第3話 「自分の心に正直に」


 正直。英語で言うと、オネスティ。大切なことです。ビリー・ジョエルも歌っていましたよね。オーネスティ、ふふふんふふーん♪…って、いや、歌詞はよく知らんのですが、きっと、正直というのはとても大切なものであるという事を切々と訴えかけている歌なんだと思います。ちなみに、僕が知っている中で最も正直な人物といえば、正直仏壇具店の店主をおいて他にはいないんですが、いや、桑名にあるんですけどね、そういう名前の仏壇屋。で、ここの店主がですね、正直なんですよね。いや、僕とは直接面識が無いのでめったな事は言えないんですが、自分の心に少しでもやましいものがあれば、とてもこんな名前を自分の仏壇屋に付けることは出来ないに違いないので、きっと正直な人なんだと僕は思うんですよね。 が、正直なところ、この正直仏壇具店はお世辞にも繁盛しているとは思えなくて、世の中、正直なだけで商売がうまくいくとも限らないんだね。…という、厳しい現実があるのも事実です。 “正直者が馬鹿を見る” なんて言葉もあるくらいですからね。

 かく言う僕はどうなのかというと、非常に正直なオトコであると自他共に認めております。いや、他人からはどう見られているか知りませんが、少なくとも自分ではそう思っております。これはですね、やはり小学校での教育の賜物ではないかと思うんですが、僕が通っていた桑名市立日進小学校の校歌の2番の歌詞はこういうものだったんですよね。

 勇敢事に当たりつつ、勤勉技を怠らず、人に対して親切に、規律守りて正直に〜♪

 いや、創立百年に及ぶ伝統を感じさせる重厚な校歌でありますな。もっとも、小学生が歌うにはあまりにも漢字が多すぎて、しかも内容が説教臭くてウザいので、児童の間では概ね不評だったんですけどね。「ここでいう “勇敢” というのは、新聞の朝刊・夕刊のことではありません。」…と、担任の先生がどうでもいい事を言っていたのと、 “勤勉技” のところをみんなで “検便技” と歌っていた事をふと思い出しましたが、おかげで検便をうまく採取する技術に関しては、他のどの学校の児童にも負けないだけの自負と誇りが身に付いたと僕は思っているんですけどね。

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 とまあそんなことで本題に入りますが、えーと、今回の4コマ漫画はですね、さばりんが主人公となっているんですな。前回のパーソネル紹介で、 “気のいいうわき者” と位置付けられていたキャラでありますな。ということは、ここに登場しているギャル猫が浮気相手ということになるわけですが、彼女の名前は明らかになっておりません。仕方がないので僕が名前を付けてみようと思うんですが、えーと、水産系のネーミングで統一するとして 、 “シャコ” というのはどうですかね? 心から好きだよー、シャコ、噛み締めたい♪…って、いや、噛み締めるとなかなかいい味が出ますからね、シャコという寿司ネタは。 ただ、シャコという愛称は “チャコ” と比べると、あまり一般的ではないのではないか?…という気がしないでもないんですが、でも大丈夫。調べてみたら、世の中にはちゃんと “シャコちゃん” という愛称で呼ばれているキャラが存在しておりまして、それはどういう物なのかと思ったら、遮光器土偶だったんですけどね。

 で、土偶ではなくて、ギャル猫のほうのシャコちゃんがですね、あたし、正直なオスが好き♪…てなことを申すわけでありますが、その正直の度合いを示す試金石がマイルス・デイビスの 『ビッチェズ・ブリュー』 でありますかー。シャコちゃんてば、なかなか鋭いところを突いて来ますよね。伊達に甲殻綱口脚目シャコ科シャコ属をやってるわけじゃねーな。…といった感じなんですが、いや、あまり関係のない話ではあるんですけど。 ちなみに僕はマイルスのアルバムに関してはかなりの枚数をコレクトしているんですが、歴史的名盤の誉れ高き 『ビッチェズ・ブリュー』 も、無論、所有しております。ただし、そのCDは自分でお金を出して買ったものではなく、かと言って近所のレコードで万引きしたわけでもなくて、ではどうして僕の手元にあるとかというと、他ならぬこの漫画の作者、なりゆきわかこ先生から頂戴したものだったりするんですけど。ま、詳しい経緯は ここ を見て貰うといいんですが、いや、古い原稿は容量の関係で無料サーバーに置いてあるので、非常に見辛くて恐縮なんすけど。かなり前に書いたものなので文体にも若さが感じられ、自分で読み返してみて思わず赤面してしまいましたが、とにかくまあ、ある日、先生のおうちの郵便受けに 『ビッチェズ・ブリュー』 のCDが投げ込まれていた…と。これはもう、ネズミの死体とか、猫のウンコとかを投げ込まれるのに匹敵するほどの嫌がらせとしか思えないんですが、自分の心に正直なワカコ先生は、 「ううーん。つまんない・・。」 という感想を述べておられますし、それを譲り受けた僕のほうとしても、まったく同じ意見でありますな、こりゃ。

 が、猫のさばりんは駄目ですね。自分の心に正直になりきれず、未だに “歴史的名盤” という世間の評価に捉われております。 『ビッチェズ・ブリュー』 の否定 = ジャズが分からないヤツ…というレッテルを貼られることを極度に恐れているのでありましょう。 かといって、ビッチェズ・ブリュー?あんなの全然、つまんないよ。…と言い切るのも、それはそれで何だか嫌味な態度のようにも思えるし、 「うああぁぁ…」 という、さばりんの懊悩には身につまされるものがありますな。ジャズファンの心理をうまく突いた作品であると言えますが、それにしてもシャコちゃんの態度はクールでありますな。その場にそのまま放置ですかい? あまりにも非道な仕打ちであると言わざるを得ませんが、顔は可愛いけど、性格はめっちゃキツイOLさん。そういうタイプなのかも知れませんね。ま、その割には何とも可愛らしいオサカナ模様のポーチを手にぶら下げたりしているんですが、気の強い女が見せるそんな子供っぽい一面が、僕は結構好きだったりもします。 それはそうと第1話のマスターと同様、ネクタイ姿のさばりんは、ちゃんとパンツを穿いているのか?…という点がちょっと気になったんですが、ま、猫の世界ではノーパンというのがノーマルなのかも知れませんけど。 で、正直に告白すれば、シャコちゃんのスカートもめくってみたいな♪…と思ったりもしたんですが、そんなことでまあ、今日のお話はおしまい。


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