ここら辺でちょっと “お色気” を。…という魂胆なんでしょうな。どうせならステージの上で歌うだけではなくて、 “花電車” くらいの芸は披露して欲しかったところでありますが、ところでこのボーカリストは一体、誰をモデルにしているんでしょうね?髪に白いクチナシの花を飾っているところを見ると、恐らくビリー・ホリデイなのではないか?…という気がするわけなんですが、そういえばこの映画にはレスター・ヤングのエピソードも加味されているんでしたっけ? いずれにせよ、How Long Has This Been Going on、心に染みる歌ではありますなぁ。


  「 27 : あなたっていい友達


 ここはアレです。ターナーとギャル系シンガーとの “ご休憩シーン” であります。 “ご休憩” と言ってもファッションホテルで言うところの “ご休憩” とは違って、純粋に一緒に食事をするだけの話なんですが、あくまでもこの2人は “いい友達” の間柄ですからね。 とまあそれはともかくとして、ここで聞かれる 「カウント・ベイシーと演奏したかった」 …というターナーの台詞はけっこう有名ですよね。これはおそらく、役柄を離れたデクスター・ゴードンとしての本音なんだろう。…というので、人間ドキュメンタリー的な意味を持っているわけでありますが、ま、そんなことはジャズ・ファン以外の人にとっては、まったくもってどうでもいい話なんですけど。


  「 28 : How Long Has This Been Going on? (U)


 そして演奏シーンの続編であります。

  「 29 : ハウスパーティ 〜Put It Right Here〜


 で、続いては “ハウスパーティ” の場面でありますな。ハウスパーティというのは自宅でハウスのカレーなんかを作って楽しむパーティのことではないかと思われますが、これがもし、 “ハヤシパーティ” だったりしたら、カレーの代わりにハヤシライスを作ることになるんですけどね。フランシスの自宅にたくさんのミュージシャンを招いて大パーティを行なう…って、いや、とても貧乏デザイナーがやることとは思えないような贅沢ぶりでありますな。お客にはあのサミー・デイビスJr.の顔まで見えますもんね。バターカップはいるし、ボビー・ハッチャーソンだっているし、あの知的でクールなハービー・ハンコックに至っては頭にネクタイ(?)を巻きつけたりして、もう完全に酔っ払いのオッサン状態ですもんね。で、何だかとってもつまらなさそうなアメリカン・ジョークで一同、大爆笑してたりして、いや、いずれの国でも酔っ払いの生態というのは似たようなものなんですなぁ。。。 そしてこのチャプターでは貴重なバターカップ嬢のボーカルまで披露されております。いやあ、さすがは図体のバカでかい黒人のオバハンだけあって、迫力満点っ!…でありますなぁ。陽気なアメリカ人というのは、こういう人達のことを言うのかぁ!…と、まざまざと思い知らされたような気がします。


  「 30 : こっちのほうが楽しい 〜Chan's Song〜


 場面は一転して、美しい海岸の風景であります。はしゃいで砂浜をかけるベランジェール。そしてターナーとフランシスはビーチに座り込んで、何やら難しい人生観をたたかわせておりますな。そしてベラちゃんが拾った玩具の電話機で、 “長距離電話ごっこ” に興じる3人でありましたが、「こっちのほうが楽しい」…というターナーの台詞は、もうアメリカに戻る気はないという彼の気持ちを暗示しているのでありましょうか? ちなみにこのチャプターには “Chan's Song” という副題が付いておりますが、そのような曲が演奏されるシーンはありません。いや、バックに流れている地味な曲があるいはそうなのかも知れませんけど。 で、 “チャン” というのはですね、 「子連れ狼」 の大五郎の台詞ではなくて、ベランジェールのことではないかと思うんですが、詳しいことはよくはわかりません。


  「 31 : レコーディング・スタジオ


 レコーディング・スタジオの場面であります。何だかすっかり “とっつぁん坊や” 風になってしまったトニー・ウイリアムスの姿も見えます。盆栽好きのロン・カーターも出席してますね。ベーシストがもう一人いて、なんとも変則的な編成でありますが、練習曲は 「ラウンド・ミッドナイト」 でありますか。ま、映画のタイトルにもなっているくらいなので、この曲が演奏されたとしても何ら不思議ではないんですけどね。で、本職はデザイナーだった筈のフランシスもいつの間にやらすっかりターナーのマネージャーみたいな立場になって、ミキシングルームに詰めたりしております。で、そこに登場したギャルはですね、これはえーと、確か別れたフランシスの元妻ではなかったか?…と思われるわけなんですが、借りていた借金の一部を返済したりして、フランシス君もなかなか律儀な性格ではありますなぁ。一方、元妻のほうはというと、勝手にレコーディング・スタジオに入り込んでデイル・ターナーにギロっと睨まれたりして、やや無神経なキャラであるように見受けられます。

  「 32 : 'Round Midnight


 でもって、 「ラウンド・ミッドナイト」 の本番でありますな。デイル・ターナー達の演奏を、「いいだろう?」…と聞かれても、さっぱり理解できない元妻はだまってスタジオを後にするわけでありますが、演奏シーンが突然モノクロになったりするあたり、映像的にはなかなか渋い演出であると言えますね。音楽的な点で言うと、ウエイン・ショーターがソプラノで参加しているところに興味をソソられるわけでありますが、えーと、このチャプターはここで終わりでありますか。

  「 33 : 誕生日の願い事


 ベランジェールの誕生日、フランシス君の実家を訪ねる約3名でありますが、お誕生日のご馳走はアヒル料理でありますかぁ。可愛いアヒルちゃんを料理して食べちゃうとは、西洋人というのははどうも野蛮でいけませんな。ま、鴨料理というのも実態的には似たようなものなので、あまり他民族のことを言えた義理ではないんですけどね。 で、バースディケーキに蝋燭をともし、願い事をして蝋燭を吹き消す…という儀式が行なわれるわけなんですが、ベラちゃんの願い事は何なのかというと、それはヒ・ミ・ツ…でありまして。ちなみに蝋燭の本数を数えるとちょうど10本でありましたので、ベラちゃんは10歳ということなんでしょうか? そしてデイル・ターナーのために切り分けたケーキの上に乗った蝋燭に火をともし、 「何か願い事を」 …ということになるんですが、僕だったらそうですなぁ、若いギャルと仲良くなりたいとか、そういうことをお願いするところなんですけどね。そしてターナーのお願い事というのは? 無論、ヒ・ミ・ツ…でありまして。

  「 34 : マンハッタン/R.W.グッドリー



 楽しかったお誕生日会でありましたが、皮肉なことにこのパーティがフランシスとデイル・ターナーの間に微妙な影を落とすことになってしまいます。急に 「国へ帰る時が来たようだ」 …などと言い出して、ターナーってば、幸せそうな家族の団欒を目の当たりにして、急に里心がついちゃったようなんですよね。驚くフランシスでありましたが、ターナーの決意は固いようで、彼を翻意させるのはもう、本屋の親父でも連れてこない限りは無理なのではなかろうかと。なら、本屋の親父を連れてこればエエやん!…という気がしないでもないんですが、彼には懇意にしている本屋の親父が一人もいなかったことが悲劇でありましたな。懇意にしているコインランドリーの経営者なら2人ほどいたようなんですが、ターナーを翻意させるには本屋でなければならなかったんですよね。 ということで、あっさりとアメリカに帰ってしまったターナーでありますが、いや、フランシスと別れてしまったわけではなくて、彼もまた一緒にニューヨークまで着いてきたみたいなんですけどね。おい、ベランジェールはどうした?…と思わずにはいられないんですが、ま、実家のばあちゃんに預けてきたんでしょうな、おそらく。ま、いずれにせよ娘を差し置いてまでデイル・ターナーに尽くそうとするフランシスという男は、真のサムライなのか、あるいはただの酔狂なのか。。。

  「 35 : “毎ヨタ”


  “毎ヨタ” というのは何かと思ったら、毎度おなじみのヨタ文句…なんだそうでありまして。とにかくまあ、ニューヨークでマネージャー業務を請け負っているらしいヒゲのおっさんはですね、ベラベラベラベラと調子のいいことばかりを並べ立てるんですよね。こういうオッサンはまったく信用がおけないに違いなく、どうせマネージャーを頼むなら現役高校生の女子マネがいいなと思う次第でありますが、僕の今度の誕生日のお願いはですね、現役高校生の女子マネと仲良くなりたい♪…というのにしようかと思います。叶うといいナ♪

  「 36 : 父娘の再会 〜Society Red / Chan's Song〜


 このチャプターはクラブでの演奏シーンで始まります。演目はですね、デクスターのオリジナル、 「ソサエティ・レッド」 でありますな。パリにいた筈の“とっつぁん坊や”@トニー・ウイリアムスと、盆栽好き@ロン・カーターが何故だかニューヨークのクラブにも顔を出しておりまして、で、トランペットを吹いているのはフレディ・ハバードでありますかぁ。実際問題、デックスとハバードの2人は 『ドゥーイン・オールライト』 というアルバムで共演して、この曲を演奏しているという経緯(いきさつ)がありますので、人選的には実に適切であると言えるわけでありますが、それにしてもトニーとロンはいつの間にパリから帰ってきたんですかね? ま、デイル・ターナーもこうしてニューヨークに戻って来ているわけなので、時間的に無理があるというわけではないんですが、あ、ここでいきなり、デイルの娘らしいチャンというキャラが登場してまいりました。僕はてっきり 「父娘の再会」 というタイトルから、フランシスがフランスに帰っちゃうという展開になるものだとばかり思っていたんですが、 “父娘” というのはデイルとその娘のことだったんですね。で、 “チャン” というのもベランシェールのことではなくて、 “チャン” という名前のちゃんとしたキャラであるということが判明した次第でありますが、デイルにこんな娘がいたという話は初耳でありますな。そういうことはちゃんと最初に説明しとけよ!…と思わずにはいられませんが、ま、そのことを隠していたことで、別に僕が何か損害を被ったというわけでもないので、別にいいんですけどね。いずれにせよ、これでターナーがニューヨークに帰りたがっていた理由が判明した次第でありますが、それはそうと、ここに出て来る 「チャンか?」 という台詞は、ちょっぴり 「演歌チャンチャカチャン」 に似ておりますなぁ。 とまあそんなことで、続いての曲はデイルが娘に捧げた 「チャンの歌」 でありますか。ピアノを弾いているおっさんはシダー・ウォルトンではないかと思われますが、いずれにせよ、なかなか胸にジンとくるシーンではありますな。ハバードの吹くフリューゲルもなかなかいい味を出しております。



  「 37 : デイルに伝えな


 デイル父娘のお食事シーンでありますな。親子水入らずで、入る隙間のないフランシスでありますが、そこに登場する怪しげな黒人のおっさん。何かこれから先、よくないことが起こるような予感がしてしまいますが、ま、これといった事件も起こらないまま、この黒人のおっさんは消えてしまうんですけどね。で、再びここで演奏シーンが挿入されるわけでありますが、チャプターには曲名が書かれておりませんな。これ、何と言う曲でしたっけ?モンクの曲で、えーと・・・、思い出せませんな。 「リズマニング」 でしたっけね? で、何を一体、デイルに伝えな…と言っているのかというとですね、“ブツならいつでも”というメッセージでありまして、あ、コイツは先ほどの怪しげなおっさんではありませんか。いや、黒人の顔というのはよく似ているので確信は出来ないんですが、話の流れからして恐らく同一人物なのではなかろうかと。そしてやはり、何かよくないことが起こるような予感がしてしまいますね。“ブツならいつでも”というのはどういうことでありましょうか? もしかしてコイツ、ホルモン焼き屋?…って、それは “ブツ” ではなくて、 “モツ” ですね。


  「 38 : この世には親切が少ない


 娘のチャンが「他人みたいだ」…と、寂しげに語るデイル。ま、そりゃそうでしょう。娘を放置して、勝手にパリに行っていたわけですからね。チャンとしても、ま、お土産に 「白い恋人」 でも買ってきてくれたら、許してあげてもいいかな?…と思っていたんでしょうが、それもなかったですしね。「ベランジェールと他人になるなよ」…というデイルの言葉で、おそらくフランシスもフランスに帰っちゃうんぢゃないかと思うんですが、そしてここで忘れかけていた台詞が登場します。 「ハーシャルが死んだ部屋かい?」 この映画の冒頭に登場したシーンですよね。ここに来て物語は1本の輪(リング)としてつながったわけでありますが、そしてフランシスはデイルと一緒にパリに戻る決意をします。「この世には親切が、少ない」…という言葉を残し、デイルもこの街を離れる決意をしたかのように見えたんですが・・・。



  「 39 : 電報


 約束の時間になっても空港にデイルは姿を現さず、ひとり帰路につくフランシス。フランスに戻った彼の元に届いたのは一通の電報でありましたが、その中身はまあ、言わずもがなでありましょう。黙って娘のベランジェールを抱きしめるフランシス。何も知らずに学校に向かおうとするベランジェール。いかん、瞼がウルウルしてきちゃいました。 で、最後の…

  「 40 : 追悼


 …で、ハービー・ハンコックが率いるビッグバンドが 「チャンの歌」 を演奏するくだりは正直なところ余計なんぢゃないか?…という気がしないでもないんですが、ま、音楽監督として最後にどどーんと派手なことをやりたかった気持ちはワカランでもないんですけどね。ショーターの吹くソプラノはそれなりにいい味を出していると思うんですが、個人的にはフランシスがベランジェールを抱きしめた時点で “エンド・クレジット” を出して欲しかったような気もしますなぁ。…と思ったら、さすがに映画の最後をコンサートの模様で締めるようなアホな真似はしておりませんでした。追悼演奏はいつの間にやらデイル・ターナー本人のものへとすり替わり、そしてフランシスが8ミリフィルムで撮りためたデイルの姿を映し出すいう形で、回想シーンが流されます。回想シーンというはアレですよね。昆布やらワカメやらがいっぱい出てくる場面のことですよね。…って、それは “回想シーン” やなくて、 “海草シーン” やがな!

 ということで、この話はおしまい。

( おしまい♪ )


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