さて、今回は今のシーズンにぴったりの映画を紹介したいと思います。『私をスキーに連れてって』。…って、んなこと言われても、どこのスキー場もやってねーって!…と思わずにはいられませんが、ま、日本が駄目でも、どこか海外に行くという手はありますけどね。ハワイとかグアムとか。…って、余計にアカンやん!
で、僕がこのDVDを買おうと思ったきっかけは単純明快。“スキーもの”の映像メディアが1枚欲しかったからなんですが、いや、“好き者DVD”なら何枚か持ってるんですけどね。岩崎美穂とか。僕はこの娘(こ)が出演している「ないしょ話」という裏本に大いに感銘を覚え、すけべDVDの購入に踏み切った次第なんですが、いや、動いて喋っているのを目にすると、意外にオトナっぽいキャラでありましたな。これならあの悲劇のすけべ女優、桃井望のほうがよっぽどロリっぽいですね。ちょっとトロそうではありますが、性格はよさそうだった望ちゃんが、何故あのような無残な最期を迎えなくてはならなかったのか、今後の調査が待たれるわけでありますが、ということで“スキーもの”です。僕が求めていた“スキーもの”というのは、例えば「白馬・志賀徹底攻略ガイド」みたいな実用的な映像版スキー場ガイドのようなものだったんですが、意外とそういうのって無いんですよね。じゃ、「鈴木常雄プロの実践スキーテクニック」みたいなハウツー物でもいいや。…と思ったんですが、僕が調べた限りではDVDではスノーボード系のものが2つほどあるだけで、これも該当なしという寂しい状況でありまして。あ、ちなみに鈴木常雄プロというのは今から20年ほど前に桑名のニチウボウルでコーチをしていたらしいプロ・ボウラーでありまして、だからもし そういうDVDがあったとしても、「僕、ボウリング選手だから、スキーはぜんぜん得意じゃないしー。」とか言って、ぜんぜん実用的ではないような気がするんですが、で、“スキー”をキーワードにソフト検索をした時に引っ掛かってきたのが、この『私をスキーに連れてって』でありまして。なるほど、そういう手があったかぁ。…といった感じですね。
ちなみに僕はこの映画に関する大まかなアウトラインは存じております。“ユーミンの歌をバックに、焼額山にスキーにいく話”というのがソレです。この映画が流行ったのは、僕が高校生の頃でしたかね?シリーズの第2弾として、“サザンの歌をバックに、海に泳ぎにいく話”というコンセプトの『彼女が水着に着替えたら』というのもあったんですが、『私をスキーに連れてって』のほうがインパクトがあったな。…と誰かが海星高校の教室で言っていたのを、僕は今でも鮮明に記憶しております。が、当時の僕はスキーには何の興味も持っていない、ただの通りすがりの男子高校生だったので、この映画は見たことがなかったんですよね。というか、僕はこのトシ(編集部注:今年で35歳)になるまで、一度も映画館に行ったことがありません。映画を見ると不良になる。そう信じて今までの人生を送ってきたわけでありますが、いや、桑名にもちゃんと映画館はあったんですけどね。駅のハズレのあたりに“キネマ”と“キネマ2”というのがありました。2階建の建物で、1階が“キネマ”で、2階が“キネマ2”だったのではなかろうかと。で、“キネマ2”ではもっぱらすけべ映画を上映しておりましたな。で、文房具店などのレジの横にはキネマの割引券が山のように積まれているのが常でありました。
で、あれは僕が小学生の頃でありましたが、クラスでクリスマス会というのがあったんですけどね。で、クリスマスのメインイベントといえば、ベイエリアのホテルでリッチなすけべ…ではなくて、当時は“プレゼント交換”というのがその座を占めていたんですが、各自が家からプレゼントを持ってきて、それをごちゃまぜにしてみんなに配分するわけですな。配分方法はおそらく“くじ引き”ではなかったかと思うんですが、中には自分で持って来たプレゼントが当たるヤツとかもいたりして、なかなか悲喜こもごもなイベントではありましたな。で、ある年、そんなクリスマス・プレゼントの中にあったんですよね、“キネマの割引券200枚せっと♪。当たった(ハズれた?)ヤツは半泣き状態でしたな。これはいくら何でも問題である。…というので協議の場が設けられたんですが、ついぞやこのプレゼントの提供者が名乗り出ることはありませんでした。いや、家が文房具屋をしているタカシくん(仮名)が怪しい。…というのは、みんな薄々とは感じていたんですけどね。ちなみにその年、もっとも注目を集めたプレゼントは“石取祭の山車の模型”でありまして、木製オール手作りの、かなり手の込んだものでありました。提供者はおそらく、親が大工をやっている大竜くん(仮名)ではないかと思われますが、いや、これはマジで「欲しいっ!」と思ってしまいましたもんね。桑名に生を受けたものでなければわからないと思いますが、“石取祭の山車の模型”というのは誰もが一家に一台は欲しいと願う究極のレア・アイテムですからね。結局、僕の必死の祈りも空しく“石取の山車”は取り逃がしてしまいましたが、その頃からですなぁ、僕が無神論者になったのは。ちなみにその時、僕が出品したのは“手作りのメモ帳”でありました。いや、おかんが「手作りのもんのほうが、心がこもっとってエエでぇ。」と言うのでその忠告に従ったんですが、裏が白いチラシをハサミで切って、上のところをホッチキスでとめれば、はい、出来上がり。いや、今から思えば、当たった(ハズれた?)人は、「こんなん、キネマの割引券とほどんと変わりあらへんやん!」と思ったに違いありません。
とまあそういうわけで、映画と言えば高校の視聴覚教室で見た「イエス・キリストの復活」と「未成年の性」の2本立て、もしくは、やはり高校生の時に学校行事として市民会館で見た“原爆映画”と“寅さん映画”の2本立てくらいなんですが、ということで、では『私をスキーに連れてって』、いってみましょう。
クリスマス・イブ、志賀高原のゲレンデで出会い、バレンタイン・デイの万座で愛を確かめあう…。
うわー、ベタな設定ですねー。書き写してるだけで嫌になっちゃいますねー。で、DVDのパッケージに書かれた粗筋を読んで見ると、
26歳の矢野文男は商社勤めのサラリーマン。仕事はイマイチだが、スキーの腕前はバツグン。そんな彼がスキー場で出会ったOL、池上優に一目惚れ。しかしオクテの彼は、想いを打ち明けられない。折しも、会社で開発したスキーウェアの発表会が、バレンタイン・デイに万座で開かれることに。この日、文男は優のために志賀のスキーツアーに出かけていたが、社内の陰謀によりウェアが万座に届いていないことが判明。頼みの綱は、文男と仲間たちが身につけていた6着のウェアのみ。志賀から万座へ、文男たちはスキーで難所越えに望む…。
なるほど、“よしもと新喜劇”によくある展開ですな。しかし何ですな。主人公の名前が“文男”というのはlどうかと思いますね。何だかちっとも“スキーの腕前はバツグン”といった感じがしませんもんね。どうせなら、“まさお”とか“まさお”とか…って、大して変わり映えしないような気もしますが、ではさっそく本題に入ることに致しましょう。
で、トランクにブーツ(←黄色で趣味悪い)とカバンとストックを積み込み、キャリーに板を乗せたところで、「私をスキーに連れてって」というタイトルが出てまいります。いや、文男クンはこの時点では、ひとりでスキーに行くみたいなんですけどね。で、車に乗り込みエンジンをかけ、カーステレオにカセットテープをセットすると、流れてくるのがユーミンの「サーフ天国、スキー天国」…という仕掛けでありますな。ちなみに僕はこの歌のことはよく知らんのですが、恐らく“サーフ天国の部”はカットされているものと思われます。しかし、スキーに行く車の中でユーミンとは、文男クンもシケてますなぁ。普通、狩人の「あずさ2号」やろ?…と思わずにはいられません。で、一方、新宿の駅前(?)ではスキーバスに乗り込むヤングたちの姿が。原田知世の顔も見えますな。で、そのバスの横っ面には、しっかり“ジャングル大帝レオ”の顔が書いてあるところが笑えますな。西武・コクドの回しもの映画ですからね、こりゃ。で、文男クンの運転する車はあっと言う間に志賀高原のロッジまであと5キロの地点に到着します。いくら何でもこれは、ちょっと早すぎるんじゃないですかね?音楽はちょうど“スキー天国の部”が終わったくらいのタイミングですからね。文男クンの暴走ぶりには目を見張るものがありますが、既にロッジに到着しているらしいナントカというお兄さん(←名前わからん。調べる気にもならん。)と、無線機で交信したりしております。なるほど。この時代、まだ携帯電話というものは発達してなかったので、ヤングな若者たちはアマチュア無線で連絡を取り合っていたわけでありますな。当時としては最先端のギアだったんでしょう。
「わざわざ転んで損したぁ。」「滑りに来たの?転びに来たの?」「聞くだけ野暮。そもそもイブに女2人なんて泥沼よぉ。優ちゃんも急がないと、いいの取られちゃうかも。」「いいのねぇ。。。」という2人の会話を聞いて、僕は思わず、DVDの電源、切ったろかい!…という衝動を抑えることが出来なくなってまいりました。てめーら、スキーを何と心得ておるっ!だいたい僕は自慢ではありませんがスキー場で逆ナンされたような経験は皆無でありまして、世の中、そんな甘い話がそうそう転がってるわけはありません。いくら映画とはいえ、このような現実離れしたストーリーというのは、どうかと思いますね。だいたいサングラスがちっとも似合ってねーんだよ。…と有ちゃん(←僕の本名)は優ちゃんに言いたいですね。
で、そこに矢野クンが上のほうから颯爽と滑ってくるわけですね。いいの、登場!…といったところでしょうか。ま、確かにスキーはむちゃくちゃうまいですけどね。コケそうになって何とか立ち直るところなど、ワザなのか、それともたまたまコケなかっただけなのか判断が微妙なところでありますが、全体的には“めちゃウマ”であると認めざるを得ません。優ちゃんの表情だって思わずほころんでしまいます。対する有ちゃんのほうは、何だかウザい展開になってきたなぁ。…と、思わず表情も曇ってしまいますが、優ちゃんは右手でピストルの形を作ると、「ばーん!」と矢野クンを撃つマネをします。貴方のハート、きっと射貫いてみせるわ♪…ということなんすかね?撃たれて思わずコケる矢野クン。この「ばーん!」の仕草を、可愛いっ♪…とみるか、ウザいと取るかで、この映画に対する評価が180度変わってしまうわけでありますが、僕は無論、後者のほうでありまして。こんな女、嫌ですもんね。ま、サングラスをとった優ちゃんは確かに可愛いんですが、それとて有ちゃんの比ではありません。が、矢野クンは優ちゃんのほうに一目惚れでありますか。ま、矢野クンに惚れられたところで迷惑なだけの話なので、僕は別にどうでもいいんですけどね。で、矢野クンへのクリスマス・プレゼントらしいギャル(←そういえば、そういう設定でしたな。)と、矢野クンたち(←途中から友達が合流している)との会話もウザいの一言でありまして、いやこの映画、完膚なまでに失敗でしたなぁ。…という気配が濃厚になってまいりました。ディスクをイジェクトして、指紋をベタベタにつけて、コンパスの針で傷を付けまくってやるぅ!…とすら思ってしまいましたが、いや、イジェクトしたところでヤメておきましたけどね。ということで、このお話は次回に続きます。
( つづく♪ )