『 真夏の夜のジャズ (その1)』



 『真夏の夜のジャズ』です。いいですね。まず第一にタイトルがいいです。やっぱりジャズと言えば真夏の夜だよね。…と、心の底から納得がいきます。が、届いたDVDの原タイトルを見て、僕は愕然としましたね。あ、ちなみにこのDVDは“Amazon.co.jp”の通販で買いました。“はじめてのレビュー”に投稿して、抽選で3000えんのギフト券が当たったので、嬉しくなって買いました。何だか“思うツボ”ではないか?…という気がしないでもないんですが、とにかくまあ、『真夏の夜のジャズ』です。で、いったい何に愕然としたのかというと、この記録映画の原タイトルなんですが、英語では“JAZZ ON A SUMMER’S DAY”と言うんですね。直訳すると“夏の日のジャズ”。僕の英語力には若干の不安が付き纏うので念のため翻訳ソフトにかけてみたところ、“夏の日のジャズ”。おお、ぴったしカンカン(←死語?)ですな。僕の英語力に微塵の間違いもなかったことが明らかになりましたが、そうなんす。あ・ふぃっくる・そうなんす(←Byジャッキー・マクリーン)。原タイトルには“真夏”の“”の字も、“”の字も、どこにも入ってないんですよね。騙された。…という思いでいっぱいでありますが、ま、そんなことは別にどうでもいいんですけどね。で、僕はこの『真夏の夜のジャズ』という作品に関して、あまり多くのことを知りません。無知であります。昔のどっかのジャズ・フェスの様子を記録したもので、チコ・ハミルトン・クインテットの一員として参加したエリック・ドルフィーの姿が捉えられているらしい。…という程度のことしか知りません。生きたドルフィーの姿ですかぁ。“イカの姿フライ”の姿なら、コンビニのおつまみコーナーに行けばいつでも見れるんですが、ドルフィーの姿となると、これはアレですね。レアですよね。で、DVDが届いて、ようやくこの映画の全貌が見えてきたんですが、撮影されたのは1958年の7月3日から6日までの4日間なんですな。ま、確かに夏と言えば夏なんだけど、“真夏”と言い切るにはまだちょっと時期尚早かな?…といった感じでありまして、アメリカ人のスタッフが“midsummer”と言い切れなかったのは、そこのところに原因があるのかも知れません。日本だったら「梅雨ぢゃん。」といった時期ですよね。ただ、僕の家が火事で燃えた7月5日は真夏のように暑い日でありまして、日本人スタッフが思わず“真夏の…”と訳してしまったのもワカランでもないんですけどね。で、問題のジャズ・フェスというのは“ニューポート・ジャズ・フェスティバル”でありました。有名ですよね。少なくとも“旭ジャズまつり”よりはメジャーなんじゃないか?…という気がしますが、会場となったニューポートというのは港町なんだそうです。そうだったんですか。ちっとも知りませんでしたな。が、よく考えたら“ニューポート”という地名は日本語にすれば“新しい港”ですもんね。港町で当然なのかも知れません。おそらく富山の“新湊”みたいなところではないか?…と思われますが、いや、カニとかサカナなんかは美味そうでも、あまりジャズ的なイメージはありませんけどね。でもまあ、港町にはブルースがつきものなワケだし、やはりニューポートは“ジャズの街”と言えるのでありましょう。んなことでまあ、では早速、見てみることに致しましょう。


「 ジミー・ジュフリー・スリー 」

 港に停泊するたくさんの船。いかにも港町ニューポートらしい幕開けですね。バックに流れるのは森進一の「港町ブルース」…ではなくて、ジミー・ジュフリー・スリー「トレイン・アンド・ザ・リバー」でありますな。波に揺れる水面(みなも)をアップで撮影したりして、そのアブストラクトな映像とウエストコースト・ライクなジュフリー・スリーのアンサンブルとが見事にマッチして、実に心憎いばかりの演出ですな。で、そんなシーンをバックにして、ルイ・アームストロングを筆頭に、マヘリア・ジャクソン、その他もろもろのミュージシャンの名前が出てくるわけですが、その豪華な顔ぶれを見ただけで心がウキウキしちゃいますね。いやあ、出てくるのはドルフィーだけじゃなかったんですな。で、いったい誰が出てくるのかは今後のお楽しみなんですが、今後と言ってもコンゴ出身のムルアカ秘書は出てきませんけどね。で、登場人物の紹介が一通り終わったところで画面が切り替わって、ジミー・ジュフリー・スリーの演奏風景となります。僕はジャズに関しては極めて無知なのでよくわからんのですが、手前でテナーを吹いている白人のお兄さんがジュフリーなんすかね?その奥ではやはり白人らしきお兄さんがサングラス姿でバルブトロンボーンらしき楽器を吹いております。バルブトロンボーンを吹くお兄さんと言えば、ボブ・ブルックマイヤーくらいしか思い浮かばないんですが、果たしてこのお兄さんがそうなのか、無知な僕には窺い知ることは出来ません。もし間違っていたら末代までの恥さらしなので、ここでは仮に山田まさお(仮名)としておきますが、サウンド的にはテナーとトロンボーンにギターが絡み、いかにもウエストコースト・ジャズらしい洒脱なアンサンブルが展開されております。決してノリノリ風の演奏ではないんですが、体を小刻みに上下させながらテナーを吹く姿が何ともカッコいいですね。もし僕がホモだったら、惚れてますね、きっと。山田くん(仮名)も交えて、ホモ三昧に耽っちゃいますね。で、書くのを忘れておりましたが、演奏時間帯は昼間でありますな。アメリカ人スタッフが“真夏の夜の…”と書けなかった理由がここにあるわけですが、そんなことで演奏はおしまい。エンディングもビシっと決まっていて、さすがウエストコーストの連中というのは芸達者でありますな。もし僕がゲイだったら、惚れてますね、きっと。で、最後のところでメンバー紹介のアナウンスがありますが、僕の拙いヒアリング能力を駆使した限りでは、ジミー・ジュフリーボブ・ブルックマイヤージム・ホール…と言ってるように思われます。そういえばジム・ホールらしき姿がちらっと写っておりましたな。が、日本語版の字幕では、「ジミー・ジュフリー他の演奏でした。」としか出てこないのでありました。


「 セロニアス・モンク・トリオ 」

 ここでまた画面が切り替わります。この『真夏の夜のジャズ』というのはですね、弱冠28歳の新進気鋭のカメラマン、バート・スターンという人が始めて映画に取り組んだ作品なんだそうですが、20何人かのスタッフを引き連れてそこらじゅうを撮影してまわり、それをナントカという人が編集しまくって作ったものなんだそうです。その結果、様々なシーンが映画の断片のように登場することになるんですが、今度はジャズフェス会場の設営準備中っぽいシーンでありますな。バックでは何やらジャズらしき音楽が流れており、ミュージシャンらしき人々の姿も映し出されておりますが、それがいったい誰で、何という曲を演奏しているのか、ジャズに無知な僕には窺い知ることは出来ません。いい加減なレビューやな。…と思わずにはいられませんが、そんな僕にぴったりの情報サイトがありました。今ではすっかりジャズ・ライターとして有名になってしまったサダナリ先生のサイト『サダデラ』に、この映画に関する詳しい解説ページがありました。 ここ です。もう、僕の出る立場がまったくないほど充実した内容でありますが、なるほど、“デューク・エリントン楽団に在籍したことのあるベテラン達の特別編成オーケストラ、「エリントン卒業生バンド」のリハーサル風景”でありましたか。で、このシーンで僕が気になっていたのは、ピアノの前に座っているサングラス姿の白人の兄ちゃんなんですが、これってもしかしてジェリー・マリガンっすかね?…と思っていたら、やっぱりそうであったことが明らかになりました。おまけにベン・ウエブスターらしきおっさんまで写っているではありませんか。なんちゅう豪華なリハーサル風景や。…と思わずにはいられませんね。でもって、ここで場面は一転、海のシーンになります。いや現在、映画のシーンを回想しながら海草を食べつつ記憶だけを頼りにこの原稿を書いているので、細かい順番とかは間違っているかも知れませんが、すいません、僕は嘘をついてしまいました。確かに映画のシーンを回想してはおりますが、海草は食べておりませんでした。お詫びします。反省はしません。原稿を書いていく上ではよくあることです。で、場面は一転、海のシーンになります。“この映画はニューポートジャズ祭とアメリカズ・カップの記録である”というキャプションが出たりします。なるほど、ニューポートというのはアメリカズ・カップの開催地でもあったんですな。だからといって、何故、ここでヨットレース?…という気がしないでもないんですが、ま、ヒロシくんの立場に配慮した。…ということなのかも知れませんね。で、ヨットレースの模様と平行してだったか、前後してだったか知りませんが、ジャズフェスを訪れた人に対するインタビュー(声だけ)みたいなシーンも挿入されます。「どこからきたの?」「なんとかかんとか。(←筆者注:忘れた。)「わざわざ?」「ああ。」「ジャズが好きなの?」「ああ。」「誰が好き?」「ジェリー・マリガン。」といった会話がなされます。続いてギャル系らしき人へのインタビューなんですが、「君は?」「誰も。」「全然?どうして?」「ジャズは嫌いなのぉ♪」「じゃ、どうしてきたの?」「ひやかしよ(笑)」「ひやかしね(笑)」。うん、実に洒落た会話ですな。アメリカ人ならこうありたい。…と、強く思わしめるものがありますね。ま、関西人としては、最後は「ひやかしよ(笑)」「ああ、うまい棒とか、よっちゃんイカとか?」「そうそう、ココアシガレットとか…って、そりゃ、駄菓子やがな!」と、“ノリ突っ込み”で締めて欲しかったところでありますが、ま、ニューポートというのは関西ではありませんからね。

 で、このシーンと平行してだったか、前後してだったか知りませんが、クラシックなクルマに乗り合わせた楽隊がニューオリンズ風の演奏を繰り広げながら街を走るシーンもありましたな。この場面もいいですね。とってもアメリカンですよね。それとかぶさるように「交通量が多いので、交通事故にはじゅうぶん注意しましょう。」というナレーションが入るのは今ひとつ意味不明でありましたが、そしていよいよセロニアス・モンクの登場です。おお、ドルフィーだけじゃなくて、モンクも出るんですね。しかし、“旭ジャズまつり”で言うと、まだ“アマチュアの部”をやっていそうな時間帯にモンクなんかが出てもいいんですかね?よくモンク側から文句が出なかったものだ。…と思わずにはいられませんが、演奏するのはご存知、「ブルー・モンク」でございます。とっても独創性のあるミュージシャンで、ピアノの白腱と白腱との間に“クォータートーン”を追い求め…といった、とっても参考になる紹介アナウンスに続いて登場するのは、おお!紛うことなきモンクでありますな。本物ですかね?偽者とか、影武者じゃないですよね?よくみたらセロニアス・モンチだったとか。で、モンクの登場に先立ち、観客の様子を撮影したシーンがあったような気がするんですが、何だかみんな、妙に気だるそうなところがイイですね。「モンクかぁ。。。」といった感じでありまして、贅沢言うな!…と思わずにはいられませんが、ま、僕としてもモンクではあまり燃えるものを感じませんけどね。特に赤いカーディガンのようなものを羽織った、帽子を被ったギャルの姿が印象的ですね。ギャル…と呼ぶにはやや微妙な年頃ではありますが、美人です。わりと気の強そうな顔つきをしております。彼女の様子は何だかとってもつまらなさそうでありまして、そのアンニュイな風情が何だか気にかかります。僕のタイプではありませんが、カメラマンはけっこうお気に入りだったようで、かなり執拗に撮影されております。で、いよいよ「ブルー・モンク」が始まるわけでありますが、演奏シーンは途中で打ち切られ、後半はモンクの演奏に合わせてヨットレースの模様が実況中継されます。モンク好きの人にしてみれば、なんちゅう余計なことをしてくれたんや!…という感じでありますが、ヨット好きの人にとっては嬉しい配慮ですよね。で、この演奏で僕が気になったのは、このベーシスト、誰?…ということなんですが、この問題に関してはサダナリ先生明快な回答を示して下さることでしょう。・・・。ありませんでした。仕方がないから自分で調べましょう。いつまでも他人に頼っていては進歩というものがありません。・・・。わかりませんでした。ということでモンクの演奏はこれでおしまいなんですが、再び映された観客の様子が、演奏開始前とはうってかわってニコヤカなんですよね。例の“赤いギャル”も、思わずにっこり微笑んでおります。おそるべし、モンク・マジック!…ちなみにこの“赤いギャル”はパッケージの片隅にも登場しておりますので、興味のある人はお店で手にとってチェックしてください。


「 ソニー・スティット&サル・サルヴァドール 」

 続いてはソニー・スティットですかぁ。演奏しているのはシンプルに「ブルース」という曲なんですが、いやあ、この演奏はいいですね。これまでさほどスイングしない…というか、スイングすることを売り物としない面々による演奏が続いてんですが、ここでのスティットはスイングしております。観客だってウキウキしております。何たって、モンクの演奏でもニッコリ出来るようなノリのいい観客ですからね。ちなみにここでのスティットはテナーを吹いておりますが、いやあ、ジャケット写真で見るのとまったく同じ顔で吹いておりますな。これは間違いなく本物でしょう。よく見たらソニー・スティッチだった。…ということはないと思います。で、続いてはサルです。サル・サルヴァドールです。略して“サル・サル”です。サルではありますが、さほどサル顔ではありません。名は体をあらわす。…という諺はアメリカでは通用しないのか?…と思ってしまいますが、演奏のほうは期待度0%だったわりには良好でありますな。サダナリ先生は“スティットを喰っている”とまで言っておりますが、“このサルのギターには非常にタマゲタ”とも言っておられます。いいですねぇ、先生。文体がポップですね。で、映像はスティットのソロの途中から始まる形だったので気が付かなかったんですが、後テーマになってこの曲の正体がわかりました。「ザ・ブルース・ウォーク」だったんですな。ルー・ドナルドソンのほうではなくて、ブラウニー『スタディ・イン・ブラウン』で取り上げている、ノリノリのナンバーであります。ソニー・スティットのオリジナルなんですが、『スタディ・イン・ブラウン』では作曲者としてブラウニーの名前が書かれておりました。作曲者にブラウニーの名前をクレジットしたのは、間違いなくプロデューサー氏の仕業であろう。彼の性格ではそんなことが出来る筈はないからだ。…といったことが原文ライナーに書かれておりましたが、いやあ、信頼されておりますなぁ、ブラウニー。これがもし磯野カツオだったりしたら、問答無用で「お前がパクったんだろ!?」と波平に決め付けられるところですもんね。よくあんな調子で、カツオがグレずにいられるものですなぁ。…と思わずにはいられませんが、とまあそんなことで、スティット&サルは、おしまい。


「 アニタ・オデイ 」

 木枯らしに、ああ煮たおでん、恋しくて。(by さば) ということで、アニタ・オデイの登場です。“オデイ”→“おでん”の読み換えは基本中の基本ですよね。“汚泥”へ持っていくという手もありますが、そうるすと句に気品がなくなりますからね。俳句に大切なのは“ワビ”と“サビ”と“”。これであります。で、アニタでありますが、登場シーンが絶品ですね。ステージに上がる直前の姿を後方から“ストーカー視線”で撮影しているんですが、これが何とも言えずいい感じです。大きな帽子と黒い服、そして純白の手袋が眩しいです。いいですなぁ、白は。手袋は白に限りますよね。でも、白い手袋というのは泥とかウンコが付くとよく目立つぢゃん。…とマンポン技士の人とかは思うかも知れませんが、アニタ・オデイが汚泥関係の仕事をするとも思えないので、別に純白でもいいわけです。で、アニタは汚泥の掃除はしませんが、自分の靴についたゴミはちゃんと取っております。で、手に付いたゴミを自分の服でチョイチョイと拭いたりしております。レディとしての当然の身だしなみですよね。この“アニタのゴミ取りチョイチョイ♪”のシーンは、この映画における“10大見どころ”のひとつでありまして、ま、あとの9つはおいおい考えていきたいと思いますけが、あ、モンクのところの“赤いギャル”も是非とも入れておきたいですな。で、いよいよステージに登場したアニタ姉は「スウィート・ジョージア・ブラウン」を歌い始めるわけですが、どういうわけだかノリがあまりよくありません。「甘いジョージア茶色」という歌は、とにかく勢いだけで押し切らなければならんのですが、なんだか探り探り歌ってるような感じですね。…と思っていたらすーっとリズムが入って来て、アニタ姉は一気に爆発しました。満を持して…という表現はこういう時のために使うんだね。…といった感じでありまして、まんじりともせず僕は画面のアニタの姿に見入ってしまいましたね。…と、ここまで書いたところで週末になったので、家で改めて画像を見直してみようと思うんですが、えーと、“再生”と。軽快な音楽に続いて、「おーい!遅いよぉ。」という男の声が。続いて「ごめんなさーい♪」という可愛いギャルの声が聞けるんですが…って、あ、昨日の夜に鑑賞していた“すけべDVD”が入ったままになっておりました。いや、“ぎゃるまん!”という、たいへん爽やかな作品なんですが、いきなり“飛びっ子ぷれい♪”が出てきたのには驚きましたね。かなりメジャーな器具だったんですなぁ、“飛びっ子”。で、このまま鑑賞を続けると原稿の進捗に多大なる悪影響が生じると思いますので、断腸の思いで『真夏の夜のジャズ』に入れ替えてと。あ、僕の記憶違いの箇所とかがいくつかありましたので、ここで改めて内容を整理しておきましょう。

 えーと、まずは船のたくさん係留された港のシーンですな。続いてジミー・ジュフリー・スリーの演奏と、ここまではいいですね。で、その次が“この映画はニューポートジャズ祭とアメリカズ・カップの記録である”というテロップです。それに続いて「交通事故に注意しましょう。」という呼び掛けがあって、“エリントン卒業生バンド”のリハーサル風景がそれに続きます。で、観客へのインタビュー(音声のみ)のシーンですね。例の「ひやかしよ(笑)」というヤツです。受け答えの細かい部分が僕の記憶とは違っておりましたが、ま、細かいことはいいですね。で、クラシックな車に乗った楽隊がニューオリンズな音楽を演奏するシーンがあって、で、セロニアス・モンクです。彼の音楽的な姿勢に関するアナウンスで、僕の記憶と違っている部分もありましたが、ま、細かいことはいいですね。で、観客が「モンクかぁ。」と思って暇そうにしているシーンは、演奏前というよりも演奏が始まってからの感じですな。ま、相手がモンクでは気分が今ひとつソソられないのも仕方ないかな?…という気もするんですが、ちょっとここで例の“赤いギャル”のキャプチャでも載せておきますかね?果たして映画の1シーンを勝手に載せたりして、著作権上の問題はないのか?…というのがちょっと心配なんですが、“引用する必然性”のあるシーンだと思いますので、ま、ここはひとつ、大目に見ておいてくださいね。これです。

 うん、いかにもつまらなさそうな表情が印象的ですな。ま、所詮はモンクですからね。中にはモンクの姿を熱心にカメラで写そうとしている人や、頭にタオルを乗せたオシャレな黒人のお兄さん2人組なんかはわりと楽しそうに演奏に耳を傾けたりしておりますが、寝ている人もいますね。で、演奏の途中でヨットレースのシーンになって、最後はモンクの演奏に戻って、“赤いギャル”も思わずニッコリ。…ということになるわけですが、しかしなんですな。“ギャル”という言葉を使う度に、“ぎゃるまん♪”の続きが気になって仕方ありませんな。で、僕の記憶からは遊離しておりましたが、ここでチコ・ハミルトン・クインテットの練習風景のシーンが入ります。おお、ちらっとドルフィーの姿が!で、続いてはスティット&サルの演奏ですね。ここでも途中にヨット・レースのシーンが挿入されたりします。ヨットスクール校長のヒロシ君好きの人には見逃せない場面ですね。ま、ヒロシ君自身が登場するわけではないので、ヒロシ君好きの人が見たところでさほど面白くもないとは思いますけど。で、その次がアニタです。ようやく記憶に映像が追いつきつつある状況ですが、せっかくだから“ゴミ取りシーン♪”も写真で紹介しておきましょう。

 で、この後、アニタはステージに上がって「甘いジョージア茶色」を歌うわけです。で、この歌唱シーンもなかなかにイイ感じなんですが、続く「二人でお茶を」のほうが、もっとイイですね。僕がこの「ティー・フォー・トゥ」という曲を最初に聴いたのはバド・パウエル『ザ・ジニアス』のヴァージョンでありまして、以来、僕はこの歌が大嫌いになっちゃったんですが、この“アニタばーじょん”を目にすると、人生観が変わっちゃいますね。なんちゅう素晴らしい歌なんでしょうか。パウエルに負けず劣らずの超アップ・テンポで歌っているんですが、リズムのノリが天才的ですね。もう、“ザ・ジニアス”って感じぃ?で、観客だって思わずスイングしちゃいます。思わず首が上下に揺れちゃいます。パピィに抱かれたベイビーだって、思わず踊り出しちゃいます。(←このシーン、かなりイイです。)カップルだって、思わず接吻に走っちゃいます。(←このシーン、“旭ジャズまつり”のに指圧ペヤング相当するサービス・シーン)。で、アニタ姉の歌は後半の“スキャットと楽器との掛け合い”になって、最高潮の盛り上がりを見せますね。で、映像的には一瞬でありますが、若い美人マミィの授乳シーン(?)が見られます。僕は思わずDVDを1/32倍速にして見入ってしまいましたが、すぐに“踊るベイビー動画”に切り替わってしまいました。“チョコアイスを熱心に食べるギャル”のシーンもあります。バニラアイスにチョコレートをコーティングした棒状のヤツです。このギャルは確か、アニタがステージに上がった頃にはサンドイッチのようなものを食べておりましたし、中間部ではジュースを飲んだりしておりましたし、とにかくまあ、飲み食いがお盛んなギャルのようです。あ、また“ギャル”という言葉がたくさん登場しましたな。先程の“授乳シーン”の件もあって、僕はますます“ぎゃるまん♪”の続きが見たくてしょうがなくなってまいりましたが、もう少しの辛抱です。アニタの歌は佳境に入っております。ラストの「い〜いいっ、い〜い♪」(←Byアニタ)、「じゃんじゃらじゃんじゃん、じゃんじゃん♪」(←by楽器)という場面なんですが、ここらあたりの演出は実に心憎いばかりでありますな。右手をぱくぱくさせながら「い〜い♪」と歌って、そして楽器の音に耳を澄ますアニタの姿が実にキュートですね。ということで、アニタ姉のステージは、おしまい。


 で、ここでフェスティバルは“昼の部”と“夜の部”の間の休憩タイムになるんですかね。映像のほうは海に飛び込んだり、公園や遊園地で遊ぶ子供たちのシーンになります。小さな女の子の表情が実にいきいきしてますな。おおっ、上半身ハダカのギャルが走り回ったりしてるじゃないですか。ま、ギャルといっても推定年齢3ちゃいくらいなので、さほどソソられるものはありませんが、“真正洋ロリ系”には堪えられないかも知れませんね。僕は“和ロリ系@小学校高学年から中学生まで派”なので、1/32倍速にして見入るほどのことでもありませんけどね。で、後は家の中(?)や、屋根の上(?)で、ビールを飲んで踊りまくるヤングたちの姿が捉えられておりますが、これがまた実に生き生きと楽しそうでありまして。僕は日本人であることに誇りを持っている純国粋主義者なんですが、この時代のアメリカなら、生まれてもよかったかな?…と、ふと思ってしまいましたね。なんせ、ジャズ・フェスで“生アニタ”が見れるわけですもんね。ま、今の日本でも“ナマ亜土ちゃん”なら見れるわけでありますが、これを見ていたら、何だか無性に“旭ジャズまつり”に行きたくなってきちゃいました。で、映画のほうは上半身ハダカの男が薄暗い部屋でチェロの練習をしているシーンを挟んで、フェスティバルはいよいよ“夜の部”に突入します。

( つづく♪ )


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