<とれっきんぐ編> 栂池自然園

( ※ このページで使用している図やグラフは Germin社 “Geko301” のデータを元に カシミール で作成したものです。 )

コースマップ(前半部分)♪ コースマップ(後半部分)♪

【所 在 地】 長野県・北安曇郡小谷村
 
【走 行 日】 平成18年 8月 4日(金)

【距離・時間】 約7.2km・3時間30分 (すべて徒歩)

【出発地・経由地】 (往復コース)

(前半部分)

区 分    場     所   緯 度   経 度 標高
出発地 栂池ビジターセンター 36°46′28 137°49′04 1853m
経由1 ミズバショウ湿原 36°46′27 137°48′57 1857m
経由2 風  穴 36°46′20 137°48′55 1866m
経由3 楠  川 36°46′18 137°48′38 1850m

(後半部分)

区 分   場    所   緯 度   経 度 標高
経由4 浮島湿原 36°46′10 137°48′20 1909m
経由5 モウセン池 36°46′05 137°48′04 1973m
経由6 展望湿原 36°46′04 137°47′57 2005m

【ガ イ ド】

 “けったでGO!” という名前のコーナーでありますが、今回、けったは登場しません。すべて徒歩です。 国破れて山河在り、城春にして草木深し。…と、杜甫の漢詩を口ずさみながら徒歩で高原を散策した次第でありますが、新たに “歩いてGO!” というコーナーを立ち上げるのも面倒な話なので、“けったでGO!(とっれっきんぐ編)” という形でお届けしたいと思います。そのうちに “ぼーりんぐ編” とか “かーりんぐ編” とか “まいっちんぐ編” とか、いろいろなコーナーが派生する恐れはあるんですが、とりあえず今回は “栂池自然園” というところに行ってきましたー。 栂池には何度かスキーで訪れたことがあり、鐘の鳴る丘ゲレンデで一人で鐘を鳴らしたりして楽しい時間を過ごしたものでありますが、夏に行っても大変に素晴らしい所らしい。…という噂をちょっぴり小耳に挟んだんですよね。 何でも、スキーの時に利用するゴンドラの終点から、更に上のほうまで登っていくロープウェイがあるんだそうで、そいつを利用すれば誰でも簡単にアルプスの少女ハイジの気分が味わえちゃうという、いや、何とも素敵な話ではありませんか。とまあそんなことで、行ってまいりましたー。

栂池自然園入口より♪

 ロープウェイを降りてちょっぴり歩くと、山小屋だとか “S/G(栂池ビジターセンター)” なんかがあったりするので、ここがトレッキングの出発/到着地に設定しましょう。その地点からは天気さえよければ、このような(←)景色が広がっているものと思われます。 おおっ、何だかとってもハイジっぽい♪ もしここに朽ち果てた古い寺院とかがあれば、更に廃寺っぽいムードが高まったものと思われますが、残念ながらそういうものは無かったです。この地点で標高は、えーと…、1853mですか。標高差100mで約0.6℃ほど気温が下がるという計算からすると、海抜0m地帯にある僕の家と比べて、11℃ほど涼しいということになります。さば家の最高気温が34℃だとすると、ここ栂池は23℃。おおっ、涼しい♪ もしかしたら石川県にある珠洲市よりも涼しいかも知れません。で、向こうに見える北アルプルの山々にはまだ、ところどころ白い雪が残っていたりします。あれ、 “万年雪” 言いまんねん。…と、関西人なら思わず自分の知識をひけらかしたくなるところですが、ま、その程度のことは小学生でも知っているような気もするんですけど。

ミズバショウ湿原♪

 で、自然園の遊歩道はしばらく “P1(ミズバショウ湿原)” の中を歩くことになるんですが、これの一体どこがミズバショウなのかと言うと、えーと…、下のほうに見えている葉っぱみたいなヤツですかね? 若い頃、ママさんコーラスをやっていたうちのおかんは、夏が来れば思い出す〜、遥かな尾瀬、遠い空〜 (中略) ミズバショウの花が、咲いている〜♪ (後略) という歌のおかげで、ミズバショウの花は夏に咲くものやん。…と思い込んでいるようですが、それは大きな間違いです。早いところだと5月の連休頃、標高が高くて涼しいこの栂池でも6月中旬から下旬にはもう咲いてしまって、歌に騙されて夏のこの時期にミズバショウ湿原にやって来たおばさん達は、巨大なキャベツの葉っぱみたいになってしまった姿を見て、愕然とするに違いありません。ま、夏は夏で色々な高山植物のお花が咲いておりますので、ミズちゃんオンリーの時期よりも楽しめるような気はするんですけどね。 とまあ、そのお花の写真はまた 別コーナー のほうで紹介しようと思っているんですが、あ、2006年10月中旬の時点でクリックしても、まだ載ってないとは思うんですけど。

 とまあそんなことで、ではここで標高グラフについて簡単に分析しておきましょうかね? けったの場合、快適にダウンヒルで飛ばしている部分と、上り坂に喘いでいる部分、さらには限界を超えて歩いちゃってる場所の判別がしやすいかな?…という理由で、標高と同時に時速のデータもグラフ化していたんですが、歩きの場合はさほど速度には変化があらわれません。 そこで時速の代わりに斜度を載せてみることにしたんですが、とりあえずのところ前半部分は湿原でありますな。湿原というのはですね、基本的に平坦であると考えていいと思います。どうして平坦なのかというと、もし湿原が傾いていたりしたら、高いほうから低いほうへと湿原の水分が流れてしまって、水気が無くなって湿原ではなくなるからなんですが、そのことは傾斜のグラフを見てもよく分かります。一部、傾斜が−15度くらいまで落ち込んでいる箇所がありますが、それはきっと何かの間違いであるものと思われ、お花でも愛でながらのんびりと散策の出来る、そういうコースとなっております。

ワタスゲ湿原♪

 とまあ、そんな感じで 735mほど歩くと “P2(風穴)” に到着することになるんですが、これはいったい何なのかと言うと、ま、風が出てくる穴みたいなものなんですけどね。 “かざあな” ではなくて “ふうけつ” と読むんですが、ま、岩の隙間から冷たい風が出てくるだけやな。…といった感じで、さほど面白いものでもなかったので、特に写真も撮りませんでした。風穴を覗き込んでいる半ケツギャル…というのなら、大いにソソられるものがあるんですけどねー。 “ミズバショウ湿原” は風穴の手前のところで終了して、しばらく微妙な傾斜の上り坂になるんですが、遊歩道の整備が行き届いているので、目の前の北アルプスを眺めながら快適なウォークを堪能することが出来ます。 で、風穴を超えると今度は軽い下りに転じて、その先はまた “ワタスゲ湿原” を横切る平坦なコースとなっております。 で、そこを過ぎれば “P3(楠川)” ということになって、前半はこれにて終了。 河原の部分がちょうどいい休憩スペースになっておりますので、ここで一息入れて、缶入りの “しるこ”でも飲んで、喉を潤しましょう。…って、そんなもん飲んだところで、ちっとも爽やかな気分にはなれないような気もするんですけど。

 で、後半に入ると、ほのぼのとした高原ムードが次第に怪しいものになって来ます。標高グラフを見れば一目瞭然なんですが、ここから先はやや勾配の急な上り坂がしばらく続くことになるんですよね。道幅は狭くなり、足元も悪くなり、お花の数もめっきり少なくなってしまって、あまり面白くはないな。…と思わずにはいられない部分が 500mほど続いて、そこを過ぎて “P4(浮島湿原)” まで来ると、ようやく周囲が開けてきて、気分的にもちょっぴり明るくなったりするんですけど。いやあ、世の中、歩くのならやっぱり湿原に限りますなぁ。 この浮島湿原には、ぐるっと1周することの出来る遊歩道が設けられているんですが、とりあえずは真っ直ぐ歩いて、その先にある “P5(モウセン池)” を目指しましょう。

 この辺りから道路の傾斜はますます急になって来て、ちょっとした登山モードに突入といった感じなんですが、いや、その苦労を忘れてしまうほど、神秘的で美しい池でありましたな、 “モウセン池” は。…というような事はまったくなくて、何や、これかい!…とガックリしちゃうほど、小さくてチンケな池でありましたが、ここで落ち込んでいてはいけません。 あとひと踏ん張りして、本日の最終目的地である “P6(展望湿原)” まで歩かないことには、話にならないわけでありまして、何でも白馬大雪渓が目の前に見える展望抜群♪…の湿原らしいですからね、そこは。 ただ、そこに辿り着くにはしばらく山道を登っていかなければならなくて、ここが最後の頑張りどころであるわけですが、苦しい上り坂が終わって、ようやく緩い下りに転じた先には…、おおっ!!

展望抜群の展望湿原♪

 そこは階段状のベンチになっていて、何だかたくさんのオジサンとオバサンでごったがえしておりましたので、どうやらこれが栂池自然園の最終目的地のようなんですが、ロープウェイから降りた時にはあれほどよかった天気も、いつの間にやらすっかりドン曇りになってしまって、ああん、展望ゼロやんっ!! ここまで苦労して歩いて来た甲斐が、まったくと言っていいほどありませんなぁ。。。 ま、こればかりはどうしようもなくて、一縷の望みに託して30分ほど粘ってみたんですが、結局は駄目で、ま、ここからの眺めはまた、いつかここに戻って来た時のお楽しみという事にしますかねー? で、この展望湿原の先、本来なら行きとは違うルートで浮島湿原まで戻れるコースがある筈なんですが、工事中ということで通行止めになっていて、これもちょっと残念ではありました。 とまあそんなことで、来た道をそのまま戻って、浮島湿原ではちょっぴり寄り道をしたりして、楠川の橋を超えればもう、ロープウェイの駅まではあと一息です。

ロープウェイに乗って、さようなら♪

【総合評価】

 後半はちょっぴり天気が今ひとつでしたが、いやあ、いいところでしたなぁ、栂池自然園。 紅葉シーズンも非常に綺麗なんだそうで。 トレッキングコースとしては “楠川” から先がちょっぴり辛いので、小さなお子様連れやお年寄り、もしくはピンヒールのギャルなどは前半部分だけで引き返したほうが無難ではなかろうかと。展望湿原での展望がまったく期待出来ない天候の時も、無理して上まで行く必要はないかも知れません。 が、ちょっと頑張って “モウセン池” までは行ってみてもいいかも? ま、頑張るだけの価値のある池とも思えないんですけど。 湿原のお花目当てであれば “ワタスゲ湿原” まででも十分に楽しめます。


NEXT